有価証券報告書-第9期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/30 13:12
【資料】
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【項目】
144項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、4,269,618千円となり、前連結会計年度末に比べ148,880千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が55,355千円増加した一方で、売掛金が164,641千円、貸倒引当金が20,566千円、のれんが70,896千円減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,286,436千円となり、前連結会計年度末に比べ174,590千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が198,252千円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,983,182千円となり、前連結会計年度末に比べ25,709千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が29,815千円増加したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復 基調で推移しました。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国経済における不動産市場の停滞の継続に伴 う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、アメリカの今 後の通商政策、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある状況にあります。
インターネット広告の市場規模は3兆6,517億円となり、「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」を合計した「マスコミ四媒体広告費」の2兆3,363億円を大きく上回っております(注1)。また、日本国内のDX市場は中長期的な拡大を続け、2030年には9兆2,666億円の規模にまで成長すると予測されております(注2)。さらに、人材不足の課題は今後一層深刻化することが見込まれており(注3)、DXの推進が企業の事業継続や競争力確保において重要性を増す局面を迎えています。このように、事業変革をもたらすマーケティング領域におけるDXの重要性が高まる中、デジタル上の顧客体験を改善し事業成長を支援する当社グループの「攻めのDX」に対するニーズも引き続き堅調に推移しており、当社グループを取り巻く事業機会は拡大しているものと考えております。
このような経営環境の下、当社グループは、顧客体験と業務プロセスの両面におけるDXを推進するため、クラウドサービスとプロフェッショナルサービスを組み合わせた提供体制の強化に取り組んでまいりました。2025年4月には、生成AIを活用し、既存のウェブサイトや業務ツールと連携することで、利用者が特別な操作を意識することなく顧客体験の高度化を実現するコンセプトとして「Magical UX」を発表しました。さらに、2025年6月には、生成AIを活用したエージェント型ソリューションとして、「Kaizen Conversion Agent」および「Kaizen Personalize Agent」の提供を開始し、顧客獲得支援やパーソナライズの高度化を通じて、マーケティング領域におけるDXの費用対効果向上に寄与する取り組みを進めてまいりました。
また、当連結会計年度においては、収益性および事業効率の向上を目的として、米国子会社における一部事業の移管を含む海外事業の再編を実施し、事業ポートフォリオの最適化を進めました。加えて、2025年11月には、グループ会社である株式会社ハイウェルの商号を「株式会社Kaizen Tech Agent」に変更し、ブランド統合を通じてDX人材ソリューションおよび関連事業の提供体制強化を図っております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,354,800千円(前連結会計年度比3.7%減)、営業利益29,196千円(前連結会計年度は28,549千円の営業損失)、経常利益38,664千円(前連結会計年度比499.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29,815千円(前連結会計年度は171,975千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
出典 (注1)㈱電通「2024年 日本の広告費」
(注2)㈱富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
(注3)内閣府「令和5年版高齢社会白書」
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(プロフェッショナルセグメント)
プロフェッショナルセグメントは、コンサルティング、クリエイティブ制作、BPO、SESなどの専門サービスを通じて、企業のDX推進を総合的に支援しております。多様なDX人材をプロジェクトごとに最適にアサインし、戦略設計から実行フェーズまで一貫した伴走体制を構築し、高い専門性と柔軟性を兼ね備えた支援により、顧客課題の解決と事業成長に貢献しております。当連結会計年度においては、クロスセルによる顧客単価の向上が堅調に推移したものの、大手顧客への注力により取引アカウント数が減少し、業績に影響を及ぼす結果となりました。
この結果、売上高は3,908,739千円(前連結会計年度比6.7%減)、セグメント損失は91,706千円(前連結会計年度は32千円の利益)となりました。
(クラウドセグメント)
クラウドセグメントは、当社独自のクラウドサービスを通じて、Webサイトや業務ツール、コミュニケーションプラットフォーム上での顧客体験の最適化を支援しております。タグの設置のみで導入可能な仕組みにより、生成AIを活用したA/Bテスト、パーソナライズ、スマート検索、多言語対応など、UX改善を迅速かつ柔軟に実現します。レガシーシステムへの影響を最小限に抑え、事業部門主導でのDX推進を可能とする点が特徴です。当連結会計年度においては、顧客単価及び取引アカウント数ともに向上し、売上が伸長しております。
