有価証券届出書(新規公開時)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、新たにリーガルHR事業を行うため2019年12月に子会社の株式会社trientを設立し、第5期より連結財務諸表を作成しております。第5期連結会計年度における前年同期及び前事業年度末との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
① 財政状態の状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、738,325千円(前事業年度(単体)末比185,985千円増)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物557,471千円、売上債権及びその他の債権170,126千円であります。
当連結会計年度末の非流動資産は、1,331,966千円(同86,189千円増)となりました。主な内訳は、のれん1,138,725千円、使用権資産68,593千円であります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、2,070,291千円(同272,174千円増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、635,458千円(同295,269千円増)となりました。主な内訳は、借入金385,018千円、未払法人所得税67,348千円、仕入債務及びその他の債務54,243千円であります。
当連結会計年度末の非流動負債は、314,679千円(同246,149千円減)となりました。主な内訳は、借入金268,006千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、950,137千円(同49,120千円増)となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、1,120,153千円(同223,054千円増)となりました。主な内訳は、資本剰余金716,190千円、利益剰余金254,056千円であります。
なお、当社単体(IFRS)における比較分析は以下の通りです。
(資産)
当事業年度末の流動資産は、708,245千円(前期末比155,905千円増)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物533,654千円、売上債権及びその他の債権164,273千円であります。現金及び現金同等物が144,699千円、売上収益の増加に伴い売上債権及びその他の債権が18,805千円増加致しました。
当事業年度末の非流動資産は、1,380,966千円(同135,189千円増)となりました。主な内訳は、のれん1,138,725千円、使用権資産68,593千円であります。本社オフィスの移転に伴い使用権資産が64,781千円、子会社の株式会社trientの新規設立に伴いその他の金融資産が51,796千円増加致しました。
この結果、当事業年度末の資産合計は、2,089,211千円(同291,095千円増)となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は、634,903千円(同294,714千円増)となりました。主な内訳は、借入金385,018千円、未払法人所得税67,348千円、仕入債務及びその他の債務54,497千円であります。銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となったため非流動負債から流動負債に振替えたことから借入金が303,106千円、本社オフィスの移転に伴いリース負債が27,481千円増加した一方、仕入債務及びその他の債務が21,253千円、税金の中間納付に伴い未払法人所得税が12,636千円減少致しました。
当事業年度末の非流動負債は、314,679千円(同246,149千円減)となりました。主な内訳は、借入金268,006千円、リース負債30,433千円であります。本社オフィスの移転に伴いリース負債が30,433千円増加した一方、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となったため非流動負債から流動負債に振替えたことから借入金が288,387千円減少致しました。
この結果、当事業年度末の負債合計は、949,582千円(同48,565千円増)となりました。
(資本)
当事業年度末の資本合計は、1,139,629千円(前期末比242,530千円増)となりました。主な内訳は、資本剰余金716,190千円、利益剰余金273,571千円であります。当期利益の計上により利益剰余金が227,497千円増加致しました。
第6期第2四半期連結会計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前期末に比べ219,864千円減少し518,461千円となりました。これは主に売上債権及びその他の債権が10,202千円増加し、現金及び現金同等物が227,553千円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末の非流動資産は、前期末に比べ29,287千円減少し1,302,679千円となりました。これは主に使用権資産が16,462千円減少したことによります。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、1,821,140千円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、前期末に比べ312,580千円減少し322,878千円となりました。これは主に借入金が306,822千円、仕入債務及びその他の債務が9,066千円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末の非流動負債は、前期末に比べ54,917千円減少し259,762千円となりました。これは主に借入金が38,072千円、リース負債が15,167千円減少したことによります。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、582,640千円となりました。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前期末に比べ118,346千円増加し1,238,499千円となりました。これは主に利益剰余金が122,279千円増加し、その他の資本の構成要素が3,933千円減少したことによります。
② 経営成績の状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大とそれに対応する企業活動の自粛や緊急事態宣言の発令により、急速な悪化が続く厳しい状況となりました。緊急事態宣言解除後は、徐々に経済活動が再開され、景気の持ち直しが期待されるものの、国内外において収束の見通しは立っておらず、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2019年の広告費は2兆1,048億円(前年比119.7%)となり、引き続き好調を維持しております。(出所:株式会社電通「2019年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループは、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営するなど、リーガルメディア関連事業を中心に事業を展開してまいりました。
リーガルメディアでは、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げに注力するなどした結果、2020年10月における掲載枠数(注1)は1,276枠(前年同月比6.4%増加)、掲載顧客数(注2)は482件(前年同月比19.9%増加)、2020年10月期における年間平均掲載枠数は1,260枠(前期比16.7%増加)、年間平均顧客数は439件(前期比16.4%増加)、ARPU(注3)は191千円(前期比0.1%増加)となり、順調に伸長しております。
また、上記のリーガルメディア関連事業に加えて、既存事業で培われた知見やネットワークを活かして人材紹介サービスを展開することを目的として、2019年12月に株式会社trientを設立し、2020年4月より許認可を取得しリーガルHR事業を開始しております。
(注1)掲載枠数とは、有料広告の延べ掲載数であり、同一顧客が複数の有料広告枠の掲載を行う場合は複数カウントを行っております。
(注2)掲載顧客数とは、有料広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
(注3)ARPUとは、1顧客当たりの平均月次売上収益であり、年間売上収益を同期間における年間平均の有料顧客数で除した上で、12で除して算出しております。
以上の結果、IFRSに準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は1,478,705千円(前事業年度(単体)比27.8%増)、営業利益は332,673千円(同30.7%増)、税引前利益は323,408千円(同31.4%増)、当期利益は207,982千円(同32.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[リーガルメディア関連事業]
掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加により、売上収益は1,463,427千円(同26.5%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着きました。その結果、リーガルメディアの売上収益は1,008,827千円(同16.5%増)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込みました。その他の派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は454,599千円(同56.2%増)となりましたが、上期(2019年11月~2020年4月)の売上収益は250,175千円、下期(2020年5月~2020年10月)の売上収益は204,424千円であり、下期の売上収益は上期と比較して減少致しました。
[リーガルHR事業]
