有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/08/16 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
134項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を目指し、併せて社会に貢献するサービスを提供することで、あらゆるステークホルダーから信頼を得ることが重要であると認識しております。かかる認識に基づき、当社ではコンプライアンスの徹底を図るとともに、監査等委員会を設置し、経営の意思決定と業務執行の監督に透明性を確保し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンス強化を目的に、2019年10月の臨時株主総会において定款を変更し、取締役会設置会社並びに監査役設置会社に移行、2020年11月の臨時株主総会において定款を変更し、監査役会設置会社に移行いたしました。監査役3名全員が社外監査役であり、独立性は担保されていましたが、取締役会での議決権をもたなかった社外監査役が取締役会での議決権を行使できるようになることで、さらにコーポレート・ガバナンスの実効性を高めるとともに、中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、2021年3月の定時株主総会で定款を変更し、監査等委員会設置会社に移行しております。
当社は、取締役会、監査等委員会を設置するとともに、コーポレート・ガバナンス体制を担保し適切なリスクマネジメントを行うために、リスク管理委員会、任意の報酬委員会を設置しております。
[コーポレートガバナンス体制]

a 取締役会
当社の取締役会は、法令及び定款並びに取締役会規程に定められた事項の決議の他、当社の重要な業務執行を決定し、取締役の職務執行の監督を行っております。取締役会は、毎月1回の定例取締役会に加え、必要に応じて臨時取締役会を開催し、迅速かつ効率的な意思決定を行える体制をとっております。また、取締役8名中3名を監査等委員である取締役として社外から選任し、各社外取締役の専門知識や豊富な実務経験に基づく知見を活用するととともに、経営監督機能の強化に努めております。
<構成員の氏名(役職名)>議長:代表取締役社長CEO 金子 武史
取締役会長 下村 克則
取締役 システムインテグレーション事業本部長 津野尾 肇
取締役 CTO兼マーケティング本部長 田口 紀成
取締役 CFO兼経営管理本部長 中島 数晃
社外取締役(監査等委員) 角田 好志
社外取締役(監査等委員) 廣瀬 卓生
社外取締役(監査等委員) 鈴木 雅也
b 監査等委員会
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役3名によって構成され、その全員が社外取締役です。監査等委員である取締役には弁護士や公認会計士等、企業経営について独立した観点を有する者も含まれており、それぞれの専門知識と経験に基づき、監査・監督を行っております。
監査等委員は、取締役会等の重要な会議に参加するとともに、監査計画に基づき監査を実施し、監査等委員会を毎月1回開催するほか、内部監査担当者及び会計監査人と情報の共有化を図り、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査・監督を行っております。
議長:社外取締役(常勤監査等委員) 角田 好志
社外取締役(非常勤監査等委員) 廣瀬 卓生
社外取締役(非常勤監査等委員) 鈴木 雅也
c リスク管理委員会
当社は、リスクの把握と適切な対応により損失の最小限化を図るために、代表取締役社長CEO 金子武史をリスク管理最高責任者とし、常勤役員及び各部門の責任者からなる「リスク管理委員会」を四半期ごとに開催し、内部統制の体制整備・運営の推進を図っております。リスク管理委員会は、事業環境や組織体制等、当社経営に関するリスク全般について把握し対応策を検討する場と位置付けており、想定されるリスクの特定、評価を行い、リスク低減のための体制整備・対策実行を推進しております。
d 内部監査
当社の内部監査は、独立した内部監査室は設置しておりませんが、代表取締役が選任した内部監査担当が内部監査を実施しており、内部監査担当が所属する部門の監査については、代表取締役が別部門から選任した内部監査担当が実施することにより、監査の独立性を確保しております。内部監査担当は、当社における業務遂行状況を法令、定款、規程の遵守と業務改善の観点から監査し、代表取締役及び監査等委員に報告するとともに、改善・効率化の助言・提案等を行っております。また、内部監査担当者と監査等委員会、会計監査人が監査を有効かつ効率的に進めるため、三様監査連絡会議を定期的に開催するとともに適宜情報交換を行っており、効率的かつ実効性のある監査に努めております。
e 執行役員
当社は、業務執行機能の強化を図るため、執行役員制度を導入しております。執行役員は取締役会によって選任され、取締役会が決定した基本方針に従って業務執行にあたっております。有価証券届出書提出日現在、執行役員は2名です。
f 会計監査人
