有価証券届出書(新規公開時)

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2019/05/16 15:00
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 企業統治の体制及びその体制を採用する理由
当社は、取締役による監督機能を強化することでコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図り、経営の健全性と透明性を更に向上させることを目的として、2015年8月18日開催の定時株主総会をもって、監査等委員会設置会社に移行しております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は以下の図のとおりです。
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(取締役会)
当社の取締役会は、監査等委員である取締役4名を含む取締役9名で構成されており、監査等委員である取締役は全員が社外取締役であります。社外取締役には、他の会社の役員経験を有する者等を招聘し、各自の豊富な実務経験に基づく企業経営に関する知見を活用するとともに、より広い視野に基づいた経営意思決定と社外からの経営監視を可能とする体制作りを推進しております。
取締役会は、効率的かつ迅速な意思決定を行えるよう、定時取締役会を原則毎月1回開催するほか必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
取締役会は、法令及び定款に則り、取締役の業務監督機関及び経営上の重要事項の意思決定機関として機能しております。
(監査等委員会)
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役4名によって構成され、その全員が社外取締役であります。監査等委員である取締役には弁護士や企業経営について独立した観点を有する者も含まれており、各々の職業倫理の観点で経営監視が行われる体制を整備しております。
監査等委員である取締役は、取締役会その他において、取締役の職務執行について適宜意見を述べております。
監査等委員会は、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査・監督を行うため、監査計画に基づき監査を実施し、監査等委員会を毎月1回開催するほか、内部監査室及び会計監査人との会合も設け、監査に必要な情報の共有化を図っております。
② 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社は、取締役会において定めた「内部統制システムに関する基本方針」に基づき内部統制システムを構築するとともに運用の徹底を図ることで、コーポレート・ガバナンスの維持・強化に努めております。
イ)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(法令定款遵守体制)
・取締役及び従業者は、当社の経営理念並びに行動準則である「Sansanのカタチ」に則り、法令及び定款を始めとする社内規程を遵守することはもとより、高い倫理観に基づく適正な企業活動を行う。
・代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査室による内部監査を実施し、法令や定款、社内規程等に基づく業務執行が行われているかを確認するとともに、発見された課題については、随時改善を図る。
ロ)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制(情報保存管理体制)
・取締役の職務執行に関する文書、帳票類、電磁的記録等の各種情報を「文書管理規程」に基づき、機密度に応じて分類の上、保存・管理する。
・取締役は、当該文書及び記録を常時閲覧することができる。
ハ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制(損失危機管理体制)
・当社の事業活動に潜在する各種リスクについては、社内規程及び対応体制の整備を通じ、適切に管理する。
・個人情報の適切な取扱いを最重要視し、個人情報保護管理者を設けると共に、「個人情報保護基本規程」を中心とした各種社内規程を定め、個人情報管理に伴うリスクの極小化を図る。
・情報システムにおけるセキュリティ及びリスク管理に関する責任と権限を有する最高情報責任者を選任し、「情報システム管理規程」を定め、情報セキュリティリスクの低減に努める。
・当社に重大な損失の発生が予測される各種リスクが顕在化した場合、取締役は速やかに監査等委員会に報告を行う。
ニ)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(効率性確保体制)
・取締役で構成する定時取締役会を毎月1回、臨時取締役会を必要に応じて適宜開催し、法令、定款及び取締役会規程に則り、重要事項について審議・決定を行い、また業務執行取締役からの報告を受け、業務執行状況についての監督を行う。
・「取締役会規程」をはじめとした社内規程を整備し権限及び責任を明確化することにより、適切かつ効率的な意思決定体制を構築する。
ホ)当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制(企業集団内部統制)
・当社の経営理念並びに行動準則である「Sansanのカタチ」について子会社とも共有し、当社グループ全体における業務運営の倫理上及び業務上の指針とする。
・内部監査室は、当社及び子会社の業務運営が法令、定款、社内規程等を遵守しているかを確認するため、定期的に監査を実施する。
ヘ)財務報告に係る内部統制体制(財務報告の適正性を確保するための体制)
・当社及び子会社の財務報告の適正性を確保するため、金融商品取引法その他当社及び子会社に適用される国内外の法令等に基づき、「財務報告に係る内部統制基本方針」をはじめとする社内規程を整備し、適切に運用する。
