有価証券報告書-第8期(2022/11/01-2023/10/31)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前期末に比べ421,043千円減少し1,782,395千円となりました。これは主に売上債権及びその他の債権が158,567千円増加した一方、現金及び現金同等物が649,581千円減少したことによります。
当連結会計年度末の非流動資産は、前期末に比べ141,153千円増加し1,938,684千円となりました。これは主にオフィス増床等に伴い使用権資産が99,424千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、3,721,079千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前期末に比べ5,202千円増加し764,542千円となりました。これは主に仕入債務及びその他の債務が72,036千円、新規の借入れにより社債及び借入金が40,156千円増加した一方、未払法人所得税が104,470千円減少したことによります。
当連結会計年度末の非流動負債は、前期末に比べ134,818千円増加し729,087千円となりました。これは主にオフィスの増床等に伴いリース負債が66,049千円、新規の借入れにより社債及び借入金が56,011千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、1,493,629千円となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前期末に比べ419,911千円減少し2,227,450千円となりました。これは主に当期に取得した自己株式の消却等により資本剰余金が305,018千円、当期損失の計上や剰余金の配当により利益剰余金が107,430千円減少したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における感染症法上の位置付けが5類に移行されるなど、各種制限が緩和され経済正常化の流れが進む一方で、世界的にはロシアによるウクライナ侵攻等による資源価格高騰やインフレが継続していることでの金利の上昇やそれに伴う金融機関の経営不安等が生じ、引き続き先行き不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2022年の広告費は3兆912億円(前年比14.3%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、2021年に続きマスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を上回りました。(出所:株式会社電通「2022年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。
収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2023年10月における掲載枠数(注1)は2,415枠(前年同月比25.5%増加)、掲載顧客数(注2)は983件(前年同月比27.8%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行って
おります。
(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
また、派生メディアにおいては、経済正常化による企業の採用意欲の高まりが継続していることや、積極的な広告出稿等から転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当連結会計年度における問合せ数は51,166件(前期比52.8%増加)となり、大幅に増加いたしました。
なお、2023年3月31日付で株式会社ビッコレ(以下「ビッコレ」という。)の全株式を取得し、ポイントサイト事業「ビッコレ」、FXデモトレーディングアプリ「ビッコレFX」等の運営を新たに開始しております。ビッコレの基本的なビジネスモデルは派生メディアと類似していることから同事業は派生メディアの区分に含めており、2023年4月分から連結業績として計上されております。また、2023年6月1日付でビッコレを消滅会社、当社を存続会社とする吸収合併を完了しております。
以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は3,197,782千円(前期比45.2%増)、営業利益は53,271千円(同89.0%減)、税引前利益は43,235千円(同90.9%減)、当期損失は38,469千円(前期は330,854千円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は12,397千円(前期は343,624千円の利益)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、各段階利益に関しては前期比減益となっております。また、当連結会計年度末においてIFRSに基づく減損テストを実施し監査法人との協議を行った結果、保険事業におけるのれんに係る減損損失98,335千円、HR事業におけるソフトウェアに係る減損損失16,137千円を計上しており、当社はIFRSを採用していることから減損損失はその他の費用として営業損益に含まれ、営業利益以下の各段階利益に影響しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、中長期的なユーザー数の安定的な確保を目的としたブランディング施策として、「弁護士ナビ」シリーズから「ベンナビ」へサイト名を含めたリブランディングを実施し、当連結会計年度においてはテストマーケティングも兼ねたテレビCM等のマス広告やYouTube、各種SNS広告等の配信を実施いたしました。また、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加したことや、新たにビッコレの事業が加わったこと、新規領域となる金融メディアの立ち上げに向けて投資を行った結果、売上収益は2,997,316千円(前期比45.0%増)、セグメント利益は858,786千円(同0.1%減)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,838,036千円(同25.1%増)、営業利益は582,522千円(同5.4%減)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,159,279千円(同94.2%増)、営業利益は276,264千円(同13.3%増)となりました。
[HR事業]