当社は、有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、会計監査を受けております。なお、2020年12月期において業務を執行した公認会計士は、早稲田宏氏、瀧野恭司氏の2名であり、当該会計監査業務に係る補助者は18名(公認会計士4名、その他補助者14名)です。
③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、取締役会にて「内部統制システムの整備に関する基本方針」を定める決議を行っており、基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。その内容は以下のとおりです。
(a) 取締役、使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ 役職員が法令・定款及び社会規範を遵守した行動をとる。
ロ コンプライアンスの推進については、経営管理本部で統括することとし、同本部を中心に役職員教育を行う。
ハ 取締役は、重大な法令違反その他法令及び社内規程の違反に関する重要な事実を発見した場合には、直ちに監査役に報告するとともに、遅滞なく取締役会において報告する。
ニ 内部通報制度を設け、問題の早期発見・未然防止を図り、適切かつ迅速に対応する。
ホ リスク管理委員会は、不正行為の原因究明、再発防止策の策定及び情報開示に関する審議を行い、経営管理本部が再発防止策の展開等の活動を推進する。
ヘ 各部門における法令及び社内規程の遵守状況について定期的に内部監査を行う。
ト 監査役は法令遵守体制及び内部通報制度の運用に問題があると認めるときは、意見を述べるとともに、改善策の策定を求めることができるものとする。
チ 取締役の意思決定の妥当性を高めるため、取締役のうち2名以上は独立社外取締役とする。当該社外取締役は、当社が定める独立性を満足するものとし、その独立性判断の基準は、以下のとおりとする。
(イ)当社及び当社子会社(以下「当社グループ」という。)に所属、又は就任時より遡って3年未満の期間に所属していない者
(ロ)当社グループの主要取引先に所属、又は就任時より遡って3年未満の期間にしていない者
(ハ)当社の前年度期末の発行済株式総数10%以上を保有しない個人、又は企業・団体に所属しない者もしくは就任時より遡って3年未満の期間に所属しない者
(ニ)当社グループが前年度期末の発行済株式総数10%以上を保有する企業・団体に所属しない者、又は就任時より遡って3年未満の期間に所属しない者
(ホ)当社グループの法定監査を行う監査法人に所属しない者、又は就任時より遡って3年未満の期間に所属しない者
(ヘ)当社グループの資金調達において必要不可欠であり、代替性が無い程度に依存している金融機関に所属していない者、又は就任時より遡って3年未満の期間に所属しない者
(ト)過去3事業年度のうちいずれか1事業年度あたり、当社グループから役員報酬以外に直接的に、当社グループの売上高の2%を超える報酬を受けているコンサルタント、法律専門家、会計専門家又は税務専門家でない者(当該報酬を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)、又は就任時より遡って3年未満の期間まで取引が無い者
(チ)過去3事業年度のうちいずれか1事業年度あたり、当社グループの売上高の2%を超える寄付又は助成を受けている組織の理事その他の業務執行者等でない者
(リ)当社グループとの間で、取締役及び監査役を相互に派遣している会社の業務執行者でない者
(ヌ)上記各号のいずれかに掲げる者の2親等以内の親族あるいは同居の家族でない者
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ 株主総会議事録、取締役会議事録、事業運営上の重要事項に関する決裁書類など取締役の職務執行に係る文書については、「文書管理規程」に従い保存媒体に応じて適切かつ確実に検索性の高い状態で保存・管理することとする。取締役は、これらの文書等を常時閲覧できるものとする。
(c) 損失の危機の管理に関する規程その他の体制
イ リスク管理体制の基礎として、「リスク管理規程」を定め、同規程にしたがったリスク管理体制を構築する。
ロ 代表取締役社長を最高責任者とする「リスク管理委員会」を設置し、経営環境、事業活動、会社財産の状況を踏まえたリスクの識別、分析及び評価を実施するとともにリスク対策を協議実行する。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制の基礎として、定例の取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催するものとし、重要事項の決定並びに取締役の業務執行状況の監督等を行う。
ロ 取締役会規程、職務権限規程、業務分掌規程を定め、取締役の職務及び権限、責任の明確化を図る。
(e) 業務の適正を確保するための体制
イ 「業務分掌規程」に基づき、経営管理本部は、所管業務を通じて内部統制システムの構築・整備・運用について指導・管理する。
ロ 業務の適正性について定期的に内部監査を行う。
(f) 監査等委員会の監査の実効性確保及び補助すべき使用人の体制
イ 監査等委員会が職務執行のために補助すべき使用人を置くことを求めたときは、監査等委員会の職務を補助すべき使用人を配置する。
ロ 監査等委員会の職務を補助すべき使用人が監査等委員会補助職務を遂行するときは、取締役(監査等委員である取締役を除く)からの指揮命令を排除し、監査等委員会の指揮命令に基づき職務を遂行するとともに、監査等委員会からの指示内容等について、守秘義務を負うものとする。
ハ 監査等委員会の職務を補助すべき使用人の人事異動等に関しては、あらかじめ監査等委員会の同意を得る。
ニ 取締役(監査等委員である取締役を除く)又は使用人は、監査等委員に対して、法定の事項に加え、重大な影響を及ぼす事項、内部監査の実施状況、内部者通報の通報状況及びその内容をすみやかに報告する。前記に関わらず、監査等委員はいつでも必要に応じて、取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人に対して報告を求めることができることとする。
ホ 監査等委員は、重要な会議に出席し、意見を述べることができるものとする。
ヘ 監査等委員は、重要な会議の議事録、監査等委員ではない取締役が行った重要な決裁等について、いつでも閲覧することができるものとする。
ト 代表取締役社長と監査等委員会は定期的に会合をもち、監査上の重要課題等について意見を交換し、相互認識と信頼関係を深めるように努める。
チ 監査等委員会がその職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還等の請求をしたときは、当該監査等委員会の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理する。
(g) 反社会的勢力との取引排除に向けた体制
イ 法令、条例及び規程等に基づき、社長以下役職員が一丸となって反社会的勢力の排除に取り組む。
ロ 反社会的勢力とは取引関係を含めて一切関係を持たない。また、反社会的勢力による不当要求は一切を拒絶する。
ハ 「反社会的勢力対応規程」「反社会的勢力の調査実施マニュアル」を整備し、反社会的勢力排除のための体制構築をする。
b リスク管理体制の整備の状況
当社は、上記 ② c に記載のとおり、リスク管理委員会を設置し、当社における様々なリスクを一元的に把握し、リスク低減のための体制整備・対策実行を推進するとともに、社内における不正行為や不適切な対応等を早期に発見するため、外部の顧問弁護士や監査等委員を通報窓口とする内部通報制度を制定しております。また、従業員に対する研修を実施し、リスクの発生を未然に防止するように努めております。
c 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、監査等委員である取締役との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
d 定款で定めた取締役の員数
当社は、監査等委員でない取締役は10名以内とし、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
e 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款に定めております。
f 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議について、議決権を行使することができる株主の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たり多数をもって行う旨を定款に定めております。
g 剰余金の配当などの決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議に寄らず取締役会の決議により定める旨を定款に定めております。
h 中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年6月末日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
i 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、機動的な資本政策の遂行を可能にするため、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得できる旨定款に定めております。
j 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)の責任を、法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。
また、当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を法令の定める最低限度額に限定する契約を締結することができる旨を定款に定めております。
これは、取締役が職務の遂行にあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものです。