有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/03/10 15:03
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166項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第26期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,356,520千円と前連結会計年度末と比べ117,430千円(5.2%)の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加184,499千円、リース債権の減少17,877千円、及び流動資産のその他に含まれる未収消費税等の減少51,048千円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、4,576,741千円と前連結会計年度末と比べ372,311千円(7.5%)の減少となりました。その要因は、有形固定資産の減少372,090千円、無形固定資産の増加6,411千円及び投資その他の資産の減少6,632千円であります。
有形固定資産につきましては、減損損失が108,875千円、及び減価償却が進んだことが主な要因であります。
無形固定資産につきましては、無形固定資産のその他に含まれる駐車場決済アプリ開発に伴うソフトウエア仮勘定の増加7,370千円、及び減価償却が進んだことが主な要因であります。
投資その他の資産につきましては、繰延税金資産の減少8,487千円、既存駐車場の解約による敷金及び保証金の減少5,163千円及び投資有価証券の増加7,870千円が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、2,088,082千円と前連結会計年度末と比べ90,759千円(4.5%)の増加となりました。その主な要因は、流動負債のその他に含まれる未払消費税等の増加123,605千円、及び1年内返済予定の長期借入金の減少31,477千円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,189,999千円と前連結会計年度末と比べ527,503千円(14.2%)の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の減少491,085千円、及びリース債務の減少29,818千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、1,655,179千円と前連結会計年度末と比べ181,861千円(12.3%)の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加174,161千円、及びその他有価証券評価差額金の増加7,721千円であります。
第27期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
(流動資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、1,999,053千円と前連結会計年度末と比べ357,466千円(15.2%)の減少となりました。その主な要因は、売掛金の減少24,152千円、並びに現金及び預金の減少315,969千円であります。
(固定資産)
当第2四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、4,663,239千円と前連結会計年度末と比べ86,498千円(1.9%)の増加となりました。その要因は、有形固定資産の増加89,714千円、無形固定資産の減少5,460千円、及び投資その他の資産の増加2,244千円であります。
有形固定資産につきましては、コインパーキング用地取得による土地の増加24,091千円、機械装置及び運搬具の増加96,733千円、福井県福井市に所在する賃貸用建物を売却したこと等による建物及び構築物の減少19,809千円、及び固定資産の減価償却が進んだことが主な要因であります。
無形固定資産につきましては、減価償却が進んだことが主な要因であります。
投資その他の資産につきましては、投資有価証券の増加4,523千円、及びその他に含まれる長期未収入金の減少2,796千円が主な要因であります。
(流動負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、1,929,374千円と前連結会計年度末と比べ158,708千円(7.6%)の減少となりました。その主な要因は、その他に含まれる未払消費税等の減少94,929千円、及び買掛金の減少58,760千円であります。
(固定負債)
当第2四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、2,947,661千円と前連結会計年度末と比べ242,337千円(7.6%)の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の減少242,990千円であります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、1,785,257千円と前連結会計年度末と比べ130,077千円(7.9%)の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加125,631千円であります。
② 経営成績の状況
第26期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが見られました。
駐車場業界におきましては、当社グループの第1四半期と第3四半期では感染拡大による外出自粛の影響を受けた一方で、第2四半期と第4四半期では感染者数減少により経済活動が活発化し、売上高の上昇が見られました。
このような状況の中、当社は「社員及び関係者の安全確保」という基本方針の下、不採算駐車場の縮小や厳選した新規投資を実施し、可能な限り利益の確保に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
a.売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度における売上高は、6,776,406千円と前連結会計年度に比べ170,748千円(2.5%)の減収となりました。
売上原価は、4,983,331千円と前連結会計年度に比べ590,382千円(10.6%)の減少となりました。これは主に、売上高の減収、土地オーナー様の協力に基づく賃料の減免、現状の環境でも収益化が可能な駐車場を厳選して開設したことによるものであります。
販売費及び一般管理費は、1,438,542千円と前連結会計年度に比べ24,885千円(1.7%)の減少となりました。これは主に、人件費の減少によるものであります。
以上の結果、営業利益は、354,532千円(前連結会計年度は89,986千円の営業損失)となりました。
b.営業外損益
営業外収益は、23,018千円と前連結会計年度に比べ23,177千円(50.2%)の減収となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金収入の減少によるものであります。
営業外費用は、37,405千円と前連結会計年度に比べ8,348千円(18.2%)の減少となりました。これは主に、借入金の支払利息が減少したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は、340,145千円(前連結会計年度は89,543千円の経常損失)となりました。
c.特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
特別利益は、富山県富山市に所在する当社所有の土地建物の売却により固定資産売却益を計上し、117,714千円(前連結会計年度は626,325千円)となりました。
特別損失は、主に賃貸用不動産等に係る減損損失108,875千円、及び賃貸用建物の附属設備撤去等による固定資産除却損21,860千円により、130,739千円(前連結会計年度は716,309千円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、179,380千円(前連結会計年度は339,372千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
報告セグメント毎の経営成績を示すと、次のとおりであります。
a.コインパーキング事業
当社グループのコインパーキング事業は、主に、コインパーキングの運営ビジネスと駐車場機器の販売・保守ビジネスで構成されています。前者では、土地所有者から当社グループが土地を賃借し、当社グループ直営の駐車場・駐輪場として運営し、後者では、当社グループが駐車場運営事業者に駐車場機器を販売し、当社グループが駐車場システムの保守業務を受託しております。当連結会計年度における直営駐車場及び管理受託している駐車場・駐輪場数及び車室数は以下のとおりであります。
(直営及び管理受託の運営駐車場・駐輪場数)
区分当期首増加減少当期末増減
直営駐車場・駐輪場 (件)1,16178921,147△14
管理受託駐車場・駐輪場(件)6,0624473916,11856

