有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/19 15:00
【資料】
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【項目】
129項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第22期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は741,381千円となり、前事業年度末に比べ119,393千円の増加となりました。これは主に、営業活動に関わる収入により現金及び預金が27,401千円、売掛金が29,503千円それぞれ増加したことによるものであります。また、2020年3月期末において在庫確保のため商品が63,872千円増加したことによるものであります。
固定資産は114,151千円となり、前事業年度末に比べ8,674千円の減少となりました。これは主に、繰延税金資産が2,524千円、敷金が2,332千円それぞれ増加した一方で、有形固定資産が2,620千円、無形固定資産が9,235千円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は855,533千円となり、前事業年度末に比べ110,719千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は506,079千円となり、前事業年度末に比べ35,737千円の増加となりました。これは主に、買掛金が6,261千円、1年内返済予定の長期借入金が32,050千円それぞれ減少した一方で、業績向上に伴い未払法人税等が41,076千円、未払消費税等が35,391千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は61,030千円となり、前事業年度末から58,560千円減少いたしました。これは長期借入金が48,560千円減少し、社債が10,000千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は567,109千円となり、前事業年度末に比べ22,822千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は288,424千円となり、前事業年度末に比べ133,542千円の増加となりました。これは当期純利益を計上したことにより、利益剰余金が133,542千円増加したことによるものであります。
第23期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における流動資産は977,637千円となり、前事業年度末に比べ236,255千円の増加となりました。これは主に、営業活動に関わる収入により現金及び預金が220,198千円、売掛金が8,748千円それぞれ増加したことによるものであります。また、認知度向上のためのプロモーション費用により前払費用が19,109千円増加した一方で、商品が14,567千円減少したことによるものであります。
固定資産は128,624千円となり、前事業年度末に比べ14,472千円の増加となりました。これは主にサーバOS更改に伴う設備投資として無形固定資産が10,936千円増加したことと、大阪商品センター移転に伴う敷金により投資その他の資産が5,324千円増加した一方で、有形固定資産が1,788千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は1,106,262千円となり、前事業年度末に比べ250,728千円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期会計期間末における流動負債は591,216千円となり、前事業年度末に比べ85,137千円の増加となりました。これは主に、商品仕入れが増加したことに伴い買掛金が67,067千円増加したことに加えて、1年内返済予定の長期借入金が15,036千円、未払金が16,121千円、賞与引当金が9,504千円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が14,829千円、未払消費税等が12,714千円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は130,309千円となり、前事業年度末に比べ69,279千円増加いたしました。これは新型コロナウイルス感染症の先行き不透明な影響に備えるための手元運転資金の確保に向けて資金調達を実施したことにより、長期借入金が69,279千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は721,525千円となり、前事業年度末に比べ154,416千円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は384,736千円となり、前事業年度末に比べ96,312千円の増加となりました。これは四半期純利益を計上にしたことにより利益剰余金が96,312千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第22期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度における我が国の経済は、企業業績や雇用環境に改善傾向が見受けられるなど、全体的に緩やかな回復基調が続いておりましたが、足元では新型コロナウイルス感染症の世界規模での流行が発生しており、先行きは不透明な状況となっております。
インターネット上にてサービスを展開している当社におきましては、BtoCのEC市場規模が毎年堅調に推移しており、2019年の市場規模は19兆円に拡大し、EC化率も6.76%と引続き増加傾向にあるため、当社の事業機会の増加にも繋がっております(出所:経済産業省「令和元年度 電子商取引に関する市場調査」)。
一方、リフォーム市場におきましては、内閣府が2025年までにリフォーム市場規模を12兆円にまで増加(2013年 7兆円)させることを公表しており、リフォーム市場規模は今後さらに拡大するものと見込んでおります(出所:内閣府「未来投資戦略2017」)。また、不動産や家具家電など、リフォーム業界と近しい異業種からの参入が相次いでおり、新規参入する異業種の一部はeコマースを主力販路としているため、リフォーム業界のEC化率も今後さらに上昇傾向にあると予測されます。
