有価証券報告書-第4期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財務状況及び経営成績の状況
1.経済状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言が発令されるなど感染拡大防止策に伴って経済活動が大幅に抑制された結果、景気の急速な悪化が進みました。各国でワクチン開発が進み、諸外国ではワクチン接種を開始され感染拡大防止に期待が寄せられていますが、世界レベルでの新型コロナウイルス感染収束が見通せず、経済の先行き不透明な状況が続いております。
2.市場環境
当社グループの事業が関わる医療・看護・介護の環境につきましては、高齢者の増加と共に市場が拡大し需要が増加する一方で、社会保障費の抑制を目的として、病院を中心とした施設から在宅を中心とした医療へのシフトが進み、医療と介護の連携や地域単位でのケア体制の整備等が促進されると予想しております。
3.2020年におけるホスピス施設の状況
このような状況の中、当社グループは「すべては笑顔のために」というコーポレートスローガンを掲げ、在宅での看取りを前提とした、在宅ホスピスの事業を推進してまいりました。当連結会計年度においては、新規開設を3施設、既存施設の増床を1施設行いました。詳細は、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
4.新型コロナウイルス感染拡大による影響
a.満床に至る過程にある施設(新規施設含む)
当社グループのホスピス施設は、その立ち上げ時期において、病院からの受け入れ(病院を退院してホスピスへ入居する利用者)割合が高いところに特徴があります。その後、時間の経過とともに、地域でのブランドイメージや評判が確立し、ケアマネージャーからの情報や、在宅療養者からの直接問い合わせが増えてまいります。
第2四半期までは、この一連の流れが変わる事がなかったのですが、第3四半期から、新型コロナウイルス感染拡大による影響(病院の新規入院者数が減ったことで退院数が減少し、病院からの当社ホスピス施設への受入数が減少)が出始め、満床に至る過程にある施設利用者の月次増加率が当初計画より数%程度下回る結果となりました。
具体的には、満床に至る過程にある施設(=病院からの受け入れが主流)であります、「ファミリー・ホスピス池上ハウス」「ファミリー・ホスピス二子玉川ハウス」「ファミリー・ホスピス茅ヶ崎ハウス」「ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス弐番館」「ファミリー・ホスピス江田ハウス」の5施設で、その影響を受けました。
既存施設も、同様の理由で病院からの受け入れ人数が減少しましたが、上述したとおり、既存施設は既に地域に根付いているため利用者の受け入れルートが分散していること、また、既に満床になっているので、入居したくても出来ない待機者数が一時的に減る事はあっても、満床であるため稼働率への影響はありませんでした。
b.施設従業員がコロナ感染した事による影響
2020年12月14日付で公表したとおり、当社子会社施設に勤務する従業員が新型コロナウイルスに感染し、感染者及び濃厚接触者(いずれも従業員)が自宅待機となったため、医療及び介護の訪問算定を除外して対応せざるを得なかったこと(ご利用者への緩和ケアは本部所属の看護師及び介護士がサポートしているものの、当該施設所属の従業員でないため保険算定対象外)から、一時的に売上高が減少しました。
5.新規施設開設(ホスピスチーム作り)に向けた投資・先行費用
コロナ禍で看護師の流動性が高まっていることを受けて、第3四半期以降に来期以降の新規施設開設に備えて「ホスピスチーム作り」のコアとなる、ホスピス施設の施設長又は管理者候補若干名を前倒しで採用し、それに伴って教育研修も追加で実施していることから、人件費等が当初計画に比べて増加しました。
また、利用者情報ルートの多様化を立ち上げ時から実現すべく、営業ルートの対象拡大は勿論のこと、在宅療養者を含めた地域の潜在的なホスピス利用者とのコミュニケーションを支援し、入居につなげるための利用者情報の集積システムを導入し、さらには、優秀な看護師の情報が転職マーケットに増加したため、採用事務の効率化と強化を目的として、求職者に関する人材情報を管理するためのシステムを導入した結果、デジタル投資費用が当初計画に比べて増加しました。これらの状況に加えて、2019年から実施している教育・研修への投資成果が十分に表れていると考え、2021年12月期は、2020年2月13日付「中期経営戦略」において公表している施設開設数を上回る、「10」施設の開設を予定しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,608,241千円増加し、6,296,725千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,398,250千円増加し、5,037,535千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ209,990千円増加し、1,259,190千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,916,896千円(前年同期比17.2%増)、営業利益358,512千円(前年同期比28.5%減)、経常利益は206,067千円(前年同期比46.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は107,060千円(前年同期比64.1%減)となりました。
