有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/12 15:00
【資料】
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【項目】
141項目

事業等のリスク

以下において、本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しないと考える事項につきましても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要であると考えられるものについては、投資者に対する積極開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)建設・不動産市場の動向に関するリスク
当社グループが属する建設・不動産業は、景気変動の影響を受けやすい業種であると考えております。経済情勢の悪化や不測の事態の発生により、建設・不動産市場の急激な縮小や競争環境の激化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)業績の季節変動に関するリスク
当社グループの中核事業はオフィス等を中心とした内装のデザイン・設計及び施工であることから、多くの会社の年度末である3月は、1年の中で最も引き渡しが集中する月となる傾向にあります。
従って、景気動向・自然災害等の要因により3月の引き渡しに支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
第11期(2019年3月期)における四半期別の売上高及び営業利益の構成は次のとおりであり、下期に利益が偏重しております。また、第1四半期及び第3四半期連結会計期間は売上高が低くなる傾向にある一方、販売費及び一般管理費は固定費として各四半期で比較的均等に発生するため、営業損失となる可能性が高くなります
区分売上高(千円)構成比(%)営業利益(千円)構成比(%)
第1四半期755,74716.1△28,601△7.5
第2四半期1,376,65329.3145,43638.2
上期合計2,132,40145.4116,83430.7
第3四半期848,00818.11,5920.4
第4四半期1,716,27836.5262,52668.9
下期合計2,564,28754.6264,11869.3
通期合計4,696,689100.0380,953100.0

(注)各四半期連結会計期間の数値は会計監査人による四半期レビューを受けておりません。
(3)外注管理に関するリスク
当社グループは、施工業務においては工事監理業務(クライアントから業務の委託を受け、設計図面どおりに施工されるかを監督する業務)及び工事管理業務(工程管理、コスト管理等工事の進行管理を行う業務)を行い、大工工事・左官工事・電気工事・水道工事等は専門の業者へ外注しております。
施工工事の大部分を外注に依存しているため、受注案件数の増加や営業エリアの拡大に伴い外注先を確保できない場合、又は外注先の経営不振や繁忙等により工期が遅延した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制に関するリスク
当社グループは、事業を行う上で、建設業法、建築基準法、建築士法及び消防法等の法令の他、関連する条例等多岐にわたる規制の適用を受けております。これらの法規制が改廃された場合又は新たな規制が導入された場合は、対応に要するコストの増加や受注できない業務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業を行うにあたって、当社は以下の免許及び許認可等を取得しております。本書提出日現在、当該免許及び許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由によりこれらの免許及び許認可等が取消された場合、当社の主要な事業活動に重要な支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
許認可等の名称許認可等の内容有効期限許認可等取消事由
特定建設業許可東京都知事許可
(特-28)第134448号
2022年2月23日建設業法第29条に定められております。
一級建築士事務所登録東京都知事登録
第61133号
2021年9月30日建築士法第26条に定められております。

(5)設計・施工に関するリスク
当社グループは、高いデザイン性を実現しつつも、常に安全性と品質にこだわった設計・施工を心がけております。
しかしながら当社グループが設計・施工した物件に不具合が生じる可能性は否定できず、その際の手直しに要する追加の施工費、重大な瑕疵による損害賠償等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、人身や施工物等にかかわる重大な事故の発生も損害賠償金の支払い等により当社グループの信用が著しく毀損した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造責任に関するリスク
当社グループでは、オフィス家具(ブランド名:201°)の企画・販売を行っております。当社グループでは製造を直接行っておりませんが、製品の不具合による事故等が発生した場合には当社グループが責任を問われる可能性があり、この結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)取引先の信用リスク
発注者、協力会社等の取引先が信用不安に陥った場合に発生する資金の回収不能や施工遅延等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟等のリスク
当社グループでは、現時点において、業績に影響を及ぼす訴訟等を提起されている事実はありません。
しかしながら、当社グループが事業を継続していくうえでは、知的財産権等多種多様な訴訟リスクが継続的に存在します。当社グループでは今後も各種専門家を積極的に活用してリスク管理を行ってまいりますが、当社グループが何らかの訴訟等の対象となった場合、ブランドの毀損や損害賠償の支払等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)デザインの模倣又は陳腐化のリスク
当社グループは、デザイン力を競争力として事業を拡大しております。建設におけるデザインは権利の保護が難しく、模倣されて安価に提供される可能性があります。また、当社グループの提供するデザインが、時流にそぐわず陳腐化する可能性もあります。当社グループでは、常にデザインの先端企業であるべく不断の努力を行い、また、施工実施力との相乗効果で模倣を許さないビジネスモデルを構築してまいりますが、模倣・陳腐化といった事象は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害等によるリスク
大規模地震、風水害といった大規模自然災害等の発生による工事の中止や延期等、また、人身や施工物等にかかわる重大な事故の発生による損害賠償金の支払い等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定人物への依存について
当社グループ設立の中心人物であり、設立以来当社グループの事業を牽引してきた代表取締役社長山下泰樹は、経営方針や事業戦略の立案・実施において、極めて重要な役割を果たしております。また、同氏及び同氏の資産管理会社であるTDA株式会社は、本書提出日現在、当社株式の100.0%を所有しております。
当社グループでは、過度に同氏へ依存しないよう、経営幹部の拡充・育成、権限委譲による組織的業務執行体制の構築を行っておりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難となった場合、現状においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
同氏及びTDA株式会社は、その議決権行使にあたって株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、今後も中長期的に一定の当社株式を保有する方針と認識しておりますが、何らかの事情により、市場で当該株式の売却が行われた場合や売却の可能性が生じた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
(12)人材の確保について
当社グループの持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を十分に確保し、育成することが重要であると考えております。しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画通りに確保できなかった場合、事業実施体制の弱体化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)海外事業に関するリスク
当社グループは、フィリピンに海外子会社を有しており、当該子会社は、3Dイメージパースの作成等当社グループの事業展開において重要な機能の一部を担っております。
仮にフィリピンにおいて政変、経済情勢の急激な変動、外交関係の悪化、テロ、大規模自然災害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)事業実施体制及び経営管理体制について
当社グループは急速に事業を拡大しております。これまでも事業実施体制及び経営管理体制の強化に取り組んでまいりましたが、今後の事業規模拡大を考慮した時には、なお一層の充実が必要と考えております。
前項に記載した人材確保の遅れ等の要因により、事業規模に見合った事業実施体制及び経営管理体制を構築できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)新株予約権による希薄化について
当社では、役員及び従業員に対して、モチベーションの向上を目的としたストック・オプションを付与しております。今後新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は184,000株であり、発行済株式総数3,750,000株の5%に相当いたします。
(16)反社会的勢力との取引について
当社グループでは、反社会的勢力とのあらゆる取引の発生を防止するため、社内体制を整備して対応を行っております。しかしながら、当社グループの厳格なチェックにもかかわらず反社会的勢力との取引を排除できない可能性があり、このような問題が認められた場合には、監督官庁等による処分、社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)調達資金の使途について
当社は、マザーズ上場に伴う公募増資資金について、人員拡大に対応したオフィス整備、人件費等の費用に充当する計画としております。
しかしながら、当社の所属する業界の環境変化やこれに伴う事業計画の見直し等により、投資による期待どおりの効果があげられない可能性または充当先の変更が必要となる可能性があります。このような状況となった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。