有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/08/29 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
84項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
インサイドセールスのリーディングカンパニーとして、豊富なナレッジで「営業」に変革をもたらし続け、ビジネスの価値向上に貢献してまいります。
(2)経営戦略等
今後の中期的な方向性としては、インサイドセールスを最新ITでデジタル化し、より高品質・高付加価値のサービスを顧客に提供することで、この分野でリーダーシップを発揮し高成長で高収益な企業にしたいと考えております。またクラウドやAIの自社ソリューションを開発・運用するなどの新規事業強化を図ってまいります。具体的な経営戦略は以下のとおりであります。
① 事業概要
当社は、上記の経営方針の下、法人営業の問題を解決する一つの手法としてインサイドセールスに注目してサービスを提供しております。インサイドセールスとは実際には顧客には訪問せずに、内勤で電話やメールまたはWEBなどの様々な営業チャネルを活用し、法人営業の一部のプロセスを担当して実行する営業活動または営業担当者を意味します。従来、一人の担当者がすべての営業プロセスを担当し、また訪問で活動を行う属人的な営業モデルから、プロセス分業で、インサイドセールスで行うプロセスを取り入れるよう業務設計を行い、そのインサイドセールスの実行、そして実行するための道具であるシステム構築を提供するサービス事業を行っております。
② 当社のサービスの意義:法人営業部門における働き方改革を実現する
現在日本国内において、少子化および高齢化の進行に伴い、人手不足による労働力の低下に備えた働き方改革が推進されていますが、当社は企業の法人営業部門における生産性の向上と働きやすい環境づくりをインサイドセールス事業で提供したいと考えております。当社がもたらす変革の例は以下のとおりです。
・属人的な訪問営業(Field Sales)をプロセス分業により、ノウハウの蓄積を促進し、売上増加が可能となる、また戦略立案が可能な組織への変革をもたらします。
・さまざま営業プロセスを訪問で行う=長時間労働が前提の業務環境、営業担当者の数に依存する営業モデルを、ITテクノロジーを利用しやすい内勤で、より効果的に案件発掘・醸成を可能にすることができる業務環境を構築することにより、従来、訪問型のスタイルでは就業が困難であった地方人材、女性やシニア層を労働力に取り込むことができ、新人教育の効率化にも貢献します。
③ インサイドセールスのリーディングカンパニーとしてのポジショニングとデジタルインサイドセールスへの進化を実現する
当社は、日本国内でのインサイドセールス導入・運用サービスの提供者として100社を超える支援実績があり、法人営業部門の効率化を可能にするノウハウを蓄積しています。今後は、AIの技術を取り入れ、デジタルインサイドセールスへ進化させ、より時代にあったスマートな営業スタイルの提供に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高及び売上総利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。
(4)対処すべき課題
当社の対処すべき課題は以下のとおりであります。
① 安定的な人材確保
インサイドセールスアウトソーシングサービスにおいては、人材獲得競争の激化によりタイムリーな人材確保が困難な状況が続いております。このため、地方拠点、特に福岡事業所において中途採用活動の強化を行っております。
② インサイドセールス導入および活用の啓発活動を通した市場規模拡大への寄与
当社インサイドセールス事業は、日本において未だ成長過程にあり、インサイドセールス導入の促進のために当社はこの事業の啓発活動を行っていく必要があります。具体的に、平成26年に発足させた「インサイドセールス研究会」を定期的に開催しており、平成29年11月に第4回目開催を迎え、約250名の参加となり、今後も継続的に開催していく予定です。
③ システムの安定性確保
当社は、インターネットを活用して顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼動の確保は必要不可欠です。そのため、安定してサービスを提供するために顧客社数の増加にあわせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、新しいシステム稼働環境を創造していくことに取り組んでおります。
④ 収益基盤の拡大
当社は、より優れた技術力及びサービスラインの更なる強化が課題の一つであると考えております。そのため、市場の動向を捉えたサービス・製品を継続的に開発・導入していくことが必要であると考えております。当事業年度においては、「Funnel Navigator(インサイドセールス活動を支援するクラウド型ソリューション)」の機能(Webトラッキング機能実装)を強化し、また、インサイドセールス事業、サービスを更に強化するために平成30年5月に「SAIN(インサイドセールス営業支援AI)」の提供を開始しました。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理
当社が継続的な成長を続けるためには、コーポレート・ガバナンスの更なる強化と内部管理体制の強化が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査役監査、内部監査、会計監査及び内部統制システムの整備によりその強化を図ってまいります。