有価証券報告書-第14期(2024/12/01-2025/11/30)
有報資料
以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げ、クリエイターがテキストやマンガ、写真、音声等のコンテンツを自由に投稿・販売でき、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援・購読できるメディアプラットフォーム「note」を中心とした事業を展開しております。「note」をインターネット上の「街」として、個人・法人を問わずあらゆる人が集まり、創作活動や情報発信をはじめとした多様な活動の本拠地となることを目指します。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境については、個人がインターネットを通じてコンテンツを発表・販売し、収益を得る「クリエイターエコノミー」が拡大を続けております。特定の対象を応援・消費する「推し活」と呼ばれる消費行動の浸透に加え、クリエイターの活動を支援するサービスの普及等により、クリエイターエコノミー協会の調査によれば、国内市場規模は2兆円を超え、年平均約15%の成長を続けているとされております。
また、生成AIの急速な普及により、コンテンツの制作や流通のあり方が変化しつつあります。AIの活用によって創作活動への参入障壁が低下し、創作の生産性が向上するなど、より多くの人が創作を続けやすい環境が整いつつあると認識しております。一方で、クリエイターの権利保護や、コンテンツの大量生産・均質化といった課題も指摘されております。
さらに、クリエイター活動の活発化や、コンテンツを楽しむサービスのグローバル展開が進むなか、コンテンツ産業全体への注目がますます高まっております。日本発のコンテンツは、マンガ・アニメ・ゲームを中心に世界的な人気を博しており、政府もコンテンツ産業を成長戦略の柱のひとつに位置づけ、その振興に取り組んでおります。こうした環境は、クリエイターの活動機会を広げ、優れた作品を生み出すことを目指す当社グループにとって追い風になるものと考えております。
このような環境において、当社グループのメディアプラットフォーム事業では、あらゆる人がインターネット上で文章等のコンテンツを投稿・販売できるプラットフォーム「note」と、企業の情報発信をDX(デジタルトランスフォーメーション)する「note pro」を展開しております。個人・法人問わず、創作活動・情報発信の場として需要は引き続き拡大しており、生成AIの普及を背景にクリエイターやコンテンツの増加が加速するとともに、クリエイターの権利保護への取り組みやAIを活用したコンテンツと読者のマッチング強化等を推進することで、事業の拡大につなげております。IP・コンテンツクリエーション事業では、連結子会社であるTales & Co.株式会社を中心に、note内外から優れたクリエイターを発掘し、作品の創出からメディア展開までを一貫して支援することで、国内外の読者・視聴者に届ける事業に取り組んでおります。
(3)経営戦略
当社グループは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションの実現に向け、「note」を中心としたプラットフォームの拡大を続けながら、AI領域およびIP領域での事業展開を通じて、noteエコシステムの拡張と提供価値の向上を目指しております。
この戦略を支える基盤として、「note」は独自のポジショニングを築き、競争優位性を磨いてきました。
個人がコンテンツを投稿・販売し、読者が購読・応援できる「CtoC×課金」のビジネスモデルにより、クリエイターは創作に専念し、読者はコンテンツに集中できる場の提供を通じ、クリエイターが創作に見合った対価を得られ、優れた作品が生まれ続ける環境を構築しております。また、こうした環境のもと、クリエイターが増えるとコンテンツが増え、コンテンツが増えると読者が集まり、さらにクリエイターが集まるという「グロースモデル」に沿った事業運営により、プラットフォームにおいてネットワーク効果がはたらき、自律的に拡大しております。さらに、クリエイターの創作を支援する「AIアシスタント」機能の提供から、クリエイターの権利保護や適切な対価還元の仕組みづくりなどを通じて生成AIによる創作を取り巻く環境変化にもいち早く対応し、「生成AIに強いプラットフォーム」としての優位性を確立してきました。

こうした実績を踏まえ、当社グループは「AI時代のコンテンツ流通のハブ」となることを目指してまいります。コンテンツホルダーとAI事業者、そしてその先にいるユーザーをつなぐ役割を担うことにより、クリエイターの権利保護や適切な対価還元といったAI時代の課題を解決し、日本のコンテンツが生成AIを通じて言語や国境を超えて世界に届く未来の実現を目指します。

この実現に向けて、当社グループは「note」に集まるクリエイター・コンテンツやメディアとのネットワークといった資産に加え、GoogleやNAVERをはじめとするパートナーとの連携により、あらゆるクリエイターの活動拠点となるプラットフォーム「note」の拡大を続けながら、AI領域およびIP領域での事業活動を強化することで、「noteエコシステム」をさらに拡大し、提供価値を高めてまいります。