このような状況のもと、当社が運営するWebサイト「交換できるくん」は、当社がこれまでに培ってきたWebマーケティングのノウハウや実績をもとに、検索エンジンへのインターネット広告(リスティング広告)の出稿とWebサイトを検索エンジン上位に表示させるための検索エンジン最適化(SEO)に取組み、新規顧客の獲得を着実に進めた結果、新型コロナウイルス感染症の国内での感染拡大による影響はあったものの、当事業年度の工事件数は3万件を突破し、業績は前事業年度比増収増益を実現いたしました。
具体的な数値につきましては、当事業年度の売上高は4,008,308千円(前事業年度比17.0%増)、営業利益は160,337千円(前事業年度は営業損失98,785千円)、経常利益は171,655千円(前事業年度は経常損失81,411千円)、当期純利益は133,542千円(前事業年度は当期純損失135,769千円)となりました。
なお、当社は住宅設備機器のeコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第23期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
当第2四半期累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞や個人消費の低迷等により、景気及び先行きについて極めて不透明な状況が続いております。
このような厳しい経済環境下ではありますが、キッチン・トイレ・洗面室・浴室まわりという日常生活に欠かせない住宅設備機器の交換という需要は堅調であり、加えて、インターネット上で住宅設備機器の交換サービスを展開している当社では、交換工事以外のサービスを非接触・非対面(インターネット及び電話)で行っており、顧客の感染不安を抑えることができるため、オンラインサービス市場の拡大とともに、当第2四半期累計期間における工事件数は1.6万件となりました。なお、オンラインサービス市場の需要は、今後より一層加速することが予想されることから、当社の事業機会のさらなる増加にも繋がることを見込んでおります。
また、当社が運営するWebサイト「交換できるくん」は、当社がこれまでに培ってきたWebマーケティングのノウハウや実績をもとに、検索エンジンへのインターネット広告(リスティング広告)の出稿とWebサイトを検索エンジン上位に表示させるための検索エンジン最適化(SEO)に取組み、新規顧客の獲得を着実に進めております。
以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は2,182,022千円、営業利益は115,035千円、経常利益は123,999千円、四半期純利益は96,312千円となりました。
なお、当社は住宅設備機器のeコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第22期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ27,401千円増加し、344,844千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は、123,423千円となりました(前事業年度は108,317千円の減少)。これは主に、業績拡大により税引前当期純利益を170,331千円計上した一方で、2020年3月期末において在庫確保のためたな卸資産の増加額が60,768千円となったこと及び売上高の増加により売上債権の増加額が29,503千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は、5,411千円となりました(前事業年度は9,090千円の減少)。これは主に、保険積立金の解約により資金が3,380千円増加した一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出5,099千円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は、90,610千円となりました(前事業年度は77,010千円の減少)。これは主に、長期借入金の返済による支出80,610千円、社債の償還による支出10,000千円により資金が減少したことによるものであります。
第23期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ220,198千円増加し、565,043千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は、149,913千円となりました。これは主に、業績拡大により税引前四半期純利益を123,999千円計上したこと及び仕入債務の増加額が67,067千円となった一方で、認知度向上のためのプロモーション費用により前払費用の増加額が19,053千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は、9,029千円となりました。これは主に、大阪商品センター移転に伴う敷金の差入による支出5,940千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は、79,315千円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の先行き不透明な影響に備えるための手元運転資金の確保に向けて資金調達を実施したことに伴う長期借入による収入120,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、当該事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので、当該事項はありません。
c 販売実績
第22期事業年度及び第23期第2四半期累計期間における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は住宅設備機器のeコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称第22期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第23期第2四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
