有価証券報告書-第9期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 15:32
【資料】
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【項目】
109項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(総資産)
当事業年度末における総資産は4,190,004千円となり、前事業年度末に比べ873,793千円増加しました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は3,434,966千円となり、前事業年度末に比べ607,366千円増加しました。これは主に現金及び預金528,787千円の増加、売掛金55,947千円の増加によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は755,038千円となり、前事業年度末に比べ266,426千円増加しました。これは主にソフトウエア仮勘定111,708千円の減少の一方で、ソフトウエア178,694千円の増加、建物72,648千円の増加、敷金及び保証金70,474千円の増加によるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は1,133,812千円となり、前事業年度末に比べ112,602千円増加しました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,133,812千円となり、前事業年度末に比べ251,446千円増加しました。これは主に未払金33,537千円の減少があった一方で、契約負債150,490千円の増加、短期借入金100,000千円の増加によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債はありません。これは返済に伴う長期借入金138,844千円の減少によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,056,191千円となり、前事業年度末に比べ761,190千円増加しました。これは主に当期純利益の計上による利益剰余金694,540千円の増加、ストックオプションの行使による新株の発行及び、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行による資本金並びに資本剰余金66,635千円の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行し、経済社会活動を後押しする形になりました。しかしながら、金融資本市場の変動、物価高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
人材採用領域においては、有効求人倍率(季節調整値)は2023年12月には1.27倍となり、人材需要は継続して堅調な回復を見せております。また新型コロナウイルス感染症の影響で増えたオンラインでの採用活動が、企業の採用プロセスとして定着したことにより、企業の採用DXへの需要は堅調に推移しております。また、大学での授業をオフラインで実施することが基本となり、部活動やサークル活動といった課外活動がコロナ禍前のように活気を取り戻しつつあるなど、大学生を取り巻く環境に変化も起きています。
このような環境の中、当社は積極的な法人向けの広告宣伝活動等で新規取引先との接点を増やし、求人掲載サービスやオンライン企業説明会サービスの販売に繋げました。さらに前事業年度からは、ワンキャリアクラウドシリーズのスカウトサービスをリリースし、販売パートナーの募集を開始するなど、新規取引先の開拓に注力しております。
当事業年度において会員数は1,580千人(前期比309千人増)、法人取引累計社数は2,903社(前期比1,050社増)となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は3,970,292千円(前期比39.8%増)、営業利益996,039千円(前期比60.9%増)、経常利益997,355千円(前期比60.3%増)、当期純利益694,540千円(前期比55.7%増)となりました。
なお、当社はキャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて、528,787千円増加し、3,186,669千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は916,972千円(前事業年度は664,086千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額239,591千円、売上債権の増加額55,947千円があった一方で、税引前当期純利益992,361千円、契約負債の増加額150,490千円、減価償却費84,862千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は362,188千円(前事業年度は125,217千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出128,910千円、有形固定資産の取得による支出93,914千円、敷金及び保証金の差入による支出75,303千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25,996千円(前事業年度は112,415千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入100,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出171,004千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスには生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当社の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、キャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
事業の名称当事業年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
金額(千円)前期比(%)
キャリアデータプラットフォーム
事業
3,970,29239.8

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
新規取引社数が大きく成長し、既存の顧客との取引も継続し、取引単価のアップを実現したことで、ほとんどの商品の売上高が堅調に推移し、売上高は3,970,292千円(前期比39.8%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加に伴う労務費及び外注費等の増加があった一方で、規律ある投資と継続的な費用の見直し等、筋肉質な事業運営を行ったことにより、売上原価は前期比16.3%増の703,507千円、売上原価率は3.6ポイント減少して17.7%となりました。この結果、売上高の増加と合わせて売上総利益は3,266,784千円(前期比46.2%増)と増大しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
中途採用を積極的に行ったことによる給料及び手当の増加241,778千円、法人向けの広告宣伝への投資による広告宣伝費の増加81,432千円、オフィス増床による地代家賃の増加74,784千円などにより、販売費及び一般管理費は2,270,745千円(前期比40.5%増)となりましたが、売上高の増加に伴い、営業利益は996,039千円(前期比60.9%増)と増大しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は2,350千円(前期比36.4%減)となり、営業外費用は1,034千円(前期比82.4%増)となりました。この結果、経常利益は997,355千円(前期比60.3%増)となりました。
(特別損益及び当期純利益)
当事業年度の特別損益の内訳は、特別損失として投資有価証券評価損4,993千円となりました。
法人税等合計が297,820千円となり、当期純利益は694,540千円(前期比55.7%増)となりました。
なお、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社においては、顧客獲得、受注拡大のための人件費や広告宣伝費、人員獲得のための採用費への資金投下は継続的に実施する方針です。必要な資金については、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮して実施してまいります。また、内部留保については、将来の成長のための事業展開と経営体質の強化に優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、今後の事業展開の過程において、出資、アライアンス、M&A等の投融資の可能性も積極的に追求してまいります。
④経営上の目標及び達成状況の分析
当社は、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、売上高の対前期増加率と法人取引累計社数を重要な経営指標と位置付けております。売上高の対前期増加率については、細分化して売上高対前年同四半期増加率の達成状況の分析をおこなっております。
当該指標については、下表のとおり売上高対前年同四半期増加率は四半期毎での変動はあるものの堅調に推移しており、法人取引累計社数も継続的に増加しております。今後も営業活動及び広告宣伝活動の強化により新規法人取引社数の拡大に努め、安定的な前期比売上高の増加を目指してまいります。
(前事業年度)
第1四半期会計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年3月31日)
第2四半期会計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
第3四半期会計期間
(自 2022年7月1日
至 2022年9月30日)
第4四半期会計期間
(自 2022年10月1日
至 2022年12月31日)
売上高対前年
同四半期増加率(%)
38.151.074.928.4
法人取引累計社数(社)(注)1,1181,2561,5371,853

(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
(当事業年度)
第1四半期会計期間
(自 2023年1月1日
至 2023年3月31日)
第2四半期会計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年6月30日)
第3四半期会計期間
(自 2023年7月1日
至 2023年9月30日)
第4四半期会計期間
(自 2023年10月1日
至 2023年12月31日)
売上高対前年
同四半期増加率(%)
61.337.028.037.8
法人取引累計社数(社)(注)2,0242,2742,5532,903

(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営上の重要指標としている売上高の対前期増加率及び法人取引累計社数は、今後も成長させていく必要があると認識しており、マーケティング強化による知名度の向上、サービス機能の強化、安定的なサービス提供の施策を引き続き行っていきます。
また、その他で当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり様々な要因があると認識しています。そのため、当社では市場動向に留意しつつ、求職者や企業に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制強化をしていくことにより、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスクに適切に対応していく所存であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社が継続的に成長していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の解決策を実施していく方針であります。