訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/12/13 16:00
【資料】
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【項目】
159項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレートスローガンに掲げ、当社グループの商品を通じて、全世界に愛と喜びに満ちた食卓を増やすことを目指し、事業に取り組んでおります。
当社グループは、グローバルな視野に立ち、以下を経営理念として定めております。
・企業目的
私たちは、正しい経営活動により、顧客・株主・取引先・パートナー・及び地域社会に信頼される誠実な企業を目指します。
私たちは、互いの違いを認め合う、豊かな成熟した大人の文化を創造し、居心地のよい楽しい社会の実現に貢献します。
私たちは、世界中の人々に、おいしく健康で高品質な食をバリューを持って提案し、豊かな食卓と暮らしを楽しむ時間と、人と人が集いつながることのできる場を提供します。
・企業としてのあり方
私たちは、企業目的を果たすために、健全な企業活動を行い、長期に社会貢献できるGood Companyを目指します。
あらゆる人々に開かれたオープンな会社であり、経営理念を共有するパートナーたちによって運営される健全な会社を目指します。
パートナー、カスタマー、カンパニーの三方共に満足のいく関係を構築することに注力します。
私たちは、次世代に食文化を継承し、豊かな地球環境を手渡す努力を惜しみません。
当社グループは上記の経営理念の下、食のSPA企業(製造・小売企業)として、当社グループを取り巻くステークホルダーの皆様のライフスタイルを豊かなものとすることを目指し、事業活動に取り組んでおりこれらの活動が居心地のよい楽しい社会の実現につながり、当社グループにおける株主価値及び企業価値向上につながると考えております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、当社グループの製商品及びサービスに対するお客様の支持の大きさが将来の企業価値向上につながると考えております。お客様のご支持をいただけているかどうかについては、当社グループの製商品及びサービスの提供に必要な営業費用を上回って獲得することができる利益の額によって判断しております。そのため、当社グループでは、営業利益および売上高営業利益率を重要指標としております。
(3) 経営戦略等
当社グループは、店舗、EC、ホールセール、グローバルの既存の4つの販売チャネルそれぞれの成長を図るとともに、既存事業とシナジーを有する新たな企業価値の源泉となる領域の探索を行い、中長期的な企業価値向上につとめてまいります。
(ⅰ) 当社グループの強み
当社グループは、以下に掲げる5つを強みと考えており、これらの強みを軸とする事業戦略を構築し、展開しております。
・実行力(Ability to Execute)
自社の経営資源を使い、既存の事業領域を拡大、新たな事業領域へ展開する能力。
・ブランディング/サンクゼールプラットフォーム(Branding/St.Cousair Platform)
商品開発、製造、販売の全ての機能を有することによる、ブランドの世界観を醸成するノウハウ。一般消費者のニーズを捉え、スピーディに商品を市場投入できる能力。
・自社工場(In-house Factory)
日米の自社工場を持つことによる、高粗利率の実現。顧客ニーズの把握から商品開発までを、競合他社に先駆けてスピーディに実行し、提案する能力。
・生産者ネットワーク(Supplier Network)
全国500社を超える生産者との強固なネットワークによる、多種多彩な商品開発力。
・デジタル化(Digitalization)
基幹システム、POS、ECプラットフォーム、会員アプリとアプリを通じて得られた顧客データの分析を自社単独で企画・開発することができるデジタルリテラシー。
(ⅱ) 経営戦略等
当社グループは販売チャネルごとに分かれたビジネスユニット(BU)組織を採用しており、商品開発、製造、販売のサイクルを高速に展開することで、お客様からのフィードバックを迅速に反映できる組織体制を構築しております。さらに当該サイクルに係るタイムマネジメントを意識し、これを短期化することを目標に掲げることにより、グループ全体のキャッシュ・フローの改善に取り組んでおります。
当社グループにおきましては、以下に取り組み、事業拡大及び企業価値向上を図ってまいります。
① マルチチャネルSPAモデルによる顧客価値向上
当社グループは、店舗(直営及びFC)、EC、ホールセール及びグローバルの4つの販売チャネルを通して、お客様に商品及びサービスを提供しております。販売チャネルごとに対象とするお客様は異なりますが、それぞれの販売チャネルが相互に影響し合うことにより、お客様に提供する価値を相乗的に高めることができると考えております。
店舗とECはB to Cの事業に該当し、オンラインとオフラインの双方から多様な購買体験を提供し、最終消費者であるお客様にとっての価値を最大化できるように取り組んでまいります。また、ホールセール及びグローバルはB to Bの事業に該当し、当社グループの直接の顧客は小売店や問屋などの法人のお客様が中心となりますが、その顧客価値の源泉は、法人顧客の先にいる最終消費者であるお客様のニーズであり、この点において、自社で店舗とECの販売チャネルを持つ当社グループは、最終消費者であるお客様のニーズを適時かつ正確に収集することができる利点があります。そのような事業上の特性を活かし、法人のお客様にとって価値ある製商品を提供できるように取り組んでまいります。
② 熱狂的ファンづくり・オムニチャネル化の実現
当社グループは、当社の製商品のファンであるお客様に支えられて成り立っております。当社グループの企業価値向上のためには、お客様からさらにご支持いただけるよう、お客様にとって価値の高い製商品やサービスを提供し、当社グループの熱狂的なファンとなっていただけるように取り組んでまいります。そのために、当社グループがこれまで培ってきたブランド力をより一層強化し、会員アプリの導入や顧客管理ツールを利用したマーケティングの強化を着実に実行することで、オンラインとオフラインの双方のチャネルからお客様にシームレスな購買体験を提供できるオムニチャネル化の実現を推進してまいります。
③ 新規出店の継続、出店エリアの拡大
当社グループは、国内で155店舗(2022年10月末時点、直営54店舗、FC101店舗)の店舗を有しておりますが、未開拓のエリアを含め国内の出店余地は依然として大きいと判断しております。今後も優良物件への新規出店を継続するとともに、出店エリアを拡大してまいります。
④ グローバル事業の拡大
世界的な食品や流通の中心地である米国は、既存の市場規模や今後の市場成長性を鑑みて、当社グループのグローバル事業における最重要国であります。当社グループの米国子会社St.Cousair,Inc.(米国オレゴン州)を通じて日本からの製商品輸出、越境EC、M&A、他企業との提携等、様々なアプローチにより、事業拡大を図ってまいります。また、米国以外にも、同じ北米地域のカナダ、食品市場としての成長が著しいアジア市場も戦略的に重要な地域であり、グローバル事業の拡大に向けた事業展開の可能性を検討してまいります。
⑤ サプライチェーンの最適化
当社グループは、国内(株式会社サンクゼール、長野県上水内郡飯綱町及び同信濃町)及び米国(St.Cousair,Inc.、米国オレゴン州)に自社製造工場を有しており、各工場で異なる強みを有しております。国内工場では、国産原料を使用した高品質な製品を製造できる強みを有しており、現在の主力製品である和惣菜等の製造を行っております。一方、米国工場では、米国西海岸の高品質な果実原料を低コストで大量に調達することが可能であり、さらにUSDA(United States Department of Agriculture)によるオーガニック認証を得たオーガニック製品を製造できる強みを有しております。これらの各工場が持つ強みを活かし、グループ全体で最適なサプライチェーンを構築することにより、製造コストの低減を図りながら魅力的な商品ラインナップの拡充を図ってまいります。また、自社製造工場に加え、当社グループが国内に有する500社を超える生産者ネットワークを活用し、店舗やECを通して得られた顧客ニーズに基づく商品をタイムリーに開発・提供するためのサプライチェーン全体のスピードアップに取り組んでまいります。
このようなサプライチェーンの最適化を行うためには、物流パートナーとの関係強化及びDX(※)の促進は必須であり、当社グループのロジスティクス部門及びDX部門を中心に、グループ全体の重要戦略として、サプライチェーンの改善・強化に取り組んでまいります。
⑥ サステナブル経営の推進
当社グループは、食品業界に属する企業として、食品ロスの低減や脱プラスチックといった環境問題へ対処する義務と責任を有していると考えております。また、脱炭素社会の早期実現に向けて、当社グループのサプライチェーン全体から排出される温室効果ガスを低減するためには、具体的なアクションの立案と実行が必須であります。当社グループは、持続可能な社会をつくるために、積極的に環境問題の解決に取り組んでまいります。
(4) 経営環境
国内におきましては、中長期的に少子高齢化による人口減少により、消費は減少していく傾向にあります。その中において、小売業におきましては、モノ消費からコト消費に表されるような体験型消費へのシフトやメリハリの効いた消費を行うような消費の二極化が進んでいる傾向にあります。食品業界においても、単身世帯数増加による「個食化」、女性の社会進出による食の「簡便化」及び「中食化」が進み、消費者のニーズは益々多様化していることを認識しております。
また、SNSやECの普及により新規顧客獲得のためのアプローチ手法が多様化し、チャンスが拡大している一方で、新規参入による競争激化が進み、消費者にとっての選択肢の幅が広がることにより、消費者は、より「健康」で「安全」な商品や「お値ごろ感」を感じる商品を求める傾向が強くなってきていると認識しております。
さらに、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、お客様の購買行動やニーズは大きく変化いたしました。
購買行動に関しては、リアル店舗からECへの移行が急速に進んでおり、現在3%台と他の商品分類と比較しても著しく低い食品(食品、飲料、酒類)のEC化率は、今後、益々上昇していくことが予想されます。
お客様の食に対するニーズに関しては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大とともに、家庭での食事を重視するようになっており、1つ1つの食事の機会を満足できるような、よりおいしく、高品質な食品を求めるようになっております。また新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、親戚や友人と対面する機会が大幅に制限されたことで、直接会うことができない代わりにギフトを贈る習慣も一般的なものとなり、その際には、自分が食べて「おいしい」と感じたものを大切な親戚や友人にも共有するような、日常の楽しみからギフトへ、という食品に関する新たな流れが出来つつあると考えております。
このように、食品に関するトレンドは大きく変化しており、この変化を機会と捉えて、お客様のニーズに適した商品を素早く開発し、提供していくことに努めてまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき主な課題は以下の通りです。
