有価証券報告書-第54期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,834,416千円となり、前連結会計年度末に比べ102,605千円減少いたしました。これは主に、売掛金が244,744千円増加した一方、現金及び預金が346,946千円減少したことによるものであります。固定資産は3,785,722千円となり、前連結会計年度末に比べ1,251,510千円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が493,973千円、のれんが426,557千円、顧客関連資産が267,944千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,620,138千円となり、前連結会計年度末に比べ1,148,905千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,238,714千円となり、前連結会計年度末に比べ186,721千円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が98,052千円、賞与引当金が44,201千円、支払手形及び買掛金が42,793千円増加したことによるものであります。固定負債は682,843千円となり、前連結会計年度末に比べ377,415千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が173,627千円、繰延税金負債が87,422千円、退職給付に係る負債が69,109千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,921,558千円となり、前連結会計年度末に比べ564,136千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は5,698,580千円となり、前連結会計年度末に比べ584,769千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が391,193千円、その他有価証券評価差額金が141,432千円増加、自己株式が53,171千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は74.8%(前連結会計年度末は79.0%)となりました。
b.経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、中東地域をめぐる情勢や米国の通商政策の動向、原材料や食料品をはじめとした物価上昇など経済の回復基調を下押しするリスクはあったものの、雇用環境の改善や賃上げの進展、設備投資の増加に加え、生成AI・クラウドサービス・DX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資が下支えし、景気は緩やかな持ち直し基調で推移しました。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、レガシーシステムの刷新、クラウド活用を軸としたDX投資が継続し、特に生成AIを活用した業務効率化・新サービス開発が一段と進展しました。IT関連企業に対する需要は底堅い一方、システムエンジニア等のIT関連人材の不足は続いており、人材の確保・育成が業界共通の課題となっています。
こうした環境のもと、当社グループはクラウド、生成AI、ビッグデータなどのDX関連事業を成長の柱とした2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進してきました。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度におきましても、不足するIT人材を確保するため、経験者採用への積極的な取組みを継続しつつ、新人を含め、生成AIをはじめとしたDX人材の教育・育成に注力し、早期の戦力化を図るとともに、技術力向上を目的とした各種資格取得の推進にも力を入れてまいりました。また、資本業務提携(M&A)による事業拡大を推進するとともに、M&A後の統合プロセスにも注力することでシナジーの最大化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高8,655,781千円(前年同期比12.6%増)となりました。なお、売上高の前年同期比較につきましては、下記当社グループのサービスライン別の業績をご覧ください。利益面につきましては、積極的な採用に伴う人件費や社内人材教育費の増加、M&Aによるのれん償却額の増加等がありましたが、売上総利益率の改善などもあり、営業利益672,439千円(同19.5%増)、経常利益727,055千円(同18.9%増)となりました。また、政策保有株式の縮減等による投資有価証券売却益118,598千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益599,736千円(同23.6%増)となりました。
なお、当社グループは、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、事業戦略上の事業領域である「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」及び「ITイノベーション事業」の4つのサービスライン別に業績の概要を記載しております。
当社グループのサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
(a)金融事業
金融事業は、銀行、保険、証券、クレジットの各分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である銀行分野におきましては、大型案件の終了により受注が一時的に減少し、厳しい事業環境となりましたが、第2四半期から参画したATM関連ソフトウェア開発案件に加え、新規案件の受注も確保でき、来期以降の業績回復に向けた事業基盤の強化を進める一年となりました。また、保険及びその他の分野では、積極的な営業活動により既存案件の拡大や新規案件の獲得が進み、事業は安定的かつ堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は3,482,390千円(前年同期比14.1%増)となっております。
(b)産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野におきましては、自動車関連システムや大手家電量販店向けシステム案件を中心に、堅調に推移いたしました。一方、マイコン分野におきましては、米国の関税政策の影響もあり、車載系案件の受注が減少いたしました。また、医療分野におきましては、医療機関を取り巻く経営環境の厳しさを背景に検査システムパッケージの販売は減少いたしましたが、新規導入に向けた営業強化により、来期の販売拡大を目指して取組みを進めてまいりました。
