有価証券報告書-第3期(2023/07/01-2024/06/30)

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2024/09/30 9:40
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147項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、全体として緩やかな回復が続きました。一方で、欧米におけるインフレ・高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行きなど海外景気の下振れ懸念がわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、働き手不足や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する建設コンサルタント業界及び地質調査業界の経営環境は、2023年6月に改正国土強靱化基本法が成立し、同年7月には新たな国土強靱化基本計画が閣議決定されましたので、最終年度が2025年度である「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の終了後においても、国内の公共事業を取り巻く環境は、堅調に推移していくものと考えられます。
このような状況の下で、2023年7月におけるグループ内の組織再編(主要子会社である大日本コンサルタント株式会社と株式会社ダイヤコンサルタントの合併)を踏まえて、2023年7月から2026年6月までの3ヵ年を対象とする中期経営計画を更新し、「信頼のもと、社会になくてはならない企業グループに」をビジョンに掲げて、「サステナビリティ社会の実現に向けた対応、DXの推進」、「マーケットリーダーの地位強化・新たなマーケットリーダーの創出」、「多様な働き方の実現と人材価値の最大化」、「持続的成長を実現するためのグループガバナンス体制の強化」の4つの基本目標を設定いたしました。「サステナビリティ社会の実現に向けた対応、DXの推進」と「マーケットリーダーの地位強化・新たなマーケットリーダーの創出」は、成長事業とコア事業の事業戦略に研究開発戦略を含んだ基本目標であり、受注拡大及び生産性向上を推進するため、各分野において策定した行動計画に対する諸施策に取り組んでまいりました。「多様な働き方の実現と人材価値の最大化」は、当社グループの競争源泉である人的資本に関する基本目標であり、テレワークの強化などによって多様な働き方を創出し、社員教育の充実等によって付加価値の最大化に努めてまいりました。「持続的成長を実現するためのグループガバナンス体制の強化」は、当社グループが持続的成長を実現するため、サステナビリティ経営の推進や人的資本への投資などの課題に対する検討を実施し、グループガバナンス体制の強化に努めてまいりました。また、令和6年能登半島地震の発災翌日の1月2日には事業会社である大日本ダイヤコンサルタント株式会社に災害対策本部を設置し、被災地の復旧・復興に向けて、調査・設計の一体化による迅速な対応に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループ全体の業績は、受注高は372億3千3百万円(前連結会計年度比121.0%)、受注残高は198億3千9百万円(同118.5%)、売上高は341億3千1百万円(同104.8%)となりました。利益面におきましては、当初より計画しておりました給与水準の引き上げや社員教育の充実に伴う積極的な人的投資に加え、事業会社の合併に伴う年金制度統合による退職給付費用の増加が影響し、営業利益は19億4千8百万円(同88.9%)、経常利益は19億8千8百万円(同84.5%)、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は15億5千7百万円(同88.7%)となり、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。また、当社グループは継続的に企業価値の向上を図るため、株主資本利益率(ROE)10%以上を安定的に達成できることを目標に掲げており、当連結会計年度におきましては、株主資本利益率(ROE)は12.3%となり、目標を達成することができました。
なお、当社グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて30億1千9百万円増加(前連結会計年度は14億3千9百万円増加)し、240億4千5百万円(前連結会計年度は210億2千5百万円)となりました。主な変動は、現金及び預金の減少21億5千万円、受取手形及び売掛金の増加5億5千6百万円、契約資産の増加36億7千9百万円、有形固定資産の増加9千5百万円、のれんの増加3億3千2百万円、退職給付に係る資産の増加2億3千9百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べて13億8千9百万円増加(前連結会計年度は4億7千万円の減少)し、105億5千8百万円(前連結会計年度は91億6千8百万円)となりました。主な内容は、業務未払金の増加3億8千万円、短期借入金の増加9億5百万円、未払金の増加4億1千6百万円、未払法人税等の増加4億6百万円、退職給付に係る負債の減少2億4千8百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて16億3千万円増加(前連結会計年度は19億9百万円の増加)し、134億8千6百万円(前連結会計年度は118億5千6百万円)となりました。主な変動は、剰余金の配当5億6千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15億5千7百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億4千4百万円、退職給付に係る調整額の増加4億1千4百万円によるものであります。
これらの結果、当社グループの自己資本比率は56.0%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて21億5千万円減少し、21億1千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金純額は、19億1千6百万円(前連結会計年度は獲得した資金7億9千3百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益23億9百万円に、減価償却費3億9千6百万円の非資金費用のほか、売上債権の増加額2億6千8百万円、契約資産の増加額35億9千1百万円、仕入債務の増加額3億3千1百万円、契約負債の減少額9千8百万円、法人税等の支払額4億3千5百万円、法人税等の還付額9千万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金純額は、1億2千7百万円(前連結会計年度は使用した資金3億4千7百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億6千2百万円、無形固定資産の取得による支出1億1千2百万円、投資有価証券の売却による収入3億4千6百万円、関係会社株式の取得による支出4千9百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2億1千7百万円、保険積立金の解約による収入6千1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金純額は、1億1千1百万円(前連結会計年度は使用した資金7億8千8百万円)となりました。これは主に、短期借入金の増加額7億円、長期借入金の返済による支出2億2千7百万円、配当金の支払額5億5千9百万円によるものであります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一の報告セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、事業別に記載しております。
イ.生産実績
当社グループでは「生産実績」を定義することが困難なため、「生産実績」は記載しておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注状況を事業別に示すと、次のとおりであります。
事業別受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
建設コンサルタント事業31,836,267120.217,611,143119.3
地質調査事業5,396,995125.62,228,532112.7
合計37,233,262121.019,839,675118.5

