有価証券報告書-第13期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」をビジョンとして掲げ、社会や顧客企業に対して「データに基づいて意思決定を高度化する」ことを当社のミッションであり、社会的役割と位置付けております。生成AI・AIエージェント技術の進展により、分析結果を踏まえた判断・実行・運用までを支援することが可能となった現在、当社はデータサイエンスの専門性とAIエージェント実装力を組み合わせ、企業の意思決定をより一層高度化・加速化する支援を提供してまいります。

(当社サービスの考え方)
当社は経営戦略の方針として、コンサルティングサービスとプロダクトサービスの相乗効果を狙っており、双方の顧客へアプローチするだけでなく、コンサルティングサービスで得た生成AIエージェント活用の知見をプロダクトサービスの拡充に活かすという好循環を目指しております。両サービスにおいて生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めていくことが、当社の安定成長と収益性向上を実現する基本的な方向性です。

(コンサルティングサービスの考え方)
コンサルティングサービスは、当社の事業基盤を支える中核サービスです。創業以来培ってきたデータサイエンスの専門性を基盤として、DX/AIアセスメントからデータ分析・AIモデル構築・システム実装・教育まで一気通貫でのサービス提供を推進します。売上拡大にむけては「大規模×長期化」を基本戦略とし、顧客企業との長期的な信頼関係のもとで複数テーマを実行することで受注金額の拡大を図ってまいります。また蓄積したライブラリーを活用したプロジェクト運営の効率化と利益率の継続的な向上を追求します。
従来型のAIモデル構築・データ分析に加え、生成AIを活用したコンサルティング、AIエージェントの設計・構築・業務組み込みまで含めた支援へと対応範囲を拡張しており、コンサルティングサービスに占める生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めてまいります。
(プロダクトサービスの考え方)
プロダクトサービスは、継続利用・契約に基づくストック型収益を担う成長サービスとして注力してまいります。当社独自AI製品「TDSEシリーズ」の展開に加え、QUID製品・Cognigy・Dify・Databricksなど先端技術を保有する国内外のAI製品を活用したサービスを展開しております。DifyやCognigyをはじめとする生成AIエージェント関連製品の拡充を進めており、プロダクトサービスに占める生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めてまいります。
先進のAI技術を持った国内外企業の調査・連携は継続しており、当該企業が保有するサービス及びプロダクトを取り込んだソリューション展開を図っていくことで、ビジネス拡大を図ってまいります。またサービス開発においては、データ保有企業やサービス企画企業など当社と補完関係を築くことのできる協業企業とともに、サービス開発及び提供を進めてまいります。
(両サービスのシナジーを組成する取組)
コンサルティングサービスとプロダクトサービスは相互に補完・連携する構造です。コンサルティングサービスで得た生成AIエージェント活用の知見・実績がプロダクトサービスの製品開発・拡販に反映され、プロダクトサービスで提供する生成AIエージェント製品がコンサルティングサービスの高度化・効率化を支えます。この好循環によって両サービスにおける生成AIエージェント関連の割合が相乗的に高まり、当社の持続的な成長につながります。
これらの方針のもと、売上高を最重要の経営管理指標として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、生成AIエージェント関連サービスの売上構成比およびストック型収益の比率を重要な経営管理指標として捉え、事業運営してまいります。
(2)中期経営計画
① 前中期経営計画「MISSION 2025」の振り返り
当社は「MISSION 2025」(2023年度~2025年度)において、コンサルティングサービスを中核とした安定的な成長を維持しつつ、プロダクトサービスの育成および生成AI・AIエージェント関連サービスへの取り組みを進めてまいりました。また、成長の選択肢を検討する中で、当社としては、まず本業における実行力と再現性を着実に高めることが、持続的成長の基盤であるとの認識を強めるに至っています。これらの成果と課題認識が、「SHIFT 2028」策定の出発点となっています。
経営管理面においては、次期の重点課題として、計画精度の向上(計画の堅実設定とKPI起点の進捗管理による予実管理の確度強化)および情報開示の再構築(KPI・リスクシナリオの定期開示)に取り組んでまいります。
② 新中期経営計画「SHIFT 2028」のビジョンと方向性
市場環境の不確実性が高まる中、企業においては迅速かつ的確な意思決定を行う能力そのものが競争力となっています。当社はこれまでデータ分析やモデル構築を強みとして顧客企業の高度な意思決定を支援してきましたが、生成AIおよびAIエージェントの進展により、分析結果を踏まえた判断・実行・運用までを含めて支援することが可能となりました。ビジョン・ミッションの達成に向け、当社が中長期に成長した姿を目指すことから、2026年4月より新たな3ヵ年の中期経営計画「SHIFT 2028」(2026年4月~2029年3月)を推進しております。
「SHIFT 2028」のビジョン
③ 「SHIFT 2028」の基本方針 ― 3つの構造転換
「SHIFT 2028」では、今般の生成AI・AIエージェントの進展を技術トレンドではなく、当社のサービス構造および収益モデルを本質的に転換する契機として捉えています。本計画では、テクノロジー、ビジネスモデル、実行体制の三つの観点から、段階的な構造転換を進めていきます。
④ 組織強化にむけた基本取組
「MISSION2025」で得られた学びを元に、次世代成長と信頼向上にむけた再構築を進めます。「SHIFT2028」では、次世代にむけた意思決定支援企業への進化[攻め]と経営管理・ガバナンスの再設定[守り]の両軸で組織強化を図ります。
※詳細な戦略及び施策内容については、2026年5月14日に公開した「事業計画及び成長可能性に関する事項」にて詳しく説明しております。また経営戦略における新サービス・製品の展開については適切なタイミングで各種媒体を通じて開示してまいります。
⑤ 3ヵ年ロードマップ
「SHIFT 2028」では、フェーズ別に以下の変化と全体像を描き、段階的な成長を実現してまいります。
⑥ 目標とする経営指標
新中期経営計画「SHIFT 2028」において、売上高を最重要となる経営管理指標(KGI)として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、コンサルティングサービス・プロダクトサービスの双方にわたる生成AIエージェント売上比率およびストック型収益の売上比率を段階的に高め、成長率の高い領域へのシフトを進めます。これらは当社のサービス構造転換の進捗を測る補助指標(KPI)として位置づけ、事業運営を行ってまいります。
最重要経営管理指標(KGI)
重要経営管理指標
※2028年度の最終目標は設定しますが、初年度である2026年度および次年度の2027年度はビジネス基盤の構築と段階的な成長を図る経過年度と位置づけるため、当該年度の数値目標は非開示とします。
(3)経営環境
経済全体では地政学リスク・インフレ懸念など先行き不透明さが継続しているものの、企業のデジタル技術やAI技術の活用に対する投資意欲は依然として強く、AI市場は中長期的に大きく成長することが予測されています。市場環境の不確実性が高まる中において、企業の迅速かつ的確な意思決定能力そのものが競争力となっており、人のみで判断する従来のモデルからデータとAIの集合知を活用した新たな意思決定モデルへの移行が加速しています。
特にAI市場に占める生成AI領域の割合が高まり、生成AIに関わるサービス醸成に伴い、従来型AIと生成AIの併用が進展し、業務改革やイノベーション創出が進むものと考えられます。当社はコンサルティングサービス・プロダクトサービスの双方において生成AIエージェント関連の対応範囲を継続的に広げており、この市場環境の変化を当社の成長機会として捉えております。
① AI市場・生成AI市場の成長
