有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/18 15:00
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【項目】
165項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第6期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当社グループは、「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」とのミッションの下、AIプラットフォーム事業においては、顧客課題解決を通じて、様々な業界の産業・社会課題を発見、産業・社会革新を実現し続けることを目指して事業を推進してまいりました。またAIプロダクト事業においては、広範な顧客向けに、最小限の追加調整で即座に業務で活用可能なAIソフトウエアを提供し、社会課題を解決することを目指して事業を推進してまいりました。
当社グループが事業を展開するデジタル・トランスフォーメーション(DX)及びAI活用に係る領域では、DXの推進にむけての企業投資意欲が高まっており、AIプラットフォーム事業、AIプロダクト事業の双方で顧客企業から旺盛な新規受注が期待できる良好な事業環境が継続していると考えております。
(経営成績)
売上高
当連結会計年度における売上高は、2,612,944千円となりました。主な要因は、AIを用いたDX支援やAIプロジェクトによるイノベーション創出案件を多数の大手企業と取り組んだことにより、前年度からの継続顧客を中心に顧客単価が向上したことによるものです。
売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、951,343千円となりました。主な要因は、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費等が増加したものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は1,661,600千円、売上総利益率は63.6%となりました。
販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,169,940千円となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により採用費、人件費、外注費等が増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は508,339千円となりました。
営業外損益、経常損益
当連結会計年度の営業外収益は、68,202千円となりました。これは主に、助成金収入によるものであります。また、営業外費用は、11,207千円になりました。これは主に、支払利息並びに為替差損によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は、451,345千円となりました。
特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は589,122千円となりました。これは主に、固定資産の減損損失の計上136,750千円によるものであります。また、法人税等を3,566千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、592,688千円となりました。
(注)
当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。なお、前事業年度における当社単体の売上高は2,063,876千円、売上原価は738,319千円、売上総利益は1,325,557千円、販売費及び一般管理費は1,793,402千円、営業損失は467,844千円、営業外収益は45,567千円、営業外費用は622千円、経常損失は422,900千円、税引前当期純損失は422,900千円、当期純損失は469,644千円となります。詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ②損益計算書」をご参照ください。
(セグメント業績)
AIプラットフォーム事業
当連結会計年度におけるDX推進に関する企業のニーズは強く、AIを用いたDX支援に関する市場環境は良好な状況が続いております。こうした環境の中で、機械学習・深層学習及び統計学などを用いた画像・データ解析技術等を活用したAIプロジェクトによるイノベーション創出を多数の大手企業と取り組み、前年度からの継続顧客を中心に顧客単価が向上しました。
この結果、売上高は2,257,499千円、売上総利益は1,697,366千円、売上総利益率は75.2%、セグメント利益は566,773千円となりました。
AIプロダクト事業
当連結会計年度においては、既存プロダクトの販売拡大に加え、AIプラットフォーム事業によって得られた知見をもとに、新たなサービス開発にも取り組んでまいりました。
既存プロダクトでは、企業のDX人材の発掘・育成のための「exaBase DXアセスメント&ラーニング」、データ活用・分析のための「exaBase 予測・分析」を中心に導入企業数が増加し、売上が増加いたしました。また、高性能2眼レンズ搭載のエッジAIカメラ「exaBase エッジカメラ」、企業検索に特化したAI検索エンジン「exaBase 企業検索」等の新規サービスを提供開始いたしました。
一方で、組織拡大に伴う人員増加、プロダクトの開発に係る先行投資に伴い採用費や給料及び手当が増加しました。
この結果、売上高は355,444千円、売上総利益は35,766千円の損失、セグメント損失は1,075,113千円となりました。
(注)
当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。なお、前事業年度における当社単体のセグメント情報としては、AIプラットフォーム事業の売上高は1,740,089千円、セグメント損失は129,316千円、AIプロダクト事業の売上高は323,787千円、セグメント損失は338,528千円となります。詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。
(財政状態)
資産
当連結会計年度末における総資産は3,686,180千円となりました。内訳は、流動資産が3,081,804千円、固定資産が604,376千円であります。
流動資産の主な内訳は、現金及び預金2,337,698千円、売掛金603,525千円であります。
固定資産の主な内訳は、ソフトウエア392,050千円であります。
負債
当連結会計年度末における負債は1,302,886千円となりました。主な内訳は、短期借入金500,000千円、長期借入金300,000千円の有利子負債の他、未払金185,279千円、未払費用177,896千円の営業債務等であります。
