本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
| (1)経営環境について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
当社グループの売上の大宗を占めているキャッシュレス決済サービス事業に関しては、政府のキャッシュレス推進の追い風により市場拡大が見込まれております。しかしながら、キャッシュレス決済の利用動態の変化等により、当社の最大の強みでもある電子マネーの利用が将来的に減少に転じた場合、取扱高の減少や新規案件の減少等による接続端末台数の減少が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年のQR・バーコード決済の普及等において、新たに決済事業分野に参入してきている企業もあり、事業者が多様化している中、今後の競争環境の変化が当社業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては事業計画をモニタリングし、兆候の把握と情報プロセシング事業等の収益の多角化によってリスクの低減に向けた対応を行っております。 |
| (2)感染症・伝染病の発生・蔓延について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:小 |
| 治療法が確立されていない感染症や伝染病の発生、蔓延に伴う外部環境の変化に対応するため、当社ではリモートワーク制度を導入しており、感染症の感染拡大局面においても、事業を継続できる体制を整備しております。しかしながら、当社の役職員等に大規模な感染が発生し、事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (3)海外部材・製品の調達について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:小 |
当社は、データセンターにおいて海外製の機器やソフトウエアを利用しているほか、決済端末等のハードウエアを調達しております。為替の変動、米国の関税政策、米中経済摩擦、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の国際情勢の変化、さらには世界的な物価高騰などにより、当社サービスの提供に必要なハードウエア・ソフトウエアの不足や価格上昇が顕在化するリスクがあります。これらの要因によって納期の遅延や調達コストの増加による収益性の低下が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対し、当社グループは、決済端末製造企業との連携強化による半導体不足等を見据えた在庫確保に努めるとともに、業務効率化や調達戦略の見直し等を行い、サービス品質の維持・向上と持続可能な収益性の確保を図っております。 |
| (4)災害リスクについて |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:大 |
地震、台風、津波等の自然災害や火災等の事故災害の発生、及び気候変動の影響により、当社グループの拠点や利用するデータセンター等の設備が被災し、サービスの提供ができなくなる可能性があります。 また、こうした事態に伴い経済状況が悪化することにより、決済取扱高の減少等を通じて収益が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (5)売上高の計上時期について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:中 |
| 当社は納期管理を徹底しており当社起因による納期遅延の事例は少ないものの、大型開発案件等で検収時期が遅延し、計画どおりに売上計上ができない場合があります。特に期末月の3月に予定されていた顧客の検収に遅延が生じた場合には、当該事業・売上自体がなくなるわけではないですが、売上計上が翌期にずれ込むため、当期業績に対しては影響を及ぼす可能性があります。 |
| (6)特定の取引先(仕入先等)への依存について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
| 当社は、複数のメーカーと調達契約を締結することで、購買ルートの分散を図っておりますが、顧客のニーズ等を勘案して取引先を選定した結果、特定の調達先からの仕入構成比が比較的高くなっております。2026年3月期においては、端末販売売上において、PAX Japan株式会社からの仕入が金額ベースで78%を占めており、自然災害、感染症、経済摩擦等の要因により、決済端末の生産体制に支障を生じるような事態が発生した場合など、予期せぬ事象の発生によって決済端末の調達が困難になり、収益機会の損失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入れた決済端末の不具合や予期せぬ問題の発生等によって、当社責任のもと、端末交換の実施など何らかの対応策を講じる必要が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (7)特定のデータセンター業者への依存について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:大 |
当社の事業を支える決済処理センターは、特定のデータセンター事業者が提供する設備を利用して運用されております。当社では、複数のサーバーによる負荷分散や定期的なバックアップの実施等により、システム障害を未然に防ぐ取組みを行っております。また、障害発生時に備え、リアルタイムのアクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時にスタッフへ通知する仕組みを整備するとともに、障害を想定した復旧訓練も実施しております。 しかしながら、特定のデータセンターを活用していることから、外的大規模通信障害、ハードウエアの外的破損、人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万が一、当社グループの設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、サービスの停止等を余儀なくされる可能性があります。その結果、収益機会の損失や顧客からの信頼低下等による解約が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当連結会計年度においてデータセンターの移設を完了し、システムの更なる安定稼働に向けた体制整備を図っております。 |