AI市場は引き続き高い成長が見込まれており、とりわけ生成AI領域の市場規模拡大が著しい状況です。生成AIに関わるサービス醸成に伴い、従来型AIと生成AIの併用が進展し、業務改革やイノベーション創出が加速するものと考えられます。さらにAIエージェント技術の実用化が進むことで、従来は人手に依存していた判断・実行・運用の各プロセスへのAI組み込みが現実のものとなっており、AIが「次世代の労働力」として機能する時代への移行が進んでおります。当社のコンサルティングサービス・プロダクトサービスのいずれにおいても、この市場成長を取り込む機会が拡大しています。

※株式会社富士キメラ総研「2026デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」(2026年3月公表)から当社作成
② ビジネス領域別AI市場の成長
また、ビジネス領域別でAI市場成長を分析すると、AIエージェントを活用した業務自動化・プロセス改革のニーズが急速に拡大しており、製造・金融・流通・サービスなど広範な産業でAI活用投資が増加しています。企業はデータ活用基盤の整備にとどまらず、AIエージェントによる意思決定支援・自律的業務実行の実装へと投資の重点を移しつつあります。これら生成AIの需要増大はストック型収益拡大の追い風となっており、人月ビジネスに依存しない継続課金型ビジネスモデルへの移行を求める当社のサービス構造転換の方向性と合致しています。

※株式会社富士キメラ総研「2026デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」(2026年3月公表)から当社作成
③ 生成AI・エージェント市場の競合環境と当社の位置づけ
生成AI・AIエージェント市場では、大手IT企業・コンサルティングファーム・スタートアップなど多様なプレイヤーが参入し、競争が激化しています。一方で、データサイエンスの高度な専門性を核としたコンサルティングサービスと、主要AIプラットフォームとのパートナーシップに基づく生成AIエージェント対応製品群を組み合わせて提供できる事業者は限られており、当社はこの強みと500社超の顧客基盤を活かして差別化された市場地位を確立してまいります。
コンサルティングサービスにおいては、従来型AIの需要が生成AIに代替される局面もある一方で、高精度な予測モデルや業界固有のAI活用では引き続き専門性の高いコンサルティングニーズが持続すると見込まれます。当社は従来型AIで培った専門性を生成AI・AIエージェント技術と統合し、分析提供にとどまらず判断・実行・運用までを見据えた意思決定支援を提供することで、顧客企業の多様かつ変化するニーズに継続的に対応してまいります。
(4)対処すべき課題
当社はコンサルティング事業を中核とした安定顧客基盤を維持しつつ、SNSマーケティング市場において高成長が期待されるプロダクト事業、および生成AI・エージェント領域にむけた取り組みの一環としてAIエージェント事業を立ち上げ、成長事業の核となるよう取り組んでまいりました。その結果、プロダクト事業およびAIエージェント事業は、当社の売上構成において新たな成長寄与領域としての確かな手応えを得るに至っております。一方で顧客企業の経営層の関心がAI精度向上から現場ですぐ使えるAIによる効率化ニーズの高まりや意思決定スピードの加速を背景に、従来の分析提供にとどまらず、生成AIを用いた判断・実行までを見据えた支援への進化が求められる局面にあることも明確になりました。また成長の選択肢を検討する中で、当社としては、まず本業における高品質・開発期間の長いオーダーメイドAI構築から、生成AIを組み合わせたAI活用へ切り替えることが、持続的成長の基盤であるとの認識を強めるに至っています。これらの成果と課題認識を踏まえ、新たな中期経営計画「SHIFT 2028」を策定いたしました。
「SHIFT 2028」のテーマ
「SHIFT 2028」では、今般の生成AI・エージェント市場の進展を当社の事業構造および収益モデルを本質的に転換する契機として捉えています。本計画では、テクノロジー、ビジネスモデル、実行体制の三つの観点から、段階的な構造転換を進めてまいります。
① 成長軸の転換(従来型AIから生成AIへ)