純資産
当連結会計年度末における純資産は2,383,294千円となりました。主な内訳は、資本金100,000千円、資本剰余金2,885,349千円、利益剰余金△606,716千円であります。
(注)
当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。なお、前事業年度における当社単体の財政状態としては、資産合計は2,483,023千円、内訳は流動資産が2,030,858千円、固定資産が452,165千円、負債合計が497,334千円、純資産合計が1,985,688千円となります。詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ①貸借対照表」をご参照ください。
第7期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
(経営成績)
売上高
当第2四半期連結累計期間における売上高は1,971,545千円となりました。AIを用いたDX支援やAIプロジェクトによるイノベーション創出案件を多数の大手企業と取り組んだことにより、前年度からの継続顧客を中心に顧客単価が向上しました。また、子会社化したエクスウェア株式会社(以下、エクスウェア)の売上高を2021年5月より取り込んでいます。
売上原価、売上総利益
当第2四半期連結累計期間における売上原価は783,564千円となりました。主な要素は人件費等であり、またエクスウェア子会社化により同社の人件費を取り込んでいます。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上総利益は1,187,981千円、売上総利益率は60.3%となりました。
販売費及び一般管理費、営業損益
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は1,517,171千円となりました。主な要素は人件費等、業務委託費、研究開発費となります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の営業損失は329,190千円となりました。
営業外損益、経常損益
当第2四半期連結累計期間の営業外収益は2,432千円となりました。主な要素は助成金収入となります。また、営業外費用は9,488千円になりました。主な要素は支払利息及び為替差損となります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経常損失は336,246千円となりました。
特別損益、親会社株主に帰属する四半期純損益
当第2四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純損失は382,063千円となりました。主な要素は中国子会社の株式持分を譲渡し業務終了することに伴う関連費用として計上した関係会社整理損39,436千円等となります。
また、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失は、法人税等の合計として11,854千円計上したことにより、388,189千円となりました。
(セグメント業績)
AIプラットフォーム事業
当第2四半期連結累計期間においては、機械学習・深層学習及び統計学などを用いた画像・データ解析技術等を活用したAIプロジェクトによるイノベーション創出を多数の大手企業と取り組みました。AIを用いたDX支援に関する企業の強いニーズも後押しとなり、前年度からの継続顧客を中心に顧客単価が向上しました。
この結果、売上高は1,735,977千円、売上総利益は1,129,354千円、売上総利益率は65.1%、セグメント利益は209,987千円となりました。
AIプロダクト事業
当第2四半期連結累計期間においては、既存プロダクトの販売拡大に加え、AIプラットフォーム事業によって得られた知見をもとに、新たなサービス開発にも取り組んでまいりました。
DX AIプロダクト群では、企業のDX人材の発掘・育成のための「exaBase DXアセスメント&ラーニング」、データ活用・分析のための「exaBase 予測・分析」を中心に導入企業数が増加しました。
ソーシャルAIプロダクト群では、「CareWiz トルト」「CareWiz ハナスト」が、それぞれの業務提携パートナー企業との協業により、販売拡大が進みました。
一方で、組織拡大に伴う人員増加、プロダクトの開発に係る先行投資に伴い採用費や給料及び手当が増加しました。
この結果、売上高は235,568千円、売上総利益は58,627千円、売上総利益率は24.9%、セグメント損失は539,177千円となりました
(当四半期における当社グループの展開)
全社
・AIプラットフォーム「exaBase」への各種提供サービスの統合を実施しています。当社グループが提供してきた企業向けのAI・DXサービスおよび様々な業界・業務に関する豊富な技術アセットを「exaBase」ブランドのもとに集約し、AI・DXに関わる幅広い機能・サービスを顧客ニーズに応じて組み合わせて提供することで、最短距離での成果創出をサポートする体制を確立しています。
参考:https://exawizards.com/archives/17082
・今年で3回目となる「LinkedIn Top Startups」において、当社は3年連続でランクインしました。同ランキングはLinkedInの実データに基づき、優秀な人材の興味を引き実際に獲得できたスタートアップ企業を示すものです。
AIプラットフォーム事業
・住友生命保険相互会社とWell-being Tech領域での業務提携を行いました。当社グループはこれまで数多くの企業にAI実装を進めた実績を活かし、住友生命のデータ分析・AI活用のパートナーとして、住友生命と様々なWell-beingサービスの共創に取り組んでいきます。業務提携の第一弾として、両社はメンタルヘルス領域における新たなAIサービス開発を進めます。
参考:https://exawizards.com/archives/16947
AIプロダクト事業
・介護記録アプリ「CareWiz ハナスト」が、中小企業基盤整備機構の提供するIT導入補助金2021、及び厚生労働省の提供する地域医療介護総合確保基金(介護ロボット導入支援事業)の対象となるITツールとして採択されました。これにより「CareWiz ハナスト」導入およびその通信環境整備に係る費用が最大750万円まで補助されることとなり、介護サービス事業所・施設での導入負担が軽減されます。
参考:https://exawizards.com/archives/17150
(財政状態)
資産