なお、当社グループは、在宅ホスピス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて131,768千円増加し、959,456千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は236,194千円(前連結会計年度は322,592千円の収入)となりました。これは主に売掛金の増加額30,386千円があった一方で、税金等調整前当期純利益206,067千円、減価償却費113,637千円、のれん償却額55,872千円、未払費用の増加49,333千円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は541,737千円(前連結会計年度は137,916千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出483,931千円、差入保証金の差入れによる支出47,624千円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は437,310千円(前連結会計年度は256,824千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出152,960千円の一方、短期借入金の借入による収入227,060千円、長期借入金の借入による収入による収入300,000千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは、在宅ホスピス事業の単一セグメントであるため、地域別の販売実績を記載しております。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行ってまいりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、1,824,814千円(前連結会計年度末1,625,922千円)となり、前連結会計年度末に比べて198,891千円増加しました。その主な要因は現金及び預金の増加、売上規模の拡大に伴って売掛金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、4,471,911千円(前連結会計年度末3,062,560千円)となり、前連結会計年度末に比べて1,409,350千円増加しました。その主な要因は、新規施設開設に伴う固定資産の購入及びリース資産が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、1,050,718千円(前連結会計年度末717,658千円)となり、前連結会計年度末に比べて333,059千円増加しました。その主な要因は、事業の拡大に伴う未払費用等の増加、ホスピス施設の新規施設開設及び運転資金として短期借入金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、3,986,816千円(前連結会計年度末2,921,625千円)となり、前連結会計年度末に比べて1,065,191千円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金の返済があった一方で、ホスピス施設の新規施設開設に伴って、建物施設の賃借が開始されたことにより、リース債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,259,190千円(前連結会計年度末1,049,199千円)となり、前連結会計年度末に比べて209,990千円の増加となりました。これは主に、ストック・オプション行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ49,680千円増加したこと、親会社に帰属する当期純利益107,060千円を計上したことによるものであります。
この結果自己資本比率は、19.9%(前連結会計年度は22.3%)となりました。
2) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高の合計は4,916,896千円(前連結会計年度は4,193,652千円)となりました。これは主に、当連結会計年度において、新たなホスピス施設を3施設オープン、既存ホスピス施設の増床を1施設で実施したことにより、当社グループのホスピス施設における提供可能室数が95室増加し、合計524室となったことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価の合計は4,056,693千円(前連結会計年度は3,203,886千円)となりました。これは主に新規及び増床したホスピス施設に係る開設準備費用、看護師・介護士を新規採用したことによる労務費の増加等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費の合計は501,690千円(前連結会計年度は488,587千円)となりました。また売上高に対する割合は10.2%(前連結会計年度は11.7%)となりました。これは主に事業拡大に備えた管理部門の強化に伴う人件費等の増加によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は4,519千円(前連結会計年度は1,488千円)となりました。
当連結会計年度における営業外費用は156,964千円(前連結会計年度は115,938千円)となりました。これは主に支払利息によるものであります。
この結果、当連結会計年度における経常利益は206,067千円(前連結会計年度は386,728千円)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は206,067千円(前連結会計年度は387,429千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等の合計は99,007千円(前連結会計年度は89,534千円)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は107,060千円(前連結会計年度は297,894千円)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、在宅ホスピス事業を展開するにあたり、組織体制の強化及び質の高いケアサービスを提供することで、医療機関等をはじめとした地域医療との連携を図っていく方針でありますが、必要とする看護師及び介護士の採用及び十分な人数の確保ができない場合又は十分な研修等を実施できない場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
また、従業員の人為的なミス又は不測の事態の発生等による訴訟が生じた場合、個人情報の流出等により当社の信用が著しく低下した場合に、経営成績に重要な影響を与えると考えております。
この対応策として、看護師及び介護士の積極的な採用を行い、研修等を通じて経営理念を浸透させるとともに、質の高いホスピスサービスを提供するよう従業員に対する指導、教育体制の充実を図っております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当、ホスピス施設の賃借料のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高(リース債務を含む)は4,370,788千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は69.4%と依然として高い水準にありますが、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は959,456千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
d.主要な経営指標等の状況
当社グループは、経常利益率並びにホスピス施設における提供可能室数及び平均入居率(延べ入居室数÷(提供可能室数×稼働日数))を経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。それぞれの状況については次のとおりです。
1)経常利益率
2020年12月期における当社グループの経常利益率は、4.2%(前年は9.2%)となりました。経常利益率が低下したのは、①新規施設の立ち上げ期に重要な病院からの入居者受け入れが新型コロナウイルス感染拡大の影響により、従来に比べて落ちたこと、②新型コロナウイルス感染拡大を機に病院を退職する優秀な看護師を積極的に採用する先行投資により採用費及び人件費が嵩んだためであります。
なお、当社グループとして、経常利益率を重要な経営指標として捉えており、経常利益率の安定と向上を目指してまいりますが、一方で当社グループは成長途上にあると考えており、今後の新規ホスピス施設の開設数及び開設時期によっては、一時的に経常利益率が変動する可能性があります。
2)提供可能室数及び平均入居率
2020年12月期においては、当社グループのホスピス施設における提供可能室数は、524室(2019年12月期は429室)となり、3つのホスピス施設を開設及び1つのホスピス施設を増床した結果、合計95室が増加しました。
当社グループでは安定稼働時の目標平均入居率を85.0%に設定しており、2020年12月期における既存のホスピス施設(2019年12月期以前に開設したホスピス施設)の年平均入居率(年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)は85.7%と、設定基準値を超える水準となりました。
また、新規のホスピス施設(2020年12月期に開設した新規のホスピス施設)の年平均入居率は55.7%となりました。当社グループのホスピス施設は、開設後に順次利用者を受け入れていく運営方法を採用しているため、開設の初年度は年平均入居率が低くなります。
それぞれの経営指標の具体的な推移は次のとおりです。
(提供可能室数の推移)
(注)提供可能室数は各期末時点における数値を記載しております。
(年平均入居率の推移)
(単位:%)
(注)1.室数は2020年12月期末における数値を記載しております。
2.年平均入居率は下記の方法により算出しております。
年平均入居率 = 年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)
3.新規のホスピス施設は、開設後に段階的に利用者を受け入れることにより運営を行っているため、開設初年度においては入居率が低くなる傾向があります。
4.ファミリー・ホスピス鴨宮ハウスは、2020年6月にファミリー・ホスピス鴨宮ハウス弐番館として合計12室増床しております。そのため、2020年5月までは12室、2020年6月以降は24室に対する入居率として算出しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財務状況及び経営成績の状況
1.経済状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言が発令されるなど感染拡大防止策に伴って経済活動が大幅に抑制された結果、景気の急速な悪化が進みました。各国でワクチン開発が進み、諸外国ではワクチン接種を開始され感染拡大防止に期待が寄せられていますが、世界レベルでの新型コロナウイルス感染収束が見通せず、経済の先行き不透明な状況が続いております。
2.市場環境
当社グループの事業が関わる医療・看護・介護の環境につきましては、高齢者の増加と共に市場が拡大し需要が増加する一方で、社会保障費の抑制を目的として、病院を中心とした施設から在宅を中心とした医療へのシフトが進み、医療と介護の連携や地域単位でのケア体制の整備等が促進されると予想しております。
3.2020年におけるホスピス施設の状況
このような状況の中、当社グループは「すべては笑顔のために」というコーポレートスローガンを掲げ、在宅での看取りを前提とした、在宅ホスピスの事業を推進してまいりました。当連結会計年度においては、新規開設を3施設、既存施設の増床を1施設行いました。詳細は、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
4.新型コロナウイルス感染拡大による影響
a.満床に至る過程にある施設(新規施設含む)