この結果、売上高は446,061千円(前連結会計年度比33.2%増)、セグメント利益は120,903千円(前連結会計年度は28,582千円の損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ65,469千円増加し、1,989,244千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果による収入は287,090千円(前連結会計年度比70,468千円の収入増)となりました。これは主に、のれん償却額70,896千円、売上債権の減少額163,679千円によるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果による支出は23,043千円(前連結会計年度比106,414千円の支出減)となりました。主な要因は投資有価証券の取得による支出27,130千円があったことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果による支出は198,261千円(前連結会計年度は110,939千円の収入)となりました。主な要因は長期借入金の返済による支出198,252千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
プロフェッショナルセグメント3,908,73993.3
クラウドセグメント446,061133.2
合計4,354,80096.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、プロフェッショナルセグメント、クラウドセグメント双方において、大手顧客への注力と顧客単価の向上に取り組むとともに、新サービスの投入、プロダクトの開発・改善などの展開をしてまいりました。その結果、取引アカウント数は減少したものの、ARPUは向上を続けております。
取引アカウント数、ARPUの推移については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
a.売上高
売上高につきましては、大手顧客への注力と顧客単価の向上に取り組んだ結果、国内事業の年間のARPUは引き続き向上し、特にクラウドにおいて売上高が着実に伸長しました。一方で、取引アカウント数の減少も影響し、当連結会計年度の売上高は4,354,800千円(前連結会計年度比169,015千円減)となりました。
b.売上原価、売上総利益
売上原価につきましては、主に前連結会計年度のソフトウエアの減損に伴う減価償却費127,328千円の減少等により、2,958,030千円(前連結会計年度比192,979千円減)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、1,396,770千円(前連結会計年度比23,964千円増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費につきましては、主に貸倒引当金繰入額45,920千円の減少により、1,367,573千円(前連結会計年度比33,782千円減)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、29,196千円(前連結会計年度は28,549千円の営業損失)となりました。
d.営業外収益・営業外費用、経常利益
営業外収益につきましては、主に受取利息18,556千円、投資事業組合運用益6,711千円の計上により、30,412千円(前連結会計年度比21,094千円減)となりました。
営業外費用につきましては、主に支払利息12,577千円、支払手数料6,723千円の計上により、20,944千円(前連結会計年度比4,436千円増)となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益38,664千円(前連結会計年度比32,215千円増)となりました。
e.特別利益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益につきましては、固定資産売却益218千円の計上により、218千円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は29,815千円(前連結会計年度は171,975千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費やマーケティング費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、継続的な自社でのソフトウエア開発、事業拡大のための株式等の取得であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,989,244千円であり、十分な流動性を確保しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業体制、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保及び育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、「KAIZEN the World 〜なめらかな働き方で世界をカイゼンする〜」をミッションに事業を行っております。当社グループの事業を通じて、社会変化が加速するにつれ複雑化する企業のDX課題を、多様な能力を持つDX人材を結集して解決することを目指しています。そうしたアクションの中で私たちは、働くすべての人が持つ、無限の可能性を信じ、既存の制度や習慣、リソースなどの制約を、デジタル時代のアプローチで克服し、あらゆるチーム、データをなめらかにつなぎ、個人の才能や情熱を解放していくことで、活気溢れる社会の実現に貢献し続けたいと考えております。
当社グループがこのミッションを達成し、かつ、長期的な競争力を維持し更なる向上を図るためには、当社グループの経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、最大限に入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めていく必要があると認識しております。

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