2026年11月期は、上記の戦略に基づき以下の5つのテーマに重点的に取り組んでまいります。
①多言語対応によるグローバル展開の開始や、他社サービスとの連携強化等を通じた「note」のさらなる拡大
②AIトレンドへの対応や「note」での発信需要拡大に応える「note pro」・法人向けサービスの強化
③AI時代のコンテンツ流通エコシステムの構築を目指すAI関連事業の拡大
④自社IPの発掘・推進とグローバル展開によるIP関連事業の拡大
⑤noteのエコシステムを広げる事業提携やM&Aの推進
③のAI関連事業においては、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する生成AI開発プロジェクト「GENIAC」に採択された、RAGデータベース開発に関する実証事業を推進します。出版社や報道機関、学術機関等と連携し、高品質なコンテンツを生成AIが適切に参照・利用でき、利用量に応じた対価還元を実現するデータベースの構築に取り組んでまいります。
これらの取り組みにより、「note」「note pro」を中心とするプラットフォーム事業、AI関連事業、IP事業の3つを成長の柱としてトップラインをさらに拡大させるとともに、各事業の成長を加速させ、noteエコシステムを広げるためのM&Aも積極的に検討し、非連続な成長の実現を目指します。
中長期的な財務ターゲットとして、2028年11月期から2030年11月期頃に連結売上高100億円、EBITDAマージン30〜40%の達成を掲げております。収益性とのバランスを意識しながら戦略的投資を行い、売上高の継続的な成長と利益の拡大の両立を実現してまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、財務指標のうち売上高と調整後EBITDAを重要指標と設定し、最大化を目指しています。
事業上の重要KPIとしては、「note」については流通総額(GMV)を、「note pro」についてはARRを設定し、各事業の売上高の継続的かつ累積的な増加を目指しています。
そのほか、プラットフォームの更なる拡大のため、累計ユニーククリエイター数、会員登録者数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームに関する各種指標についても推移を注視しています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
コンテンツ配信業界を取り巻く環境は、底堅く推移しております。こうした中、この業界で課題とされるコンテンツの充実や読者へのレコメンド機能をはじめとしたサイトの最適化等システムへの対策が急務となっております。
当社グループはこうした課題に対して、「note」の事業活動を通じてビジネス上の継続基盤を強固にするとともに「note pro」の事業活動を通じて導入企業の増加を図るなど、今後も既存事業の強化を図りつつ、これまでに培ってきた技術や資産を活用した新規事業に取り組み、「note」のエコシステムを拡張していく方針です。
以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような課題があると認識しております。
① 「note」「note pro」のさらなる拡大
「note」については、会員登録者数、累計ユニーククリエイター数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームとしての各種指標を継続的に伸ばすことのほか、多くのユーザーを抱える影響力の大きなプラットフォームとして健全性を確保することを重要な課題として認識しております。またクリエイターの継続的な創作活動を後押しすることで「note」上で継続的に購読されるコンテンツの割合を増加させるために、クリエイターと読者のコミュニケーションの充実と、クリエイターの創作意欲を喚起することが必要と考えており、ポイント制度及びアプリ課金機能の導入やコンテストを実施しております。その結果、ユーザー数及び流通総額は着実に積み上げられております。
また、「note pro」については、セールス&マーケティングの強化や機能拡充により、有料契約数を飛躍的に増加させることが重要と考えております。 具体的には、「note pro勉強会」などのマーケティング目的のイベントや「note pro」のサクセス事例を増やすこと等を通じ、「note」を利用する法人を中心とする幅広い企業に対し認知拡大を図るほか、Geminiを活用し効率よく記事を書けるツール「AIアシスタント」においてビジネス用テンプレートの活用など法人向け特別機能を追加したり、noteの記事を通じて読者のメールアドレスを取得できる機能を導入するといった、情報発信をサポートするだけでなくビジネス成果につながる新たな機能の開発・強化を行なっています。その結果、有料契約数を伸ばしております。
② 生成AI関連技術の進展への対応と活用