今後の成長に向けた体制強化として、当連結会計年度において大幅に人員数を増加させるとともに、新たに採用した人員の育成に注力いたしました。売上収益、営業利益については、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加した一方で人材採用や育成にリソースを投下する必要があったことや広告出稿を積極的に進めたことから、売上収益は135,739千円(前期比28.1%増)、セグメント損益は161,931千円の損失(前期は7,285千円の利益)となりました。
なお、同事業においては、新規事業としてダイレクトリクルーティングサービスのシステムを開発しておりましたが、同サービスを本格稼働させていくためには相当な投資やリソースが必要となる見込みであり、人材紹介サービス並びに人材派遣サービスに経営資源を集中することが現状では最適と判断したことから、ダイレクトリクルーティングサービスについては事業展開を停止させることといたしました。これにより、同サービスに係るシステム開発等に投じたソフトウェアに係る減損損失16,137千円を計上しており、上記のセグメント損益は当該減損損失を含んだ数値となっております。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第7期第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおります。売上収益は64,469千円(前期比135.4%増)、セグメント損益は217,499千円の損失(前期は62,616千円の損失)となりました。
なお、アシロ少短は保有契約件数に応じて売上収益が増加するストック型の収益モデルであり、保有契約件数の積み上げに向けて当社グループが強みとしているウェブマーケティングを活用した販売活動を推進しておりますが、当初の計画よりも進捗が鈍い状況を踏まえて監査法人と協議を行った結果、連結子会社化時に計上した保険事業に係るのれんの一部である98,335千円を減損損失として計上しており、上記のセグメント損益は当該減損損失を含んだ数値となっております。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は259千円(前期比82.6%減)、セグメント損益は2,464千円の損失(前期は29,130千円の損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,225,953千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは103,212千円の資金流出(前期は511,393千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として減価償却費及び償却費136,644千円、のれん等の減損損失114,472千円、仕入債務及びその他の債務の増加88,207千円、減少要因として法人所得税の支払額239,348千円、売上債権及びその他の債権の増加141,909千円、その他の流動資産の増加45,836千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは168,425千円の資金流出(同268,681千円の資金流出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出85,473千円、子会社の取得による支出56,673千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは377,944千円の資金流出(同328,978千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として新規の借入れによる収入394,330千円、減少要因として自己株式の取得による支出301,875千円、長期借入金の返済による支出232,476千円、配当金の支払いによる支出95,033千円、リース負債の返済による支出76,410千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
(参考情報)
当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDA及び調整後EBITDAを経営成績に関する参考指標として公表することとしました。EBITDAは、営業利益から非資金費用項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。また、調整後EBITDAは、EBITDAからIFRS適用に伴う非資金費用項目(株式報酬費用、使用権資産の償却費等)の影響を除外しております。
EBITDA及び調整後EBITDAの計算式及び算出方法は次のとおりであります。
・EBITDA =営業利益+減価償却費及び償却費-その他の収益 +その他の費用
・調整後EBITDA =EBITDA ±IFRS適用に伴う非資金費用項目
(注)千円未満は四捨五入して記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
・のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候が存在する場合には都度、減損テストを実施しております。減損テスト時に見積る資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、この公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づき、レベル3に区分されます。
重要なのれんの資金生成単位の状況は以下のとおりであります。
リーガルメディア関連事業におけるのれん(ビッコレ関連事業に関するのれんを除く)
リーガルメディア関連事業におけるのれんのうち1,138,725千円は、株式会社ASIROが旧 株式会社アシロ(実質的な存続会社)の株式を取得して子会社化し、旧 株式会社アシロを吸収合併したことで生じたものであります。
当該使用価値は、取締役会が承認した3年以内の事業計画のうちリーガルメディア関連事業に係る計数を基礎とし(今後の3年間の売上収益の成長率は前連結会計年度においては平均27.5%、当連結会計年度においては平均24.2%と仮定して算出)、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。また、この事業計画は、主としてリーガルメディアにおいては掲載枠数、派生メディアにおいては問合せ数の影響を受けます。
使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度においては11.5%、当連結会計年度においては12.3%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率です。
