有価証券報告書-第6期(2023/02/01-2024/01/31)

【提出】
2024/04/26 15:52
【資料】
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【項目】
159項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍後の社会経済活動の正常化が進み、個人消費の回復や円安効果に伴うインバウンド需要が増加するなど、景気は緩やかな持ち直しが見られました。一方で、世界経済の減速懸念や、コロナ禍後の需要回復の一巡による景気回復ペースの鈍化が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のなか当社は、グループ会社の経営支援、アミューズメント施設運営を中心としたエンターテイメント領域におけるM&A案件の開拓、検討及び実行、並びに資金調達支援を推進することで、当社グループの企業価値の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、当社が掲げている「世界中の人々の人生をより楽しく」というAspiration(アスピレーション=大志)のもと、2040年に「世界一のエンターテイメント企業」になることを目指し、M&Aを積極的に実行いたしました。連結子会社は新たに13社増え、2024年1月末における当社グループ傘下の連結子会社は19社となりました。M&Aの加速により、当社グループの主軸であるアミューズメント関連の収益基盤の強化と、その周辺のエンターテイメント領域への進出も進んだことにより、当社グループの描く「エンタメ経済圏」の構築が着実に進行しております。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高は55,697百万円(前年同期比20.8%増)、EBITDAは8,102百万円(前年同期比29.1%増)、営業利益は5,370百万円(前年同期比26.5%増)、経常利益は5,216百万円(前年同期比30.0%増)、のれん償却前当期純利益は4,359百万円(前年同期比21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,178百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
当社グループは、アミューズメント施設運営を中心とした単一セグメントでありましたが、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を「エンタメ・プラットフォーム事業」と「エンタメ・コンテンツ事業」に変更しております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(エンタメ・プラットフォーム事業)
「エンタメ・プラットフォーム事業」は、「アミューズメント」と「フード&ビバレッジ(F&B)」で構成されております。
「アミューズメント」のうち国内においては、積極的な新規出店とロールアップM&Aに注力いたしました。「GiGO」屋号のアミューズメント施設13店舗の他、推し活専門ショップやポーカールームといった新業態の店舗を合わせた合計15店舗の新規出店と、M&Aにより7店舗を取得いたしました。また、都市部での人流の増加やプライズゲーム売上の好調な推移等により、既存店の売上高も伸長したことに加え、店舗のDX化によるお客様の利便性向上と店舗運営の効率化を進めました。今後もこれらの施策を継続して推進することで、「GiGO」のブランド力向上と、今まで以上にお客様に楽しんでいただけるアミューズメント施設の創出・拡大に努めてまいります。
また、「アミューズメント」のうち海外においては、2023年9月末に、全米にミニロケ(スタッフの常駐しないゲームコーナー)を展開する米国法人 Kiddleton, Inc.の全株式を取得し、持分法適用関連会社から連結子会社といたしました。これに加え、同年12月には、伍彩匯業(広州)貿易有限公司が中国大陸の「GiGO」1号店となるアミューズメント施設「GiGO時尚天河」を出店するなど、エンタメ・プラットフォームのグローバル展開が着実に進んでおります。
当連結会計年度におけるアミューズメント施設は、新規出店18店舗(国内15店舗、海外3店舗)に加え、M&Aにより12店舗(国内7店舗、海外5店舗)を取得した一方、7店舗(国内6店舗、海外1店舗)を閉店し、2024年1月末において、国内262店舗(前年比16店舗増)、海外11店舗(前年比7店舗増)、合計273店舗(前年比23店舗増)となっております。また、2024年1月末におけるミニロケ拠点数は、国内206箇所(前年比153箇所増)、海外308箇所(前年比307箇所増)、合計514箇所(前年比460箇所増)となっております。
さらに、「F&B」において、IPコンテンツとファンとを繋ぐプラットフォームの多様化を目的に、2023年10月末に、レモネードの製造・販売を手掛ける株式会社レモネード・レモニカ(以下「レモネード・レモニカ」)を、同年11月末に、「ヒルバレー」ブランドのポップコーンの企画・製造・販売を行う日本ポップコーン株式会社(以下「日本ポップコーン」)を連結子会社といたしました。2024年1月末時点で、レモネード・レモニカは国内に53店舗、日本ポップコーンは国内に3店舗展開しており、今後「エンタメとしての食」を提供する「F&B」も、エンタメ・プラットフォームの一翼を担ってまいります。
この結果、当社グループの店舗及びミニロケを合わせた「エンタメ・プラットフォーム」数は843に達し、「エンタメ・プラットフォーム事業」の売上高は54,060百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は7,992百万円(前年同期比29.9%増)となりました。
(エンタメ・コンテンツ事業)
「エンタメ・コンテンツ事業」は、「キャラクター・マーチャンダイジング(MD)」と「コンテンツ&プロモーション」で構成されております。
「キャラクターMD」においては、2023年10月末にプライズ(景品)の卸売事業を展開する株式会社アレスカンパニーを、2024年1月末にプライズの企画や販売事業等を展開する株式会社フクヤホールディングスを連結子会社といたしました。
また、「コンテンツ&プロモーション」においては、2023年9月末に、ロケーション・エンターテイメントにおける映像を軸とした様々な「体験型コンテンツ」の企画・制作・販売を行う株式会社ダイナモアミューズメントの全株式を取得し、持分法適用関連会社から連結子会社といたしました。同年11月末には、独立系映画配給会社のトップブランドであるギャガ株式会社を連結子会社といたしました。
