有価証券報告書-第7期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/26 15:31
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて、10,981百万円増加し45,143百万円となりました。これは主に、子会社株式取得による前払金の増加によりその他の流動資産が4,087百万円増加したこと、日本オフィスの契約更新及び増床に伴う使用権資産が2,281百万円増加したこと、売上収益の強い成長に伴い営業債権及びその他の債権が1,425百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて、10,610百万円増加し、28,057百万円となりました。これは主に、借入金が6,316百万円増加したこと、日本オフィスの更新及び増床によりリース負債が2,387百万円増加したこと、増収により営業債務及びその他の債務が921百万円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて、370百万円増加し、17,086百万円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が927百万円増加したこと及び株式報酬型ストック・オプションの行使により資本金が65百万円増加した一方で、自己株式の取得にともない自己株式が747百万円増加したことによるものです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるアジア各国経済は、インフレ圧力の緩和に伴う金融環境の改善により、内需が堅調に推移いたしました。これに加え、デジタル経済の進展やインバウンド需要の回復がサービス消費を押し上げ、製造業においても底堅さが見られました。日本経済においても緩やかな回復基調が続いております。一方で、地政学的リスクの長期化や主要国の金融政策に伴う為替変動、通商政策の変化など、世界経済の先行きには依然として不透明な状況が続いております。
こうした変化の激しい経営環境下において、当社グループは各事業領域において積極的な成長投資を継続いたしました。その結果、売上収益は引き続き着実な成長を維持しております。特にマーケティング事業及びD2C/EC事業を合わせた法人ブランド支援事業が牽引役となり、大型顧客の獲得が進んだ東南アジア市場で著しい成長を実現したほか、日本市場でも順調に事業を拡大しております。
収益面においては、パートナーグロース事業における市場環境の変化が全社の収益性に影響を及ぼしたものの、法人ブランド支援事業の拡大に加え、販売管理費の適正なコントロール、さらには生成AIの活用による業務効率化を推進した結果、利益水準は第1四半期から第4四半期にかけて毎四半期着実に改善しており、収益基盤はより強固なものとなっております。
さらに、持続的な成長基盤の構築を目的とした投資戦略を加速させております。生成AIを活用したプロダクト強化に加え、2025年を通じて法人ブランド支援事業領域のAnyReach社、Vibula社、NADESHIKO Beauty社の3社が相次いでグループへ参画したことで、M&Aによる大きなシナジー創出を図っております。

これらの結果、当連結会計年度の売上収益は57,300百万円(前連結会計年度比+13.0%)、売上総利益は21,932百万円(前連結会計年度比+16.9%)、営業利益は1,798百万円(前連結会計年度比△29.7%)、税引前利益は1,409百万円(前連結会計年度比△44.5%)、当期利益は1,002百万円(前連結会計年度比△57.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は927百万円(前連結会計年度比△60.3%)となりました。
なお、当社グループは、インターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(参考)当社グループの売上収益の推移
当社グループは2017年12月期以降、安定した成長を実現しており2025年12月期までの売上収益の年平均成長率は45.7%となっております。2017年12月期の東南アジアにおけるマーケティングプラットフォーム「AnyTag」、「AnyDigital」中心の収益構造から、2018年12月期は日本及び中華圏においてパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」を積極的に展開し、2019年12月期にはクリエイターグロースプラットフォーム「AnyCreator」をグローバルに展開開始したことに加え日本における「AnyTag」の事業の強化を行っております。
2022年12月期においてはD2C/ECプラットフォームからの収益貢献の拡大もあり、収益モデルの分散が更に進み、広告主からのマーケティング報酬(マーケティング支出)に加えて、D2C/ECプラットフォームにおいて、商品販売収益、法人クライアントとの売上シェア(レベニューシェア)、月額固定報酬(サブスクリプション)、利用料に応じた従量課金等の重要性が高まりました。
2023年12月期においてはD2C/EC事業におけるEC領域の拡大に取り組みました。2023年9月25日のDDI社の取得も追い風となりD2C/EC事業は前年同期比で過去最高の成長を記録しました。クロスボーダービジネスを含めた法人EC支援を推進することで、日本をはじめとするアジア諸国の旺盛な需要を取り込み、継続的な事業成長を達成しました。
2024年12月期において当社グループは、独自のプラットフォームの継続的な強化を最優先し、卓越した価値を提供することに注力しました。
2025年12月期においてはマーケティング事業及びD2C/EC事業を中心とする法人ブランド支援事業が大型顧客獲得により東南アジア及び日本市場で売上成長を牽引するとともに、販管費コントロールや生成AI活用により利益水準も着実に改善しております。さらに、3社のM&Aによるシナジー創出を通じて、中長期的な成長基盤の強化を図りました。
2021年
12月期
2022年
12月期
2023年
12月期
2024年
12月期
2025年
12月期
年平均
成長率
売上収益
(百万円)
19,25224,79033,46050,71357,30045.7%

