有価証券報告書-第10期(2022/01/01-2022/12/31)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「先進技術で、エンタメと社会の未来を創造する」ことをミッションとし、通信技術とAI技術をコアとして、ゲーム産業で培った先進技術をあらゆる産業に展開し、サービス開発することを通じて、企業価値の最大化を図ります。
当社グループのXR技術は特定の産業に依存せず、既存の事業・サービスに限らず、まだXR技術の活用が始まっていない新たな産業分野においても適用可能であると考えております。今後もXR技術の優位性を最大限に活用し、既存事業・サービスで培った知見を取り入れ、国内外へ展開してまいります。
(2)経営戦略
当社グループでは4つの成長戦略を掲げ、中長期的な経営計画を実現していきます。
成長戦略1:機能の拡充
当社プラットフォームである「XR CLOUD」の基本機能やアバター、会場などのプリセットの追加開発を行い、顧客ごとに異なる様々なニーズに個別対応していきます。具体的には、仮想空間内での課金機能やアバター、会場などの拡充等に加え、新たにバーチャルヒューマン機能(注1)、WebGL対応(注2)、Meta Quest 2対応(注3)、AR対応(注4)、ハイクオリティレンダリング対応(注5)などの機能拡充を予定しております。またそれらの機能の汎用化を進め、多様なイベントに対応可能なパッケージ化を進めております。「XR CLOUD」の機能の拡充はメタバースサービス、XRイベントサービスの両方の収益力の向上につながります。
成長戦略2:サービスの拡充
現在当社ではメタバースサービスとして、仮想空間内で行われるイベント・ライブ・展示会等の顧客の需要に対しシステム開発を行っております。また、現在「XR CLOUD」は国内にてサービスを展開しておりますが、2024年末に向けて海外版のリリースも計画しております。さらに、「XR CLOUD」の利用イメージ明確化のため、医療業界のカンファレンスなど、特定の業界に特化したサービスの提案を拡大していきます。
成長戦略3:マーケティング
新規顧客のリード獲得においては、営業機能を有する営業企画チーム10名で営業活動を行っております。その一環で、2022年6月にオウンドメディア「メタバース相談室」を開設し、メタバース開発需要のある当社ターゲット企業へ効率的にリーチできる体制を構築しております。また、商談へ至った案件に対しては、展示会や懇親会イベント等用途別に用意した幅広いラインナップから適切な提案を効率的に進めることで獲得の間口を広げ、獲得スピードおよび獲得数の最大化に努めます。
また、既存顧客に対しては単発契約で終わらず、その後も継続的な支援を行っていきます。具体的には、追加開発の提案や、新たなイベント企画を顧客フェーズに併せて提案しております。実績として、阪急阪神グループへの「JM梅田ミュージックフェス」の複数回にわたる開催支援等で実績が積みあがっており、これらの提案をさらに展開することにより、既存顧客を大口取引先に転換させてまいります。
成長戦略4:R&D
当社グループでは、目まぐるしい技術革新に対応するべくARグラスなどの最先端デバイスへの対応、「XR CLOUD」へのAI技術の活用、「XR CLOUD」の多言語対応等を行ってまいります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻くメタバース環境は現在黎明期にあたり、当該メタバース市場への投資が活発化している状況であります。競合他社においても自社プラットフォームへの投資に注力しており、プラットフォームのシェア獲得につとめている状況です。当社も同様にプラットフォームの機能開発を継続する一方、様々な顧客ニーズへの対応を継続してまいります。また、顧客の動向は引き続きメタバースの可能性の模索が大部分を占めている中、様々な潜在的ニーズが存在する状況となっており、当社グループでは拡大するメタバース市場において、顧客のミッション達成に向け、「XR CLOUD」を軸としたソリューション提供を進めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な成長を図るため、成長性、収益性及び効率性を重視した経営が必要と認識しております。このため、当社グループでは、売上高、営業利益及び売上高営業利益率、イベント実施数を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 開発体制の強化及び優秀な人材の確保
XR技術の開発は競争力の源泉の一つであり、優れたエンジニアを確保し開発体制を継続的に強化していくことが極めて重要であるものと認識しております。今後も、国籍を問わずに卓越した能力を持つエンジニアの採用及び育成に努め、また、エンジニアが働きやすい就業環境を整備し、より長期のコミットメントを引き出すために重点的に投資してまいります。
② 更なる新規事業の創出
当社グループのビジネスモデルは、特定の産業に依存せず、既存の事業・サービスに限らず、まだXRの活用が始まっていない新たな産業分野においても適用可能であると考えております。当社グループはXR技術の優位性を最大限に活用し、既存事業・サービスで培った知見を取り入れた更なる新規事業を発掘し、早期の事業化により、技術活用の場を広げてまいります。一例を挙げると、メタバース領域においてAI技術の活用が進むことが予想されております。当社グループでいち早くこれらの市場に対応すべく開発を進めております。具体的には、メタバース領域における品質保証のAI技術活用、また、仮想空間内でのAIサポート業務(チャットbot対応等)を想定しております。更にサービスを提供する過程で、当該サービスの周辺業務を含むより広範な事業単位へと価値提供を拡張することが可能と判断した場合には、当社のみならず他社との協業含め、新規事業として展開していきます。
③ 内部管理体制の強化
当社グループは、一層の事業拡大を見込む成長段階にあり、事業の拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であるものと認識しております。これに対応するため、各分野に専門性を有した人員を配置し、経営の公正性・透明性確保のためのコーポレート・ガバナンスの強化を図っており、今後においても引き続き内部管理体制を充実させ、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。
(注)1.バーチャルヒューマン機能
当社グループ「XR CLOUD」イベント来場者に対して、質疑応答や案内だけでなく、雑談もこなすことが出来る、高機能なAIキャラクター。当社子会社であるモリカトロン株式会社が開発した、自然な受け答えが出来るAI対話エンジンを採用。
2.WebGL対応
WebGLに対応した「XR CLOUD」クライアント。クラウドレンダリングに比べて、追加のサーバコストをかけずに、ブラウザ対応のイベントを実施することが出来る。
3.Meta Quest 2対応
VRヘッドセット「Meta Quest 2」でメタバースイベントに参加可能になる。ハンドトラッキングなどにも対応予定。
4.AR対応
スマートフォンのカメラ映像上に「XR CLOUD」上のキャラクターやオブジェクトを表示し、現実世界に「XR CLOUD」のキャラクターやオブジェクトを表示出来るモード。これにより、リアルとバーチャルが融合したイベントを開催する事が可能となる。
上記に加え、キャラクターがAR表示されるだけでなく、ARモードを使っている参加者自身もアバターとして仮想空間に登場し、仮想空間内のキャラクターとボイスチャットなどを行うことが可能となる。
5.ハイクオリティレンダリング対応
最先端のレンダリング技術に対応し、実写のようなハイクオリティな映像表現が利用可能となる。