生成AI技術の急速な進展は、クリエイターの創作活動のあり方を大きく変える可能性を秘めています。当社グループでは、この変化をさらなる成長の機会と捉えると同時に、クリエイターの権利を守るための適切なリスク対応が不可欠であると認識しております。
具体的には、Geminiを活用し効率よく記事を書けるツール「AIアシスタント」の導入を通じて、クリエイターの創作活動をサポートしているほか、読者とコンテンツの最適なマッチングを目的としたアルゴリズムの高度化にもAIを活用し、プラットフォームとしての価値向上を図っております。また、AI事業者が無断でコンテンツを学習データとして収集することに対し、クリエイターが拒否意向を示すことができる機能をいち早く提供するなど、クリエイターが安心して創作に打ち込める環境づくりに取り組んでおります。さらに、新たな収益機会の創出として、「note」に蓄積された良質なコンテンツをAI事業者に提供し、その対価をクリエイターに還元するプログラムを開始しました(提供を希望しないクリエイターは除く)。
このように、テクノロジーの進化を適切に捉え、クリエイターの利益と当社の持続的成長の両立に取り組んでまいります。
③ IP・コンテンツクリエーション事業をはじめとする新規事業の拡大
持続的な企業価値の向上のためには、「note」の開発・運営等これまでの事業活動を通じて培った技術・ノウハウや、膨大なユーザー・コンテンツ資産を活用した新規事業に取り組み、拡大させることが重要であると考えております。
具体的には、連結子会社であるTales & Co.株式会社において、「note」や物語投稿サイト「TALES」に集まる魅力的なクリエイターやコンテンツを発掘・育成し、自社IP(知的財産)として国内外へ広く届けるIP・コンテンツクリエーション事業に注力しております。
こうした新規事業を通じて、クリエイターの活躍の場を広げるとともに、多角的な収益機会の創出を図ってまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成、それに合わせた組織体制の構築
インターネットや生成AIに関する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それらに対応した新商品及びサービスが常に生み出されております。これらの最新ニーズ及び新商品並びにサービスを的確に察知し、迅速な意思決定を行える体制を整え、常に市場をリードしていくことが当社グループの成長につながります。これを実現するために、国内のニーズを的確に察知できる人材の確保が可能な体制を構築してまいります。
当社グループの経営理念に共感し、意欲、業務推進能力を兼ね備えた人材の中途採用を実施することはもちろんのこと、事業拡大及びサービス品質の向上等により知名度を上げることで採用力を強化し、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成するべく取り組むと同時に、効率的な組織体制の構築に取り組んでまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社グループが効率的に拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って人的補充を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針です。
⑥ 情報管理体制の強化
当社グループは、事業推進上、利用動向等の個人情報や機密情報を保持しております。このような情報が流出した場合や不適切な取り扱いがなされた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、契約獲得や今後の事業展開への影響が生じるおそれがあります。
そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。
⑦ 業務の効率化による生産性向上
需要拡大に備えた増員は、一方で人件費等のコストアップにつながり当社グループの利益圧迫要因となります。当社グループでは全業務のプロセスの継続的な見直しを行い、無駄を削減し業務の効率化を図ってまいります。また、基幹システムを中心にシステム投資を強化し、インフラ面を改善するとともに業務の省力化による生産性向上を図ってまいります。
⑧ 業務基幹システムの維持・強化
当社グループの業務は、お客様を個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に情報把握をできることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす当社グループの基幹システムを安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題です。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い当該システムに対する負荷は、比例的に増大いたしますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針です。
(1)経営方針
当社グループは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げ、クリエイターがテキストやマンガ、写真、音声等のコンテンツを自由に投稿・販売でき、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援・購読できるメディアプラットフォーム「note」を中心とした事業を展開しております。「note」をインターネット上の「街」として、個人・法人を問わずあらゆる人が集まり、創作活動や情報発信をはじめとした多様な活動の本拠地となることを目指します。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境については、個人がインターネットを通じてコンテンツを発表・販売し、収益を得る「クリエイターエコノミー」が拡大を続けております。特定の対象を応援・消費する「推し活」と呼ばれる消費行動の浸透に加え、クリエイターの活動を支援するサービスの普及等により、クリエイターエコノミー協会の調査によれば、国内市場規模は2兆円を超え、年平均約15%の成長を続けているとされております。
また、生成AIの急速な普及により、コンテンツの制作や流通のあり方が変化しつつあります。AIの活用によって創作活動への参入障壁が低下し、創作の生産性が向上するなど、より多くの人が創作を続けやすい環境が整いつつあると認識しております。一方で、クリエイターの権利保護や、コンテンツの大量生産・均質化といった課題も指摘されております。
さらに、クリエイター活動の活発化や、コンテンツを楽しむサービスのグローバル展開が進むなか、コンテンツ産業全体への注目がますます高まっております。日本発のコンテンツは、マンガ・アニメ・ゲームを中心に世界的な人気を博しており、政府もコンテンツ産業を成長戦略の柱のひとつに位置づけ、その振興に取り組んでおります。こうした環境は、クリエイターの活動機会を広げ、優れた作品を生み出すことを目指す当社グループにとって追い風になるものと考えております。
このような環境において、当社グループのメディアプラットフォーム事業では、あらゆる人がインターネット上で文章等のコンテンツを投稿・販売できるプラットフォーム「note」と、企業の情報発信をDX(デジタルトランスフォーメーション)する「note pro」を展開しております。個人・法人問わず、創作活動・情報発信の場として需要は引き続き拡大しており、生成AIの普及を背景にクリエイターやコンテンツの増加が加速するとともに、クリエイターの権利保護への取り組みやAIを活用したコンテンツと読者のマッチング強化等を推進することで、事業の拡大につなげております。IP・コンテンツクリエーション事業では、連結子会社であるTales & Co.株式会社を中心に、note内外から優れたクリエイターを発掘し、作品の創出からメディア展開までを一貫して支援することで、国内外の読者・視聴者に届ける事業に取り組んでおります。
(3)経営戦略
当社グループは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションの実現に向け、「note」を中心としたプラットフォームの拡大を続けながら、AI領域およびIP領域での事業展開を通じて、noteエコシステムの拡張と提供価値の向上を目指しております。
この戦略を支える基盤として、「note」は独自のポジショニングを築き、競争優位性を磨いてきました。
個人がコンテンツを投稿・販売し、読者が購読・応援できる「CtoC×課金」のビジネスモデルにより、クリエイターは創作に専念し、読者はコンテンツに集中できる場の提供を通じ、クリエイターが創作に見合った対価を得られ、優れた作品が生まれ続ける環境を構築しております。また、こうした環境のもと、クリエイターが増えるとコンテンツが増え、コンテンツが増えると読者が集まり、さらにクリエイターが集まるという「グロースモデル」に沿った事業運営により、プラットフォームにおいてネットワーク効果がはたらき、自律的に拡大しております。さらに、クリエイターの創作を支援する「AIアシスタント」機能の提供から、クリエイターの権利保護や適切な対価還元の仕組みづくりなどを通じて生成AIによる創作を取り巻く環境変化にもいち早く対応し、「生成AIに強いプラットフォーム」としての優位性を確立してきました。

こうした実績を踏まえ、当社グループは「AI時代のコンテンツ流通のハブ」となることを目指してまいります。コンテンツホルダーとAI事業者、そしてその先にいるユーザーをつなぐ役割を担うことにより、クリエイターの権利保護や適切な対価還元といったAI時代の課題を解決し、日本のコンテンツが生成AIを通じて言語や国境を超えて世界に届く未来の実現を目指します。

この実現に向けて、当社グループは「note」に集まるクリエイター・コンテンツやメディアとのネットワークといった資産に加え、GoogleやNAVERをはじめとするパートナーとの連携により、あらゆるクリエイターの活動拠点となるプラットフォーム「note」の拡大を続けながら、AI領域およびIP領域での事業活動を強化することで、「noteエコシステム」をさらに拡大し、提供価値を高めてまいります。
2026年11月期は、上記の戦略に基づき以下の5つのテーマに重点的に取り組んでまいります。
①多言語対応によるグローバル展開の開始や、他社サービスとの連携強化等を通じた「note」のさらなる拡大
②AIトレンドへの対応や「note」での発信需要拡大に応える「note pro」・法人向けサービスの強化
③AI時代のコンテンツ流通エコシステムの構築を目指すAI関連事業の拡大
④自社IPの発掘・推進とグローバル展開によるIP関連事業の拡大
⑤noteのエコシステムを広げる事業提携やM&Aの推進
③のAI関連事業においては、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する生成AI開発プロジェクト「GENIAC」に採択された、RAGデータベース開発に関する実証事業を推進します。出版社や報道機関、学術機関等と連携し、高品質なコンテンツを生成AIが適切に参照・利用でき、利用量に応じた対価還元を実現するデータベースの構築に取り組んでまいります。
これらの取り組みにより、「note」「note pro」を中心とするプラットフォーム事業、AI関連事業、IP事業の3つを成長の柱としてトップラインをさらに拡大させるとともに、各事業の成長を加速させ、noteエコシステムを広げるためのM&Aも積極的に検討し、非連続な成長の実現を目指します。
中長期的な財務ターゲットとして、2028年11月期から2030年11月期頃に連結売上高100億円、EBITDAマージン30〜40%の達成を掲げております。収益性とのバランスを意識しながら戦略的投資を行い、売上高の継続的な成長と利益の拡大の両立を実現してまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、財務指標のうち売上高と調整後EBITDAを重要指標と設定し、最大化を目指しています。
事業上の重要KPIとしては、「note」については流通総額(GMV)を、「note pro」についてはARRを設定し、各事業の売上高の継続的かつ累積的な増加を目指しています。
そのほか、プラットフォームの更なる拡大のため、累計ユニーククリエイター数、会員登録者数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームに関する各種指標についても推移を注視しています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
コンテンツ配信業界を取り巻く環境は、底堅く推移しております。こうした中、この業界で課題とされるコンテンツの充実や読者へのレコメンド機能をはじめとしたサイトの最適化等システムへの対策が急務となっております。
当社グループはこうした課題に対して、「note」の事業活動を通じてビジネス上の継続基盤を強固にするとともに「note pro」の事業活動を通じて導入企業の増加を図るなど、今後も既存事業の強化を図りつつ、これまでに培ってきた技術や資産を活用した新規事業に取り組み、「note」のエコシステムを拡張していく方針です。
以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような課題があると認識しております。
① 「note」「note pro」のさらなる拡大
「note」については、会員登録者数、累計ユニーククリエイター数、公開コンテンツ数といったメディアプラットフォームとしての各種指標を継続的に伸ばすことのほか、多くのユーザーを抱える影響力の大きなプラットフォームとして健全性を確保することを重要な課題として認識しております。またクリエイターの継続的な創作活動を後押しすることで「note」上で継続的に購読されるコンテンツの割合を増加させるために、クリエイターと読者のコミュニケーションの充実と、クリエイターの創作意欲を喚起することが必要と考えており、ポイント制度及びアプリ課金機能の導入やコンテストを実施しております。その結果、ユーザー数及び流通総額は着実に積み上げられております。
また、「note pro」については、セールス&マーケティングの強化や機能拡充により、有料契約数を飛躍的に増加させることが重要と考えております。 具体的には、「note pro勉強会」などのマーケティング目的のイベントや「note pro」のサクセス事例を増やすこと等を通じ、「note」を利用する法人を中心とする幅広い企業に対し認知拡大を図るほか、Geminiを活用し効率よく記事を書けるツール「AIアシスタント」においてビジネス用テンプレートの活用など法人向け特別機能を追加したり、noteの記事を通じて読者のメールアドレスを取得できる機能を導入するといった、情報発信をサポートするだけでなくビジネス成果につながる新たな機能の開発・強化を行なっています。その結果、有料契約数を伸ばしております。
② 生成AI関連技術の進展への対応と活用
生成AI技術の急速な進展は、クリエイターの創作活動のあり方を大きく変える可能性を秘めています。当社グループでは、この変化をさらなる成長の機会と捉えると同時に、クリエイターの権利を守るための適切なリスク対応が不可欠であると認識しております。