前連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を6,814百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が80.1%減少した場合、又は割引率が41.8%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
当連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を9,182百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が82.2%減少した場合、又は割引率が56.5%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
上記の減損計上の余裕度に関する推定は、各期の将来の見積キャッシュ・フローの減少及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しております。
減損テストの結果、算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:千円)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて279,890千円減少し、3,721,079千円となりました。この主な要因は、営業活動に伴う売上債権及びその他の債権が158,567千円、オフィスの増床等により使用権資産が99,424千円増加した一方、自己株式の取得や法人所得税の支払等により現金及び現金同等物が649,581千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて140,020千円増加し、1,493,629千円となりました。この主な要因は、法人所得税の支払により未払法人所得税が104,470千円減少した一方、オフィスの増床等によりリース負債が100,303千円、新規の借入れにより社債及び借入金が96,167千円、営業活動に伴う仕入債務及びその他の債務が72,036千円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて419,911千円減少し、2,227,450千円となりました。この主な要因は、当期に取得した自己株式の消却等により資本剰余金が305,018千円、当期損失の計上や剰余金の配当により利益剰余金が107,430千円減少したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
(単位:千円)
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は3,197,782千円(前期比45.2%増)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、中長期的なユーザー数の安定的な確保を目的としたブランディング施策として、「弁護士ナビ」シリーズから「ベンナビ」へサイト名を含めたリブランディングを実施し、当連結会計年度においてはテストマーケティングも兼ねたテレビCM等のマス広告やYouTube、各種SNS広告等の配信を実施いたしました。また、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加したことや、新たにビッコレの事業が加わったこと、新規領域となる金融メディアの立ち上げに向けて投資を行った結果、売上収益は2,997,316千円(前期比45.0%増)、セグメント利益は858,786千円(同0.1%減)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,838,036千円(同25.1%増)、営業利益は582,522千円(同5.4%減)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,159,279千円(同94.2%増)、営業利益は276,264千円(同13.3%増)となりました。
[HR事業]
今後の成長に向けた体制強化として、当連結会計年度において大幅に人員数を増加させるとともに、新たに採用した人員の育成に注力いたしました。売上収益、営業利益については、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加した一方で人材採用や育成にリソースを投下する必要があったことや広告出稿を積極的に進めたことから、売上収益は135,739千円(前期比28.1%増)、セグメント損益は161,931千円の損失(前期は7,285千円の利益)となりました。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第7期第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおります。売上収益は64,469千円(前期比135.4%増)、セグメント損益は217,499千円の損失(前期は62,616千円の損失)となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は259千円(前期比82.6%減)、セグメント損益は2,464千円の損失(前期は29,130千円の損失)となりました。
売上原価は、793,693千円増加して1,941,274千円(同69.2%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、515,663千円増加して1,094,302千円(同89.1%増)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、売上原価や販売費及び一般管理費が増加いたしました。具体的には、売上原価の大半を占める広告媒体費が売上収益の増加に伴って増加した他、社員数の増加に伴って人件費や採用費、オフィス増床に伴う家賃等の各種費用が増加いたしました。また、リーガルメディア関連事業における「ベンナビ」やHR事業における「BEET」の認知度を上げるためにテレビCMや電車広告等を行った結果、広告宣伝費が増加いたしました。更に、ビッコレの買収に伴って仲介会社への手数料やデューディリジェンス費用等が発生いたしました。
以上の結果、営業利益は53,271千円(同89.0%減)、税引前利益は43,235千円(同90.9%減)、当期損失は38,469千円(前期は330,854千円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は12,397千円(前期は343,624千円の利益)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注)リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
