有価証券報告書-第8期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 13:36
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「新しい価値を創造し、変化をもたらす次世代のチャレンジャー」を経営ビジョンとして定めており、企業の行動規範となる「Compliance」と「CSR」や、当社の強みである「CoreCompetence」を武器として、新しい価値を見出す創造性を大切にする経営方針(TripleC+C)を定めています。
経営方針[TripleC+C]
① Compliance法令遵守だけでなく、社会人としての倫理観・正義・マナーの社会的規範などの遵守を求めます。
② CSR本業を通じて社会に貢献していく。顧客満足の向上を目指し、ソリューションを競争力ある価値の高いものにします。
③ CoreCompetence①②で培った企業土壌を柱として、自社を特徴づける3つの特長「技術」・「人材」・「ネットワーク」を強化します。
④ Creating New Values当社の強みを武器として、新しい価値を見出す創造性を大切に事業を推進します。



(中長期的な経営戦略)
近年、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するために、AIを活用したビジネス課題の解決を目的とした取り組みが進んでいるものの、自社が抱えている課題の認識およびAIにおける解決するための見識や知識が不足している状況であることから、これらの戦略策定に必要となるDX/AIコンサルティングのニーズが高まっております。また、AI関連技術はITにおける要素技術の一つとして様々なシステムに組み込まれることから、大企業を中心に、本格的なAIシステム導入が進み、AIシステム構築の領域が大きく拡大していくことが予想されます。
これら市場の成長性を見据え、当社は『AIを中心とした統合型ソリューション企業』を目指し、コンサルティングサービスの充実とサブスクリプションサービス拡大を進めるとともに、成長可能性が高い領域でのソリューションを充実させてまいります。実現にむけては、資本提携など他企業とのアライアンスを積極的に推進していくことで、必要な人材や技術を獲得いたします。中長期的な企業価値の向上を果たすためには、絶えず戦略の見直しを行い、人材の柔軟な配置や、先行投資を進めながら、事業の強化を図ってまいります。
図:当社が目指す企業像

当社は経営戦略の方針として、サブスクリプションサービスとコンサルティングサービスの相乗効果が起きるようなビジネスを目指します。設立以来、常に最先端の解析技術を駆使したサービスを提供することを重要戦略として位置付けており、様々な業種・業界で得られた経験を通じて、新たなプロダクト構想に向けたアイデア抽出を進めているとともに、プロジェクトの効率化運営に活かすこととしています。
図:経営戦略イメージ

(コンサルティングサービスの考え方)
現在の中核ビジネスであるコンサルティングサービスは、売上拡大にむけて、大規模×長期化を目指しております。具体的には、データ利活用を全社的に推進しようとしている企業もしくは、より拡大しようとしている企業を攻略先として定め、DX/AIアセスメント~データ解析/AIモデル構築~AIシステム実装/運用まで一気通貫でのサービス提供を進めることとしています。また、顧客企業との関係性については、当社サービスを通じて信頼を獲得し、同一顧客にて複数のテーマを実行することで、受注金額拡大を図ることとしております。当社はコンサルティングメニューを強化し、中長期にわたり顧客への経営支援を行う体制を構築し、安定的な収益基盤として強化してまいります。さらに顧客と共にサービス展開を実施していく事業参加型案件の獲得とそれを担う人材の獲得及び育成による生産性向上策を進めてまいります。
また蓄積したライブラリーを活用したプロジェクト運営の効率化、また自社開発した解析用AIエンジンの活用を進め、プロジェクト毎の工数を短縮し、利益率の向上を図ってまいります。
(サブスクリプション・サービスの考え方)
当社は顧客・協業先と進めてきた数多くのプロジェクトを通じ、解析技術等のノウハウをライブラリーとして蓄積し、自社AI製品「scorobo」やAIモジュールの充実を図っております。また、NetbaseやCognigyなど先端技術を保有する海外AI製品を活用して、国内企業向けサービスを展開しております。先進のビッグデータ活用技術やAI技術を持った国内外企業の調査は継続しており、当該企業が保有するサービス及びプロダクトを取り込んだソリューション展開を図っていくことで、ビジネス拡大を図ってまいります。また、サービス開発においては、データ保有企業やサービス企画企業など当社と補完関係を築くことのできる協業企業とともに、サービス開発及び提供を進めてまいります。サブスクリプションサービスは、当社の将来基盤を築き上げる成長事業として最も注力してまいります。
図:今後の収益拡大のイメージ

当社はAI製品やAIモジュールの提供開始時において、顧客企業より初期設定費としてコンサルティングフィーを受領し、その後、顧客から継続的な使用料や運用保守料を受領するサービスの形態をコンサルティングサービスとサブスクリプションサービスの融合と考えており、このハイブリッド形態のビジネスを多くの顧客企業に展開することで収益の拡大を図っていくことを目指します。
(目標とする経営指標)
新型コロナウィルスによる社会全体への影響はあるものの、コロナ対策と並行して事業の継続や売上の維持、顧客接点を強化していくために、企業の早急なICT投資が増加していくことが予想され、DXやAI技術活用に対する企業のニーズは高く、当社引き合いも増加傾向であると認識しております。
2022年3月期については、本業を通じて得られる事業収益/利益を経営の主な指標として定めており、売上高15.8億円(対前年比119%)、営業利益1.0億円(対前年198%)を目指すこととしております。
図:2022年3月期事業計画

(経営戦略を実現するための重点施策)
今後のAI市場の成長動向を踏まえ、当社が目指していく企業像や経営戦略を実現していくため、2022年3月期に重点的に取り組む事項の方向性および施策を策定しております。これらを遂行するための必要な人材確保を進めると同時に、相互に強みを補完できる企業と共創してサービス企画や開発を進めていきます。
図:2022年3月期重点取組の方向性

① DX/AIアセスメント等のビジネス領域におけるコンサルティング強化
顧客企業のAI人材不足の現状を踏まえ、当社データサイエンティストやコンサルタントが顧客と並走しながら、過去の経験と知見より、企業がデータ利活用できるシーンの拡大を推進します。
② 既存製品のサービス拡張および新サービスの開発
当社強みを活かし、顧客ニーズからA~Dに挙げた4つの分類で、[市場規模] [実現性] [収益] [リスク]などを俯瞰的に判断した上でビジネスを展開します。
③ AI(機械学習)システム実装に向けたコンサルティングの強化
AIは蓄積されたデータを元に再学習し、その精度を高めていくという特性があることから、運用を含めたAIシステム実装のコンサルティングを強化します。
これら3つの重点施策に対して、企業としてPDCAサイクルを早期に回していくことにより、実効性かつ効率的な事業運営を進めていくよう推進してまいります。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症の影響は続くものの、今後のワクチン接種の進展により、国内外の経営環境は徐々にではあるが回復が見込まれます。
情報サービス産業においても、企業のIT投資意欲に短期的な影響を受けるものの、新型コロナウイルスの影響により露呈した社会共通の課題を解決するには、ITやAIの技術要素活用が大きく期待されることから、中長期的な投資は依然として強く、当社が事業を営むAI・ビッグデータ市場は、大きく成長すると予想されます。
特に先端解析技術革新の潮流を背景に、当社の事業領域であるAIビジネスは急速な成長が見込まれ、当社の経営環境には追い風が吹くと認識しております。今後も当社データサイエンティストによるコンサルティングメニュー、AI製品「scorobo」の性能への注目がより高まるよう努め、事業拡大に注力してまいります。
(参考)AI(人工知能)ビジネス国内市場予測について
企業のIT投資は新型コロナの影響は受けるものの、この事態で露呈した社会共通の課題を解決するには、ITやAIの技術要素活用が大きく期待すると考えられます。2022年度は1兆4,634億円、2025年度には1兆9,367億円になると見込まれます。
・ AI関連技術はITにおける要素技術の一つとして様々なシステムに組み込まれると見られ、サービス市場が急成長すると予測されます。
・ またユーザー企業によっては、AIに求める要件・ニーズが異なるため、個別構築するケースが多く、分析サービスではなく、AI構築サービスの比率が向上することも予想されます。
・ 構築したAI環境のライフサイクルを長期的にサポートするため、運用・保守比率が上昇することが予想されます。