当社の技術的な成長軸を従来型AIから生成AIへと明確に転換します。従来型AI分野で培ってきたアルゴリズム設計、データ活用、業務理解に関する知見を基盤に、生成AIの活用領域へ事業の重心を移し、従来型AIと生成AIを組み合わせた高付加価値なソリューション提供を推進します。これにより、分析提供にとどまらず、判断・実行までを見据えた意思決定支援を強化し、生成AI・エージェントを中核とした事業領域への展開を進めていきます。
② 収益構造の転換(フロー型からストック型へ)
収益構造については、フロー型収益を中心としたモデルから、プラットフォーム・インフラを含むストック型収益の比重を段階的に高める方向へ転換します。生成AIの普及を背景に、短期的には、売上の積み上げに着目し、安定性・継続性・再現性の高い売上構成へと転換することで、収益基盤の強化を図ります。これにより、継続的な価値提供が可能なビジネスモデルの確立を進めていきます。その上で中長期的には、生成AIやエージェントの高度化ならびにそれらを起点とした案件創出を通じて付加価値を拡張し、将来的に長期間にわたり利益を生み出し続けることができる事業構造の構築を目指します。
③ 営業組織および技術組織の再設計による実行力強化
このため、営業機能については、トップマネジメントが関与する体制のもとで全社的に集約し、生成AI・エージェントに対する顧客ニーズを起点とした提案活動を強化します。既存顧客および新規顧客への対応を全体戦略として統合的にマネジメントすることで、顧客理解の深化、提案の質とスピードの向上、ならびに売上ポートフォリオ転換の着実な実行を図ります。
あわせて、技術組織についても、生成AI・エージェントを中心とした開発機能の再編を進め、技術知見や開発成果を全社で共有・活用するとともに生産性の高い体制へ刷新します。これにより、技術進化への対応力を高めるとともに、営業活動と連動した製品・サービス開発を可能とし、技術と営業がそれぞれの役割を明確にしながら、高い連携を実現する組織運営を目指します。
これら方針のもと、売上高を主要な経営管理指標として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、生成AI・エージェント関連案件およびプロダクトが関与する売上の構成比を段階的に高め、成長率の高い領域へのシフトを進めていき、その進捗を測る指標として、生成AI・エージェント関連サービスの売上構成比や、ストック型収益の比率を補助指標として捉え、事業運営してまいります。
(1)経営方針
当社は、「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」をビジョンとして掲げ、社会や顧客企業に対して「データに基づいて意思決定を高度化する」ことを当社のミッションであり、社会的役割と位置付けております。生成AI・AIエージェント技術の進展により、分析結果を踏まえた判断・実行・運用までを支援することが可能となった現在、当社はデータサイエンスの専門性とAIエージェント実装力を組み合わせ、企業の意思決定をより一層高度化・加速化する支援を提供してまいります。

(当社サービスの考え方)
当社は経営戦略の方針として、コンサルティングサービスとプロダクトサービスの相乗効果を狙っており、双方の顧客へアプローチするだけでなく、コンサルティングサービスで得た生成AIエージェント活用の知見をプロダクトサービスの拡充に活かすという好循環を目指しております。両サービスにおいて生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めていくことが、当社の安定成長と収益性向上を実現する基本的な方向性です。

(コンサルティングサービスの考え方)
コンサルティングサービスは、当社の事業基盤を支える中核サービスです。創業以来培ってきたデータサイエンスの専門性を基盤として、DX/AIアセスメントからデータ分析・AIモデル構築・システム実装・教育まで一気通貫でのサービス提供を推進します。売上拡大にむけては「大規模×長期化」を基本戦略とし、顧客企業との長期的な信頼関係のもとで複数テーマを実行することで受注金額の拡大を図ってまいります。また蓄積したライブラリーを活用したプロジェクト運営の効率化と利益率の継続的な向上を追求します。