(単位:千円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,225,953千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは103,212千円の資金流出(前期は511,393千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として減価償却費及び償却費136,644千円、のれん等の減損損失114,472千円、仕入債務及びその他の債務の増加88,207千円、減少要因として法人所得税の支払額239,348千円、売上債権及びその他の債権の増加141,909千円、その他の流動資産の増加45,836千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは168,425千円の資金流出(同268,681千円の資金流出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出85,473千円、子会社の取得による支出56,673千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは377,944千円の資金流出(同328,978千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として新規の借入れによる収入394,330千円、減少要因として自己株式の取得による支出301,875千円、長期借入金の返済による支出232,476千円、配当金の支払いによる支出95,033千円、リース負債の返済による支出76,410千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入等を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。下表のとおり掲載枠数は継続的に増加しており、当連結会計年度(2023年10月期)末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同月期比25.5%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
リーガルメディアの掲載枠数
(単位:件)
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前期末に比べ421,043千円減少し1,782,395千円となりました。これは主に売上債権及びその他の債権が158,567千円増加した一方、現金及び現金同等物が649,581千円減少したことによります。
当連結会計年度末の非流動資産は、前期末に比べ141,153千円増加し1,938,684千円となりました。これは主にオフィス増床等に伴い使用権資産が99,424千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、3,721,079千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前期末に比べ5,202千円増加し764,542千円となりました。これは主に仕入債務及びその他の債務が72,036千円、新規の借入れにより社債及び借入金が40,156千円増加した一方、未払法人所得税が104,470千円減少したことによります。
当連結会計年度末の非流動負債は、前期末に比べ134,818千円増加し729,087千円となりました。これは主にオフィスの増床等に伴いリース負債が66,049千円、新規の借入れにより社債及び借入金が56,011千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、1,493,629千円となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前期末に比べ419,911千円減少し2,227,450千円となりました。これは主に当期に取得した自己株式の消却等により資本剰余金が305,018千円、当期損失の計上や剰余金の配当により利益剰余金が107,430千円減少したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における感染症法上の位置付けが5類に移行されるなど、各種制限が緩和され経済正常化の流れが進む一方で、世界的にはロシアによるウクライナ侵攻等による資源価格高騰やインフレが継続していることでの金利の上昇やそれに伴う金融機関の経営不安等が生じ、引き続き先行き不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2022年の広告費は3兆912億円(前年比14.3%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、2021年に続きマスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を上回りました。(出所:株式会社電通「2022年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。
収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2023年10月における掲載枠数(注1)は2,415枠(前年同月比25.5%増加)、掲載顧客数(注2)は983件(前年同月比27.8%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行って
おります。
(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
また、派生メディアにおいては、経済正常化による企業の採用意欲の高まりが継続していることや、積極的な広告出稿等から転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当連結会計年度における問合せ数は51,166件(前期比52.8%増加)となり、大幅に増加いたしました。
なお、2023年3月31日付で株式会社ビッコレ(以下「ビッコレ」という。)の全株式を取得し、ポイントサイト事業「ビッコレ」、FXデモトレーディングアプリ「ビッコレFX」等の運営を新たに開始しております。ビッコレの基本的なビジネスモデルは派生メディアと類似していることから同事業は派生メディアの区分に含めており、2023年4月分から連結業績として計上されております。また、2023年6月1日付でビッコレを消滅会社、当社を存続会社とする吸収合併を完了しております。