・財務報告に関するモニタリング体制を整備・運用し、それらを通じて内部統制上の問題(不備)が把握された場合には、適時・適切に報告される体制を整備する。
・IT(情報インフラ)について、財務報告に係る内部統制に関し有効かつ効率的に利用するとともに、それらの全般統制及び業務処理統制について適切に対応する。
ト)監査等委員会の職務を補助すべき事務局に関する事項、当該事務局員の独立性に関する事項及び当該事務局員に対する指示の実効性の確保に関する事項(監査等委員会事務局及び事務局員の設置)(監査等委員会事務局員の独立性)(監査等委員会事務局員への指示実効性確保)
・監査等委員会に直属する事務局を設置し、監査等委員の職務補助に専従する事務局員を置く。
・当該事務局員に対する指揮命令権限は監査等委員会に専属させ、その選任・異動・人事考課・処分等の人事に関する事項については、監査等委員会に事前通知の上、同意を得る。
チ)取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制(監査等委員会への報告体制)
・取締役及び従業者は、監査等委員会に対して、法定の事項に加え、当社に重大な影響を及ぼす事項や内部監査の実施状況を速やかに報告するとともに、監査等委員会からの要請に応じて、必要な報告及び情報提供を行う。
・「内部通報制度規程」を制定し、その定めに基づく運用により、適切な報告体制を確保するとともに、当該制度を利用して報告を行った取締役及び従業員に対し、当該報告を理由とした不利な取り扱いを行わない。
リ)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制(監査等委員会監査の実効性確保のための体制)
・代表取締役社長は、監査等委員会及び会計監査人と定期的に意見交換の場を持ち、意思の疎通を図る。
・監査等委員会は、会計監査人と定期的に意見交換を行う他、内部監査室とも連携し、随時情報交換を行う。
・監査等委員会がその職務の執行のために合理的な費用の支払いを求めた時は、これに応じる。
なお上記に加え、当社は「贈収賄防止基本方針」及び「反社会的勢力に対する基本方針」を制定するとともに、社内外への掲示と運用を通じた遵守体制の確保及び維持により、公明正大かつ責任ある企業活動に努めております。
③ 内部監査及び監査等委員会監査の状況
(内部監査)
当社の内部監査は、内部監査室所属の内部監査室長1名及び内部監査室長が指名する内部監査人4名が担当しております。内部監査は、当社の経営目標の達成と安定的な事業運営に寄与するために、当社にて整備・運用されている内部統制の有効性を検証・評価し、改善が必要な事項について指摘し且つ改善に向けた助言を行うことを目的としております。内部監査室は、事業年度毎に内部監査計画を作成し、代表取締役社長による承認を得た上で内部監査を実施し、監査結果を代表取締役及び被監査部門に報告するとともに、被監査部門に対して改善等のための指摘及び改善状況の確認を行います。内部監査は内部監査室に所属する1名、及び内部監査室から指名を受けた他の者が行っております。
内部監査室は、監査等委員会及び会計監査人と連携し、監査に必要な情報の共有化を図っております。
(監査等委員会監査)
当社の監査等委員会は、社外取締役4名により構成されております。監査等委員会は内部統制システムを利用した監査を実施すべく、毎期策定される監査等委員会監査計画に基づき、当社において内部統制システムが適切に構築及び運用されているかを確認し、内部監査室による網羅的な監査実施状況について定期的に報告を受ける体制を整えるとともに、原則として月1回開催される監査等委員会において情報を共有しております。また内部監査室及び会計監査人とも定期的に会合を開催し、情報共有及び意見交換を行っております。
各監査等委員は取締役会等への出席を通じ、業務執行状況について報告を受け、またそれらに対し意見を述べることにより、その適法性及び妥当性について監査・監督を行い、適正な業務執行の確保を図っております。
なお、監査等委員である社外取締役 梶川靖子(旧姓 横澤)は弁護士の資格を有しており、その専門的立場から、当社の法務等に関する提言及び助言を行っております。
④ 会計監査の状況
当社は、有限責任 あずさ監査法人と監査契約を締結しております。同監査法人または同監査法人の業務執行社員と当社との間に特別な利害関係はありません。会計監査人は三様監査の観点より、定期的に監査等委員会及び内部監査室と会合を開催しており、情報共有及び意見交換を行っております。
業務を執行した公認会計士の氏名及び会計監査業務にかかる補助者の構成は以下の通りであります。なお、継続監査年数については、全員が7年未満であるため、記載を省略しております。
・業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員・業務執行社員 金塚 厚樹
指定有限責任社員・業務執行社員 坂井 知倫
・監査業務における補助者の構成
公認会計士 4名
その他 1名
⑤ 社外取締役
提出日時点において、監査等委員である取締役4名全員は本書提出日現在の会社法における社外取締役であります。
社外役員の独立性に関する基準又は方針については特段定めておりませんが、選任にあたっては、株式会社東京証券取引所の定める独立役員に関する基準等を参考に選任しております。
社外取締役と当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係は以下の通りであります。
イ)社外取締役の梶川靖子(旧姓 横澤)は、弁護士としての企業法務やコンプライアンス等に関する専門的な知識を有しており、法律的側面からの意見具申等を期待して選任しております。当社との間には、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