当期より事業を開始しましたが、入社実績ベースでの成約が複数生じており、売上収益は15,278千円となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気が緩やかな回復基調へ推移すると予想されたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う国内外の経済活動の大幅な抑制により、景気は極めて不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2020年の広告費は2兆2,290億円(前年比5.9%増加)となり、一貫して成長を続けております。(出所:株式会社電通「2020年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、リーガルHR事業として弁護士等の人材紹介サービスを提供しております。
収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げに注力するなどした結果、2021年4月における掲載枠数(注1)は1,402枠(前年同月比11.5%増加)、掲載顧客数(注2)は543件(前年同月比26.0%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、有料広告の延べ掲載数であり、同一顧客が複数の有料広告枠の掲載を行う場合は複数カウントを行っております。
(注2)掲載顧客数とは、有料広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
一方、派生メディアにおいては、新型コロナウイルス感染症の流行による景気の冷え込みにより有効求人倍率が低下したことで、転職メディア「キャリズム」の案件数が減少するなどの影響があり、売上が減少致しました。
以上の結果、IFRSに準拠した当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益は735,520千円(前年同期比2.8%減)となりました。売上収益は減少したものの、経費削減などを進めた結果、利益面では増益となり、営業利益は195,143千円(同31.6%増)、税引前四半期利益は190,820千円(同32.9%増)、四半期利益は122,279千円(同39.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等が増加した一方、派生メディアにおいて主に転職メディア「キャリズム」の案件数の減少等が影響し、売上収益は699,242千円(同7.6%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着き、第2回及び第3回緊急事態宣言においては大きな悪影響は発生していない状況となります。その結果、リーガルメディアの売上収益は552,518千円(同9.1%増)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込んだものの、その後は有効求人倍率の持ち直しに伴って回復傾向で推移しております。その他、派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は146,724千円(同41.4%減)となり、前期の下期との比較でも減少致しました。
[リーガルHR事業]
前期より事業を開始し、人材紹介サービスにおいて成約が複数生じており、売上収益は36,278千円(前年同期は売上実績無し)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
③ キャッシュ・フローの状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、557,471千円(前事業年度(単体)末比168,516千円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、237,218千円の資金流入(前事業年度(単体)250,680千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益323,408千円(同246,175千円)、減少要因として法人所得税の支払額127,721千円(同34,525千円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、54,582千円の資金流出(同38,515千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として有形固定資産の取得による支出34,283千円(同4,341千円)、その他の金融資産の取得による支出21,000千円(同 発生無し)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14,119千円の資金流出(同102,021千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として長期借入れによる収入100,000千円(同 発生無し)、減少要因として長期借入金の返済による支出83,433千円(同86,796千円)、リース負債の返済による支出30,690千円(同15,224千円)によるものであります。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ227,553千円減少し、329,918千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは143,701千円の資金流入(前年同期63,755千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前四半期利益の計上190,820千円、減少要因として法人所得税の支払額67,348千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは9,524千円の資金流出(同20,523千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因としてその他の金融資産の取得による支出8,500千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは361,731千円の資金流出(同59,040千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として長期借入金の返済による支出346,761千円、リース負債の返済による支出14,970千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
第5期連結会計年度及び第6期第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループは、第5期より連結財務諸表を作成しており、第5期連結会計年度における前年同期との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
3.リーガルHR事業は、第5期連結会計年度より開始しているため、前年同期比を記載しておりません。
4.第4期事業年度、第5期連結会計年度及び第6期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループは、新たにリーガルHR事業を行うため2019年12月に子会社の株式会社trientを設立し、第5期より連結財務諸表を作成しております。第5期連結会計年度における前年同期及び前事業年度末との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
(非金融資産の減損 のれんの減損テスト)
当社は、のれんについて、毎期末又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。減損テストにおいて、資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、経営者が承認した3年以内の事業計画のうちのれんの資金生成単位であるリーガルメディア関連事業に係る計数を基礎とし、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。
使用価値の測定で使用した割引率は、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
当該見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響につきましては、有効求人倍率の低下に伴って転職メディア「キャリズム」及び人材紹介サービスの売上収益が減少する等、派生メディアやリーガルHR事業において悪影響が出ております。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等は見通せませんが、当社は2021年より景気が緩やかに回復していくという仮定をおき、現在入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行いましたが、その見積りに重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの仮定と異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前事業年度末(単体)に比べて272,174千円増加し、2,070,291千円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が168,516千円、本社オフィスの移転に伴い使用権資産が64,781千円、売上収益の増加に伴い売上債権及びその他の債権が24,659千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前事業年度末(単体)に比べて49,120千円増加し、950,137千円となりました。この主な要因は、仕入債務及びその他の債務が21,507千円、税金の中間納付に伴い未払法人所得税が12,636千円減少した一方、本社オフィスの移転に伴いリース負債(流動負債)が27,481千円、同(非流動負債)が30,433千円増加したことによるものであります。また、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となった385,018千円を非流動負債から流動負債に振替えております。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前事業年度末(単体)に比べて223,054千円増加し、1,120,153千円となりました。この主な要因は、当期利益を207,982千円計上したことによるものであります。