③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比1,057百万円増加し8,607百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において、営業活動によるキャッシュ・フローは268百万円の収入となりました(前年同期比では2,131百万円の収入の増加)。これは、税引前利益1,409百万円を計上、減価償却費及び償却費の計上2,084百万円があった一方で、運転資金の増加に伴う1,427百万円及び前渡金の増加を主要因としたその他1,338百万円の支出、法人所得税の支払額568百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において、投資活動によるキャッシュ・フローは5,866百万円の支出となりました(前年同期比では4,525百万円の支出の増加)。これは主に、有形固定資産の取得による支出849百万円及び子会社株式取得に関連した支出5,040百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末において、財務活動によるキャッシュ・フローは4,406百万円の収入となりました(前年同期比では2,275百万円の収入の増加)。これは主に、長期借入れによる収入7,788百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出1,833百万円及びリース負債の返済による支出1,187百万円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、提供するサービスの性格上、生産活動を行っておりませんので、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
第6期連結会計年度及び第7期連結会計年度の主要なプラットフォームごとにおける販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであります。
第6期連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
第7期連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(百万円)前期比(%)金額(百万円)前期比(%)
マーケティングプラットフォーム21,069+25.724,831+17.9
パートナーグロースプラットフォーム19,608+62.715,674△20.1
D2C/ECプラットフォーム9,891+118.916,601+67.8
その他144+13.6193+34.2
合計50,713+51.657,30013.0%

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります
第6期連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
第7期連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Google Ireland limited9,23718.26,48511.3
Shopee1,4752.93,9246.8


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、マーケティング事業におけるインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」、パブリッシャー成長プラットフォーム「AnyManager」が引き続きグループ全体の成長に寄与しました。また、D2C/EC事業のEC領域も積極的に拡大し、前年同期比67.8%の増収となりました。
経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
a.売上収益
売上収益は、全事業において取引社数が増加し57,300百万円(前連結会計年度比6,587百万円増)となりました。2025年12月期における地域別売上収益比率(注)は、東南アジアが49.3%、日本が40.7%、インド・中華圏等のその他地域が10.0%(前連結会計年度は、東南アジアが51.5%、日本が35.9%、インド・中華圏等のその他地域が12.6%)となっております。
(注)地域別売上収益比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。
b.売上原価、売上総利益
売上原価は、主に売上収益増加に伴いマーケティング費用、パブリッシャー及びクリエイターへの支払、商品売上原価等の増加により、35,368百万円(前連結会計年度比3,410百万円増)となりました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は21,932百万円(前連結会計年度比3,176百万円増)となりました。また、当連結会計年度の売上総利益率は、38.3%(前連結会計年度は37.0%)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、主に事業拡大に伴う人件費、減価償却費及び償却費、業務委託料及び販売促進費等の増加により20,112百万円(前連結会計年度比3,838百万円増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,798百万円(前連結会計年度比759百万円減)となりました。
d.金融収益・金融費用、税引前利益
金融収益は主に受取利息により65百万円となりました。金融費用は主にリース利息の支払や借入利息により454百万円となりました。この結果、税引前利益は1,409百万円(前連結会計年度比1,129百万円減)となりました。
e.親会社の所有者に帰属する当期利益
法人所得税費用406百万円及び非支配株主持分75百万円を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は927百万円(前連結会計年度比1,408百万円減)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの業容拡大のための運転資金と人件費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、8,607百万円であり、十分な流動性を確保しております。当社グループはM&Aを行う場合等に投資活動によるキャッシュ・フローが支出超過となる場合がありますが、投資からの想定回収期間が中長期に亘る場合、当該タイミングにおける金利及び資本コスト、資金需要の額を考慮した上でエクイティファイナンスを行う場合があります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。そのため、当社グループは常に外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保及び育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。売上収益及び売上総利益は市場成長も背景に堅調に成長が続く中、「優秀な人材の確保」が足元の事業成長を継続するために重要と考えており、当社グループの知名度向上による採用力の強化とグループ内の従業員に対する育成について優先的に対応を行っていく予定です。
(参考情報)
当社グループは、経営成績を評価するために売上収益及び売上総利益に加えて、調整後EBITDAを重要な経営指標と考えております。売上収益及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。その事業規模の拡大に伴い調整後EBITDAについては継続的に改善しております。
① 売上収益及び売上総利益
(単位:百万円)
決算期国際会計基準
第3期
(2021年12月期)
第4期
(2022年12月期)
第5期
(2023年12月期)
第6期
(2024年12月期)
第7期
(2025年12月期)
売上収益19,25224,79033,46050,71357,300
売上総利益6,2729,29112,69918,75621,932

② 調整後EBITDA
(単位:百万円)
決算期国際会計基準
第3期
(2021年12月期)
第4期
(2022年12月期)
第5期
(2023年12月期)
第6期
(2024年12月期)
第7期
(2025年12月期)
営業利益又は営業損失(△)△213307472,5581,798
+減価償却費及び償却費7668931,0601,3772,084
+株式報酬費用181503849
調整後EBITDA5541,0051,8583,9743,931

(注)1.調整後EBITDA=営業利益又は営業損失(△)+減価償却費及び償却費+株式報酬費用
2.調整後EBITDAはIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当社グループにおける調整後EBITDAは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。