当社グループのホスピス施設は、その立ち上げ時期において、病院からの受け入れ(病院を退院してホスピスへ入居する利用者)割合が高いところに特徴があります。その後、時間の経過とともに、地域でのブランドイメージや評判が確立し、ケアマネージャーからの情報や、在宅療養者からの直接問い合わせが増えてまいります。
第2四半期までは、この一連の流れが変わる事がなかったのですが、第3四半期から、新型コロナウイルス感染拡大による影響(病院の新規入院者数が減ったことで退院数が減少し、病院からの当社ホスピス施設への受入数が減少)が出始め、満床に至る過程にある施設利用者の月次増加率が当初計画より数%程度下回る結果となりました。
具体的には、満床に至る過程にある施設(=病院からの受け入れが主流)であります、「ファミリー・ホスピス池上ハウス」「ファミリー・ホスピス二子玉川ハウス」「ファミリー・ホスピス茅ヶ崎ハウス」「ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス弐番館」「ファミリー・ホスピス江田ハウス」の5施設で、その影響を受けました。
既存施設も、同様の理由で病院からの受け入れ人数が減少しましたが、上述したとおり、既存施設は既に地域に根付いているため利用者の受け入れルートが分散していること、また、既に満床になっているので、入居したくても出来ない待機者数が一時的に減る事はあっても、満床であるため稼働率への影響はありませんでした。
b.施設従業員がコロナ感染した事による影響
2020年12月14日付で公表したとおり、当社子会社施設に勤務する従業員が新型コロナウイルスに感染し、感染者及び濃厚接触者(いずれも従業員)が自宅待機となったため、医療及び介護の訪問算定を除外して対応せざるを得なかったこと(ご利用者への緩和ケアは本部所属の看護師及び介護士がサポートしているものの、当該施設所属の従業員でないため保険算定対象外)から、一時的に売上高が減少しました。
5.新規施設開設(ホスピスチーム作り)に向けた投資・先行費用
コロナ禍で看護師の流動性が高まっていることを受けて、第3四半期以降に来期以降の新規施設開設に備えて「ホスピスチーム作り」のコアとなる、ホスピス施設の施設長又は管理者候補若干名を前倒しで採用し、それに伴って教育研修も追加で実施していることから、人件費等が当初計画に比べて増加しました。
また、利用者情報ルートの多様化を立ち上げ時から実現すべく、営業ルートの対象拡大は勿論のこと、在宅療養者を含めた地域の潜在的なホスピス利用者とのコミュニケーションを支援し、入居につなげるための利用者情報の集積システムを導入し、さらには、優秀な看護師の情報が転職マーケットに増加したため、採用事務の効率化と強化を目的として、求職者に関する人材情報を管理するためのシステムを導入した結果、デジタル投資費用が当初計画に比べて増加しました。これらの状況に加えて、2019年から実施している教育・研修への投資成果が十分に表れていると考え、2021年12月期は、2020年2月13日付「中期経営戦略」において公表している施設開設数を上回る、「10」施設の開設を予定しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,608,241千円増加し、6,296,725千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,398,250千円増加し、5,037,535千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ209,990千円増加し、1,259,190千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,916,896千円(前年同期比17.2%増)、営業利益358,512千円(前年同期比28.5%減)、経常利益は206,067千円(前年同期比46.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は107,060千円(前年同期比64.1%減)となりました。
なお、当社グループは、在宅ホスピス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて131,768千円増加し、959,456千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は236,194千円(前連結会計年度は322,592千円の収入)となりました。これは主に売掛金の増加額30,386千円があった一方で、税金等調整前当期純利益206,067千円、減価償却費113,637千円、のれん償却額55,872千円、未払費用の増加49,333千円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は541,737千円(前連結会計年度は137,916千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出483,931千円、差入保証金の差入れによる支出47,624千円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は437,310千円(前連結会計年度は256,824千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出152,960千円の一方、短期借入金の借入による収入227,060千円、長期借入金の借入による収入による収入300,000千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは、在宅ホスピス事業の単一セグメントであるため、地域別の販売実績を記載しております。
| 地域別 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 中部地区(千円) | 2,110,789 | 105.0 |
| 関東地区(千円) | 2,806,107 | 128.5 |
