有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/09/24 15:00
【資料】
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【項目】
125項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)a及びbの規定を早期適用しております。
(1) 経営方針
当社は、これまでにない「Uniqueな価値」を提供することで人々の何気ない日常を豊かにし、新しい未来に変えていくことを目指しております。
そのために、選び抜いた原材料とテクノロジーを掛け合わせ、価格を上回る品質をお客様に提供することをモットーに製品を提供させて頂くとともに、美容からアンチエイジング、更にアンチエイジング・アンチストレスを予防医療と捉え、更なる企業価値の向上に努めるとともに、株主・お客様・ビジネスパートナー・従業員等の全てのステークホルダーへの社会的責任を果たし、事業を通じて社会に貢献していくことを目指してまいります。
(当社の経営理念)
人の時間(とき)を、解き放つ。老若男女、誰にでも等しく時間は流れるようにすぎていく。時間の連続は日常となり、日常の重なりは未来となる。私達は人の時間に深く関わりたい。これまでにない「Uniqueな価値」を提供することで何気ない日常を豊かにし、新しい未来に変えていく。あなたの未来を解き放つために。
(2) 目標とする経営指標
当社は、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の成長率を重視しております。また、企業価値の拡大を図るという観点にも立ち、「営業利益」及び「当期純利益」も重要な経営指標として位置づけております。
(3) 経営環境
当社の属する化粧品の国内市場は、経済産業省生産動態統計によると、2019年1月~12月の化粧品の国内工場出荷金額が過去最高となる1兆7,611億円(前年比3.9%増)となり、2012年以降8年連続で成長しております。また、当社主力製品である「ザ クレンジングバーム」が属するクレンジング市場についても、前年比3.5%増となる691億円と堅調に成長しております。その中でも、クレンジング市場において、オイルタイプ剤型及びクリームタイプ剤型が主たる剤型でありましたが、ここ数年でバームタイプ剤型が商品点数及び売上高を伸ばしてきております。
このような環境の中、当社は主力商品である「ザ クレンジングバーム」は引き続き、売上高を拡大することを目指すとともに、「ザ クレンジングバーム」に次ぐ第2の柱となる商品又はブランドの育成に向け、創業以来培ってきたインターネットマーケティングノウハウ及び商品企画力を生かして、更なる成長を目指してまいります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2021年7月期~2023年7月期を対象とした中期経営計画を策定し、「利益率の向上及び売上の安定化」を達成するために、通信販売チャネルでは「CPO※1の低減」「LTV※2の向上」、卸売販売チャネルでは「販売品目の拡大」、その他チャネルにおける海外事業では「販売エリアの拡大」を重点目標として掲げ、事業の成長を図っております。なお、重点目標の実現に向けた具体的な施策としては、「クロスセル※3の拡大」「Web広告の内製化」「CRM※4の強化」「商品ラインナップの拡充」「DUO及びCANADELブランドの認知度・知名度向上」を掲げております。
※1 CPO:新規定期販売1件を獲得するために要する費用で、Cost Per Orderの略です。
※2 LTV:定期販売のお客様による最初の購入から終わりまでの期間利益を示したもので、Life Time Valueの略です。
※3 クロスセル:定期販売のお客様に2品目以上ご購入いただくための施策で、複数商品を定期購入して頂いたお客様の比率は、7.3%(2019年7月期実績)となっております。
※4 CRM:顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指すマーケティング手法で、Customer Relationship Managementの略です。
(5) 会社の対処すべき課題
中長期的な会社の経営戦略の実現を果たすため、当社では、以下の課題に取り組んでおります。
① お客様目線に立った商品開発
現在、当社主力の商品である「ザ クレンジングバーム」の売行きは堅調に推移しておりますが、更なる業績拡大及びポートフォリオ最適化の観点から、「ザ クレンジングバーム」に次ぐ第2の柱となる商品の展開が急務であるとの認識から、取扱商品の拡大を図っていきたいと考えております。
当社では、コールセンターを自社保有しお客様とのコミュニケーションをチャンスととらえ、常に潜在ニーズを探り、そのニーズを商品開発に生かすことで、お客様の目線に立った商品開発を進めることで、第2の柱となる商品開発に取り組んでおります。
② 通信販売における新規顧客の獲得並びに既存及び休眠顧客へのアプローチ
当社主力の販売チャネルである通信販売は、新規で顧客を獲得し、その顧客が定期注文顧客となり長期間利用いただくことで売上高を積み上げていくビジネスモデルであることから、新規顧客の獲得数及び定期顧客数を増加させることが事業拡大において重要な課題であると考えております。
「ザ クレンジングバーム」に係る新規顧客の獲得は堅調であることから、引き続き継続することを目指すとともに、第2の柱として育成する商品についても、創業以来培ってきたインターネットマーケティングノウハウを活かして、新規獲得に繋がる取り組みを進めております。具体的には、新規顧客に対しては、初めて定期注文を申し込む場合の「定期初回半額」プロモーションの実施や、主力の広告媒体であるWeb以外の媒体(雑誌、TVなど)においても、積極的に広告宣伝活動を行っております。また既存及び休眠顧客に対しては、定期的なメール送付や、会員向け会報誌「the Beauty」の送付などのCRMの取り組みを強化することで、お客様に対して第2の柱となる商品を提案する機会を増やす取り組みを行っております。
③ 新規販売チャネルの開拓
当社主力の販売チャネルである通信販売の売上は堅調に推移しておりますが、更なる業績拡大には、ドラッグストアやバラエティショップ経由での販売品目の拡大や、アジア特に中国を中心とした海外販売など販売エリアの拡大が必要となってきております。
経済産業省が2020年7月に発表したデータ「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、化粧品、医薬品のEC化率は2019年時点で6.0%とまだまだEC化が進んでおらず、実店舗である百貨店、量販店、ドラッグストアが売上高に占める割合が高くなっております。
これらのチャネルに対する当社の売上構成比率はまだまだ低いことから、この課題に対処するため、卸売販売部門の増員を行う等の営業体制を強化し、販売代理店などに対して積極的に営業展開を図ることなどにより、同チャネルでの売上拡大に取り組んでまいります。
④ 人材の確保・育成
当社は、化粧品の製造・販売事業における今後の更なる業績拡大に加え、将来的にはアンチエイジングに関わる各種事業を展開していくことを目指しており、その展開を目指すうえで、最重要となる経営資源は人的資源であると認識しております。
この課題に対処するため、中途採用活動を積極的に実施し、専門性あるいはポテンシャルの高い人材の確保に取り組むとともに、社員の業務遂行能力の向上のための教育や研修などを並行で行うことで人材の育成にも取り組んでまいります。
⑤ 内部管理体制の構築
当社は、今後も事業の拡大を図るにあたり、継続的に社員が増加していく中で、事業をより効率的かつ安定的に運用していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要であると認識しております。
この課題に対処するため、会社の規模や成長に合わせて、適宜、業務プロセスや内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制及び業務運営の最適化に取り組んでまいります。