第6期第2四半期連結会計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて249,151円減少し、1,821,140千円となりました。この主な要因は、銀行からの借入金の返済等により現金及び現金同等物が227,553千円、本社オフィスの賃貸借期間の経過に伴い使用権資産が16,462千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて367,497千円減少し、582,640千円となりました。この主な要因は、銀行からの借入金の返済等により借入金(流動負債・非流動負債合計)が344,894千円、本社オフィスの賃借料の支払によりリース負債(同)が14,970千円減少したことによるものであります。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて118,346千円増加し、1,238,499千円となりました。この主な要因は、四半期利益を122,279千円計上したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は1,478,705千円(前事業年度(単体)比321,975千円、27.8%増加)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加により、売上収益は1,463,427千円(同306,697千円、26.5%増加)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着きました。その結果、リーガルメディアの売上収益は1,008,827千円(同143,165千円、16.5%増加)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込みました。その他の派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は454,599千円(同163,532千円、56.2%増加)となりましたが、上期(2019年11月~2020年4月)の売上収益は250,175千円、下期(2020年5月~2020年10月)の売上収益は204,424千円であり、下期の売上収益は上期と比較して減少致しました。
[リーガルHR事業]
当期より事業を開始しましたが、入社実績ベースでの成約が複数生じており、売上収益は15,278千円となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
売上原価は769,711千円(同185,199千円、31.7%増加)となりました。売上原価の大半を占める広告媒体費が増加した他、当社サイトに掲載するコンテンツの制作に係る外注費が増加したことによります。
以上の結果、売上総利益は708,994千円(同136,776千円、23.9%増加)となりました。
販売費及び一般管理費は375,981千円(同58,151千円、18.3%増加)となりました。社員数の増加に伴って人件費が増加した他、オフィス移転によりオフィス賃借費用や減価償却費が増加したことによります。
以上の結果、営業利益は332,673千円(同78,143千円、30.7%増加)、税引前利益は323,408千円(同77,233千円、31.4%増加)、当期利益は207,982千円(同51,486千円、32.9%増加)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、前事業年度は、リーガルメディア関連事業を提供する単一セグメントのため、事業分野ごとの収益、損益及びその他項目の記載を省略しております。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。なお、前事業年度は、リーガルメディア関連事業を提供する単一セグメントのため、記載を省略しております。
(注) リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益は735,520千円(前年同期比21,287千円、2.8%減少)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等が増加した一方、派生メディアにおいて主に転職メディア「キャリズム」の案件数の減少等が影響し、売上収益は699,242千円(同57,565千円、7.6%減少)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着き、第2回及び第3回緊急事態宣言においては大きな悪影響は発生していない状況となります。その結果、リーガルメディアの売上収益は552,518千円(同45,885千円、9.1%増加)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込んだものの、その後は有効求人倍率の持ち直しに伴って回復傾向で推移しております。その他、派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は146,724千円(同103,450千円、41.4%減少)となり、前期の下期との比較でも減少致しました。
[リーガルHR事業]
前期より事業を開始し、人材紹介サービスにおいて成約が複数生じており、売上収益は36,278千円(前年同期は売上実績無し)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
売上原価は351,666千円(前年同期比66,951千円、16.0%減少)となりました。派生メディアの売上収益の減少に伴って売上原価の大半を占める広告媒体費が減少した他、社員の採用によりコンテンツ制作やシステム運用の内製化を図り外注費が減少したことによります。
以上の結果、売上総利益は383,854千円(同45,664千円、13.5%増加)となりました。
販売費及び一般管理費は189,792千円(同158千円、0.1%増加)となりました。社員の増加等により人件費が増加しましたが、営業管理システムの変更によってシステム費用が減少したこと、前期のオフィス移転による一時的なオフィス移転関連費用が無くなったこと等により総額としてはほぼ横這いとなりました。
以上の結果、営業利益は195,143千円(同46,896千円、31.6%増加)、税引前四半期利益は190,820千円(同47,281千円、32.9%増加)、四半期利益は122,279千円(同34,869千円、39.9%増加)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注) リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末(単体)に比べて168,516千円増加し、557,471千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、237,218千円の資金流入となりました。この主な要因は、増加要因として税引前利益323,408千円、減少要因として法人所得税の支払額127,721千円であります。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度(単体)における営業活動によるキャッシュ・フローと比べて13,462千円減少しておりますが、安定した資金流入となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、54,582千円の資金流出となりました。この主な要因は、増加要因として旧オフィスの敷金の回収による収入13,999千円、減少要因として本社オフィスに移転に伴う有形固定資産の取得による支出34,283千円、その他の金融資産の取得による支出21,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14,119千円の資金流出となりました。この主な要因は、増加要因として長期借入れによる収入100,000千円、減少要因として長期借入金の返済による支出83,433千円、リース負債の返済による支出30,690千円であります。また、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となった385,018千円を非流動負債から流動負債に振替えた結果、リース負債を除く有利子負債は、流動負債が385,018千円、非流動負債が268,006千円となっております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前第2四半期連結会計期間末に比べ43,228千円減少し、329,918千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは143,701千円の資金流入(前年同期63,755千円の資金流入)となりました。この主な要因は、増加要因として税引前四半期利益190,820千円、減少要因として法人所得税の支払額67,348千円であります。当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて79,946千円と大きく増加し、安定した資金流入となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは9,524千円の資金流出(同20,523千円の資金流出)となりました。この主な要因は、減少要因としてその他の金融資産の取得による支出8,500千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは361,731千円の資金流出(同59,040千円の資金流出)となりました。この主な要因は、減少要因として長期借入金の返済による支出346,761千円、リース負債の返済による支出14,970千円であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけています。また、掲載枠数増加のためには顧客満足度の改善が必須であることから、解約率についても主要な経営指標と位置づけています。当該指標については、下表のとおり枠数については継続的に増加しており、解約率については新たにカスタマーサクセス(CS)部を設立した2020年10月期以降、低減しております。第6期第2四半期連結会計期間末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同期比11.5%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しています。