従来型のAIモデル構築・データ分析に加え、生成AIを活用したコンサルティング、AIエージェントの設計・構築・業務組み込みまで含めた支援へと対応範囲を拡張しており、コンサルティングサービスに占める生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めてまいります。
(プロダクトサービスの考え方)
プロダクトサービスは、継続利用・契約に基づくストック型収益を担う成長サービスとして注力してまいります。当社独自AI製品「TDSEシリーズ」の展開に加え、QUID製品・Cognigy・Dify・Databricksなど先端技術を保有する国内外のAI製品を活用したサービスを展開しております。DifyやCognigyをはじめとする生成AIエージェント関連製品の拡充を進めており、プロダクトサービスに占める生成AIエージェント関連の割合を継続的に高めてまいります。
先進のAI技術を持った国内外企業の調査・連携は継続しており、当該企業が保有するサービス及びプロダクトを取り込んだソリューション展開を図っていくことで、ビジネス拡大を図ってまいります。またサービス開発においては、データ保有企業やサービス企画企業など当社と補完関係を築くことのできる協業企業とともに、サービス開発及び提供を進めてまいります。
(両サービスのシナジーを組成する取組)
コンサルティングサービスとプロダクトサービスは相互に補完・連携する構造です。コンサルティングサービスで得た生成AIエージェント活用の知見・実績がプロダクトサービスの製品開発・拡販に反映され、プロダクトサービスで提供する生成AIエージェント製品がコンサルティングサービスの高度化・効率化を支えます。この好循環によって両サービスにおける生成AIエージェント関連の割合が相乗的に高まり、当社の持続的な成長につながります。
これらの方針のもと、売上高を最重要の経営管理指標として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、生成AIエージェント関連サービスの売上構成比およびストック型収益の比率を重要な経営管理指標として捉え、事業運営してまいります。
(2)中期経営計画
① 前中期経営計画「MISSION 2025」の振り返り
当社は「MISSION 2025」(2023年度~2025年度)において、コンサルティングサービスを中核とした安定的な成長を維持しつつ、プロダクトサービスの育成および生成AI・AIエージェント関連サービスへの取り組みを進めてまいりました。また、成長の選択肢を検討する中で、当社としては、まず本業における実行力と再現性を着実に高めることが、持続的成長の基盤であるとの認識を強めるに至っています。これらの成果と課題認識が、「SHIFT 2028」策定の出発点となっています。
経営管理面においては、次期の重点課題として、計画精度の向上(計画の堅実設定とKPI起点の進捗管理による予実管理の確度強化)および情報開示の再構築(KPI・リスクシナリオの定期開示)に取り組んでまいります。
② 新中期経営計画「SHIFT 2028」のビジョンと方向性
市場環境の不確実性が高まる中、企業においては迅速かつ的確な意思決定を行う能力そのものが競争力となっています。当社はこれまでデータ分析やモデル構築を強みとして顧客企業の高度な意思決定を支援してきましたが、生成AIおよびAIエージェントの進展により、分析結果を踏まえた判断・実行・運用までを含めて支援することが可能となりました。ビジョン・ミッションの達成に向け、当社が中長期に成長した姿を目指すことから、2026年4月より新たな3ヵ年の中期経営計画「SHIFT 2028」(2026年4月~2029年3月)を推進しております。
「SHIFT 2028」のビジョン
| 『次世代労働力としてのエージェント(データとAIの集合知)と、人が共存・共創する社会へのシフト』を掲げ、生成AI・AIエージェントを活用することで、人の意思決定を拡張し、企業経営のスピードと質を高める支援を提供していきます。 |
③ 「SHIFT 2028」の基本方針 ― 3つの構造転換
