有価証券報告書-第15期(2023/08/01-2024/07/31)

【提出】
2024/10/28 17:00
【資料】
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【項目】
129項目
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、1,428,668千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が278,019千円、売掛金が144,524千円、建物が131,110千円、ソフトウエアが201,963千円、のれんが381,010千円、投資有価証券が100,000千円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、735,617千円となりました。主な内訳は、買掛金が91,361千円、未払金が77,955千円、長期借入金が335,379千円、長期未払金が96,000千円であります。長期借入金が発生した主な理由は、子会社を連結の範囲に含めたことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、693,051千円となりました。主な内訳は、資本金が198,370千円、利益剰余金が306,311千円であります。なお、自己資本比率は48.5%となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、経済活動の正常化が進み、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大で緩やかな回復が見られました。
国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)が予想されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。
一方、WEBマーケティング広告における「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の規制は厳しさを増しており、より慎重な広告表現が求められる状況です。保守的な広告表現への見直しによって広告効率が悪化する場合もありますが、当社グループでは、これらの法規制等を遵守しながら、A/Bテストを繰り返し、広告効率の向上に努めております。
このような環境の中で、当社グループは2024年2月には株式会社グルプス、株式会社オルリンクス製薬の2社の株式を取得、株式会社売れる越境EC社、株式会社売れるD2C業界M&A社の2社を新設子会社として設立するなど積極的に事業領域を広げ各事業に取り組んでまいりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」に記載のとおりであります。
(D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業)
D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業は、かねてより当社グループがサービス提供する、ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス「売れるD2Cつくーる」、マーケティング支援サービス「最強の売れるメディアプラットフォーム」に加えて、2024年2月より株式会社グルプスが提供する「運用型広告」、株式会社売れる越境EC社が提供する「越境EC支援」、株式会社売れるD2C業界M&A社が提供する「M&A仲介支援」を主軸として事業を展開しております。当連結会計年度においては、株式会社売れるネット広告社については、マーケティング支援サービスにおいて「不正注文の対策」に集中する施策を実行したことでコンバージョン率の低下による成果報酬型広告の売上減少、および一部大手クライアントの広告の費用対効果が悪化したことによるマーケティング支援サービスの売上高が軟調に推移いたしました。また、株式会社グルプスについては、第3四半期に金融案件の運用広告に関する広告費の先行投資を行い、第4四半期に売上高を大きく伸長することを想定しておりましたが、広告の運用についてアルゴリズムの変更等があったため、先行投資による収益が悪化することを避けるため金融案件に関する成果報酬型の広告運用を少額の運用に切り替えております。
また、売れる越境EC社、売れるD2C業界M&A社については第3四半期を準備期間と位置付けており、第4四半期から本格的な稼働を行っておりますが、立ち上げに時間を要したことから収益計上は2025年7月期以降を想定しております。
この結果、同セグメントの当期の売上高は693,579千円、セグメント損失は311,180千円となりました。
(D2C(ネット通販)事業)
D2C(ネット通販)事業は、2024年2月に株式取得いたしました、株式会社オルリンクス製薬で開発した化粧品等の販売を行う「自社国内D2C事業」を主軸としております。D2C(ネット通販)事業につきましては、初動で広告費をかけず、SNSを活用した「ソーシャルEC戦略」によるモールでの販売を中心に事業を展開し、シートマスク「KogaO+」を中心とした売上が堅調に推移した結果、売上高は82,161千円、セグメント利益は2,764千円となりました。
以上の結果、売上高は756,715千円、営業損失は308,415千円となっております。なお、当連結会計年度においては、一過性の費用として2023年10月23日に東京証券取引所グロース市場へ上場したことに伴う上場関連費用が14,738千円発生しており、経常損失は315,406千円、当期および今後の業績動向を踏まえて繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産の取り崩しを行ったことにより法人税等調整額を10,514千円計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は326,733千円となっております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、278,019千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は384,929千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上315,406千円、法人税等の支払額75,694千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は190,672千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得100,000千円、当社グループのD2C(ネット通販)クラウドサービス「売れるD2Cつくーる」の新機能開発に関するソフトウエア等の固定資産の取得-千円、事業譲受による支出80,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果466,683千円の収入となりました。これは主に、株式の発行による収入376,740千円、長期借入れによる収入150,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
報告セグメントサービスの名称内容外部顧客への売上高
D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス売れるD2Cつくーる209,115
売れるネット広告でざいん76,986
売れるネット広告こんさる50,703
マーケティング支援サービス335,414
その他サービス(越境EC支援)2,332
D2C(ネット通販)事業D2C(ネット通販)82,161
合計756,715

(注)1.各サービス内容及び内訳の詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先当連結会計年度
(自 2023年8月1日
至 2024年7月31日)
販売高(千円)割合(%)
株式会社ランクアップ142,51718.8

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表等の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
b.経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループにおける主な資金需要は、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループは自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて借入による資金調達を実施します。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したリスク等の要因により重大な影響を受ける可能性があります。当社グループは、内部統制の運用、コンプライアンスに関する教育等を行うことにより、これらのリスク要因に対応してまいります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、売上高、売上総利益、営業利益、売れるD2Cつくーるクライアント社数の4指標を重視しております。当社グループはD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業における収益基盤の強化、セミナー開催の実施等による積極的な営業活動を行うことで、売上高、売上総利益、営業利益、売れるD2Cつくーるクライアント社数を成長させ企業価値の向上を目指してまいります。