(注) 数量につきましては、業種の特殊性から把握が困難なため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。
事業別売上高(千円)前年同期比(%)
建設コンサルタント事業28,986,087102.7
地質調査事業5,145,824118.2
合計34,131,911104.8

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
国土交通省10,456,84832.110,243,96630.0

(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
② 経営成績等の状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
③ 財政状態の状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、成長投資に必要な資金は、事業で生み出す営業キャッシュ・フロー及び手許流動性資金で賄うことを基本とし、それを超える投資規模の場合には、金融市場または資本市場から調達することも選択肢の一つとし、成長への機会損失とならないよう堅実かつ柔軟な資金調達を行う方針であります。
また、事業の特性上、業務代金の回収時期が3月から5月に集中する傾向があるため、資金需要に応じて運転資金の一部を金融機関からの短期借入金で賄っております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
国内の公共事業を取り巻く環境は、2023年6月に改正国土強靱化基本法が成立し、同年7月には新たな国土強靱化基本計画が閣議決定されましたので、最終年度が2025年度である「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の終了後も堅調に推移するものと考えられ、今後においても一定の受注高、売上高を確保できるものと判断しております。
このような状況の中、中期経営計画2026(2023年7月から2024年6月まで)の2年目となる2025年6月期においても、基本目標として設定した「サステナビリティ社会の実現に向けた対応、DXの推進」、「マーケットリーダーの地位強化・新たなマーケットリーダーの創出」、「多様な働き方の実現と人材価値の最大化」、「持続的成長を実現するためのグループガバナンス体制の強化」に対する諸施策を継続して取り組み、経営資源の更なる統合と成長のための新たな事業ポートフォリオ構築に向けた先行投資を行うことで、次の成長フェーズに繋がる事業基盤の強化を図ってまいります。また、2023年4月に閣議決定された「今後の原子力政策の方向性と行動指針」に沿った原子力発電所及び核燃料サイクル関連施設の地質・地盤調査、2022年12月に閣議決定された「防衛力整備計画」に沿った自衛隊施設(建物等)の耐震化・老朽化対策等の計画・設計を成長分野と位置付けて、経営資源を重点的に配分することによって受注高、売上高の拡大を見込みます。これらに加えて、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー関連事業、包括管理等のインフラマネジメント事業を成長させるとともに、インフラの維持管理へのAIの活用、地質調査のDXなどの技術開発を推進し、当社グループの事業領域を広げて事業規模の拡大を図り、企業理念である「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」の実現を目指します。

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