この結果、売上高は2,510,119千円(前年同期比8.7%増)となっております。
(c)社会公共事業
社会公共事業は、電力ICT分野、社会インフラ分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、メディア情報分野につきましては、堅調に推移いたしました。社会インフラ分野におきましては、開発体制の強化も順調に進み、受注拡大につなげることができました。一方、公共分野は、自治体向けの地方税管理システム案件が端境期に入ったことで厳しい状況が続きましたが、自治体標準化やガバメントクラウド関連の案件は堅調に推移いたしました。また、今後の需要拡大を見据えて開発体制の強化も継続してまいりました。
この結果、売上高は1,991,821千円(前年同期比15.7%増)となっております。
(d)ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
クラウドソリューション分野におきましては、Microsoft社が提供する「Azure」を活用したアプリケーション開発案件を拡大することができました。また、生成AIを活用した提案活動を強化し、受注拡大に努めてまいりました。
システム基盤ソリューション分野では銀行系システムの基盤構築案件を、金融ソリューション分野では投資信託案件をそれぞれ計画通りに受注することができ堅調に推移いたしました。また、来期に向けた開発体制強化を図り、クラウドソリューション分野及び金融ソリューション分野の受注拡大に努めてまいりました。
この結果、売上高は671,449千円(前年同期比11.7%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ203,745千円増加し、2,242,260千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は329,436千円(前連結会計年度は461,992千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が845,653千円、法人税等の支払額が332,101千円、投資有価証券売却益が118,598千円、売上債権の増加額が87,281千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は146,115千円(前連結会計年度は444,892千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入及び払戻による収入(純額)が598,369千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が247,031千円、投資有価証券の取得及び売却による支出(純額)が168,993千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は271,806千円(前連結会計年度は184,130千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が208,367千円、長期借入金の返済による支出が63,179千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(36,519千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.当連結会計年度において、受注残高が著しく増加いたしました。これは主に、連結子会社が増加したことによるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は7,620,138千円となり、前連結会計年度末に比べ1,148,905千円増加いたしました。また、当連結会計年度末における自己資本は5,698,580千円となり、前連結会計年度末に比べ584,769千円増加いたしました。
以上の結果から、当連結会計年度末における自己資本比率は74.8%(前連結会計年度末は79.0%)となり、前年同期比で4.2ポイント減少いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上高は8,655,781千円となり、前連結会計年度に比べ971,064千円増加(前年同期比12.6%増)いたしました。主な要因としては、企業の旺盛なIT投資による需要拡大及び㈱グリーンキャットを連結の範囲に含めたことによるものであります。
また、売上原価は6,979,818千円となり、前連結会計年度に比べ743,806千円増加(同11.9%増)いたしました。これにより、売上総利益につきましては、前連結会計年度より227,258千円増加(同15.7%増)の1,675,963千円となっております。
当連結会計年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,003,523千円となり、前連結会計年度に比べ117,517千円増加(同13.3%増)いたしました。これは主に、昇給や人員増加に伴い給料及び手当が68,113千円、子会社取得に伴いのれん償却額が36,642千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は672,439千円となり、前連結会計年度に比べ109,740千円増加(同19.5%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は58,883千円となり、前連結会計年度に比べ10,040千円増加(同20.6%増)いたしました。これは主に、受取利息が8,271千円増加したことによるものであります。また、当連結会計年度の営業外費用は4,268千円となり、前連結会計年度に比べ4,059千円増加(同1,943.6%増)いたしました。これは主に、支払利息が2,413千円増加したことによるものであります。
その結果、経常利益は727,055千円となり、前連結会計年度に比べ115,722千円増加(同18.9%増)いたしました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は118,598千円となり、前連結会計年度に比べ34,510千円増加(同41.0%増)いたしました。これは投資有価証券売却益が34,510千円増加したことによるものであります。