ロ)社外取締役の赤浦徹は、インキュベイトファンドのゼネラルパートナーとして、ベンチャーキャピタル事業における長期の職務経験と他の会社における役員としての豊富な経験及びそれらを通じて培われた幅広い見識を有しており、経営全般についての助言・提言を期待して選任しております。また、当社の普通株式を430,000株保有しているほか、同氏が間接的に関係しているファンドに対して当社も出資を行っておりますが、その他、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
ハ)社外取締役の本多央輔は、DCMベンチャーズのゼネラルパートナーとして、ベンチャーキャピタル事業における多彩な職務経験と他の会社における役員としての豊富な経験及びそれらを通じて培われた幅広い見識を有しており、経営全般についての助言・提言を期待して選任しております。また、同氏の所属するDCMベンチャーズが運用するファンドであるA-fund, L.P.、DCM Ventures China Fund(DCM VII), L.P.及びDCM VII, L.P.のそれぞれが保有する当社株式の総数は、普通株式3,510,000株でありますが、その他、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
ニ)社外取締役の石川善樹は、医学博士並びにデータサイエンティストとして、データ分析・活用領域における専門的かつ豊富な知識を有しており、また自身も創業並びに経営に携わる事業会社での職務経験を通じて培われた経営者観点での助言・提言を期待して選任しております。なお、当社の取締役就任以前より、同氏が所属する会社に対して当社グループはコンサルティング業務や分析業務等を委託しておりましたが、当社の取締役選任にあたり、それらの契約を解消しております。その他、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
また、当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する最低責任限度額であります。
⑥ 独立役員の構成に関する方針及び期待される役割を果たすための環境整備の状況
当社は、継続的に企業価値を高める手段のひとつとして、一般株主と利益相反が生じる恐れのない者であるかを判断した上で、取締役会での議決権を有する社外取締役から指定することを基本方針としております。本方針に基づき、当社外取締役1名を独立役員として選定しております。また、独立役員は他の役員との連携を密にとることにより会社情報を共有し、独立役員が期待される役割を果たすための環境を整備する方針であります。
⑦ 役員報酬の内容
イ)役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数
(人)
基本報酬ストックオプション賞与退職慰労金
取締役
(監査等委員及び社外取締役であるものを除く)
98,30098,300---5
社外取締役
(監査等委員)
3,4003,400---4

(注)1.取締役(監査等委員であるものを除く)の報酬限度額は、2019年1月30日開催の臨時株主総会において、年額300,000千円以内と決議しております。
2.監査等委員である取締役の報酬限度額は、2019年1月30日開催の臨時株主総会において、年額50,000千円以内と決議しております。
ロ)提出会社の役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上であるものが存在しないため、記載しておりません。
ハ)使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
該当事項はありません。
ニ)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
当社の監査等委員である取締役の報酬額は、株主総会において決議された報酬総額の限度内で、監査等委員全員の協議により決定しています。取締役(監査等委員である者を除く)の報酬等については、職務内容、実績、成果などを勘案し、取締役会の決議により決定しております。
⑧株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
該当事項はありません。
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
該当事項はありません。
ハ.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
⑨ 取締役の員数
当社は、取締役(監査等委員である者を除く。)は8名以内とする旨を定款に定めております。監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
⑩ 取締役(監査等委員である者を除く。)及び監査等委員である取締役の選任決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨定款に定めております。
⑪ 株主総会の特別決議要件
当社は会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑫ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑬ 反社会的勢力の排除に向けた具体的な取組み状況
当社は「反社会的勢力に対する基本方針」において反社会的勢力及び団体とは一切の関わりを持たない旨を定めており、現在までに反社会的勢力との関係は一切ありません。
取引先については、取引開始や契約更新のタイミングにおけるチェックを徹底しております。サービス約款や業務提携契約等の契約書面に、取引先が反社会的勢力ではない旨を表明・保証する項目を盛り込むとともに、事後的に取引先が反社会的勢力であることが判明した場合でも契約を解除できる内容としております。また、反社会的勢力の排除に関する社内規程を整備し、取引先に対し定期的な審査を実施しております。
⑭ 子会社及び関連会社に対する管理体制について
当社及びその子会社からなるグループ全体での事業運営の適正性を確保することを目的に「子会社管理規程」を制定し、当該規程に基づき子会社との間で経営管理契約を締結する等、グループガバナンスが機能する体制の整備を行っております。