(車室数)
区分当期首増加減少当期末増減
直営駐車場・駐輪場 (車室)21,1173,1171,71422,5201,403
管理受託駐車場・駐輪場(車室)105,2419,3207,318107,2432,002

コインパーキング運営ビジネスにおける直営駐車場・駐輪場数及び車室数は、当連結会計年度末現在、1,147件22,520車室が稼働しております。新規開設については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい郊外の住宅地に重点的に開設を進めました。既存駐車場については、感染症の影響により稼働率が低下した繁華街の駐車場を中心に解約を進めました。この結果、前連結会計年度と比べ増収となり売上高営業利益率は向上いたしました。
駐車場機器の販売・保守ビジネスにおける管理受託駐車場・駐輪場数及び車室数は、当連結会計年度末現在、6,118件107,243車室であります。新規受託については、新型コロナウイルス感染拡大を見据えた駐車場の新規開設を控える動きが散見されました。一方、解約については、コインパーキング運営事業と同様の理由により解約が進みました。この結果、前連結会計年度と比べ減収となりました。
以上の結果、売上高は、6,641,286千円と前連結会計年度と比べ138,424千円(2.0%)の減収となりました。セグメント利益は、778,742千円と前連結会計年度と比べ445,359千円(133.6%)の増益となりました。
b.プロパティマネジメント事業
当連結会計年度においては、富山県富山市に所在する当社所有の土地建物を売却したことにより、この建物の賃貸収入が減少いたしました。福井県福井市に所在する当社所有の賃貸用建物においては、老朽化による修繕費が増加しました。
以上の結果、売上高は、128,080千円と前連結会計年度と比べ33,716千円(20.8%)の減収となりました。セグメント利益は、16,056千円と前連結会計年度と比べ26,304千円(62.1%)の減益となりました。
第27期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、国際的な原材料価格の高騰や急速な円安の進行に伴う物価の上昇等、景気の先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループが属する駐車場業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況に対応し、新規物件の獲得に注力する中、駐車場の稼働は好調に推移し、感染症の拡大前の水準に戻りつつあります。
このような環境のもと、当社グループは、ウィズコロナ時代でも安定した収益及び利益の獲得を目指し、引き続き不採算駐車場の縮小や厳選した新規投資を実施してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は3,367,607千円、営業利益は257,923千円、経常利益は252,306千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は152,768千円となりました。
報告セグメント毎の経営成績を示すと、次のとおりであります。
a.コインパーキング事業
(直営及び管理受託の運営駐車場・駐輪場数)
区分当期首増加減少当四半期末増減
直営駐車場・駐輪場 (件)1,14771241,19447
管理受託駐車場・駐輪場(件)6,1181971406,17557


(車室数)
区分当期首増加減少当四半期末増減
直営駐車場・駐輪場 (車室)22,5201,12876822,880360
管理受託駐車場・駐輪場(車室)107,2433,9841,561109,6662,423

当社グループのコインパーキング事業は、主に、コインパーキングの運営事業と駐車場機器の販売・保守事業で構成されています。
コインパーキング運営事業におきましては、感染症の影響減少による駐車場の稼働率の回復が見られましたが、先行きが不透明な状況を踏まえ、引き続き不採算駐車場の縮小及び厳選した新規駐車場の開設に取り組みました。
駐車場機器の販売・保守事業におきましては、既存得意先を中心に販売活動を行いましたが感染拡大を見据えた新規開設控えにより、売上が減少しました。
その結果、売上高は3,304,915千円、セグメント利益は485,635千円となりました。
b.プロパティマネジメント事業
当第2四半期連結累計期間においては、コストの見直し及び不要不急の投資を控え、利益の確保に努めました。その結果、売上高は60,075千円、セグメント利益は821千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第26期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,618,806千円と前連結会計年度末と比べ184,499千円(12.9%)増加しました。主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、737,708千円(前連結会計年度は594,941千円の獲得)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益327,121千円、減損損失108,875千円、及び減価償却費318,837千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した資金は、26,425千円(前連結会計年度は750,986千円の使用)となりました。その主な要因は、富山県富山市に所在する当社所有の有形固定資産の売却による収入300,793千円、及び新規駐車場開設に伴う有形固定資産の取得による支出210,811千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、579,635千円(前連結会計年度は522,512千円の獲得)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出822,562千円、及びリース債務の返済による支出93,186千円であります。
第27期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,302,837千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、187,215千円となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益249,655千円、減価償却費143,811千円、仕入債務の減少額58,760千円、未払消費税等の減少額94,929千円、及び法人税等の支払額72,437千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、203,083千円となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出209,974千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用したキャッシュ・フローは、300,101千円となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出638,823千円、及びリース債務の返済による支出38,801千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
第26期連結会計年度及び第27期第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第26期連結会計年度
(自 2021年7月1日
至 2022年6月30日)
第27期
第2四半期連結累計期間
(自 2022年7月1日
至 2022年12月31日)
金 額(千円)前期比(%)金 額(千円)
コインパーキング事業6,641,28698.03,304,915
プロパティマネジメント事業128,08079.260,075
その他7,039124.62,615
合 計6,776,40697.53,367,607

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状
況の概要 ①財政状態の状況 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの資金需要のうち、運転資金にかかる主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、投資にかかる資金需要の主なものは、コインパーキング事業にかかる設備投資やプロパティマネジメント事業にかかる設備投資によるものであります。
これらの資金需要に対し、運転資金については営業キャッシュ・フローで充足し、設備投資については主に金融機関からの長期借入により調達することを基本としております。