その結果、税金等調整前当期純利益は845,653千円となり、前連結会計年度に比べ150,232千円増加(同21.6%増)いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果より、親会社株主に帰属する当期純利益は599,736千円となり、前連結会計年度に比べ114,490千円増加(同23.6%増)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当連結会計年度においては、営業活動の結果得られた資金329,436千円により、財務活動の結果使用した資金271,806千円を賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。また、業務資本提携等に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当連結会計年度末現在、当社グループは通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(のれん及び顧客関連資産)
当社グループは、連結子会社の取得に際し発生したのれん及び顧客関連資産を計上しており、いずれもその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却しております。
のれん及び顧客関連資産の評価にあたり用いた将来の事業計画は、将来の不確実な経済状況の変動などによって影響を受ける可能性があり、結果として将来の連結財務諸表において、のれん及び顧客関連資産の減損損失を認識する可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社グループは、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当連結会計年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社グループは、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,834,416千円となり、前連結会計年度末に比べ102,605千円減少いたしました。これは主に、売掛金が244,744千円増加した一方、現金及び預金が346,946千円減少したことによるものであります。固定資産は3,785,722千円となり、前連結会計年度末に比べ1,251,510千円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が493,973千円、のれんが426,557千円、顧客関連資産が267,944千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,620,138千円となり、前連結会計年度末に比べ1,148,905千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,238,714千円となり、前連結会計年度末に比べ186,721千円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が98,052千円、賞与引当金が44,201千円、支払手形及び買掛金が42,793千円増加したことによるものであります。固定負債は682,843千円となり、前連結会計年度末に比べ377,415千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が173,627千円、繰延税金負債が87,422千円、退職給付に係る負債が69,109千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,921,558千円となり、前連結会計年度末に比べ564,136千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は5,698,580千円となり、前連結会計年度末に比べ584,769千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が391,193千円、その他有価証券評価差額金が141,432千円増加、自己株式が53,171千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は74.8%(前連結会計年度末は79.0%)となりました。
b.経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、中東地域をめぐる情勢や米国の通商政策の動向、原材料や食料品をはじめとした物価上昇など経済の回復基調を下押しするリスクはあったものの、雇用環境の改善や賃上げの進展、設備投資の増加に加え、生成AI・クラウドサービス・DX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資が下支えし、景気は緩やかな持ち直し基調で推移しました。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、レガシーシステムの刷新、クラウド活用を軸としたDX投資が継続し、特に生成AIを活用した業務効率化・新サービス開発が一段と進展しました。IT関連企業に対する需要は底堅い一方、システムエンジニア等のIT関連人材の不足は続いており、人材の確保・育成が業界共通の課題となっています。
こうした環境のもと、当社グループはクラウド、生成AI、ビッグデータなどのDX関連事業を成長の柱とした2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進してきました。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度におきましても、不足するIT人材を確保するため、経験者採用への積極的な取組みを継続しつつ、新人を含め、生成AIをはじめとしたDX人材の教育・育成に注力し、早期の戦力化を図るとともに、技術力向上を目的とした各種資格取得の推進にも力を入れてまいりました。また、資本業務提携(M&A)による事業拡大を推進するとともに、M&A後の統合プロセスにも注力することでシナジーの最大化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高8,655,781千円(前年同期比12.6%増)となりました。なお、売上高の前年同期比較につきましては、下記当社グループのサービスライン別の業績をご覧ください。利益面につきましては、積極的な採用に伴う人件費や社内人材教育費の増加、M&Aによるのれん償却額の増加等がありましたが、売上総利益率の改善などもあり、営業利益672,439千円(同19.5%増)、経常利益727,055千円(同18.9%増)となりました。また、政策保有株式の縮減等による投資有価証券売却益118,598千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益599,736千円(同23.6%増)となりました。
なお、当社グループは、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、事業戦略上の事業領域である「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」及び「ITイノベーション事業」の4つのサービスライン別に業績の概要を記載しております。