リーガルメディアの主要サイト(弁護士ナビシリーズ9サイトと「あなたの弁護士」)合計の掲載枠数・解約率
(期間平均)(注)1
(単位:件・%)
(注)1.各月末の掲載枠数を、該当期間で平均した値(小数点以下切り捨て)となります。
(注)2.各月の解約率を、該当期間で平均した値(小数点以下第2位を四捨五入)となります。
なお、各月の解約率は、当月の解約枠数を前月末の掲載枠数で除して算定しております。
(注)3.2016年10月期・2017年10月期の期間平均解約率については、当時は集計していなかったため、記載しておりません。
(注)4.当社及び旧 株式会社アシロにおけるサービス提供期間を通算した数値となります。
(参考情報)会計基準の差を考慮した過年度業績の推移
当社グループは2020年10月31日に終了する連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を初めて適用しており、IFRSへの移行日は2018年11月1日であります。一方で2018年10月期以前の数値は日本基準によるため、過年度業績の比較の際には会計基準の差を考慮する必要があります。日本基準とIFRSの主要な差異であるのれんの償却について調整を行った売上収益・調整後営業利益・調整後営業利益率の過年度推移は以下のとおりであります。
(単位:千円・%)
(注)1.2020年10月期より連結財務諸表を作成しております。
(注)2.2019年10月期以降は、IFRSによる数値を記載しており、連結損益計算書と一致しております。
(注)3.営業利益について、のれんの償却額を加算調整しております。
当社グループは、新たにリーガルHR事業を行うため2019年12月に子会社の株式会社trientを設立し、第5期より連結財務諸表を作成しております。第5期連結会計年度における前年同期及び前事業年度末との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
① 財政状態の状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、738,325千円(前事業年度(単体)末比185,985千円増)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物557,471千円、売上債権及びその他の債権170,126千円であります。
当連結会計年度末の非流動資産は、1,331,966千円(同86,189千円増)となりました。主な内訳は、のれん1,138,725千円、使用権資産68,593千円であります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、2,070,291千円(同272,174千円増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、635,458千円(同295,269千円増)となりました。主な内訳は、借入金385,018千円、未払法人所得税67,348千円、仕入債務及びその他の債務54,243千円であります。
当連結会計年度末の非流動負債は、314,679千円(同246,149千円減)となりました。主な内訳は、借入金268,006千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、950,137千円(同49,120千円増)となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、1,120,153千円(同223,054千円増)となりました。主な内訳は、資本剰余金716,190千円、利益剰余金254,056千円であります。
なお、当社単体(IFRS)における比較分析は以下の通りです。
(資産)
当事業年度末の流動資産は、708,245千円(前期末比155,905千円増)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物533,654千円、売上債権及びその他の債権164,273千円であります。現金及び現金同等物が144,699千円、売上収益の増加に伴い売上債権及びその他の債権が18,805千円増加致しました。
当事業年度末の非流動資産は、1,380,966千円(同135,189千円増)となりました。主な内訳は、のれん1,138,725千円、使用権資産68,593千円であります。本社オフィスの移転に伴い使用権資産が64,781千円、子会社の株式会社trientの新規設立に伴いその他の金融資産が51,796千円増加致しました。
この結果、当事業年度末の資産合計は、2,089,211千円(同291,095千円増)となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は、634,903千円(同294,714千円増)となりました。主な内訳は、借入金385,018千円、未払法人所得税67,348千円、仕入債務及びその他の債務54,497千円であります。銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となったため非流動負債から流動負債に振替えたことから借入金が303,106千円、本社オフィスの移転に伴いリース負債が27,481千円増加した一方、仕入債務及びその他の債務が21,253千円、税金の中間納付に伴い未払法人所得税が12,636千円減少致しました。
当事業年度末の非流動負債は、314,679千円(同246,149千円減)となりました。主な内訳は、借入金268,006千円、リース負債30,433千円であります。本社オフィスの移転に伴いリース負債が30,433千円増加した一方、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となったため非流動負債から流動負債に振替えたことから借入金が288,387千円減少致しました。
この結果、当事業年度末の負債合計は、949,582千円(同48,565千円増)となりました。
(資本)
当事業年度末の資本合計は、1,139,629千円(前期末比242,530千円増)となりました。主な内訳は、資本剰余金716,190千円、利益剰余金273,571千円であります。当期利益の計上により利益剰余金が227,497千円増加致しました。
第6期第2四半期連結会計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、前期末に比べ219,864千円減少し518,461千円となりました。これは主に売上債権及びその他の債権が10,202千円増加し、現金及び現金同等物が227,553千円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末の非流動資産は、前期末に比べ29,287千円減少し1,302,679千円となりました。これは主に使用権資産が16,462千円減少したことによります。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、1,821,140千円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、前期末に比べ312,580千円減少し322,878千円となりました。これは主に借入金が306,822千円、仕入債務及びその他の債務が9,066千円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末の非流動負債は、前期末に比べ54,917千円減少し259,762千円となりました。これは主に借入金が38,072千円、リース負債が15,167千円減少したことによります。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、582,640千円となりました。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前期末に比べ118,346千円増加し1,238,499千円となりました。これは主に利益剰余金が122,279千円増加し、その他の資本の構成要素が3,933千円減少したことによります。
② 経営成績の状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大とそれに対応する企業活動の自粛や緊急事態宣言の発令により、急速な悪化が続く厳しい状況となりました。緊急事態宣言解除後は、徐々に経済活動が再開され、景気の持ち直しが期待されるものの、国内外において収束の見通しは立っておらず、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2019年の広告費は2兆1,048億円(前年比119.7%)となり、引き続き好調を維持しております。(出所:株式会社電通「2019年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループは、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営するなど、リーガルメディア関連事業を中心に事業を展開してまいりました。
リーガルメディアでは、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げに注力するなどした結果、2020年10月における掲載枠数(注1)は1,276枠(前年同月比6.4%増加)、掲載顧客数(注2)は482件(前年同月比19.9%増加)、2020年10月期における年間平均掲載枠数は1,260枠(前期比16.7%増加)、年間平均顧客数は439件(前期比16.4%増加)、ARPU(注3)は191千円(前期比0.1%増加)となり、順調に伸長しております。
また、上記のリーガルメディア関連事業に加えて、既存事業で培われた知見やネットワークを活かして人材紹介サービスを展開することを目的として、2019年12月に株式会社trientを設立し、2020年4月より許認可を取得しリーガルHR事業を開始しております。
(注1)掲載枠数とは、有料広告の延べ掲載数であり、同一顧客が複数の有料広告枠の掲載を行う場合は複数カウントを行っております。
(注2)掲載顧客数とは、有料広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