「SHIFT 2028」では、今般の生成AI・AIエージェントの進展を技術トレンドではなく、当社のサービス構造および収益モデルを本質的に転換する契機として捉えています。本計画では、テクノロジー、ビジネスモデル、実行体制の三つの観点から、段階的な構造転換を進めていきます。
| 種 類 | 内 容 |
| ⅰ)成長軸の転換 従来型AI→生成AI | ・従来型AIで培ったアルゴリズム設計・データ活用・業務理解の知見を基盤に、生成AIの活用領域へ事業の重心を移す ・分析提供にとどまらず、判断・実行・運用までを含めた意思決定支援を強化 ・コンサルティングサービス・プロダクトサービスの双方において生成AIエージェント関連の割合を継続的に高める ※[指標]生成AI売上構成比を経営管理指標へ |
| ⅱ)収益構造の転換 フロー型→ストック型 | ・プロダクトサービスを中心にストック型収益の比重を段階的に高める ・QUID・KAIZODEの機能拡充とAIEO対応。Dify・Cognigy等の生成AIエージェント製品の継続利用・基盤運用を増加 ・安定性とスケーラビリティの高い収益構造への移行で、持続的成長基盤を確立 ※[指標]ストック売上比率を経営管理指標へ |
| ⅲ)実行体制の転換 分散組織→集約・融合 | ・営業機能をトップ関与のもと全社集約。生成AIエージェントへの顧客ニーズを起点とした提案活動を強化 ・技術組織を生成AI・AIエージェントに特化する形で再編。知見を全社で共有・活用できる体制へ刷新 ・営業と技術が役割を明確にしつつ高い連携を実現するクロスファンクショナル体制へ ※[指標]組織再編完了2026 / 生成AI案件人材増強 |
④ 組織強化にむけた基本取組
「MISSION2025」で得られた学びを元に、次世代成長と信頼向上にむけた再構築を進めます。「SHIFT2028」では、次世代にむけた意思決定支援企業への進化[攻め]と経営管理・ガバナンスの再設定[守り]の両軸で組織強化を図ります。
| 区分 | 内 容 |
| 攻めの領域 | トップマネジメントが機能する営業組織の集約と機能 |
| AIエージェント事業の技術組織への統合と生成AI領域での再編 | |
| 守りの領域 | 経営管理の精緻化に向けた予実管理の確度向上 |
| 経営の透明性を担保するための各種プロセス指標による進捗管理 |
※詳細な戦略及び施策内容については、2026年5月14日に公開した「事業計画及び成長可能性に関する事項」にて詳しく説明しております。また経営戦略における新サービス・製品の展開については適切なタイミングで各種媒体を通じて開示してまいります。
⑤ 3ヵ年ロードマップ
「SHIFT 2028」では、フェーズ別に以下の変化と全体像を描き、段階的な成長を実現してまいります。
| 年 目 | 内 容 |
| 2026年度(初年度) 構造改革による設計改善 | 会社の「設計図」を作り直す年 目的:何をどう伸ばす会社であるかを明確に、基盤を整える ・営業&技術構造改革 ・ストック型収益の再定義と収益源準備 ・生成AIエージェントビジネス基盤構築 |
| 2027年度(2年目) 設計改善後の成長加速 | 整えた設計図で「実際に伸ばす」年 目的:1年目で整えた基盤を使い、成長と効率を数字で示す ・提案力強化 ・ストック型収益拡大 ・テンプレート量産 |
| 2028年度(最終年度) 成長加速を経てモデル確立 | 積み上げた成果を価値として成長する年 目的:成長の実績を市場に認識させ、企業価値を引き上げる ・成果連動型確立 ・ストック30%達成・生成AIエージェント60%達成 ・売上38~43億円実現 |
⑥ 目標とする経営指標
新中期経営計画「SHIFT 2028」において、売上高を最重要となる経営管理指標(KGI)として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、コンサルティングサービス・プロダクトサービスの双方にわたる生成AIエージェント売上比率およびストック型収益の売上比率を段階的に高め、成長率の高い領域へのシフトを進めます。これらは当社のサービス構造転換の進捗を測る補助指標(KPI)として位置づけ、事業運営を行ってまいります。
最重要経営管理指標(KGI)
| KGI | 2025年度 実績 | 2028年度 目標 | 年平均成長率 (CAGR) |
| 売上高 | 30億円 | 38~43億円 | 2028年度/2025年度 年平均8.2%~12.7%成長 |
重要経営管理指標
| KPI | 定義 | 2025年度 実績 | 2028年度 目標 |
| 生成AIエージェント 売上比率 | 生成AI・エージェント関連サービスおよびプロダクトが関与する売上高の売上高全体に対する割合 | 約30% | 60% |
| ストック売上比率 | 継続利用・契約に基づくストック型収益の売上高全体に対する割合 | 約20% | 30% |
※2028年度の最終目標は設定しますが、初年度である2026年度および次年度の2027年度はビジネス基盤の構築と段階的な成長を図る経過年度と位置づけるため、当該年度の数値目標は非開示とします。
(3)経営環境
経済全体では地政学リスク・インフレ懸念など先行き不透明さが継続しているものの、企業のデジタル技術やAI技術の活用に対する投資意欲は依然として強く、AI市場は中長期的に大きく成長することが予測されています。市場環境の不確実性が高まる中において、企業の迅速かつ的確な意思決定能力そのものが競争力となっており、人のみで判断する従来のモデルからデータとAIの集合知を活用した新たな意思決定モデルへの移行が加速しています。
特にAI市場に占める生成AI領域の割合が高まり、生成AIに関わるサービス醸成に伴い、従来型AIと生成AIの併用が進展し、業務改革やイノベーション創出が進むものと考えられます。当社はコンサルティングサービス・プロダクトサービスの双方において生成AIエージェント関連の対応範囲を継続的に広げており、この市場環境の変化を当社の成長機会として捉えております。
① AI市場・生成AI市場の成長
AI市場は引き続き高い成長が見込まれており、とりわけ生成AI領域の市場規模拡大が著しい状況です。生成AIに関わるサービス醸成に伴い、従来型AIと生成AIの併用が進展し、業務改革やイノベーション創出が加速するものと考えられます。さらにAIエージェント技術の実用化が進むことで、従来は人手に依存していた判断・実行・運用の各プロセスへのAI組み込みが現実のものとなっており、AIが「次世代の労働力」として機能する時代への移行が進んでおります。当社のコンサルティングサービス・プロダクトサービスのいずれにおいても、この市場成長を取り込む機会が拡大しています。

※株式会社富士キメラ総研「2026デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」(2026年3月公表)から当社作成
② ビジネス領域別AI市場の成長
また、ビジネス領域別でAI市場成長を分析すると、AIエージェントを活用した業務自動化・プロセス改革のニーズが急速に拡大しており、製造・金融・流通・サービスなど広範な産業でAI活用投資が増加しています。企業はデータ活用基盤の整備にとどまらず、AIエージェントによる意思決定支援・自律的業務実行の実装へと投資の重点を移しつつあります。これら生成AIの需要増大はストック型収益拡大の追い風となっており、人月ビジネスに依存しない継続課金型ビジネスモデルへの移行を求める当社のサービス構造転換の方向性と合致しています。

※株式会社富士キメラ総研「2026デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」(2026年3月公表)から当社作成
③ 生成AI・エージェント市場の競合環境と当社の位置づけ
生成AI・AIエージェント市場では、大手IT企業・コンサルティングファーム・スタートアップなど多様なプレイヤーが参入し、競争が激化しています。一方で、データサイエンスの高度な専門性を核としたコンサルティングサービスと、主要AIプラットフォームとのパートナーシップに基づく生成AIエージェント対応製品群を組み合わせて提供できる事業者は限られており、当社はこの強みと500社超の顧客基盤を活かして差別化された市場地位を確立してまいります。
コンサルティングサービスにおいては、従来型AIの需要が生成AIに代替される局面もある一方で、高精度な予測モデルや業界固有のAI活用では引き続き専門性の高いコンサルティングニーズが持続すると見込まれます。当社は従来型AIで培った専門性を生成AI・AIエージェント技術と統合し、分析提供にとどまらず判断・実行・運用までを見据えた意思決定支援を提供することで、顧客企業の多様かつ変化するニーズに継続的に対応してまいります。