| (8)情報処理センターネットワークの利用について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:大 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する「CAFIS」のネットワークや、株式会社日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のネットワーク、三井住友カード株式会社が運営する「stera」などと連携して当社の決済サービスを提供している場合があり、今後これらのネットワークシステムの障害等により、当社のサービス提供が困難になる可能性があります。 また、株式会社エヌ・ティ・ティ・データは「INFOX」、株式会社日本カードネットワークは「JET-S」、三井住友カード株式会社は「stera」のサービス名称で、国内の主要な決済プラットフォームを提供しており、当社の決済処理センターはそのすべてと接続されております。これらの接続に関する契約の終了等が発生した場合、当社グループの業績に対して影響を及ぼす可能性があります。 |
| (9)技術革新への対応とシステムインフラ等への投資について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:中 |
当社は新技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針ではありますが、技術革新等への対応が遅れ、計画外の追加設備投資等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、事業の拡大に応じて、システムインフラ等への継続的な投資を計画、実行しておりますが、当社の想定を超える急激なアクセス数の増加等によるキャパシティ不足や、インターネット技術の急速な進歩等に伴う、想定外のハードウエアやソフトウエアへの投資が必要となった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 引き続き、サービス品質の維持、向上に向けて、技術革新を採り入れながら高い信頼性を実現するシステムの開発・運用、及びその体制整備に継続的に投資してまいりますが、当社のアプリケーション、ソフトウエアやシステムにおいて、各種不具合が発生する可能性があります。その不具合に対し適切な対応を講ずることができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (10)「情報プロセシング」について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
| 当社は、情報プロセシング事業の立ち上げと拡大を目指しておりますが、同事業の多くは未だ先行投資のフェーズにあります。同事業の成長フェーズへの移行が当初の計画通りに進まなかった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対し、投資管理のモニタリングを強化し、撤退基準を明確にすることで、事業リスクの極小化を図ってまいります。 |
| (11)情報漏洩リスクについて |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:大 |
当社のクレジット決済ゲートウェイを利用する場合、クレジットカード番号を当社のコンピュータシステムに送信する必要があります。また、プリペイドサービスにおいてはクレジットカード番号のほかに氏名・住所・電話番号・メールアドレス等の個人情報の登録を求める場合があり、登録された情報は当社の管理下にあるデータベースに保管しております。昨今、企業が保有する個人情報の漏洩が相次ぐ中、個人情報の扱いに対する社会的関心が高まっており、今後益々個人情報管理の徹底が必要となります。 このような中、当社は一般社団法人日本クレジット協会へ加入し、同協会で義務化されている個人情報保護指針に基づく個人情報管理の運用を実施しています。クレジットカード情報及び個人情報を守るために、プライバシーマークやPCI DSSの認定(有効期限2026年9月、1年更新で PCI SSCが認定する審査機関による監査に基づき更新されるもの)を取得し、個人情報の漏洩を未然に防止するよう努めております。PCI DSSの認定は当社のクレジット決済ゲートウェイサービス提供の前提となっている一方、その認定取消し基準等が明確に設定されておらず、万が一、重大な個人情報漏洩等によりPCI DSSの認定がPCI SSCによって取消された場合、認定を再取得するまでの期間において一部のサービス提供が困難になる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、本日時点において、許認可が取消されるような事象は生じておりません。 当社は、取引先情報等、さまざまな企業情報を保有していることから、情報セキュリティの基本方針を定め、外部及び内部からの不正なアクセスを防止する対策を講じており、社内の情報セキュリティの状況を常に把握し、必要な対応を迅速かつ円滑に実施すべく情報セキュリティ委員会を設置し管理しています。 また、当社のクレジット決済ゲートウェイサービス提供部門においては、情報セキュリティにおける国際標準規格であるISO27001(ISMS認証)の認定を受け、情報漏洩を未然に防止するよう努めております。しかし、人為的なミスや、外部及び内部からの何らかの不正なアクセス方法等により、クレジットカード情報や企業情報等の重要な情報が外部に流出した場合には、セキュリティインシデントに対する対応コストの発生や、当社の社会的信用の失墜等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (12)知的財産について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