以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は3,197,782千円(前期比45.2%増)、営業利益は53,271千円(同89.0%減)、税引前利益は43,235千円(同90.9%減)、当期損失は38,469千円(前期は330,854千円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は12,397千円(前期は343,624千円の利益)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、各段階利益に関しては前期比減益となっております。また、当連結会計年度末においてIFRSに基づく減損テストを実施し監査法人との協議を行った結果、保険事業におけるのれんに係る減損損失98,335千円、HR事業におけるソフトウェアに係る減損損失16,137千円を計上しており、当社はIFRSを採用していることから減損損失はその他の費用として営業損益に含まれ、営業利益以下の各段階利益に影響しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、中長期的なユーザー数の安定的な確保を目的としたブランディング施策として、「弁護士ナビ」シリーズから「ベンナビ」へサイト名を含めたリブランディングを実施し、当連結会計年度においてはテストマーケティングも兼ねたテレビCM等のマス広告やYouTube、各種SNS広告等の配信を実施いたしました。また、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加したことや、新たにビッコレの事業が加わったこと、新規領域となる金融メディアの立ち上げに向けて投資を行った結果、売上収益は2,997,316千円(前期比45.0%増)、セグメント利益は858,786千円(同0.1%減)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,838,036千円(同25.1%増)、営業利益は582,522千円(同5.4%減)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,159,279千円(同94.2%増)、営業利益は276,264千円(同13.3%増)となりました。
[HR事業]
今後の成長に向けた体制強化として、当連結会計年度において大幅に人員数を増加させるとともに、新たに採用した人員の育成に注力いたしました。売上収益、営業利益については、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加した一方で人材採用や育成にリソースを投下する必要があったことや広告出稿を積極的に進めたことから、売上収益は135,739千円(前期比28.1%増)、セグメント損益は161,931千円の損失(前期は7,285千円の利益)となりました。
なお、同事業においては、新規事業としてダイレクトリクルーティングサービスのシステムを開発しておりましたが、同サービスを本格稼働させていくためには相当な投資やリソースが必要となる見込みであり、人材紹介サービス並びに人材派遣サービスに経営資源を集中することが現状では最適と判断したことから、ダイレクトリクルーティングサービスについては事業展開を停止させることといたしました。これにより、同サービスに係るシステム開発等に投じたソフトウェアに係る減損損失16,137千円を計上しており、上記のセグメント損益は当該減損損失を含んだ数値となっております。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第7期第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおります。売上収益は64,469千円(前期比135.4%増)、セグメント損益は217,499千円の損失(前期は62,616千円の損失)となりました。
なお、アシロ少短は保有契約件数に応じて売上収益が増加するストック型の収益モデルであり、保有契約件数の積み上げに向けて当社グループが強みとしているウェブマーケティングを活用した販売活動を推進しておりますが、当初の計画よりも進捗が鈍い状況を踏まえて監査法人と協議を行った結果、連結子会社化時に計上した保険事業に係るのれんの一部である98,335千円を減損損失として計上しており、上記のセグメント損益は当該減損損失を含んだ数値となっております。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は259千円(前期比82.6%減)、セグメント損益は2,464千円の損失(前期は29,130千円の損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,225,953千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは103,212千円の資金流出(前期は511,393千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として減価償却費及び償却費136,644千円、のれん等の減損損失114,472千円、仕入債務及びその他の債務の増加88,207千円、減少要因として法人所得税の支払額239,348千円、売上債権及びその他の債権の増加141,909千円、その他の流動資産の増加45,836千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは168,425千円の資金流出(同268,681千円の資金流出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出85,473千円、子会社の取得による支出56,673千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは377,944千円の資金流出(同328,978千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として新規の借入れによる収入394,330千円、減少要因として自己株式の取得による支出301,875千円、長期借入金の返済による支出232,476千円、配当金の支払いによる支出95,033千円、リース負債の返済による支出76,410千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
(参考情報)
当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDA及び調整後EBITDAを経営成績に関する参考指標として公表することとしました。EBITDAは、営業利益から非資金費用項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。また、調整後EBITDAは、EBITDAからIFRS適用に伴う非資金費用項目(株式報酬費用、使用権資産の償却費等)の影響を除外しております。
