有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/10/21 15:00
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【項目】
137項目

事業内容

当社は、顧客のWeb領域における課題を総合的に解決するWebマーケティング事業とクラウド(注1)型業務支援ツールをSaaS(注2)形態で提供するクラウド事業を営んでおります。なお、当社の報告セグメントは、Webマーケティング事業のみでありますが、事業の内容においては、その他の事業セグメント(クラウド事業)についても記載しております。
Webマーケティング事業では、主として中堅・中小企業に対して、Webマーケティング領域全般にわたる課題解決に対処するための各種サービスを提供しております。インターネット上のマーケティング活動には欠かせない「SEO対策」、「Web広告」、「Webサイト制作」を「一社完結」で提供することにより、顧客に対しWebマーケティング活動全体を俯瞰した分析や提案をして、課題解決に向けた適切なサービスの提供を行っております。また、クラウド事業では、昨今数多くの企業が取り組む働き方改革や生産性の向上に貢献するクラウド型業務支援ツールをSaaS形態で提供しております。開発から販売、運用サポートまでの一連のプロセスを自社で対応するとともに、Webサイト制作で培ってきたノウハウを活用して見やすさと使いやすさを重視した、かつ必須機能を備えたツールを低価格で提供しております。
このように当社では、顧客の事業拡大に貢献するWebマーケティング事業と業務改善に貢献するクラウド事業を併せて展開し顧客を攻守両面から支援するサービスの提供を行っております。なお、当社は、安定した収益基盤を確立することが重要であると考えており、一度限りの取引ではなく、顧客と長期的な関係を構築することが可能な一定の契約期間を設けた継続取引を中心に事業を展開しております。
当社が営む事業の内容は以下のとおりであります。
(1)Webマーケティング事業
①SEO対策
当社は、Google、Yahoo!JAPAN等の主要検索エンジン(注3)を通じて集客を行うことを目的としたSEO対策のサービスを創業間もない2005年より提供しております。
SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」を意味し、Web上のキーワード検索においてWebサイトの上位表示を実現するための施策を実行し、Webサイトへの流入を促すことで集客を強化するマーケティング手法のひとつであります。キーワード検索でWebサイトの上位表示を実現するためには、検索エンジンの順位決定の特性を理解し、Webサイトが検索エンジンから高い評価を得られる施策を講じる必要があります。そのためには、検索エンジンの利用者にとって有益な情報をWebサイトに掲載するとともに、検索エンジンがその情報を正しく認識できるようにWebサイトの設計や構造・構成を最適化する必要があります。
当社では、顧客の要望を踏まえ、当社でこれまで培ってきたSEO対策ノウハウ等に基づく調査・分析を行い、優先的に対策を施すべきキーワードの選定をして施策を立案しております。また、施策を提案するコンサルティングにとどめるのではなく、必要となるWebサイトの内部構造の改善作業の実装やWebサイトに掲載する記事の作成、UI/UX(注4、注5)の改善まで併せて行うことにより、検索結果の上位表示を超えてCV(注6)獲得の最大化まで踏み込んだサービス提供が可能となっております。
②Web広告
当社は、リスティング広告を中心としたWeb広告全般の運用代行サービスを10年以上にわたって提供しております。
リスティング広告とは、「検索連動型広告」とも言われ、検索エンジンで検索されたキーワードと関連性の高い広告を選択して表示する広告手法であります。リスティング広告では、検索エンジンの利用者が検索サイト上に表示される広告主のテキスト広告をクリックした場合にのみ広告費が発生する仕組みとなっております。また、リスティング広告の掲載順位は、クリック単価(注7)、広告文のクリック率(注8)、キーワードや広告文と移動先ランディングページ(注9)との関連性等により決定されております。
当社では、Google LLCやヤフー株式会社等が提供するリスティング広告及びコンテンツ連動型広告(注10)を主軸としつつ、Facebook, Inc.やLINE株式会社等が提供するSNS広告等も含め幅広い広告媒体に対応した運用代行を行っております。
また、当社は、Google LLCが主催する「Google Premier Partner Awards」(注11)において2018年、2019年と2年連続で最終候補企業に選出された他、2019年にはヤフー株式会社より「特別認定パートナー」(注12)に認定される等、対外的な評価を得ております。高品質なサービスを組み合わせて提供することで、CV改善に貢献する広告運用が可能となっております。
③Webサイト制作
当社は、顧客が開設又はリニューアルを予定するWebサイトの企画・制作・保守運用サービスを2006年より提供しております。