当社グループのサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
| (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |||
| 売上高 | (千円) | 7,684,716 | 8,655,781 | 112.6 | |
| 金融事業 | (千円) | 3,052,608 | 3,482,390 | 114.1 | |
| 産業流通事業 | (千円) | 2,308,605 | 2,510,119 | 108.7 | |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,722,130 | 1,991,821 | 115.7 | |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 601,373 | 671,449 | 111.7 | |
| 営業利益 | (千円) | 562,699 | 672,439 | 119.5 | |
| 経常利益 | (千円) | 611,333 | 727,055 | 118.9 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 485,246 | 599,736 | 123.6 | |
(a)金融事業
金融事業は、銀行、保険、証券、クレジットの各分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である銀行分野におきましては、大型案件の終了により受注が一時的に減少し、厳しい事業環境となりましたが、第2四半期から参画したATM関連ソフトウェア開発案件に加え、新規案件の受注も確保でき、来期以降の業績回復に向けた事業基盤の強化を進める一年となりました。また、保険及びその他の分野では、積極的な営業活動により既存案件の拡大や新規案件の獲得が進み、事業は安定的かつ堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は3,482,390千円(前年同期比14.1%増)となっております。
(b)産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野におきましては、自動車関連システムや大手家電量販店向けシステム案件を中心に、堅調に推移いたしました。一方、マイコン分野におきましては、米国の関税政策の影響もあり、車載系案件の受注が減少いたしました。また、医療分野におきましては、医療機関を取り巻く経営環境の厳しさを背景に検査システムパッケージの販売は減少いたしましたが、新規導入に向けた営業強化により、来期の販売拡大を目指して取組みを進めてまいりました。
この結果、売上高は2,510,119千円(前年同期比8.7%増)となっております。
(c)社会公共事業
社会公共事業は、電力ICT分野、社会インフラ分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野におけるソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、メディア情報分野につきましては、堅調に推移いたしました。社会インフラ分野におきましては、開発体制の強化も順調に進み、受注拡大につなげることができました。一方、公共分野は、自治体向けの地方税管理システム案件が端境期に入ったことで厳しい状況が続きましたが、自治体標準化やガバメントクラウド関連の案件は堅調に推移いたしました。また、今後の需要拡大を見据えて開発体制の強化も継続してまいりました。
この結果、売上高は1,991,821千円(前年同期比15.7%増)となっております。
(d)ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
クラウドソリューション分野におきましては、Microsoft社が提供する「Azure」を活用したアプリケーション開発案件を拡大することができました。また、生成AIを活用した提案活動を強化し、受注拡大に努めてまいりました。
システム基盤ソリューション分野では銀行系システムの基盤構築案件を、金融ソリューション分野では投資信託案件をそれぞれ計画通りに受注することができ堅調に推移いたしました。また、来期に向けた開発体制強化を図り、クラウドソリューション分野及び金融ソリューション分野の受注拡大に努めてまいりました。
この結果、売上高は671,449千円(前年同期比11.7%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ203,745千円増加し、2,242,260千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は329,436千円(前連結会計年度は461,992千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が845,653千円、法人税等の支払額が332,101千円、投資有価証券売却益が118,598千円、売上債権の増加額が87,281千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は146,115千円(前連結会計年度は444,892千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入及び払戻による収入(純額)が598,369千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が247,031千円、投資有価証券の取得及び売却による支出(純額)が168,993千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は271,806千円(前連結会計年度は184,130千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が208,367千円、長期借入金の返済による支出が63,179千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 金融事業 | (千円) | 2,858,668 | 114.9 |
| 産業流通事業 | (千円) | 2,006,350 | 106.4 |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,561,705 | 115.6 |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 525,085 | 105.0 |
| 合計 | (千円) | 6,951,810 | 111.7 |
(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(36,519千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| 金融事業 | 3,441,062 | 114.7 | 769,125 | 128.5 |
| 産業流通事業 | 2,547,287 | 108.1 | 488,149 | 115.7 |
| 社会公共事業 | 2,034,901 | 115.8 | 416,464 | 124.1 |
| ITイノベーション事業 | 698,964 | 114.6 | 163,978 | 120.2 |
| 合計 | 8,722,215 | 112.9 | 1,837,718 | 123.1 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.当連結会計年度において、受注残高が著しく増加いたしました。これは主に、連結子会社が増加したことによるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 金融事業 | (千円) | 3,482,390 | 114.1 |
| 産業流通事業 | (千円) | 2,510,119 | 108.7 |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,991,821 | 115.7 |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 671,449 | 111.7 |
| 合計 | (千円) | 8,655,781 | 112.6 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱日立製作所 | 3,300,176 | 42.9 | 2,865,620 | 33.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は7,620,138千円となり、前連結会計年度末に比べ1,148,905千円増加いたしました。また、当連結会計年度末における自己資本は5,698,580千円となり、前連結会計年度末に比べ584,769千円増加いたしました。
以上の結果から、当連結会計年度末における自己資本比率は74.8%(前連結会計年度末は79.0%)となり、前年同期比で4.2ポイント減少いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上高は8,655,781千円となり、前連結会計年度に比べ971,064千円増加(前年同期比12.6%増)いたしました。主な要因としては、企業の旺盛なIT投資による需要拡大及び㈱グリーンキャットを連結の範囲に含めたことによるものであります。
また、売上原価は6,979,818千円となり、前連結会計年度に比べ743,806千円増加(同11.9%増)いたしました。これにより、売上総利益につきましては、前連結会計年度より227,258千円増加(同15.7%増)の1,675,963千円となっております。
当連結会計年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,003,523千円となり、前連結会計年度に比べ117,517千円増加(同13.3%増)いたしました。これは主に、昇給や人員増加に伴い給料及び手当が68,113千円、子会社取得に伴いのれん償却額が36,642千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は672,439千円となり、前連結会計年度に比べ109,740千円増加(同19.5%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は58,883千円となり、前連結会計年度に比べ10,040千円増加(同20.6%増)いたしました。これは主に、受取利息が8,271千円増加したことによるものであります。また、当連結会計年度の営業外費用は4,268千円となり、前連結会計年度に比べ4,059千円増加(同1,943.6%増)いたしました。これは主に、支払利息が2,413千円増加したことによるものであります。
その結果、経常利益は727,055千円となり、前連結会計年度に比べ115,722千円増加(同18.9%増)いたしました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は118,598千円となり、前連結会計年度に比べ34,510千円増加(同41.0%増)いたしました。これは投資有価証券売却益が34,510千円増加したことによるものであります。
その結果、税金等調整前当期純利益は845,653千円となり、前連結会計年度に比べ150,232千円増加(同21.6%増)いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果より、親会社株主に帰属する当期純利益は599,736千円となり、前連結会計年度に比べ114,490千円増加(同23.6%増)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当連結会計年度においては、営業活動の結果得られた資金329,436千円により、財務活動の結果使用した資金271,806千円を賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。また、業務資本提携等に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当連結会計年度末現在、当社グループは通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(のれん及び顧客関連資産)
当社グループは、連結子会社の取得に際し発生したのれん及び顧客関連資産を計上しており、いずれもその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却しております。
のれん及び顧客関連資産の評価にあたり用いた将来の事業計画は、将来の不確実な経済状況の変動などによって影響を受ける可能性があり、結果として将来の連結財務諸表において、のれん及び顧客関連資産の減損損失を認識する可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社グループは、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当連結会計年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社グループは、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。