有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/12 15:00
【資料】
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【項目】
97項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績等の状況
第22期連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中の貿易摩擦や欧州の政治不安の懸念はあったものの、引き続き金融・財政政策による下支え効果もあり、雇用・所得環境の改善が続くとともに、企業業績も底堅く、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
情報サービス業におきましては、既存のシステム投資に加え、IoT、AI、ビッグデータ、RPA、FinTech等を活用したサービスが拡大するなど、企業のIT投資は回復基調が続き、受注環境は堅調に推移しました。一方、引き続きIT人材の不足感は継続しており、人材確保には各社課題を抱えております。
このような経営環境の下、当社では、引き続き柱である既存顧客を中心に積極的な営業活動を行い、IoT案件等の大型案件を獲得するとともに、新たな柱と捉える顧客案件への積極的な要員投入を行い、今後の拡大に向けた土台を築きました。また、新卒・中途採用や教育にも注力して人材への投資を行い、量・質ともにレベルの底上げを図るなど、更なる業容拡大を目指し、高い成長を意識して事業活動を展開してまいりました。
一方、中国子会社におきましては、中国現地企業及び日系企業に対する案件を安定的に獲得し、利益を確保しました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高7,500百万円(対前年同期比27.4%増)、営業利益1,095百万円(同37.4%増)、経常利益1,087百万円(同33.9%増)、親会社株主に属する当期純利益702百万円(同29.5%増)となりました。
なお、当社グループはソフトウェア受託開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、7,220百万円となり、前連結会計年度末より161百万円減少しました。
流動資産は、前連結会計年度末より72百万円増加し、6,058百万円となりました。これは主に預け金(流動資産の「その他」)が92百万円減少したものの、売掛金が187百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末より233百万円減少し、1,161百万円となりました。これは主にのれんが54百万円、投資有価証券が123百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、3,949百万円となり、前連結会計年度末より633百万円減少しました。
流動負債は、前連結会計年度末より310百万円増加し、2,512百万円となりました。これは主に1年内償還予定の社債が220百万円、1年内返済予定の長期借入金が227百万円減少したものの、買掛金が165百万円、未払費用が242百万円、未払法人税等が241百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末より944百万円減少し、1,437百万円となりました。これは主に社債が100百万円、長期借入金が811百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,270百万円となり、前連結会計年度末より472百万円増加しました。これは主に剰余金の配当171百万円はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益702百万円の計上により、利益剰余金が523百万円増加したことによるものであります。
第23期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米中の貿易摩擦等の影響を含む海外経済減速の影響のもと、景気は輸出を中心に弱さが続いているものの、雇用・所得環境の改善を受けた個人消費は持ち直しており、緩やかに回復傾向にあります。
情報サービス業におきましては、経済産業省が発表した2019年8月の特定サービス産業動態統計・速報によると、8月の売上高は前年同月比6.2%増と、2019年は毎月前年比でプラス成長を続けています。業務種類別にみると、「受注ソフトウェア」は前年同月比4.2%の増加と、企業のIT投資は回復基調が続いており、受注環境は堅調に推移しました。また、9月11日に公表された法人企業景気予測調査(令和元年7~9月期調査)の結果、「今年度における設備投資の対象」を全産業でみると、大企業及び中堅企業は「ソフトウェア」の重要度が1位、中小企業も「ソフトウェア」の重要度が2位とIT投資は引き続き需要が見込まれます。
このような経営環境の下、当社では2019年度からの中期経営計画のもと、金融・流通・製造分野ともに増収を継続しており、引き続き積極的な営業活動を行うとともに、品質管理・プロジェクト管理を徹底し、更なる業容拡大を目指し、高い利益率を維持した上での成長を意識して事業活動を展開してまいりました。
一方、中国子会社においては、中国現地企業及び日系企業に対する受注が堅調に推移し、利益を確保しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高7,046百万円、営業利益1,310百万円、経常利益1,314百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益808百万円となりました。
なお、当社グループは、ソフトウェア受託開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は7,092百万円となり、前連結会計年度末より127百万円減少しました。
流動資産は、前連結会計年度末より71百万円減少し、5,816百万円となりました。これは主に売掛金が38百万円増加した一方、現金及び預金が160百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末より55百万円減少し、1,276百万円となりました。これは主にのれんが41百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は3,217百万円となり、前連結会計年度末より732百万円減少しました。
流動負債は、前連結会計年度末より133百万円減少し、2,378百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が168百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末より598百万円減少し、838百万円となりました。これは主に長期借入金が498百万円、社債が100百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は3,875百万円となり、前連結会計年度末より604百万円増加しました。これは主に剰余金の配当210百万円はあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益808百万円の計上により、利益剰余金が597百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
第22期連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,396百万円となり、前連結会計年度末より156百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,345百万円(前年同期は313百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上1,087百万円の資金増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は37百万円(前年同期は133百万円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入62百万円の資金増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1,530百万円(前年同期は102百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,039百万円、社債の償還による支出320百万円の資金減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループはソフトウェアの受託開発を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
第22期連結会計年度及び第23期第3四半期連結累計期間の受注実績は、次のとおりであります。
第22期連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ソフトウェア受託開発7,993,789138.2980,726201.1
合計7,993,789138.2980,726201.1

第23期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
セグメントの名称受注高(千円)受注残高(千円)
ソフトウェア受託開発7,152,0241,086,472
合計7,152,0241,086,472

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
第22期連結会計年度及び第23期第3四半期連結累計期間の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第22期連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
前年同期比
(%)
第23期第3四半期連結累計期間
(自 2019年1月1日
至 2019年9月30日)
ソフトウェア受託開発(千円)7,500,626127.47,046,278
合計(千円)7,500,626127.47,046,278

(注)1.最近2連結会計年度及び第23期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第21期連結会計年度
(自 2017年1月1日
至 2017年12月31日)
第22期連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
第23期第3四半期連結累計期間
(自 2019年1月1日
至 2019年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
富士通株式会社1,060,88518.01,932,39525.81,536,00721.8
みずほ証券株式会社1,747,32829.71,604,47721.41,462,94020.8
株式会社野村総合研究所711,03112.11,210,64616.11,065,31915.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第22期連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当連結会計年度における売上高は、IoT案件を始めとする大型案件の受注等により7,500百万円となり、前連結会計年度と比べ1,612百万円、27.4%の増加となりました。
当連結会計年度における売上原価は、受注拡大に伴う人件費及び外注費の増加等により5,631百万円となり、前連結会計年度と比べ1,210百万円、27.4%の増加となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は1,869百万円となり、前連結会計年度と比べ401百万円、27.3%の増加となりました。
b.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、人員増強に伴う採用費の増加等により774百万円となり、前連結会計年度に比べて103百万円、15.4%の増加となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は1,095百万円となり、前連結会計年度に比べて298百万円、37.4%の増加となりました。
c.営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、投資有価証券売却益の減少等により13百万円となり、前連結会計年度に比べて33百万円、71.6%の減少となりました。
当連結会計年度における営業外費用は、支払利息の減少等により21百万円となり、前連結会計年度に比べて11百万円、34.8%の減少となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は1,087百万円となり、前連結会計年度に比べて275百万円、33.9%の増加となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は、税金等調整前当期純利益の増加に伴い370百万円となり、前連結会計年度に比べて101百万円、37.7%の増加となりました。また、連結子会社にかかる非支配株主に帰属する当期純利益は14百万円となり、前連結会計年度に比べて13百万円の増加となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は702百万円となり、前連結会計年度に比べて160百万円、29.5%の増加となりました。
第23期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当第3四半期連結累計期間における売上高は、既存顧客からの受注が活発であったこと等により7,046百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における売上原価は、受注拡大に伴う人件費及び外注費の計上等により5,150百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上総利益は1,895百万円となりました。
b.販売費及び一般管理費、営業利益
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、人員増強に伴う採用費の計上等により585百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における営業利益は1,310百万円となりました。
c.営業外収益、営業外費用及び経常利益
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は、投資有価証券売却益の計上等により15百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における営業外費用は、支払利息の計上等により10百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における経常利益は1,314百万円となりました。
d.親会社株主に帰属する四半期純利益
当第3四半期連結累計期間における税効果会計適用後の法人税等負担額は、税金等調整前四半期純利益の計上に伴い490百万円となりました。また、連結子会社に係る非支配株主に帰属する四半期純利益は16百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は808百万円となりました。
なお、経営成績等の状況の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績等の状況、② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、運転資金については、当座貸越を利用することにより、手許資金で賄うこととしております。なお、当座貸越枠につきましては、取引銀行4行と契約を締結しており、その限度額は総額1,700百万円であります。