(4)対処すべき課題
当社はコンサルティング事業を中核とした安定顧客基盤を維持しつつ、SNSマーケティング市場において高成長が期待されるプロダクト事業、および生成AI・エージェント領域にむけた取り組みの一環としてAIエージェント事業を立ち上げ、成長事業の核となるよう取り組んでまいりました。その結果、プロダクト事業およびAIエージェント事業は、当社の売上構成において新たな成長寄与領域としての確かな手応えを得るに至っております。一方で顧客企業の経営層の関心がAI精度向上から現場ですぐ使えるAIによる効率化ニーズの高まりや意思決定スピードの加速を背景に、従来の分析提供にとどまらず、生成AIを用いた判断・実行までを見据えた支援への進化が求められる局面にあることも明確になりました。また成長の選択肢を検討する中で、当社としては、まず本業における高品質・開発期間の長いオーダーメイドAI構築から、生成AIを組み合わせたAI活用へ切り替えることが、持続的成長の基盤であるとの認識を強めるに至っています。これらの成果と課題認識を踏まえ、新たな中期経営計画「SHIFT 2028」を策定いたしました。
「SHIFT 2028」のテーマ
| 次世代労働力としてのエージェント(データとAIの集合知)と、人が共存・共創する社会へのシフト |
「SHIFT 2028」では、今般の生成AI・エージェント市場の進展を当社の事業構造および収益モデルを本質的に転換する契機として捉えています。本計画では、テクノロジー、ビジネスモデル、実行体制の三つの観点から、段階的な構造転換を進めてまいります。
① 成長軸の転換(従来型AIから生成AIへ)
当社の技術的な成長軸を従来型AIから生成AIへと明確に転換します。従来型AI分野で培ってきたアルゴリズム設計、データ活用、業務理解に関する知見を基盤に、生成AIの活用領域へ事業の重心を移し、従来型AIと生成AIを組み合わせた高付加価値なソリューション提供を推進します。これにより、分析提供にとどまらず、判断・実行までを見据えた意思決定支援を強化し、生成AI・エージェントを中核とした事業領域への展開を進めていきます。
② 収益構造の転換(フロー型からストック型へ)
収益構造については、フロー型収益を中心としたモデルから、プラットフォーム・インフラを含むストック型収益の比重を段階的に高める方向へ転換します。生成AIの普及を背景に、短期的には、売上の積み上げに着目し、安定性・継続性・再現性の高い売上構成へと転換することで、収益基盤の強化を図ります。これにより、継続的な価値提供が可能なビジネスモデルの確立を進めていきます。その上で中長期的には、生成AIやエージェントの高度化ならびにそれらを起点とした案件創出を通じて付加価値を拡張し、将来的に長期間にわたり利益を生み出し続けることができる事業構造の構築を目指します。
③ 営業組織および技術組織の再設計による実行力強化
このため、営業機能については、トップマネジメントが関与する体制のもとで全社的に集約し、生成AI・エージェントに対する顧客ニーズを起点とした提案活動を強化します。既存顧客および新規顧客への対応を全体戦略として統合的にマネジメントすることで、顧客理解の深化、提案の質とスピードの向上、ならびに売上ポートフォリオ転換の着実な実行を図ります。
あわせて、技術組織についても、生成AI・エージェントを中心とした開発機能の再編を進め、技術知見や開発成果を全社で共有・活用するとともに生産性の高い体制へ刷新します。これにより、技術進化への対応力を高めるとともに、営業活動と連動した製品・サービス開発を可能とし、技術と営業がそれぞれの役割を明確にしながら、高い連携を実現する組織運営を目指します。
これら方針のもと、売上高を主要な経営管理指標として位置づけ、着実かつ堅固な成長の確保に取り組んでまいります。あわせて、生成AI・エージェント関連案件およびプロダクトが関与する売上の構成比を段階的に高め、成長率の高い領域へのシフトを進めていき、その進捗を測る指標として、生成AI・エージェント関連サービスの売上構成比や、ストック型収益の比率を補助指標として捉え、事業運営してまいります。