具体的には、Geminiを活用し効率よく記事を書けるツール「AIアシスタント」の導入を通じて、クリエイターの創作活動をサポートしているほか、読者とコンテンツの最適なマッチングを目的としたアルゴリズムの高度化にもAIを活用し、プラットフォームとしての価値向上を図っております。また、AI事業者が無断でコンテンツを学習データとして収集することに対し、クリエイターが拒否意向を示すことができる機能をいち早く提供するなど、クリエイターが安心して創作に打ち込める環境づくりに取り組んでおります。さらに、新たな収益機会の創出として、「note」に蓄積された良質なコンテンツをAI事業者に提供し、その対価をクリエイターに還元するプログラムを開始しました(提供を希望しないクリエイターは除く)。
このように、テクノロジーの進化を適切に捉え、クリエイターの利益と当社の持続的成長の両立に取り組んでまいります。
③ IP・コンテンツクリエーション事業をはじめとする新規事業の拡大
持続的な企業価値の向上のためには、「note」の開発・運営等これまでの事業活動を通じて培った技術・ノウハウや、膨大なユーザー・コンテンツ資産を活用した新規事業に取り組み、拡大させることが重要であると考えております。
具体的には、連結子会社であるTales & Co.株式会社において、「note」や物語投稿サイト「TALES」に集まる魅力的なクリエイターやコンテンツを発掘・育成し、自社IP(知的財産)として国内外へ広く届けるIP・コンテンツクリエーション事業に注力しております。
こうした新規事業を通じて、クリエイターの活躍の場を広げるとともに、多角的な収益機会の創出を図ってまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成、それに合わせた組織体制の構築
インターネットや生成AIに関する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それらに対応した新商品及びサービスが常に生み出されております。これらの最新ニーズ及び新商品並びにサービスを的確に察知し、迅速な意思決定を行える体制を整え、常に市場をリードしていくことが当社グループの成長につながります。これを実現するために、国内のニーズを的確に察知できる人材の確保が可能な体制を構築してまいります。
当社グループの経営理念に共感し、意欲、業務推進能力を兼ね備えた人材の中途採用を実施することはもちろんのこと、事業拡大及びサービス品質の向上等により知名度を上げることで採用力を強化し、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成するべく取り組むと同時に、効率的な組織体制の構築に取り組んでまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。当社グループが効率的に拡大できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化を重要な課題として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に伴って人的補充を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員監査の実施によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行っていく方針です。
⑥ 情報管理体制の強化
当社グループは、事業推進上、利用動向等の個人情報や機密情報を保持しております。このような情報が流出した場合や不適切な取り扱いがなされた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、契約獲得や今後の事業展開への影響が生じるおそれがあります。
そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。
⑦ 業務の効率化による生産性向上
需要拡大に備えた増員は、一方で人件費等のコストアップにつながり当社グループの利益圧迫要因となります。当社グループでは全業務のプロセスの継続的な見直しを行い、無駄を削減し業務の効率化を図ってまいります。また、基幹システムを中心にシステム投資を強化し、インフラ面を改善するとともに業務の省力化による生産性向上を図ってまいります。
⑧ 業務基幹システムの維持・強化
当社グループの業務は、お客様を個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に情報把握をできることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす当社グループの基幹システムを安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題です。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い当該システムに対する負荷は、比例的に増大いたしますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針です。