有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/11 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
133項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、事業活動を通じて企業価値の向上と株主への利益還元を図り、ステークホルダーに対して説明責任を果たすため、経営の透明性、コンプライアンスを確保することが信頼維持の基本であることを認識し、業務執行における監視体制の整備をすすめ、適切な情報開示等を行ってまいります。
② 企業統治に関する事項
イ) 企業統治の概要
当社における企業統治の体制の模式図は次のとおりであります。

当社は、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応していくとともに、取締役会の議決権を有する社外取締役の増員等により取締役会の経営監督機能を強化することによって、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、監査等委員会設置会社を採用しております。
a. 取締役及び取締役会
当社取締役会は、代表取締役社長の米倉裕之を議長とし、中津武(取締役CSO)、玉生弘昌(社外取締役)、結城義晴(社外取締役)、伊藤久美(社外取締役)、川崎清(常勤監査等委員)、壱岐浩一(監査等委員、社外取締役)、石原弘隆(監査等委員、社外取締役)を含めた8名の取締役で構成されており、経営上の最高意思決定機関として、取締役会規則に基づき重要事項(経営方針、事業計画、重要な財産の取得及び処分等)を決定し、業務執行状況を監督しております。取締役会は、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時臨時取締役会を開催しております。
b. 代表取締役社長
経営及び業務執行責任者として、当社を代表し、取締役会の議事運営に当たるとともに、当社全般の業務執行を統括しております。
c. 監査等委員会
当社は監査等委員会設置会社であります。
当社では、監査等委員である常勤取締役(1名)及び監査等委員である非常勤取締役(2名)を選任しております。監査等委員である取締役は取締役会に出席し、社内の実態の把握に努めるとともに、監査等委員でない取締役の意見聴取や資料閲覧等を通じて業務監査、会計監査を実施しております。監査等委員である常勤取締役においては、取締役会以外の重要な会議にも出席するとともに、内部監査にもオブザーバーとして立ち会っており、監査等委員でない取締役の業務執行状況を十分に監査できる体制となっております。
また、内部監査室及び会計監査人との相互補完的かつ効果的な監査ができるよう、相互に情報共有に努め、連携を図っております。
d. 経営戦略会議
経営戦略会議は、代表取締役社長、取締役CSO、常勤監査等委員、各部門長及び経営戦略部員を構成員としております。原則毎月1回開催しており、経営上の課題を審議し、取締役会に報告しております。
ロ) 内部統制システムの整備状況
当社は、業務の適正性を確保するために、各種規程類を制定し、内部統制システムを整備するとともに、運用の徹底を図っております。監査等委員による監査に加え、各種規程類の遵守状況と内部統制システムが有効に機能していることを確認するために、代表取締役社長が内部監査担当者を任命し、内部監査を実施しております。内部監査担当者は、監査等委員及び会計監査人とも連携し、監査の実効性を確保しております。
また、当社は、2020年6月24日開催の取締役会で「内部統制システム構築の基本指針」に関する決議を行い、現在その基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。内容の概要は次のとおりであります。
a.取締役及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
コンプライアンス体制の構築・維持については、監査等委員会による取締役の業務執行の監視に加え、社長の命を受けた内部監査担当者が、内部監査規程に基づき、取締役及び使用人の職務の執行に関する状況の把握、監視等を定期的に行い、社長に報告します。
また、法令や社内規程上疑義のある行為等についてその情報を直接受領する内部通報制度を整備・運用します。
b.取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理については、人事総務部を管掌する取締役を担当役員とし、職務執行に係る情報を適切に文書または電磁的情報により記録し、文書管理規程に定められた期間保存・管理を行います。
なお、取締役は、これらの文書等を常時閲覧できるものとし、担当役員はその要請に速やかに対応します。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
危機管理体制については、リスク管理基本規程に基づいて、人事総務部を管掌する取締役を担当役員とし、人事総務部をリスク責任部門とします。
また、人事総務部は、具体的なリスクを想定、分類し、有事に備え、迅速かつ適切な情報伝達をはじめとする緊急体制を整備するものとし、定期的に取締役会に対してリスク管理に関する事項を報告します。
なお、不測の事態が発生した場合には、社長を長とする対策本部を設置し、早期解決に向けた対策を講じるとともに、再発防止策を策定します。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会は、取締役会の運営に関する規程を定めるとともに、定時の取締役会において重要事項を決定し、取締役に業務報告させることにより業務執行の監督を行います。
また、取締役の職務の効率性を確保するため、取締役の合理的な職務分掌および適切な執行役員の任命を行います。また、適切な権限の委譲および部門間の相互牽制機能を備えた「職務権限規程」を制定しております。
さらに、社長と各部門長および常勤監査等委員が出席する「経営戦略会議」において、当社の経営戦略の策定および進捗管理を行いその有効活用を図ります。