| 合計(千円) | 4,916,896 | 117.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 愛知県国民健康保険団体連合会 | 1,633,679 | 39.0 | 1,695,948 | 34.5 |
| 神奈川県国民健康保険団体連合会 | 745,978 | 17.8 | 1,000,798 | 20.4 |
| 東京都国民健康保険団体連合会 | 826,297 | 19.7 | 975,161 | 19.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行ってまいりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、1,824,814千円(前連結会計年度末1,625,922千円)となり、前連結会計年度末に比べて198,891千円増加しました。その主な要因は現金及び預金の増加、売上規模の拡大に伴って売掛金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、4,471,911千円(前連結会計年度末3,062,560千円)となり、前連結会計年度末に比べて1,409,350千円増加しました。その主な要因は、新規施設開設に伴う固定資産の購入及びリース資産が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、1,050,718千円(前連結会計年度末717,658千円)となり、前連結会計年度末に比べて333,059千円増加しました。その主な要因は、事業の拡大に伴う未払費用等の増加、ホスピス施設の新規施設開設及び運転資金として短期借入金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、3,986,816千円(前連結会計年度末2,921,625千円)となり、前連結会計年度末に比べて1,065,191千円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金の返済があった一方で、ホスピス施設の新規施設開設に伴って、建物施設の賃借が開始されたことにより、リース債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,259,190千円(前連結会計年度末1,049,199千円)となり、前連結会計年度末に比べて209,990千円の増加となりました。これは主に、ストック・オプション行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ49,680千円増加したこと、親会社に帰属する当期純利益107,060千円を計上したことによるものであります。
この結果自己資本比率は、19.9%(前連結会計年度は22.3%)となりました。
2) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高の合計は4,916,896千円(前連結会計年度は4,193,652千円)となりました。これは主に、当連結会計年度において、新たなホスピス施設を3施設オープン、既存ホスピス施設の増床を1施設で実施したことにより、当社グループのホスピス施設における提供可能室数が95室増加し、合計524室となったことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価の合計は4,056,693千円(前連結会計年度は3,203,886千円)となりました。これは主に新規及び増床したホスピス施設に係る開設準備費用、看護師・介護士を新規採用したことによる労務費の増加等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費の合計は501,690千円(前連結会計年度は488,587千円)となりました。また売上高に対する割合は10.2%(前連結会計年度は11.7%)となりました。これは主に事業拡大に備えた管理部門の強化に伴う人件費等の増加によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は4,519千円(前連結会計年度は1,488千円)となりました。
当連結会計年度における営業外費用は156,964千円(前連結会計年度は115,938千円)となりました。これは主に支払利息によるものであります。
この結果、当連結会計年度における経常利益は206,067千円(前連結会計年度は386,728千円)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は206,067千円(前連結会計年度は387,429千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等の合計は99,007千円(前連結会計年度は89,534千円)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は107,060千円(前連結会計年度は297,894千円)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、在宅ホスピス事業を展開するにあたり、組織体制の強化及び質の高いケアサービスを提供することで、医療機関等をはじめとした地域医療との連携を図っていく方針でありますが、必要とする看護師及び介護士の採用及び十分な人数の確保ができない場合又は十分な研修等を実施できない場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
また、従業員の人為的なミス又は不測の事態の発生等による訴訟が生じた場合、個人情報の流出等により当社の信用が著しく低下した場合に、経営成績に重要な影響を与えると考えております。
この対応策として、看護師及び介護士の積極的な採用を行い、研修等を通じて経営理念を浸透させるとともに、質の高いホスピスサービスを提供するよう従業員に対する指導、教育体制の充実を図っております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当、ホスピス施設の賃借料のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高(リース債務を含む)は4,370,788千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は69.4%と依然として高い水準にありますが、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は959,456千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
d.主要な経営指標等の状況
当社グループは、経常利益率並びにホスピス施設における提供可能室数及び平均入居率(延べ入居室数÷(提供可能室数×稼働日数))を経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。それぞれの状況については次のとおりです。
1)経常利益率
2020年12月期における当社グループの経常利益率は、4.2%(前年は9.2%)となりました。経常利益率が低下したのは、①新規施設の立ち上げ期に重要な病院からの入居者受け入れが新型コロナウイルス感染拡大の影響により、従来に比べて落ちたこと、②新型コロナウイルス感染拡大を機に病院を退職する優秀な看護師を積極的に採用する先行投資により採用費及び人件費が嵩んだためであります。
なお、当社グループとして、経常利益率を重要な経営指標として捉えており、経常利益率の安定と向上を目指してまいりますが、一方で当社グループは成長途上にあると考えており、今後の新規ホスピス施設の開設数及び開設時期によっては、一時的に経常利益率が変動する可能性があります。
2)提供可能室数及び平均入居率
2020年12月期においては、当社グループのホスピス施設における提供可能室数は、524室(2019年12月期は429室)となり、3つのホスピス施設を開設及び1つのホスピス施設を増床した結果、合計95室が増加しました。
当社グループでは安定稼働時の目標平均入居率を85.0%に設定しており、2020年12月期における既存のホスピス施設(2019年12月期以前に開設したホスピス施設)の年平均入居率(年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)は85.7%と、設定基準値を超える水準となりました。
また、新規のホスピス施設(2020年12月期に開設した新規のホスピス施設)の年平均入居率は55.7%となりました。当社グループのホスピス施設は、開設後に順次利用者を受け入れていく運営方法を採用しているため、開設の初年度は年平均入居率が低くなります。
それぞれの経営指標の具体的な推移は次のとおりです。
(提供可能室数の推移)
| 2019年12月期 | 2020年12月期 | |
| 提供可能室数(室) | 429 | 524 |
(注)提供可能室数は各期末時点における数値を記載しております。
(年平均入居率の推移)
(単位:%)
| 施設名称 | 開設時期 | 室数 (室) | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 |
| ナーシングホームJAPAN | 2009年1月 | 26 | 85.0 | 92.2 |
| ナーシングホームOASIS | 2013年9月 | 36 | 80.6 | 88.9 |
| ナーシングホームOASIS南 | 2017年1月 | 34 | 93.0 | 93.8 |
| ナーシングホームOASIS北 | 2017年5月 | 30 | 76.9 | 72.2 |
| ナーシングホームOASIS知立 | 2018年2月 | 28 | 77.8 | 81.5 |
| ナーシングホームOASIS志賀公園 | 2018年4月 | 26 | 90.6 | 96.5 |
| ナーシングホームOASIS藤が丘 | 2020年12月 | 36 | - | 10.5 |
| ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス(注)4 | 2014年8月 | 24 | 94.9 | 78.3 |
| ファミリー・ホスピス本郷台ハウス | 2016年10月 | 12 | 94.1 | 95.8 |
| ファミリー・ホスピスライブクロス | 2016年10月 | 50 | 96.3 | 94.2 |
| ファミリー・ホスピス四之宮ハウス | 2017年4月 | 37 | 78.6 | 80.4 |
| ファミリー・ホスピス成瀬ハウス | 2018年4月 | 20 | 92.0 | 96.1 |
| ファミリー・ホスピス池上ハウス | 2018年8月 | 52 | 60.7 | 66.4 |
| ファミリー・ホスピス東林間ハウス | 2019年5月 | 28 | 65.4 | 77.6 |
| ファミリー・ホスピス二子玉川ハウス | 2019年12月 | 38 | 9.2 | 50.1 |
| ファミリー・ホスピス茅ヶ崎ハウス | 2020年3月 | 24 | - | 70.2 |
| ファミリー・ホスピス江田ハウス | 2020年7月 | 23 | - | 48.0 |
(注)1.室数は2020年12月期末における数値を記載しております。
2.年平均入居率は下記の方法により算出しております。
年平均入居率 = 年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)
3.新規のホスピス施設は、開設後に段階的に利用者を受け入れることにより運営を行っているため、開設初年度においては入居率が低くなる傾向があります。
4.ファミリー・ホスピス鴨宮ハウスは、2020年6月にファミリー・ホスピス鴨宮ハウス弐番館として合計12室増床しております。そのため、2020年5月までは12室、2020年6月以降は24室に対する入居率として算出しております。