販売高(千円)前期比(%)販売高(千円)
住宅設備機器のeコマース事業4,008,308117.02,182,022
合計4,008,308117.02,182,022

(注) 1.主な相手別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がいないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績
第22期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は4,008,308千円(前事業年度比17.0%増)となりました。これは主に、2019年3月期に実施した低品質な外部リンクの精査及びサイト内コンテンツの見直しや追加施策に加えて、2020年3月期に実施したモバイルフレンドリー対応及びサイト流入者の集客歩留まりを向上させるためのスマートフォン/PCサイトの読込み速度改善などのSEO対策により、検索エンジンにおける検索順位が改善したことで受注する工事件数が30,061件(前事業年度比13.2%増)となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は3,098,410千円(前事業年度比14.0%増)となり、売上高の増加率に比べて緩やかなものとなりました。売上原価を構成するものとしては、住宅設備機器の仕入れ及び経費によるものでありますが、市場動向を見据えた販売価格の見直しと仕入価格の改善に継続的に取組んだ結果、売上総利益は909,898千円(前事業年度比28.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は749,561千円(前事業年度比7.1%減)となりました。これは主に、人件費及び広告宣伝費等によるものであります。広告宣伝費につきましては、2019年3月期において、Webサイト検索エンジンにおける当社サービスサイトの検索順位が低下したため、インターネット広告出稿による一時的な広告集客コストが増加することとなりました。しかしながら、低品質な外部リンクの精査及びサイト内コンテンツの見直しや追加などのSEO対策に加えて、2020年3月期においてはモバイルフレンドリー対応及びサイト流入者の集客歩留まりを向上させるためのスマートフォン/PCサイトの読込み速度改善などの取組みにより、検索順位が改善し、インターネット広告に頼らない集客により広告集客コストが減少した結果、広告宣伝費は129,502千円(前事業年度比36.0%減)となりました。上記の結果としてこの結果、営業利益は160,337千円(前事業年度は営業損失98,785千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度において、営業外収益が14,522千円、営業外費用が3,203千円発生しております。営業外収益につきましては、主にキャッシュレス・消費者還元事業に係るクレジットカード加盟店手数料の還元額10,161千円によるものであります。営業外費用につきましては、支払利息であり、前事業年度から重要な変動はありません。この結果、経常利益は171,655千円(前事業年度は経常損失81,411千円)となりました。
(特別損失、当期純利益)
当事業年度において、特別損失が1,324千円発生しております。これは主に、屋外広告の撤去にかかる固定資産除却損1,183千円によるものであります。この結果、当期純利益は133,542千円(前事業年度は当期純損失135,769千円)となりました。
第23期第2四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日)
(売上高)
当第2四半期累計期間における売上高は2,182,022千円となりました。コロナ禍においても、キッチン・トイレ・洗面室・浴室まわりという日常生活に欠かせない住宅設備機器の交換という需要は堅調であることに加えて、継続的に実施しているSEO対策などのWebマーケティング施策により、工事件数が堅調に推移しました。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期累計期間における売上原価は1,643,177千円となりました。これは主に、住宅設備機器の仕入れ及び経費によるものであります。この結果、売上総利益は538,845千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は423,810千円となりました。これは主に、人件費及び広告宣伝費等によるものであります。この結果、営業利益は115,035千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第2四半期累計期間において、営業外収益が10,058千円、営業外費用が1,094千円発生しております。営業外収益につきましては、主にキャッシュレス・消費者還元事業に係るクレジットカード加盟店手数料の還元額7,103千円によるものであります。営業外費用につきましては、支払利息であり、新型コロナウイルス感染症の先行き不透明な影響に備えるための手元運転資金の確保に向けて、金融機関から借入を実施しております。この結果、経常利益は123,999千円となりました。
(法人税等、四半期純利益)
当第2四半期累計期間において、法人税等は27,687千円となりました。この結果、四半期純利益は96,312千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主たるものは、住宅設備機器の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの長期借入により調達しております。
なお、当事業年度における借入金残高は109,590千円となっております。また、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は344,844千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。