EBITDA及び調整後EBITDAの計算式及び算出方法は次のとおりであります。
・EBITDA =営業利益+減価償却費及び償却費-その他の収益 +その他の費用
・調整後EBITDA =EBITDA ±IFRS適用に伴う非資金費用項目
| (単位:千円) |
| 前連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | |
| 財務諸表における営業利益 | 483,658 | 53,271 |
| +減価償却費及び償却費 | 77,487 | 136,644 |
| -その他の収益 | △8,292 | △5,620 |
| +その他の費用 | 0 | 114,555 |
| 小計 | 69,195 | 245,579 |
| EBITDA | 552,853 | 298,850 |
| +有給休暇引当金繰入額 | 7,603 | 6,186 |
| +株式報酬費用 | 4,644 | 10,470 |
| +敷金の計上額の調整 | 40 | 179 |
| -使用権資産償却費の調整 | △46,261 | △91,045 |
| -資本取引直接増分費用の調整 | △1,288 | △1,991 |
| 小計 | △35,262 | △76,202 |
| 調整後EBITDA | 517,591 | 222,648 |
(注)千円未満は四捨五入して記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | 前年同期比(%) |
| リーガルメディア関連事業 (千円) | 2,997,316 | 145.0 |
| うち、リーガルメディア (千円) | 1,838,036 | 125.1 |
| 派生メディア (千円) | 1,159,279 | 194.2 |
| HR事業 (千円) | 135,739 | 128.1 |
| 保険事業 (千円) | 64,469 | 235.4 |
| その他 (千円) | 259 | 17.4 |
| 合計(千円) | 3,197,782 | 145.2 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
・のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候が存在する場合には都度、減損テストを実施しております。減損テスト時に見積る資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、この公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づき、レベル3に区分されます。
重要なのれんの資金生成単位の状況は以下のとおりであります。
リーガルメディア関連事業におけるのれん(ビッコレ関連事業に関するのれんを除く)
リーガルメディア関連事業におけるのれんのうち1,138,725千円は、株式会社ASIROが旧 株式会社アシロ(実質的な存続会社)の株式を取得して子会社化し、旧 株式会社アシロを吸収合併したことで生じたものであります。
当該使用価値は、取締役会が承認した3年以内の事業計画のうちリーガルメディア関連事業に係る計数を基礎とし(今後の3年間の売上収益の成長率は前連結会計年度においては平均27.5%、当連結会計年度においては平均24.2%と仮定して算出)、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。また、この事業計画は、主としてリーガルメディアにおいては掲載枠数、派生メディアにおいては問合せ数の影響を受けます。
使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度においては11.5%、当連結会計年度においては12.3%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率です。
前連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を6,814百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が80.1%減少した場合、又は割引率が41.8%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
当連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を9,182百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が82.2%減少した場合、又は割引率が56.5%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
上記の減損計上の余裕度に関する推定は、各期の将来の見積キャッシュ・フローの減少及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しております。
減損テストの結果、算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (2022年10月31日) | 当連結会計年度 (2023年10月31日) | 前年同期比 | |||
| 増減額 | 増減率(%) | ||||
| 流動資産 | 2,203,439 | 1,782,395 | △421,043 | △19.1 | |
| 非流動資産 | 1,797,531 | 1,938,684 | 141,153 | 7.9 | |
| 資産合計 | 4,000,970 | 3,721,079 | △279,890 | △7.0 | |
| 流動負債 | 759,340 | 764,542 | 5,202 | 0.7 | |
| 非流動負債 | 594,269 | 729,087 | 134,818 | 22.7 | |
| 負債合計 | 1,353,609 | 1,493,629 | 140,020 | 10.3 | |
| 資本合計 | 2,647,361 | 2,227,450 | △419,911 | △15.9 | |
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて279,890千円減少し、3,721,079千円となりました。この主な要因は、営業活動に伴う売上債権及びその他の債権が158,567千円、オフィスの増床等により使用権資産が99,424千円増加した一方、自己株式の取得や法人所得税の支払等により現金及び現金同等物が649,581千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて140,020千円増加し、1,493,629千円となりました。この主な要因は、法人所得税の支払により未払法人所得税が104,470千円減少した一方、オフィスの増床等によりリース負債が100,303千円、新規の借入れにより社債及び借入金が96,167千円、営業活動に伴う仕入債務及びその他の債務が72,036千円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて419,911千円減少し、2,227,450千円となりました。この主な要因は、当期に取得した自己株式の消却等により資本剰余金が305,018千円、当期損失の計上や剰余金の配当により利益剰余金が107,430千円減少したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | 前年同期比 | ||
| 増減額 | 増減率 (%) | |||
| 売上収益 | 2,201,586 | 3,197,782 | 996,196 | 45.2 |
| リーガルメディア関連事業 | 2,066,770 | 2,997,316 | 930,546 | 45.0 |
| うち、リーガルメディア | 1,469,725 | 1,838,036 | 368,312 | 25.1 |
| 派生メディア | 597,045 | 1,159,279 | 562,235 | 94.2 |
| HR事業 | 105,943 | 135,739 | 29,796 | 28.1 |
| 保険事業 | 27,383 | 64,469 | 37,086 | 135.4 |
| その他 | 1,490 | 259 | △1,231 | △82.6 |
| 売上原価 | 1,147,582 | 1,941,274 | 793,693 | 69.2 |
| 売上総利益 | 1,054,004 | 1,256,508 | 202,504 | 19.2 |
| 販売費及び一般管理費 | 578,638 | 1,094,302 | 515,663 | 89.1 |
| その他の収益 | 8,292 | 5,620 | △2,673 | △32.2 |
| その他の費用 | 0 | 114,555 | 114,555 | - |
| 営業利益 | 483,658 | 53,271 | △430,387 | △89.0 |
| 税引前利益 | 477,366 | 43,235 | △434,131 | △90.9 |
| 当期利益(△損失) | 330,854 | △38,469 | △369,323 | - |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 (△損失) | 343,624 | △12,397 | △356,021 | - |
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は3,197,782千円(前期比45.2%増)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、中長期的なユーザー数の安定的な確保を目的としたブランディング施策として、「弁護士ナビ」シリーズから「ベンナビ」へサイト名を含めたリブランディングを実施し、当連結会計年度においてはテストマーケティングも兼ねたテレビCM等のマス広告やYouTube、各種SNS広告等の配信を実施いたしました。また、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加したことや、新たにビッコレの事業が加わったこと、新規領域となる金融メディアの立ち上げに向けて投資を行った結果、売上収益は2,997,316千円(前期比45.0%増)、セグメント利益は858,786千円(同0.1%減)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,838,036千円(同25.1%増)、営業利益は582,522千円(同5.4%減)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,159,279千円(同94.2%増)、営業利益は276,264千円(同13.3%増)となりました。
[HR事業]
今後の成長に向けた体制強化として、当連結会計年度において大幅に人員数を増加させるとともに、新たに採用した人員の育成に注力いたしました。売上収益、営業利益については、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加した一方で人材採用や育成にリソースを投下する必要があったことや広告出稿を積極的に進めたことから、売上収益は135,739千円(前期比28.1%増)、セグメント損益は161,931千円の損失(前期は7,285千円の利益)となりました。
[保険事業]
2022年4月28日に株式の追加取得により連結子会社化し、第7期第3四半期より損益計算書の連結を開始した株式会社アシロ少額短期保険(以下「アシロ少短」という。2022年9月1日に株式会社カイラス少額短期保険から社名を変更)にて少額短期保険業を営んでおります。売上収益は64,469千円(前期比135.4%増)、セグメント損益は217,499千円の損失(前期は62,616千円の損失)となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は259千円(前期比82.6%減)、セグメント損益は2,464千円の損失(前期は29,130千円の損失)となりました。
売上原価は、793,693千円増加して1,941,274千円(同69.2%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、515,663千円増加して1,094,302千円(同89.1%増)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、売上原価や販売費及び一般管理費が増加いたしました。具体的には、売上原価の大半を占める広告媒体費が売上収益の増加に伴って増加した他、社員数の増加に伴って人件費や採用費、オフィス増床に伴う家賃等の各種費用が増加いたしました。また、リーガルメディア関連事業における「ベンナビ」やHR事業における「BEET」の認知度を上げるためにテレビCMや電車広告等を行った結果、広告宣伝費が増加いたしました。更に、ビッコレの買収に伴って仲介会社への手数料やデューディリジェンス費用等が発生いたしました。
以上の結果、営業利益は53,271千円(同89.0%減)、税引前利益は43,235千円(同90.9%減)、当期損失は38,469千円(前期は330,854千円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は12,397千円(前期は343,624千円の利益)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | ||||