| 当社は、第三者の知的財産権を侵害することのないように弁護士・弁理士等と連携し、知的財産権に関する啓蒙及び社内管理体制を強化しておりますが、当社の事業分野における知的財産権の現況を完全に把握することは困難であり、当社が把握できないところで第三者が既に特許・著作権・その他知的財産を保有している可能性は否めません。今後、当社の事業分野において第三者が当社より早く特許・著作権・その他知的財産を保護し、当社に対し損害賠償または使用差止等の請求をしてきた場合には、当社グループの業績に何らかの影響を及ぼす可能性があります。 |
| (13)訴訟リスクについて |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:中 |
| 当社は、現時点において、係争中の訴訟を有しておりませんが、当社事業分野において、第三者が当社より早く特許権・著作権・その他知的財産権を保護し、当社に対し損害賠償または使用差止等の請求をしてきた場合や、予期せぬトラブルの発生等により訴訟を提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような事実が判明した時は直ちに、事案に応じて、弁護士・弁理士等と連携し解決に努める体制を整備しております。 |
| (14)減損損失について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
| 当社は、将来の収益獲得あるいは費用削減が確実であると認められた開発費用についてはソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)に計上しております。このソフトウエアについて、今後使用状況の変更やサービスの陳腐化等により収益獲得、費用削減効果が大幅に損なわれた場合や、利用期間が想定より短縮された場合に、ソフトウエアの償却や減損が必要になり、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (15)特定の経営者への依存について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:中 |
| 代表取締役社長 大高 敦は当社の創業者であり、経営方針や事業戦略等の策定を含め、経営の重要な役割を果たしております。現在、当社では同氏に過度に依存しないよう、本部制を導入し各本部長が本部体制を整備・強化しておりますが、現在の状況において、同氏が当社の業務を遂行することが困難となった場合には、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (16)事業の拡大に応じた経営管理体制について |
| 顕在化可能性:低 | 影響度:中 |
| 当社は、業容の拡大及び従業員の増加に合わせた組織及び内部管理体制の整備に加え、当社の経営方針に沿った子会社の経営管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る予定ですが、適切な人的・組織的な対応をできずに、子会社を含む事業規模に応じた経営管理体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (17)人員の育成・確保について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
当社グループは、今後の更なる事業拡大に向けて人員の採用を積極的に進めるとともに、処遇や労働環境の改善等に継続的に取組んでおります。 しかしながら、経済産業省の調査等でも指摘されているとおり、国内におけるIT人材の需給ギャップは今後さらに拡大することが見込まれており、技術力の高い人材の獲得競争は激化しております。このような状況下において、当社グループが事業拡大に必要な人員を十分に確保できなかった場合、あるいは中核となる人材が流出した場合には、事業展開の遅延等が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
| (18)配当政策について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:小 |
当社は、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現するためには、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来、当事業年度を含め配当を実施しておりません。 株主利益の最大化は、重要な経営目標の一つであり、業績の推移、財務状況、今後の事業・投資計画、内部留保等を総合的に勘案し、株主還元を適切に講じていく方針です。 |
| (19)税務上の繰越欠損金について |
| 顕在化可能性:高 | 影響度:中 |
| 2026年3月31日現在において、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。今後、当社の業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 |
| (20)M&Aの影響について |
| 顕在化可能性:中 | 影響度:中 |
| 当社は、事業拡大を加速する有効な手段の一つとして、当社に関連する事業及び同事業を展開する企業のM&Aを推進してまいります。M&A実行に際しては、対象企業の事業・財務・法務等についてデューデリジェンスを行うことにより、各種リスクの低減に努める方針です。しかしながら、実行後に経営資源の統合・活用が円滑に進まず、想定どおりに事業を拡大できず、また、その結果として、のれん等の減損処理を行う可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |