有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/07 15:00
【資料】
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【項目】
131項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経済状況・競合に関するリスク
当社の主要顧客である個人経営の居酒屋などを含む外食業界は、訪日外国人観光客の増加を背景に外食売上が堅調に推移する一方で、運送費値上げや原材料価格の高騰、人手不足に伴う人件費等のコストが上昇するなど、厳しい環境が続いております。
このような環境のもと、当社は年中無休の365日受注・出荷や深夜2時まで電話にてご注文頂ける体制の用意、24時間いつでも簡単に注文できるWEBシステムや簡単調理の食材の提供など、飲食店の利便性向上に資する商品・サービスを提供することで順調に顧客店舗数及び売上高を伸ばしております。
当面の間は、人手不足などに起因する飲食店の手間削減ニーズは高まり続けると予想しており、それに対応する当社ビジネスモデルの強みは効果的に発揮され続けるものと予想しておりますが、当社顧客にとっての利便性ニーズを低下させる法規制の変化やIT技術の進化などが起こった場合、もしくは当社が提供する利便性をしのぐ画期的な商品・サービスを具備した競合の参入などがあった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
売上高(千円)3,297,7103,681,7053,927,9904,038,1854,061,156
顧客店舗数※6,9857,2387,5987,7537,988

※4月から3月までの各月の顧客店舗数を平均した数値を記載しております。
(2) システムに関するリスク
① セキュリティに関するリスク
当社のサービスはコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用して提供されており、商品の調達や販売等多岐にわたるオペレーションをコンピュータシステム上で実施しております。そして、それらのシステム全体にセキュリティ対策が施されております。しかし、IT関連の技術革新により、不正アクセスやハッキング等の行為を完全に排除することはできません。第三者からのサイバー攻撃によるシステム障害、情報漏えい等の問題が発生した場合、業務停止等の事態が生じる可能性があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害に関するリスク
当社のシステムは、定期的なデータバックアップ等の対策を講じており、システム上のトラブルが発生しても日常の業務に影響が起こらないような対策を講じておりますが、故意、過失に関わらず、大規模なシステム障害等が発生した場合、業務を停止せざるを得ず、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定人物への依存に関するリスク
当社の運営は、代表取締役社長である片山礼子をはじめとする主要な経営陣に大きく依存しております。当社は事業の拡大に伴い、過度に経営陣に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、現時点において何らかの理由により、主要な経営陣の業務遂行が困難となった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) レピュテーションリスク
当社に関して様々な情報が流れることがあります。この情報については必ずしも事実に基づいているとは限りませんが、真偽に関わりなくステークホルダーを含む第三者の行動に影響を与える可能性があります。この場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自然災害等に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に大規模な自然災害が発生した場合、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食材仕入れに関するリスク
当社が取り扱う食材の価格は国内外の商品市況に影響されて上下することがあります。また、食材は海外から輸入されるものがあるため、仕入価格は為替変動の影響を受けることがあります。
当社は、こうした仕入価格の上昇を極力抑えるため、国内業者より食材を調達し、食材価格の変動による影響を一定程度吸収するなど、対策を講じております。
しかし、想定を超える大幅な市況の変化や為替変動が生じた場合には、仕入価格の高騰により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 特定の仕入先への依存に関するリスク
当社は、食材をはじめとする商品を食品卸やメーカーから仕入れておりますが、総仕入金額の43.9%(2019年3月期)は大株主でもある国分グループ本社株式会社からの仕入れとなっております。各食材の流通価格調査、他の仕入先からの相見積りを入手するなどの対策により、価格交渉を行っている他、各商品の大半は代替品があるため、仕入先の切り替えを含めて最も有利な条件となるよう対策を講じておりますが、国分グループ本社株式会社との取引に何らかの支障が生じた場合、業務オペレーションに支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は国分グループ本社株式会社からの役員受け入れや従業員の出向受け入れは行っておりませんので、実質的な独立性等には問題はありません。
(8) 親会社グループとの関係について