これらM&Aにより、アミューズメント関連で最も重要なプライズゲームにおけるバリューチェーンの垂直統合が実現するとともに、「エンタメ・プラットフォーム事業」の上流の事業領域と位置付けている「エンタメ・コンテンツ事業」の強化が着実に進行し、当社グループのエンタメ経済圏が大きく広がりました。
この結果、「エンタメ・コンテンツ事業」の売上高は2,363百万円(前年同期比230.0%増)、セグメント利益は4百万円(前年同期比86.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は52,141百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,108百万円増加いたしました。流動資産合計は23,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,844百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加5,292百万円、棚卸資産の増加2,112百万円、売掛金の増加1,716百万円であります。固定資産合計は28,573百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,263百万円増加いたしました。これは主に、のれんの増加3,766百万円、アミューズメント施設機器の増加2,851百万円、建物及び構築物の増加1,440百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は32,476百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,684百万円増加いたしました。流動負債合計は16,892百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,282百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金の増加3,412百万円、支払手形及び買掛金の増加1,856百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1,476百万円であります。固定負債合計は15,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,401百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金の増加2,399百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は19,664百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,423百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加4,178百万円、上場に伴う公募増資等による資本金の増加2,065百万円、資本剰余金の増加1,989百万円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、12,329百万円となり前連結会計年度末に比べて5,242百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は7,602百万円(前年同期は6,446百万円の獲得)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上4,414百万円、減価償却費の計上2,549百万円、減損損失の計上993百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は10,334百万円(前年同期は5,530百万円の支出)となりました。主に有形固定資産の取得による支出4,722百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,792百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は7,960百万円(前年同期は1,145百万円の支出)となりました。主に株式の発行による収入4,130百万円、長期借入れによる収入3,478百万円、短期借入金の純増加額3,412百万円、長期借入金の返済による支出2,607百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注生産に関する実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年2月1日
至 2024年1月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
エンタメ・プラットフォーム事業54,058118.0
エンタメ・コンテンツ事業1,627564.9
合計55,685120.8

(注)主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、経済情勢、消費者ニーズの変化、他社との競合、法的規制等、様々なリスク要因があると認識しております。そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化等、適切に対応していく所存であります。
詳細につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、営業活動については主に、アミューズメント施設における店舗現金(売上金及び釣銭)、景品等の仕入れ、店舗経費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資活動については、主にアミューズメントマシン等の有形固定資産の取得及びM&Aの買収資金であります。
当社グループは、円滑な事業活動のための資金調達、適切な流動性の維持及び健全な財務状態の維持を財務方針としており、資金需要に対して必要充分な水準の手元流動性を確保すべく、自己資金の他、銀行からの借入れによる資金調達を行っております。また、資金繰りが悪化した場合には、締結している当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約の実行により、手元流動性を確保してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。