| 金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | ||
| リーガルメディア関連事業 | 売上収益 | 2,066,770 | 93.9 | 2,997,316 | 93.7 |
| セグメント利益 | 859,548 | 177.7 | 858,786 | 1,612.1 | |
| HR事業 | 売上収益 | 105,943 | 4.8 | 135,739 | 4.3 |
| セグメント利益 | 7,285 | 1.5 | △161,931 | △304.0 | |
| 保険事業 | 売上収益 | 27,383 | 1.2 | 64,469 | 2.0 |
| セグメント利益 | △62,616 | △12.9 | △217,499 | △408.3 | |
| その他 | 売上収益 | 1,490 | 0.1 | 259 | 0.0 |
| セグメント利益 | △29,130 | △6.0 | △2,464 | △4.6 | |
| 調整額 | 売上収益 | - | - | - | - |
| セグメント利益 | △291,429 | △60.3 | △423,621 | △795.2 | |
| 合計 | 売上収益 | 2,201,586 | 100.0 | 3,197,782 | 100.0 |
| セグメント利益 | 483,658 | 100.0 | 53,271 | 100.0 | |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注)リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | ||||
| 金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | ||
| リーガルメディア | 売上収益 | 1,469,725 | 66.8 | 1,838,036 | 57.5 |
| うち、ストック収益 | 1,334,381 | 60.6 | 1,635,879 | 51.2 | |
| うち、フロー収益 | 136,483 | 6.1 | 202,157 | 6.3 | |
| 営業利益 | 615,751 | 127.3 | 582,522 | 1,093.5 | |
| 派生メディア | 売上収益 | 597,045 | 27.1 | 1,159,279 | 36.3 |
| 営業利益 | 243,797 | 50.4 | 276,264 | 518.6 | |
| 合計 | 売上収益 | 2,066,770 | 93.9 | 2,997,316 | 93.7 |
| 営業利益 | 859,548 | 177.7 | 858,786 | 1,612.1 | |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | 前年同期比 | ||
| 増減額 | ||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 511,393 | △103,212 | △614,605 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △268,681 | △168,425 | 100,255 | |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 328,978 | △377,944 | △706,921 | |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,875,533 | 1,225,953 | △649,581 | |
| 有利子負債(リース負債を除く) | 569,014 | 665,181 | 96,167 | |
| 短期 | 132,382 | 172,538 | 40,156 | |
| 長期 | 436,632 | 492,643 | 56,011 | |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,225,953千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは103,212千円の資金流出(前期は511,393千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として減価償却費及び償却費136,644千円、のれん等の減損損失114,472千円、仕入債務及びその他の債務の増加88,207千円、減少要因として法人所得税の支払額239,348千円、売上債権及びその他の債権の増加141,909千円、その他の流動資産の増加45,836千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは168,425千円の資金流出(同268,681千円の資金流出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出85,473千円、子会社の取得による支出56,673千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは377,944千円の資金流出(同328,978千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として新規の借入れによる収入394,330千円、減少要因として自己株式の取得による支出301,875千円、長期借入金の返済による支出232,476千円、配当金の支払いによる支出95,033千円、リース負債の返済による支出76,410千円、社債の償還による支出70,000千円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入等を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。下表のとおり掲載枠数は継続的に増加しており、当連結会計年度(2023年10月期)末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同月期比25.5%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
リーガルメディアの掲載枠数
(単位:件)
| 2019年10月期 | 2020年10月期 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | |
| 掲載枠数(期末時点) | 1,199 | 1,276 | 1,478 | 1,925 | 2,415 |