① ブランド力の向上
当社グループの更なる事業拡大と中長期的な成長を実現するためには、ブランド力の向上が必要不可欠と考えております。当社グループは製商品及び店舗ブランドの「サンクゼール」及び「久世福商店」、海外展開ブランドの「Kuze Fuku & Sons」、ECプラットフォームサービスの「旅する久世福e商店」という複数のブランドを有しております。各ブランドの強みを活かし、オンライン・オフラインの双方から幅広いお客様に価値を提供できるように、グループ全体でさらなるブランド力の向上に取り組んでまいります。
② 成長を支える人材の確保
当社グループは、製商品開発、製造、調達、販売の全ての機能を一気通貫で手掛ける食のSPAモデルを展開しております。この食のSPAモデルを支えるためには、多様な人材が密に連携し合う組織体制を構築する必要があります。また、当社グループは、過去から新規ブランド、新規事業の立ち上げを通じて、不連続な成長を実現してまいりました。外部環境が変化するスピードが速く、将来の不確実性が高い現在においては、環境変化に対応し不連続な成長の実現を支える人材を確保することが必要です。当社グループの成長を支える多様な人材を確保し、それぞれの人材が働きがいを感じて能力を最大限発揮できるよう、人材採用や教育の強化、オフィス環境の整備や人事制度の改定等、健康経営の促進に積極的に取り組んでまいります。
③ マーケティングの強化
当社グループは、店舗、EC、ホールセール、グローバルの4つの販売チャネルを通して商品を販売しております。各販売チャネルの顧客はそれぞれ異なる特性を有しており、そのニーズも多岐にわたることから、販売チャネルごとに最適なマーケティング施策を実行していくことが必要になります。当該課題に対処するために、当社グループは販売チャネルごとにビジネスユニットを区分し、それぞれのビジネスユニットにおいてマーケティング機能を持つ組織体制を採用しております。各販売チャネルの顧客に対する提供価値を最大化させるため、全てのビジネスユニットで継続的にマーケティング機能を強化してまいります。
④ 商品開発力の向上
ブランドや商品価値の陳腐化を防ぎ、常にお客様の支持をいただける独自性の高い製商品を開発し続けるために、製商品開発力の更なる向上が必要であると考えております。そのために、製商品開発部門の体制強化や人材育成、新製商品の研究開発を目的とした設備投資を実行するとともに、地方の食品メーカーとの友好な関係を構築してまいります。
⑤ 新規出店のための優良物件の確保
当社グループの事業拡大のためには、毎年一定数を新規出店することが必要であると考えております。新規出店する店舗の収益性を高められるように、競争力の高い優良物件を確保していくことができるよう、努めてまいります。
⑥ 新規事業開発やM&Aに関わる人材やノウハウの充実化
既存事業の成長だけでなく、継続的に不連続な成長を実現させていくためには、新規事業開発やM&Aが重要な戦略ととらえております。新規事業やM&Aの可能性を見つけるための探索とその後の実行の各フェーズを支える人材やノウハウの充実化に取り組んでまいります。
⑦ 生産性の向上とDX
当社グループが持つ多種多様な顧客に提供する価値を最大化しながら、従業員一人一人の事務処理負担を軽減するためには、グループ全体で継続的に生産性を向上させていく必要があります。これまで食のSPAを支えるITインフラを整備してきた知見を活かして、グループ全体でDXを含む業務の見直しを継続的に実行し、人とITシステムを最適な形で配置し、生産性を最大限向上することに取り組んでまいります。
⑧ グローバルサプライチェーンの進展
昨今の資源価格の上昇や物流コストの上昇は、当社グループの成長を阻害する要因であり、対処すべき課題であると考えております。当社グループが日米に有する各工場の生産力を最大限活用し、原料の国際調達を通じた製造コストの低減を図るとともに、米国を始めグローバルに商品を流通させていくために、調達と販売の両面において、グローバルサプライチェーンの更なる進展を図ってまいります。
⑨ 気候変動への対策
食品業界における気候変動による影響は、主に原材料の調達等で深刻な影響を与える可能性があります。気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を抑制するために、当社グループのサプライチェーン全体のカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。
⑩ 食品ロス、プラスチックごみを始めとする環境問題解決に向けた取り組み
食品業界におきましては、食品ロスやプラスチックごみなどの環境問題に適切に対処していくことが必要不可欠であると考えております。当社グループにおきましても、これらの環境問題の解決に向けた具体的な取組みを計画し、実行してまいります。
⑪ 内部管理体制の強化
当社グループの成長のためには、それを阻害するリスク要因を漏れなく把握し、各リスクへ適切に対処することが必要不可欠となります。当社グループといたしましては、個人情報管理や法規制への対応などのコンプライアンス体制の強化を含め、継続的に内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
※ DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称であり、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することであります。

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