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は3,622,425千円となり、前連結会計年度末に比べ63,755千円減少いたしました。これは主に、エクスウェアの新規連結に伴いのれんの増加238,203千円及び保険積立金の増加95,090千円があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等に伴い現金及び預金が544,695千円減少したことによるものであります。
負債
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は1,555,711千円となり、前連結会計年度末に比べ252,824千円増加いたしました。これは主に、人件費増加に伴う未払費用の増加60,547千円、エクスウェアの新規連結に伴う長期借入金等の有利子負債の増加49,886千円及び退職給付に係る負債の増加48,152千円、本社移転等に伴う資産除去債務の増加39,655千円によるものであります。
純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は2,066,714千円となり、前連結会計年度末に比べ316,579千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が388,189千円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
第6期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、2,337,698千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、528,129千円の支出となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失589,122千円の計上があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、572,566千円の支出となりました。これは主に、ソフトウエアの増加に伴う無形固定資産の取得による支出495,073千円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,800,260千円の収入となりました。これは、株式の発行による収入1,000,050千円、短期借入れ及び長期借入れによる収入800,000千円の資金調達を行ったためであります。
(注)
当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。なお、前事業年度における当社単体のキャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは340,729千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは293,751千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,579,484千円の収入となります。詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 ④キャッシュ・フロー計算書」をご参照ください。
第7期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、1,793,002千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、120,195千円の支出となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失382,063千円の計上があった他、非資金支出である減価償却費104,876千円ならびにのれん償却額21,654千円や助成金の受取による収入69,308千円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、473,111千円の支出となりました。これは主に、ソフトウエアの増加に伴う無形固定資産の取得による支出174,501千円及びエクスウェアの連結子会社化に伴い子会社株式の取得による支出(子会社が保有する現預金を控除したもの)230,444千円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、49,501千円の収入となりました。これは主に、連結子会社の株式会社エクサホームケアの新設に伴う非支配株主からの払込みによる収入78,207千円があった他、長期借入金の返済による支出28,898千円があったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c 販売実績
第6期連結会計年度及び第7期第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第6期連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
第7期第2四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
AIプラットフォーム事業2,257,499-1,735,977
AIプロダクト事業355,444-235,568
合計2,612,944-1,971,545

(注)
1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。なお、前事業年度における当社単体のセグメント情報としては、AIプラットフォーム事業の売上高は1,740,089千円、AIプロダクト事業の売上高は323,787千円となります。詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。
3.第5期事業年度、第6期連結会計年度及び第7期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第5期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第6期連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
第7期第2四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
アフラック生命保険株式会社5,3080.2300,98611.5237,37012.0

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを新規開発、拡大していくための開発人員の人件費及び顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金、金融機関からの借入、社債及びエクイティファイナンス等で調達していくことを基本方針としております。
④ 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。