当社の親会社は株式会社SKYグループホールディングスであり、本書提出日現在において、同社は当社発行済株式総数の51.0%を所有しております。同社及びその子会社等(以下、「SKYグループ」という。)は、本書提出日現在において、同社及び子会社等12社によって構成されております。
① 資本的関係について
当社においてSKYグループの事前承認を要する事項はなく、当社は独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っております。また、当社の親会社である株式会社SKYグループホールディングスは、上場時には売出しの実施により親会社に該当しなくなる予定であるものの、当社株式上場後において同社は当社株式売出後の保有比率を25%程度で維持する方針であります。
② 取引関係について
当社とSKYグループとの取引について、現在は、株式会社SKYグループホールディングスの子会社である株式会社カクヤスとの取引が継続しております。具体的な取引内容は、同社が当社の商品を買い取り、その後同社の販売先である飲食店へ当該商品を販売する販売代理店業務であり、当社は販売代理店手数料を同社に支払っております。株式会社カクヤスとの主な取引については、後記「第5 経理の状況」「1 財務諸表等」「(1)財務諸表」内の「関連当事者との取引」に記載しております。
株式会社カクヤスへの販売高が当社の売上高に占める比率は、2018年3月期21.5%、2019年3月期19.7%となっております。同社の販売戦略の見直し等により同社との取引関係に変化が生じた場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人的関係について
本書提出日現在、当社とSKYグループ各社との間で、役員の兼任、従業員の出向等の人的関係はなく、今後もSKYグループ各社との間で役員の兼任、従業員の出向等は行わない方針であります。
④ 競合について
株式会社カクヤスの事業内容は、主に酒類の飲食店および一般個人向け販売となっており、当社が主に取り扱っている業務用食材及び料理酒・みりん等の調味料とは棲み分けがなされており、当社と同社との間に競合関係はありません。また、株式会社カクヤス以外のSKYグループ各社は、当社と競合する事業を展開しておりません。
しかしながら、今後SKYグループ各社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的には競合する可能性があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 食の安全性に関するリスク
近年、食品への異物混入による健康被害や食品の偽装表示、あるいはウィルス感染に起因する集団食中毒の発生等、「食の安全性」に対する信頼を損なう問題が発生しております。当社は、安心・安全な食材を安定的に仕入れ販売するため、食材の仕入先との信頼関係を構築するとともに、商品管理・衛生検査の徹底等に努めております。
しかしながら、当社の内外において、生産過程や流通過程等における異物混入や虚偽表示等の事故・事件が発生した場合、顧客の食品全般に対する不信感や当社商品に対する信頼・信用の毀損等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 配送に関するリスク
当社は、商品の配送を全面的に外部の運送業者へ委託しております。当社の商品配送時間は顧客である飲食店の仕込みの時間帯に届くようになっていることから、受取人不在による再配達のような運送業者へ負担を強いる状態は発生しにくいようになっており、全般に運送業者とは良好な関係を構築しておりますが、運送業者における人手不足が更に大きく深刻化した場合などには、当社が負担する配送費の大幅増や、当社商品を配送する運送業者を確保できなくなることによる配送不能等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制等に関するリスク
当社は、食品の販売にあたり食品衛生法、食品安全基本法、食品表示法、JAS法等の法的規制を受けております。当社においては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたコンプライアンス規程に基づき行動しております。しかし、今後これら法的規制の強化や新たな規制により事業活動が制限された場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 小規模組織に関するリスク
当社は小規模な組織であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。当社は今後、業容の拡大に応じて人材の採用を行うとともに社内管理体制の強化・充実に努める予定であります。しかしながら、当社が事業の拡大に応じて適切かつ十分な対応ができなかった場合には、当社の事業遂行および拡大に制約が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 人材確保・育成に関するリスク
当社が長期的に成長を続けるためには、人材の確保と育成が不可欠であると考えております。このため、当社の将来を担う人材を積極的に採用するとともに、社内外での教育・研修を実施し、社員の育成を図ってまいります。しかしながら、当社の求める人材が十分に確保できなかった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 新株予約権に関するリスク
当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、新株予約権を発行しております。本書提出日現在、発行済株式総数2,000,000株に対する割合は8.0%となっております。これらの新株予約権の行使がなされた場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。