有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/09/07 15:02
【資料】
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【項目】
170項目

事業内容

当社グループは、持株会社である当社、主要子会社のPHC株式会社(以下、「PHC」)及びAscensia Diabetes Care Holdings AG(以下、「ADCHD」)、Epredia Holdings Ltd.(以下、「Epredia」)、株式会社LSIメディエンス(以下、「LSIM」)ほか関連会社を含め、国内16法人、海外75法人にて構成されております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
経営理念として「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献します」を掲げ、ビジョンとして「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」を定めております。また、「多様性とチームワーク」、「イノベーション志向」、「チャレンジ精神」、「高い倫理観」を価値観とし、お客様基点のイノベーションによって、研究から診断、医療までの幅広い領域の医療ニーズに対するソリューションを提供しております。
当社グループは、1948年の大新鉱業株式会社(現在の主要子会社であるPHC)設立をルーツとし、お客様に喜んでいただける「高性能・高品質」なモノづくりを追求し、積極的にR&Dへ投資することで、画期的な製品を世に送り出してきました。
当社グループの事業は、血糖自己測定システム(測定器及びセンサ)及びPoint of Care Testing(臨床現場即時検査、以下、「POCT」)製品等の体外診断機器並びに電気式医薬品注入器(インジェクタ)の開発、製造及び販売を行う「糖尿病マネジメントドメイン」、医科医事システム・電子カルテ等医療IT製品の開発販売や臨床検査事業を展開する「ヘルスケアソリューションドメイン」及び研究・医療支援機器、病理診断機器等の開発製造販売を行う「診断・ライフサイエンスドメイン」の3つの事業ドメインにより構成されており、当該事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 5.セグメント情報」に掲げるセグメント区分と同一であります。
当社は、それら3ドメインの事業を行う当社グループの経営方針策定・経営管理の機能を担っております。なお、当社グループの各ドメインの事業内容及び関係会社各社の位置付けは以下のとおりであります。
(1)糖尿病マネジメントドメイン
糖尿病をはじめとする生活習慣病の増加に伴い、早期診断、効果的な治療が求められる中、当社グループの糖尿病マネジメントドメインは、特許権を有するバイオセンシング技術、自社設計の製造ラインによって効率化・合理化された生産技術に加え販売相手先の特性に応じたマーケティングを通し、高精度で簡便な検査・分析機器の開発・製造・販売を行っております。
主な製品は、血糖自己測定システムを中心とする糖尿病ケア製品、POC(Point of Care)生化学分析装置、呼気一酸化窒素測定装置及び病院・診療所用血糖値測定システム等のPOCT製品並びに電動式医薬品注入器等であります。血糖自己測定システムは、現在の世界標準として採用されている酵素を用いたグルコースの測定技術を製品化したことを起源とし、子会社であるPHCにて開発・製造し、主に同じく子会社であるADCHD及びその販売子会社が34か国に事業拠点を設け、世界110か国以上の医療機関・薬局等に販売しておりますが、製品の一部を海外製造子会社であるPT PHC Indonesia(以下、「PHCI」)にて製造しております。なお、POCT製品については、基本的にはPHCにて開発・製造・販売を行っております。また、国内の血糖自己測定システム、POCT製品や電動式医薬品注入器等の一部製品については、OEM販売を行っております。また、多くの事業提携を通じて製品及びソリューションの開発・提供を行っており、2020年8月にはSenseonics Holdings,Inc.と提携し、CGM(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))のグローバル販売契約を締結しております。
(2)ヘルスケアソリューションドメイン
高齢化や生活習慣病増加等によりヘルスケアITへのニーズが高まる中、1972年から医科システムを開発販売してきたことを強みとし、医療情報システム分野のIT製品を開発販売し、地域医療情報の連携や医療情報の活用による医療の質の向上を目指しております。また、2019年8月に三菱ケミカルホールディングスグループより臨床検査事業分野の大手であるLSIMを買収することで臨床検査領域への事業拡大、ヘルスケアソリューションドメインの事業強化を図っております。
ヘルスケアソリューションドメインは、メディコム事業部とLSIM事業部の2つの事業部で構成されています。メディコム事業部の主な製品は、診療所向け及び病院向けの医科医事システム、電子カルテシステム、保険薬局向けの電子薬歴システム等であります。子会社であるPHCにて開発・製造し、主に子会社であるPHCメディコム株式会社(以下、「PHCM」)を通じて日本国内に販売及び保守サービスを行っております。保守サービスの一部は、関連会社の株式会社SHINKOに外注しております。
LSIM事業部の主な製品・サービスは、臨床検査事業として臨床検査受託、病院業務運営支援、食品・調理加工品検査、施設衛生検査、診断薬機器事業として全自動臨床検査システム、POC機器、創薬支援事業として非臨床試験、臨床試験(治験)、また日本で唯一のWADA(World Anti-Doping Agency)公認のドーピング検査を提供しております。日本国内に主要4拠点(東京都板橋区(志村)、成田、鹿島、熊本)を有し、全国に60の営業拠点と34の登録衛生検査所のネットワークを保有し、日本全国で事業を展開しております。
(3)診断・ライフサイエンスドメイン
再生医療分野をはじめとするライフサイエンスの大学や研究機関で必要とされる機器、創薬・研究領域での細菌・細胞の培養やクリーンな環境を維持するために必要な機器、医療・介護現場の調剤やフードソリューション機器等の開発・製造・販売を行っております。また、2019年6月にサーモフィッシャーサイエンティフィックより病理事業を買収、当該部門を母体としたEprediaグループを設立し、本ドメインの強化を図っております。
診断・ライフサイエンスドメインは、バイオメディカ事業部と病理事業部の2つの事業部で構成されています。バイオメディカ事業部の主な製品は、超低温フリーザー、メディカルフリーザー、薬用保冷庫、CO2インキュベーター、クリーンベンチ、バイオハザード対策用キャビネット、乾熱滅菌器、適温配膳車、自動錠剤包装機等であります。子会社であるPHCにて開発・製造し、国内顧客に対しては特約店を通じ販売する一方、海外市場へは当社の子会社であるPHC Corporation of North America(以下、「PHCNA」)、PHC Europe B.V.(以下、「PHCEU」)、PHC上海有限会社(以下、「PHCSH」)及びSciMed (ASIA) Pte Ltd(以下、「SciMed」)を通じて、グローバルな販売及びサービス体制を構築しております。国内の保守サービスの一部は、関連会社の株式会社SHINKOに外注しております。また、製品の一部は、海外製造子会社であるPHCIにて製造しております。
病理事業部の主な製品は、自動包埋装置、パラフィンブロック作製装置、ミクロトーム、自動染色装置、カバースリッパー、検体管理システム、マイクロスライドガラスや染色試薬等であります。同事業部にて開発・製造し、国内顧客に対してはPHC(エプレディア事業推進部)を通じて、海外に関してもEpredia傘下の販売子会社を通じて、販売、保守サービスを展開しております。
上記当社グループの状況について、事業系統図にて示すと下記となります。
[事業系統図]
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