出典:株式会社富士キメラ総研「2020 人工知能ビジネス総調査」(2020年9月公表)
(3) 対処すべき課題
2020年初頭から新型コロナウイルスが世界各地で流行することとなり、企業の社会活動や国民の生活は、感染拡大防止を前提とした行動に変容しました。
経済全体では、米中など海外経済の持ち直しで輸出や生産活動が回復しており、日本においても、 日銀にて公表される業況判断指数(DI)を参照すると、製造業はコロナ感染拡大前の水準を回復している。一方で、非製造業は対照的に旅客業・外食産業・小売業の一部で影響が長引いており、業界、業態での二極化 が進んでいます。
当社は、早期にリモートワークを軸とした社員の働き方改革を推進し、非対面での営業推進やデジタル技術等を用いたマーケティングの強化を進めてまいりました。また、顧客企業のデータ経営を支援するためのコンサルティング体制強化を図り、需要の回復局面に対応できるよう準備を進めると共に、非対面でのサービスを実現できる対話型AI「Cognigy」を活用したサービス提供やSNSデータ解析ツール「Netbase」の追加サービス開発と拡販を推進してまいりました。
① 中長期的な成長に向けた事業の強化
今後、AI関連技術はITにおける要素技術の一つとして様々なシステムに組み込まれることから、大企業を中心に、本格的なAIシステム導入が進み、AIシステム構築の領域が大きく拡大することが予想されます。
実用的なAIシステム導入が加速していく市場の成長を見据え、当社は『AIを中心とした統合型ソリューション企業』への変貌を目指し、AI製品等によるサブスクリプションサービス拡大を進めるとともに、成長可能性の高い領域でのソリューションを充実してまいります。当社は、AI統合型ソリューション事業への拡大を推進していくため、実現にむけては資本提携・業務提携など他企業とのアライアンスを積極的に推進いたします。中長期的な企業価値の向上を果たすためには、絶えず戦略の見直しを行い、人材の柔軟な配置や、先行投資を進めながら、事業の強化を図ってまいります。
② 成長戦略について
当社は、AIノウハウを軸としたコンサルティングサービスと、「scorobo」「Netbase」「Cognigy」などのAI製品を活用したサブスクリプションサービスの両軸で成り立っております。今後、この二つのサービスを強化・融合させながら、またサブスクリプションサービスの売上比率を向上させるため、成長戦略を実行してまいります。
そのために、3つのコア・コンピタンスである[ 国内最高峰のデータサイエンティスト集団 ]、[ 幅広い領域で活かせるAI技術を保有するライブラリー「scorobox」]、[ AIビジネスを推進する企業や大学・研究機関等の協業ネットワーク ]を活かしてまいります。当社の成長戦略の実現には、特にAI製品・モジュールの導入によるサブスクリプションサービス拡充が必要であり、以下③~⑦に記載の施策を全社で取り組んでまいります。
③ サブスクリプションサービスの強化について
・当社AI製品「scorobo」等の拡充
当社は創業以来、数多くのAI技術を蓄積するライブラリー「scorobox」の充実を図っております。ここに蓄積されたAI技術は、広い範囲での応用が可能であり、様々な業界に展開させることができますが、データを大量に保有する企業と共創して、推し進めていく必要があります。
現在、数多くのビジネスアイデアを活かしつつ、複数企業との研究開発やサービス企画を進めています。具体的な取組として、東京電力パワーグリッド株式会社と進めてきたディープラーニング技術を用いた画像点検ソリューションをインフラ保全サービスとして他企業に展開していくなど、サブスクリプションサービス拡充にむけた様々な取組を推進させております。
・他社AI製品の調査研究及び展開
当社独自AI製品「scorobo」の充実に加えて、「Netbase」「Cognigy」をはじめとするグローバルで活用されている他社AI製品の活用を増やすことで、サブスクリプションモデルの充実を図ってまいります。当社は、国内及び米国シリコンバレーをはじめとする欧米各国での調査研究に注力しており、当社ビジネスに寄与する競争力の高いベンチャー企業を発掘し、ビジネス連携を進めてまいります。
(注)
Netbase :米国発、TwitterなどのSNS投稿をリアルタイムで分析できる自然言語解析技術(NLP)を有するAI製品です。競合サービス分析やキャンペーン反応から消費者の興味・関心度が分析でき、また炎上防止やリスク分析など様々な用途に活かすことができます。50以上の言語に対応しています。
Cognigy :ドイツ発、VUIやChatbotなど音声やテキストによる対話サービスに対して、最先端の22言語に対応した自然言語処理 (NLP)と自然言語理解 (NLU)技術を用いて自動応答を可能とする対話型AIプラットフォーム製品です。ユーザーインターフェイスに優れ、LINE・Facebook・Slack・WhatsApp・Twilioなど20以上のコミュニケーションツールと連携可能で、短期間で業務システムと連携した自動化サービスを構築することができます。音声やテキストによるCRMと連携した24時間顧客問合せの自動応答や、販売オーダーの自動化に至っては決済機能と連携することで一貫した顧客サービスが実現できるなど、対話接点がある業務に関し、幅広くサービスを提供することができます。
④ 技術力の強化
・専門人材の確保について
当社は、技術革新の変化が著しいAI市場において、より先進的なサービスを創出していくため、各学会への参加や協業先との連携等により、成長の基盤となる技術力の向上に努めております。
また、各大学・大学院やAI業界団体等とのネットワークを活用し、高度な技術を保有する人材の確保に努めております。さらに各顧客企業の業務の知識並びにスキルを有した人材を確保し、業界の慣例・知識の習得及び教育を進めてまいります。
・スピードに対応できる組織運営
AI業界は競合他社も多く、顧客企業のニーズも多様化しており、これらニーズにいち早く対応する必要があります。当社は、決定スピードを早め、激しい環境変化に対しても適切な判断ができるよう、フレキシブルな人員配置を行える体制を構築し、競合先と渡り合える製品・サービスの企画・開発を行ってまいります。
⑤ 営業力の強化
・デジタルマーケティングの強化
当社が事業拡大を進めていくにあたって、WEBによる情報発信及び顧客と当社のコミュニケーションが重要であることから、デジタルマーケティング等のデジタル技術を活用した市場への訴求力強化は欠かせません。具体的に自社の導入事例やデータ利活用方法論を題材としたWEBセミナー等による市場認知度の向上を図ることで、営業取組を補強し、新たな顧客接点を作ることで、新規案件の獲得を目指してまいります。
・協業先とのビジネス連携
当社にとって協業先とのビジネス連携は欠かせません。協業先の開拓に伴う販売チャネル拡充及び双方による営業活動により、より多くの新規顧客の獲得と既存顧客を深耕することで、事業規模の拡大を図ってまいります。
⑥ 売上拡大について
当社は、DX推進およびデータ経営を目指す企業に対し、AI技術を使った個別テーマ分析だけでは、短期的な関係で終わり、企業の経営課題を根本的に解決するに至らないことが多いため、総合的なコンサルティングサービス、つまりデータ経営診断、データ活用人材教育及び組織組成支援等、中長期にわたり経営支援を行うことで大規模×長期化(=累計売上最大化)、収益基盤の強化を図ってまいります。
また、AI製品「scorobo」「Netbase」「Cognigy」を活用してサブスクリプションサービスの充実化を図り、顧客網を強みとして持つ企業と連携して、売上拡大するよう事業を推進してまいります。
⑦ 利益増大について
これまでに蓄積した幅広い領域におけるAI技術のライブラリー「scorobox」を活かし、各プロジェクトの生産性効率向上による利益増大を推進しておりますが、更に利益増大を図るために、サブスクリプションサービスを強化を目指してまいります。
また、データ分析支援やデジタル戦略システム構築等のソリューションサービスにおいては、自社社員に限定することなく、協力会社や海外人材など外部リソースを活用することで、プロジェクト採算性の向上に努めております。

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