(注3)ARPUとは、1顧客当たりの平均月次売上収益であり、年間売上収益を同期間における年間平均の有料顧客数で除した上で、12で除して算出しております。
以上の結果、IFRSに準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は1,478,705千円(前事業年度(単体)比27.8%増)、営業利益は332,673千円(同30.7%増)、税引前利益は323,408千円(同31.4%増)、当期利益は207,982千円(同32.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[リーガルメディア関連事業]
掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加により、売上収益は1,463,427千円(同26.5%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着きました。その結果、リーガルメディアの売上収益は1,008,827千円(同16.5%増)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込みました。その他の派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は454,599千円(同56.2%増)となりましたが、上期(2019年11月~2020年4月)の売上収益は250,175千円、下期(2020年5月~2020年10月)の売上収益は204,424千円であり、下期の売上収益は上期と比較して減少致しました。
[リーガルHR事業]
当期より事業を開始しましたが、入社実績ベースでの成約が複数生じており、売上収益は15,278千円となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気が緩やかな回復基調へ推移すると予想されたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う国内外の経済活動の大幅な抑制により、景気は極めて不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2020年の広告費は2兆2,290億円(前年比5.9%増加)となり、一貫して成長を続けております。(出所:株式会社電通「2020年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、リーガルHR事業として弁護士等の人材紹介サービスを提供しております。
収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げに注力するなどした結果、2021年4月における掲載枠数(注1)は1,402枠(前年同月比11.5%増加)、掲載顧客数(注2)は543件(前年同月比26.0%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、有料広告の延べ掲載数であり、同一顧客が複数の有料広告枠の掲載を行う場合は複数カウントを行っております。
(注2)掲載顧客数とは、有料広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
一方、派生メディアにおいては、新型コロナウイルス感染症の流行による景気の冷え込みにより有効求人倍率が低下したことで、転職メディア「キャリズム」の案件数が減少するなどの影響があり、売上が減少致しました。
以上の結果、IFRSに準拠した当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益は735,520千円(前年同期比2.8%減)となりました。売上収益は減少したものの、経費削減などを進めた結果、利益面では増益となり、営業利益は195,143千円(同31.6%増)、税引前四半期利益は190,820千円(同32.9%増)、四半期利益は122,279千円(同39.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等が増加した一方、派生メディアにおいて主に転職メディア「キャリズム」の案件数の減少等が影響し、売上収益は699,242千円(同7.6%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着き、第2回及び第3回緊急事態宣言においては大きな悪影響は発生していない状況となります。その結果、リーガルメディアの売上収益は552,518千円(同9.1%増)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込んだものの、その後は有効求人倍率の持ち直しに伴って回復傾向で推移しております。その他、派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は146,724千円(同41.4%減)となり、前期の下期との比較でも減少致しました。
[リーガルHR事業]
前期より事業を開始し、人材紹介サービスにおいて成約が複数生じており、売上収益は36,278千円(前年同期は売上実績無し)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
③ キャッシュ・フローの状況
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、557,471千円(前事業年度(単体)末比168,516千円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、237,218千円の資金流入(前事業年度(単体)250,680千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益323,408千円(同246,175千円)、減少要因として法人所得税の支払額127,721千円(同34,525千円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、54,582千円の資金流出(同38,515千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として有形固定資産の取得による支出34,283千円(同4,341千円)、その他の金融資産の取得による支出21,000千円(同 発生無し)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14,119千円の資金流出(同102,021千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として長期借入れによる収入100,000千円(同 発生無し)、減少要因として長期借入金の返済による支出83,433千円(同86,796千円)、リース負債の返済による支出30,690千円(同15,224千円)によるものであります。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ227,553千円減少し、329,918千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは143,701千円の資金流入(前年同期63,755千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前四半期利益の計上190,820千円、減少要因として法人所得税の支払額67,348千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは9,524千円の資金流出(同20,523千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因としてその他の金融資産の取得による支出8,500千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは361,731千円の資金流出(同59,040千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として長期借入金の返済による支出346,761千円、リース負債の返済による支出14,970千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
第5期連結会計年度及び第6期第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第5期連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | 前年同期比 (%) | 第6期第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) |
リーガルメディア関連事業 (千円) | 1,463,427 | 126.5 | 699,242 |
うち、リーガルメディア (千円) | 1,008,827 | 116.5 | 552,518 |
派生メディア (千円) | 454,599 | 156.2 | 146,724 |
リーガルHR事業 (千円) | 15,278 | - | 36,278 |
合計(千円) | 1,478,705 | 127.8 | 735,520 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループは、第5期より連結財務諸表を作成しており、第5期連結会計年度における前年同期との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
3.リーガルHR事業は、第5期連結会計年度より開始しているため、前年同期比を記載しておりません。
4.第4期事業年度、第5期連結会計年度及び第6期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 第4期事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | 第5期連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | 第6期第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) | |||
金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
弁護士法人アディーレ法律事務所 | 173,605 | 15.0 | 186,630 | 12.6 | 106,860 | 14.5 |
株式会社ベリーベスト | 119,700 | 10.3 | 127,949 | 8.7 | 66,705 | 9.1 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループは、新たにリーガルHR事業を行うため2019年12月に子会社の株式会社trientを設立し、第5期より連結財務諸表を作成しております。第5期連結会計年度における前年同期及び前事業年度末との比較分析は、便宜的に第4期事業年度の財務諸表との間で行っております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
(非金融資産の減損 のれんの減損テスト)
当社は、のれんについて、毎期末又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。減損テストにおいて、資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、経営者が承認した3年以内の事業計画のうちのれんの資金生成単位であるリーガルメディア関連事業に係る計数を基礎とし、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。
使用価値の測定で使用した割引率は、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
当該見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響につきましては、有効求人倍率の低下に伴って転職メディア「キャリズム」及び人材紹介サービスの売上収益が減少する等、派生メディアやリーガルHR事業において悪影響が出ております。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等は見通せませんが、当社は2021年より景気が緩やかに回復していくという仮定をおき、現在入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行いましたが、その見積りに重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの仮定と異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
前事業年度 (2019年10月31日) -単体- | 当連結会計年度 (2020年10月31日) -連結- | 前年同期比 | |||
増減額 | 増減率(%) | ||||
流動資産 | 552,340 | 738,325 | 185,985 | 33.7 | |
非流動資産 | 1,245,777 | 1,331,966 | 86,189 | 6.9 | |
資産合計 | 1,798,116 | 2,070,291 | 272,174 | 15.1 | |
流動負債 | 340,189 | 635,458 | 295,269 | 86.8 | |
非流動負債 | 560,829 | 314,679 | △246,149 | △43.9 | |
負債合計 | 901,017 | 950,137 | 49,120 | 5.5 | |
資本合計 | 897,099 | 1,120,153 | 223,054 | 24.9 |
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前事業年度末(単体)に比べて272,174千円増加し、2,070,291千円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が168,516千円、本社オフィスの移転に伴い使用権資産が64,781千円、売上収益の増加に伴い売上債権及びその他の債権が24,659千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前事業年度末(単体)に比べて49,120千円増加し、950,137千円となりました。この主な要因は、仕入債務及びその他の債務が21,507千円、税金の中間納付に伴い未払法人所得税が12,636千円減少した一方、本社オフィスの移転に伴いリース負債(流動負債)が27,481千円、同(非流動負債)が30,433千円増加したことによるものであります。また、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となった385,018千円を非流動負債から流動負債に振替えております。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前事業年度末(単体)に比べて223,054千円増加し、1,120,153千円となりました。この主な要因は、当期利益を207,982千円計上したことによるものであります。
第6期第2四半期連結会計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
前連結会計年度 (2020年10月31日) | 当第2四半期連結 会計期間 (2021年4月30日) | 前期末比 | |||
増減額 | 増減率(%) | ||||
流動資産 | 738,325 | 518,461 | △219,864 | △29.8 | |
非流動資産 | 1,331,966 | 1,302,679 | △29,287 | △2.2 | |
資産合計 | 2,070,291 | 1,821,140 | △249,151 | △12.0 | |
流動負債 | 635,458 | 322,878 | △312,580 | △49.2 | |
非流動負債 | 314,679 | 259,762 | △54,917 | △17.5 | |
負債合計 | 950,137 | 582,640 | △367,497 | △38.7 | |
資本合計 | 1,120,153 | 1,238,499 | 118,346 | 10.6 |
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて249,151円減少し、1,821,140千円となりました。この主な要因は、銀行からの借入金の返済等により現金及び現金同等物が227,553千円、本社オフィスの賃貸借期間の経過に伴い使用権資産が16,462千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて367,497千円減少し、582,640千円となりました。この主な要因は、銀行からの借入金の返済等により借入金(流動負債・非流動負債合計)が344,894千円、本社オフィスの賃借料の支払によりリース負債(同)が14,970千円減少したことによるものであります。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて118,346千円増加し、1,238,499千円となりました。この主な要因は、四半期利益を122,279千円計上したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
前事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) -単体- | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) -連結- | 前年同期比 | ||||
増減額 | 増減率 (%) | |||||
売上収益 | 1,156,730 | 1,478,705 | 321,975 | 27.8 | ||
リーガルメディア関連事業 | 1,156,730 | 1,463,427 | 306,697 | 26.5 | ||
うち、リーガルメディア | 865,662 | 1,008,827 | 143,165 | 16.5 | ||
派生メディア | 291,068 | 454,599 | 163,532 | 56.2 | ||
リーガルHR事業 | - | 15,278 | 15,278 | - | ||
売上原価 | 584,512 | 769,711 | 185,199 | 31.7 | ||
売上総利益 | 572,218 | 708,994 | 136,776 | 23.9 | ||
販売費及び一般管理費 | 317,830 | 375,981 | 58,151 | 18.3 | ||
その他の収益 | 143 | 1,611 | 1,468 | 1,030.4 | ||
その他の費用 | - | 1,951 | 1,951 | - | ||
営業利益 | 254,530 | 332,673 | 78,143 | 30.7 | ||
税引前利益 | 246,175 | 323,408 | 77,233 | 31.4 | ||
当期利益 | 156,496 | 207,982 | 51,486 | 32.9 |
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は1,478,705千円(前事業年度(単体)比321,975千円、27.8%増加)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加により、売上収益は1,463,427千円(同306,697千円、26.5%増加)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着きました。その結果、リーガルメディアの売上収益は1,008,827千円(同143,165千円、16.5%増加)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込みました。その他の派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は454,599千円(同163,532千円、56.2%増加)となりましたが、上期(2019年11月~2020年4月)の売上収益は250,175千円、下期(2020年5月~2020年10月)の売上収益は204,424千円であり、下期の売上収益は上期と比較して減少致しました。
[リーガルHR事業]
当期より事業を開始しましたが、入社実績ベースでの成約が複数生じており、売上収益は15,278千円となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
売上原価は769,711千円(同185,199千円、31.7%増加)となりました。売上原価の大半を占める広告媒体費が増加した他、当社サイトに掲載するコンテンツの制作に係る外注費が増加したことによります。
以上の結果、売上総利益は708,994千円(同136,776千円、23.9%増加)となりました。
販売費及び一般管理費は375,981千円(同58,151千円、18.3%増加)となりました。社員数の増加に伴って人件費が増加した他、オフィス移転によりオフィス賃借費用や減価償却費が増加したことによります。
以上の結果、営業利益は332,673千円(同78,143千円、30.7%増加)、税引前利益は323,408千円(同77,233千円、31.4%増加)、当期利益は207,982千円(同51,486千円、32.9%増加)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、前事業年度は、リーガルメディア関連事業を提供する単一セグメントのため、事業分野ごとの収益、損益及びその他項目の記載を省略しております。
(単位:千円)
当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) -連結- | |||
金額 | 構成比(注) (%) | ||
リーガルメディア関連事業 | 売上収益 | 1,463,427 | 99.0 |
セグメント利益 | 583,110 | 175.3 | |
リーガルHR事業 | 売上収益 | 15,278 | 1.0 |
セグメント利益 | △13,095 | △3.9 | |
調整額 | 売上収益 | - | - |
セグメント利益 | △237,342 | △71.3 | |
合計 | 売上収益 | 1,478,705 | 100.0 |
セグメント利益 | 332,673 | 100.0 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。なお、前事業年度は、リーガルメディア関連事業を提供する単一セグメントのため、記載を省略しております。
(注) リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) -連結- | |||
金額 | 構成比(注) (%) | ||
リーガルメディア | 売上収益 | 1,008,827 | 68.2 |
うち、ストック収益 | 965,521 | 65.3 | |
うち、フロー収益 | 43,306 | 2.9 | |
営業利益 | 461,516 | 138.7 | |
派生メディア | 売上収益 | 454,599 | 30.7 |
営業利益 | 121,594 | 36.6 | |
合計 | 売上収益 | 1,463,427 | 99.0 |
営業利益 | 583,110 | 175.3 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
前第2四半期 連結累計期間 (自 2019年11月1日 至 2020年4月30日) | 当第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) | 前年同期比 | |||
増減額 | 増減率(%) | ||||
売上収益 | 756,807 | 735,520 | △21,287 | △2.8 | |
リーガルメディア関連事業 | 756,807 | 699,242 | △57,565 | △7.6 | |
うち、リーガルメディア | 506,632 | 552,518 | 45,885 | 9.1 | |
派生メディア | 250,175 | 146,724 | △103,450 | △41.4 | |
リーガルHR事業 | - | 36,278 | 36,278 | - | |
売上原価 | 418,617 | 351,666 | △66,951 | △16.0 | |
売上総利益 | 338,190 | 383,854 | 45,664 | 13.5 | |
販売費及び一般管理費 | 189,634 | 189,792 | 158 | 0.1 | |
その他の収益 | - | 1,080 | 1,080 | - | |
その他の費用 | 309 | - | △309 | △100.0 | |
営業利益 | 148,247 | 195,143 | 46,896 | 31.6 | |
税引前四半期利益 | 143,539 | 190,820 | 47,281 | 32.9 | |
四半期利益 | 87,411 | 122,279 | 34,869 | 39.9 |
当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益は735,520千円(前年同期比21,287千円、2.8%減少)となりました。
[リーガルメディア関連事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等が増加した一方、派生メディアにおいて主に転職メディア「キャリズム」の案件数の減少等が影響し、売上収益は699,242千円(同57,565千円、7.6%減少)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、2020年4月から5月にかけて全国に第1回緊急事態宣言が発出されました。当社の主要事業であるリーガルメディアについては、同宣言時に新規獲得件数及び解約件数への悪影響を受けましたが、その後は新規獲得件数が徐々に回復するとともに解約件数も落ち着き、第2回及び第3回緊急事態宣言においては大きな悪影響は発生していない状況となります。その結果、リーガルメディアの売上収益は552,518千円(同45,885千円、9.1%増加)となりました。
派生メディアについては、大きな割合を占めている転職メディア「キャリズム」は人材紹介会社を広告主としてユーザーの送客を行っているところ、有効求人倍率の悪化に伴って人材紹介会社の広告予算が縮減し、2020年の後半から2021年初を中心に一時的に大きく落ち込んだものの、その後は有効求人倍率の持ち直しに伴って回復傾向で推移しております。その他、派生メディアでは「浮気調査ナビ」「人探しの窓口」といった探偵事務所を広告主としてユーザーの送客を行うメディアを運営しておりますが、緊急事態宣言等の発出が断続的になされて外出の自粛や飲食店の時短営業等が求められる環境であることから、ユーザーの集客に悪影響が生じております。その結果、派生メディアの売上収益は146,724千円(同103,450千円、41.4%減少)となり、前期の下期との比較でも減少致しました。
[リーガルHR事業]
前期より事業を開始し、人材紹介サービスにおいて成約が複数生じており、売上収益は36,278千円(前年同期は売上実績無し)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響については、有効求人倍率の悪化により買い手(採用企業)優位の傾向が強まっており、成約率に悪影響を受けていると認識しておりますが、一般の転職に比べて弁護士の転職はニッチマーケットであることや主要顧客である法律事務所にとっては事業を拡大・継続する上で弁護士の採用は不可欠であることから、一般の人材紹介事業に比べて影響は相対的に少ないと考えております。
売上原価は351,666千円(前年同期比66,951千円、16.0%減少)となりました。派生メディアの売上収益の減少に伴って売上原価の大半を占める広告媒体費が減少した他、社員の採用によりコンテンツ制作やシステム運用の内製化を図り外注費が減少したことによります。
以上の結果、売上総利益は383,854千円(同45,664千円、13.5%増加)となりました。
販売費及び一般管理費は189,792千円(同158千円、0.1%増加)となりました。社員の増加等により人件費が増加しましたが、営業管理システムの変更によってシステム費用が減少したこと、前期のオフィス移転による一時的なオフィス移転関連費用が無くなったこと等により総額としてはほぼ横這いとなりました。
以上の結果、営業利益は195,143千円(同46,896千円、31.6%増加)、税引前四半期利益は190,820千円(同47,281千円、32.9%増加)、四半期利益は122,279千円(同34,869千円、39.9%増加)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(単位:千円)
前第2四半期 連結累計期間 (自 2019年11月1日 至 2020年4月30日) | 当第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) | 前年同期比 | |||||
金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | 増減額 | 増減率 (%) | ||
リーガルメディア関連事業 | 売上収益 | 756,807 | 100.0 | 699,242 | 95.1 | △57,565 | △7.6 |
セグメント利益 | 278,641 | 188.0 | 306,219 | 156.9 | 27,578 | 9.9 | |
リーガルHR事業 | 売上収益 | - | - | 36,278 | 4.9 | 36,278 | - |
セグメント利益 | △8,384 | △5.7 | 4,093 | 2.1 | 12,476 | - | |
調整額 | 売上収益 | - | - | - | - | - | - |
セグメント利益 | △122,010 | △82.3 | △115,169 | △59.0 | 6,841 | - | |
合計 | 売上収益 | 756,807 | 100.0 | 735,520 | 100.0 | △21,287 | △2.8 |
セグメント利益 | 148,247 | 100.0 | 195,143 | 100.0 | 46,895 | 31.6 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
リーガルメディア関連事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注) リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
前第2四半期 連結累計期間 (自 2019年11月1日 至 2020年4月30日) | 当第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) | 前年同期比 | |||||
金額 | 構成比(注) (%) | 金額 | 構成比(注) (%) | 増減額 | 増減率 (%) | ||
リーガルメディア | 売上収益 | 506,632 | 66.9 | 552,518 | 75.1 | 45,885 | 9.1 |
うち、ストック収益 | 484,576 | 64.0 | 529,646 | 72.0 | 45,070 | 9.3 | |
うち、フロー収益 | 22,057 | 2.9 | 22,872 | 3.1 | 815 | 3.7 | |
営業利益 | 219,265 | 147.9 | 265,617 | 136.1 | 46,352 | 21.1 | |
派生 メディア | 売上収益 | 250,175 | 33.1 | 146,724 | 19.9 | △103,450 | △41.4 |
営業利益 | 59,375 | 40.1 | 40,602 | 20.8 | △18,773 | △31.6 | |
合計 | 売上収益 | 756,807 | 100.0 | 699,242 | 95.1 | △57,565 | △7.6 |
営業利益 | 278,641 | 188.0 | 306,219 | 156.9 | 27,578 | 9.9 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
第5期連結会計年度(自 2019年11月1日 至 2020年10月31日)
(単位:千円)
前事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) -単体- | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) -連結- | 前年同期比 | |||
増減額 | |||||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 250,680 | 237,218 | △13,462 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー | △38,515 | △54,582 | △16,067 | ||
財務活動によるキャッシュ・フロー | △102,021 | △14,119 | 87,901 | ||
現金及び現金同等物の期末残高 | 388,955 | 557,471 | 168,516 | ||
有利子負債(リース負債を除く) | 638,305 | 653,024 | 14,719 | ||
短期 | 81,913 | 385,018 | 303,106 | ||
長期 | 556,392 | 268,006 | △288,387 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末(単体)に比べて168,516千円増加し、557,471千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、237,218千円の資金流入となりました。この主な要因は、増加要因として税引前利益323,408千円、減少要因として法人所得税の支払額127,721千円であります。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度(単体)における営業活動によるキャッシュ・フローと比べて13,462千円減少しておりますが、安定した資金流入となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、54,582千円の資金流出となりました。この主な要因は、増加要因として旧オフィスの敷金の回収による収入13,999千円、減少要因として本社オフィスに移転に伴う有形固定資産の取得による支出34,283千円、その他の金融資産の取得による支出21,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14,119千円の資金流出となりました。この主な要因は、増加要因として長期借入れによる収入100,000千円、減少要因として長期借入金の返済による支出83,433千円、リース負債の返済による支出30,690千円であります。また、銀行からの借入金の一部につき返済期限が1年未満となった385,018千円を非流動負債から流動負債に振替えた結果、リース負債を除く有利子負債は、流動負債が385,018千円、非流動負債が268,006千円となっております。
第6期第2四半期連結累計期間(自 2020年11月1日 至 2021年4月30日)
(単位:千円)
前第2四半期 連結累計期間 (自 2019年11月1日 至 2020年4月30日) | 当第2四半期 連結累計期間 (自 2020年11月1日 至 2021年4月30日) | 前年同期比 | |||
増減額 | |||||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 63,755 | 143,701 | 79,946 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー | △20,523 | △9,524 | 10,999 | ||
財務活動によるキャッシュ・フロー | △59,040 | △361,731 | △302,690 | ||
現金及び現金同等物の期末残高 | 373,147 | 329,918 | △43,228 | ||
有利子負債(リース負債を除く) | 596,460 | 308,129 | △288,330 | ||
短期 | 384,069 | 78,196 | △305,872 | ||
長期 | 212,391 | 229,933 | 17,542 |
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前第2四半期連結会計期間末に比べ43,228千円減少し、329,918千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは143,701千円の資金流入(前年同期63,755千円の資金流入)となりました。この主な要因は、増加要因として税引前四半期利益190,820千円、減少要因として法人所得税の支払額67,348千円であります。当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて79,946千円と大きく増加し、安定した資金流入となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは9,524千円の資金流出(同20,523千円の資金流出)となりました。この主な要因は、減少要因としてその他の金融資産の取得による支出8,500千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは361,731千円の資金流出(同59,040千円の資金流出)となりました。この主な要因は、減少要因として長期借入金の返済による支出346,761千円、リース負債の返済による支出14,970千円であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけています。また、掲載枠数増加のためには顧客満足度の改善が必須であることから、解約率についても主要な経営指標と位置づけています。当該指標については、下表のとおり枠数については継続的に増加しており、解約率については新たにカスタマーサクセス(CS)部を設立した2020年10月期以降、低減しております。第6期第2四半期連結会計期間末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同期比11.5%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しています。
リーガルメディアの主要サイト(弁護士ナビシリーズ9サイトと「あなたの弁護士」)合計の掲載枠数・解約率
(期間平均)(注)1
(単位:件・%)
2016年10月期 (注)4 | 2017年10月期 | 2018年10月期 | 2019年10月期 | 2020年10月期 | 2021年10月期 第2四半期 | |
掲載枠数 (期間平均) (注)1 | 388 | 660 | 900 | 1,080 | 1,260 | 1,353 |
解約率 (期間平均) (注)2、3 | - | - | 2.3 | 2.6 | 2.2 | 1.5 |
(注)1.各月末の掲載枠数を、該当期間で平均した値(小数点以下切り捨て)となります。
(注)2.各月の解約率を、該当期間で平均した値(小数点以下第2位を四捨五入)となります。
なお、各月の解約率は、当月の解約枠数を前月末の掲載枠数で除して算定しております。
(注)3.2016年10月期・2017年10月期の期間平均解約率については、当時は集計していなかったため、記載しておりません。
(注)4.当社及び旧 株式会社アシロにおけるサービス提供期間を通算した数値となります。
(参考情報)会計基準の差を考慮した過年度業績の推移
当社グループは2020年10月31日に終了する連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を初めて適用しており、IFRSへの移行日は2018年11月1日であります。一方で2018年10月期以前の数値は日本基準によるため、過年度業績の比較の際には会計基準の差を考慮する必要があります。日本基準とIFRSの主要な差異であるのれんの償却について調整を行った売上収益・調整後営業利益・調整後営業利益率の過年度推移は以下のとおりであります。
(単位:千円・%)
日本基準 | 国際会計基準 | ||||
2017年10月期 (注)3 -単体- | 2018年10月期 (注)3 -単体- | 2019年10月期 -単体- | 2020年10月期 -連結- | 2021年10月期 第2四半期 -連結- | |
売上収益 | 674,165 | 831,693 | 1,156,730 | 1,478,705 | 735,520 |
調整後 営業利益 | 224,159 | 144,479 | 254,530 | 332,673 | 195,143 |
調整後 営業利益率 | 33.2 | 17.4 | 22.0 | 22.5 | 26.5 |
(注)1.2020年10月期より連結財務諸表を作成しております。
(注)2.2019年10月期以降は、IFRSによる数値を記載しており、連結損益計算書と一致しております。
(注)3.営業利益について、のれんの償却額を加算調整しております。