Webサイトの企画・制作では、コーポレートサイトをはじめ、サービスサイト、ECサイト、広告用のランディングページ、運用バナー(注13)等の多種多様なWebサイトを手掛けております。また、保守運用では、Webサイトの運用に不可欠な更新作業、アプリケーション(注14)の保守、Webサーバー(注15)やドメイン(注16)、SSL証明書(注17)の管理・運用等を代行しております。
当社では、SEO対策やWeb広告において培ってきたノウハウ等を活用して、Webサイト制作においても企画設計の段階から集客を意識したWebサイト制作を行っております。
(2)クラウド事業
クラウド事業では、主として中堅・中小企業に対して、操作性に配慮し、かつ顧客が必要とする機能を低価格で利用できるクラウド型業務支援ツールをSaaS形態によりサービス提供しております。なお、具体的なツールの内容は以下のとおりであります。
①勤怠管理・交通費精算・経費精算ツール「ネクストICカード」
「ネクストICカード」は、交通系ICカードを利用して、勤怠管理や交通費精算に加え、交際費や会議費等の経費精算も簡単に処理できるクラウド型業務支援ツールであります。短期間かつ低コストで容易に導入することが可能な設計としており、また、一目でわかるメニューやボタン配置等、当社がWebサイト制作で培ってきたノウハウ等を活用し、利用者にとっての見やすさと使いやすさを重視した、業務時間の大幅削減を実現する業務効率改善に適したツールであります。
②営業支援ツール「ネクストSFA」
「ネクストSFA」は、見込み顧客の管理から商談履歴の管理、さらに案件成立後の顧客管理までの一連の営業プロセスを見える化して効率的に管理できるクラウド型業務支援ツールであります。「ネクストICカード」同様に、短期間かつ低コストで容易に導入することが可能な設計としており、また、利用者にとっての見やすさと使いやすさを重視した、生産性の向上に貢献するツールであります。
<用語解説>
番号用語意味・内容
(注1)クラウドクラウドコンピューティングの略語で、インターネット経由で必要な時に必要なだけITシステムを利用する仕組みの総称であります。ソフトウエア、ハードウエアを所有してITシステムを利用するのに比べて、ITシステムに関する開発や保守・運用の負担が軽減され、コスト削減につながる技術として普及しております。
(注2)SaaS(Software as a Service)ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することであります。
(注3)検索エンジンインターネットに存在する情報(Webサイト、Webページ、画像ファイル等)を検索する機能及びそのプログラムであります。
(注4)UI(User Interface)Webサイト等を利用する際の情報の表示形式や操作性のことであります。
(注5)UX(User Experience)Webサイト等を利用して得られる体験、また、その心地よさや充足感等の概念であります。
(注6)CV(Conversion)Webサイトにおける最終的な成果を意味し、一般的にコンバージョンを効率的に獲得し最大化するためには、Webサイトを訪問するユーザーの動線を検討し、コンテンツを最適化することが求められます。
(注7)クリック単価リスティング広告において、広告が1回クリックされた時にかかった単価のことであり、広告費をクリック数で除した値であります。
(注8)クリック率リスティング広告において、広告が表示された回数のうち、クリックされた回数が占める割合であります。
(注9)ランディングページ検索サイトに表示された検索結果やインターネット広告等をクリックした際に、最初に表示されるWebサイトのページのことであります。
(注10)コンテンツ連動型広告Webページの内容に連動して関連性の高い広告を表示する広告手法であります。
(注11)Google Premier Partner Awards広告運用の成果を高めるために効果的に顧客をサポートし、優れた実績を上げた代理店を表彰する制度のことで、広告出稿サービスであるGoogle広告についてのスキルと専門知識を持ち、運用実績が基準以上であると認定された「Premier Google Partner」のみにエントリー資格が与えられております。
(注12)特別認定パートナーYahoo! JAPANの認定パートナー(広告会社・代理店)の中から、Yahoo! JAPANの広告商品・サービスを総合的に活用した広告運用に強みを持ち、運用知識と運用実績が基準以上である代理店を認定する制度のことであります。
(注13)運用バナーWebサイト上に広告として表示した際に目立つように、写真や絵、文字等で表現した画像やアニメーションのことであります。
(注14)アプリケーションWebサイト上で、ユーザーがWebブラウザを介して文字入力やクリックをすることで目的を達するための機能であります。
(注15)Webサーバーネットワークを通じてスマートフォンやパソコン等にWebサイトの情報を提供するコンピューターのことであります。
(注16)ドメインWebサイトを特定するために使われる、インターネット上の場所を示す文字列のことであります。
(注17)SSL証明書インターネット上でやりとりされる通信を暗号化するために、信頼のおける第三者機関(認証局)が発行した電子証明書のことであります。

[事業系統図]
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