e.監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査業務に必要な補助すべき特定の従業員の設置が必要な場合は、監査等委員会がそれを指定します。また、内部監査担当者は、監査等委員会に協力します。
f.前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査等委員会より監査業務にかかる指揮命令を受けた従業員は、所属する上長の指揮命令を受けません。また、当該従業員の人事異動及び人事考課を行う場合は、監査等委員会の意見を聴取し、その意見を十分尊重して実施します。
g.取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
取締役及び使用人は、重大な法令違反及び著しい損害を及ぼす恐れのある事実を知ったとき等は、遅滞なく監査等委員会に報告するものとします。監査等委員会は必要に応じていつでも取締役に対し報告を求めます。
h.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査等委員会が重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を効率的かつ効果的に把握できるようにするため、監査等委員会はいつでも取締役及び従業員に対して報告を求め、取締役は社内の重要な会議への監査等委員の出席を拒否しません。
また、監査等委員は、内部監査担当者及び会計監査人と緊密に連携し、定期的に情報交換を行い、必要に応じて顧問弁護士との意見交換等を実施します。
i.反社会的勢力排除に向けた体制
当社は、反社会的勢力との取引関係や支援関係を含め一切の接触を遮断し、反社会的勢力からの不当要求は断固として拒絶します。
反社会的勢力から経営活動に対する妨害や加害行為、誹謗中傷等の攻撃を受けた場合は、人事総務部が対応を一元的に管理し、警察等関連機関とも連携し、組織全体で毅然とした対応を行なう体制を整備します。
j.財務報告の信頼性を確保するための体制
当社は適正な会計処理を確保し、財務報告の信頼性を向上させるため、財務報告に係る内部統制の体制整備と有効性向上を図ります。
ハ) リスク管理体制の整備状況
当社のリスク管理体制は、コーポレート管掌取締役が中心となり取締役・監査等委員・各部門責任者と緊密な連携をとりながら必要に応じて経営戦略会議等で協議し、その対応を決定しております。
また、顧問弁護士、顧問税理士、顧問社会保険労務士等より、経営全般に渡っての助言を受けております。
なお、法令違反や不正行為等の防止及び早期発見を図るため、内部通報制度を導入し、常勤監査等委員及び弁護士である監査等委員を窓口と定めております。
③ 内部監査及び監査等委員監査の状況
内部監査規程に基づいて、社長直轄の内部監査室(1名)が、当社の業務執行の適正性及び有効性の評価、分析、改善指導を年度監査計画に基づき実施し、監査結果を社長へ報告しております。
監査等委員会監査につきましては、当社の監査等委員である取締役は、社内の事情を熟知した社内取締役1名と独立性を確保した社外取締役2名を選任しております。監査等委員である取締役は、毎期策定される監査計画に沿って取締役会等の重要な会議に出席し、意思決定の過程、意思決定の内容の妥当性を監査する他、重要な決裁書類や契約書の閲覧等により取締役の業務執行状況や会計処理に関する監査を行っております。
④ 会計監査の状況
当社はEY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結し、当該監査法人の監査を受けております。同監査法人及び同監査法人の業務執行社員と当社との間で特別な利害関係はありません。なお、継続監査年数については、全員7年以内のため記載を省略しております。
業務を執行する公認会計士の指名
・指定有限責任社員 業務執行社員 新居 伸浩
・指定有限責任社員 業務執行社員 池田 洋平
会計監査業務に係わる補助者の構成
・公認会計士 3名
・その他 10名
⑤ 社外取締役
当社は社外取締役5名を選任しております。
当社において、社外取締役を選任するための独立性について特段の定めはありませんが、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考に、専門的な知見に基づく客観的かつ適切な監督または監査といった機能及び役割が期待され、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことを基本的な考え方として、選任しております。
⑥ 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑦ 責任限定契約の内容の概要
当社と非業務執行取締役は、当社定款に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、当該非業務執行取締役が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、当社定款の定めにより法令の定める最低責任限度額としております。また、第18期定時株主総会終結時までの間に社外監査役であった者との間においても同様の扱いとできる旨を定めております。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役(監査等委員を除く。)は10名以内とする旨を定款に定めております。
当社の監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
⑨ 取締役の選任の決議要件
当社の取締役の選任決議は、株主総会において議決権を行使できる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑩ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議による旨を定款に定めております。
⑪ 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑫ 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的としております。
⑬ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。