2938 オカムラ食品工業

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有価証券報告書-第56期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/24 16:50
【資料】
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【項目】
160項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①当期の経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や輸出に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調が続いているものの、中東情勢や金融資本市場の変動など、景気を下押しするリスクに留意が必要な状況となっています。一方で、当社グループの主な事業地域である東南アジアの経済環境は、内需外需に支えられ、概ね堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、中期経営目標2030において、国内養殖量の拡大と海外卸売事業売上の拡大を最重要課題として位置付けています。当連結会計年度において、国内の養殖事業は、地方自治体との養殖場適地開発の協力強化や、中間養殖場及び新規バージ船の導入に向けた設備投資が順調に進みました。また、海外卸売事業については、東南アジア諸国の旺盛な経済需要を基に事業拡大傾向が継続しています。
当連結会計年度の業績につきましては、海外加工事業において販売価格の転嫁が追い付かず営業利益が減少したものの、国内加工事業の主力製品であるいくら製品について、市中の原料不足・市場供給量不足から想定を上回る販売単価で推移したことで販売額が増加し、全体としては概ね順調に推移したと捉えています。
経常利益については、外貨建債権の為替換算損益が営業外損益の大きなファクターになっています。当連結会計年度においては、これが前期比で621百万円プラスに作用しています(当期は為替差益398百万円、前期は為替差損222百万円)。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ7,380百万円増の42,726百万円(前期比120.9%)、営業利益は前連結会計年度に比べ851百万円増の3,873百万円(前期比128.2%)、経常利益は前連結会計年度に比べ1,240百万円増の4,056百万円(前期比144.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ762百万円増の2,782百万円(前期比137.7%)となりました。
各セグメントの事業概況は次のとおりであります。
(単位:百万円/%)
売上高前期増減前期比セグメント
利益
前期増減前期比
養殖事業10,9521,692118.3772△46662.3
国内加工事業12,7673,368135.82,6101,432221.7
海外加工事業15,4571,369109.7700△34067.3
海外卸売事業15,3284,284138.81,044440172.9
調整額※△11,779△3,334139.5△1,253△214120.6
合計42,7267,380120.93,873851128.2

※調整額はセグメント間取引及び全社費用等であります。
(養殖事業)
当期の国内養殖量については、海面養殖における育成不良、生鮮販売量を増加させるため水揚げ時期を早めたことにより前期比△93トンの3,383トンの水揚量となりました。販売面においては、生鮮販売が好調に推移したことにより生鮮販売量及び販売額が増加しましたが、海面養殖の育成不良等により利益率が低下しました。
デンマーク子会社による海外養殖においては、海面養殖場における生育不良、相場影響による販売単価低下等により利益率が低下しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,692百万円増の10,952百万円(前期比118.3%)、セグメント利益は466百万円減の772百万円(前期比62.3%)となりました。
なお、デンマーク子会社であるMusholm A/Sは国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、養殖事業の損益には、IAS第41号「農業」に従った売却コスト控除後の公正価値により評価した結果(売上原価△79百万円)が含まれております。
(単位:百万円)
売上高10,952
営業費用材料費、人件費、販管費等10,259
小計(公正価値評価を除いたセグメント損益)692
営業費用公正価値評価による影響額79
合計(セグメント損益)772

(国内加工事業)
いくら、筋子については、北海道秋鮭不漁等による国内材料不足により販売価格相場が上昇、当社のいくら製品も想定を上回る水準での販売単価推移となり、販売額が増加しました。また、長期単価契約の販売先に関する契約単価の見直しも順調に進み、相対的に利益率の高いいくら商品の販売割合が増加したこと等により利益率が改善しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ3,368百万円増の12,767百万円(前期比135.8%)、セグメント利益は1,432百万円増の2,610百万円(前期比221.7%)となりました。
(海外加工事業)
為替や仕入相場の影響による原料価格上昇に対して一定の値上げを実施した結果、製品及び商品の販売量が減少し、加えて価格転嫁が追い付かなかったことから粗利率が低下しました。また、従業員数の増加による人件費増加等の影響により販売費及び一般管理費が増加いたしました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,369百万円増の15,457百万円(前期比109.7%)、セグメント利益は340百万円減の700百万円(前期比67.3%)となりました。
(海外卸売事業)
東南アジア諸国における日本食マーケットの拡大を背景に、当事業は拡大を続けてきました。当連結会計年度においてもこの傾向は継続しており、売上は順調に拡大しました。利益率については、販管費率の改善と円安による仕入価格の低下により、大きく改善されました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ4,284百万円増の15,328百万円(前期比138.8%)、セグメント利益は440百万円増の1,044百万円(前期比172.9%)となりました。

②当期の財政状態の状況
当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は46,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,593百万円増加しました。これは主な要因としては、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等により原材料及び貯蔵品が9,992百万円増加したこと、加工委託先への原料支給が進んだことにより、未収入金が1,590百万円増加したこと等によるものです。固定資産は13,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,773百万円増加しました。これは主に事業拡大に伴う設備投資による増加であります。
この結果、総資産は60,639百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,367百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は35,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,978百万円増加しました。これは主に、運転資金として短期借入金が12,596百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は5,904百万円となり、前連結会計年度末に比べ712百万円増加しました。
この結果、負債合計は40,919百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,691百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は19,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,676百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を2,782百万円計上したこと等により利益剰余金が2,426百万円増加したこと等によるものです。
③当期のキャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、8,264百万円の支出(前期比11,801百万円の収入減少)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益を4,096百万円計上し、有償支給取引に係る負債が1,532百万円増加した一方で、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金残高の増加が631百万円生じたことに加え、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等により棚卸資産残高が11,725百万円増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,709百万円の支出(前期比1,723百万円の支出増加)となりました。
当社の最重要課題である養殖量拡大に向けて養殖設備への投資を進めたことに伴い、有形固定資産の取得による支出が2,717百万円(前期比746百万円の支出増加)となったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,628百万円の収入(前期は1,931百万円の支出)となりました。
これは主に、原材料仕入等の運転資金目的での借入を進めたことにより短期借入金の純増減額が12,596百万円生じたためです。
以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額177百万円を調整した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ831百万円増加し、5,246百万円となりました。

④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
養殖事業10,952118.3
国内加工事業12,767135.8
海外加工事業1,462103.5
海外卸売事業--
合計25,181125.5

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、販売価格によっております。
3.海外卸売事業については、自社生産設備を保有していないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
養殖事業7,529124.9
国内加工事業10,505120.8
海外加工事業9,41898.1
海外卸売事業15,271138.6
合計42,726120.9


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の状況に関する分析
外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きの中において、当社グループは増収・増益となりました。
増収の主な要因は、養殖事業における国内養殖売上の拡大、海外市場の拡大です。国内養殖量は前シーズンから93トン減少して、当シーズンは3,383トン(2026年4月~7月までの水揚量)となりましたが、生鮮需要の高まりにより売上高は増加いたしました。海外加工事業においては国内向け売上が前年並みに留まった一方で、アジア市場の拡大により、海外卸売事業で売上が順調に増加いたしました。なお、国内加工事業においては、魚卵漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇した中で、一定の在庫を保有していたことにより堅調に推移いたしました。
増益の主な要因は上記、海外卸売事業における売上高の増加に基づく利益額の増加と、国内加工事業において、契約更新による単価見直しが順調に進んだことによる利益率の好転であります。
b. 財政状態に関する分析
棚卸資産の増加と有形固定資産の増加を主要因として総資産額が増加しています。負債純資産側では借入金の増加、有償支給取引にかかる負債の増加、利益剰余金の増加を主要因として負債純資産が増加しています。
・棚卸資産の増加
当社グループではどの事業も拡大基調にあるため、棚卸資産は増加傾向にあります。当連結会計年度末においては、有償支給先への原料の支給が前連結会計年度と比較して増加し、営業倉庫に保管する商品及び製品についても順調に増加いたしました。
・有形固定資産の増加
有形固定資産の増加については養殖設備への増加が主な内容になります。特に国内養殖の規模拡大は当社の成長戦略の最重要課題となっていますので、今後も引き続き、積極的な設備投資を行っていく方針です。
・借入金の増加
上記の在庫投資と設備投資のために要する資金は主に借入金で賄っており、その結果として負債が増加しています。
・有償支給取引に係る負債の増加
有償支給先への原料の支給をした場合において当該負債を計上することとなりますが、棚卸資産の増加で記載のとおり、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して、有償支給先への原料の支給残高が増えたことにより、増加しています。
・利益剰余金の増加
親会社株主に帰属する当期純利益を順調に計上していることにより増加しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、8,264百万円の支出(前連結会計年度は3,536百万円の収入)となりました。
税金等調整前当期純利益を4,096百万円計上や有償支給取引に係る負債の増減額1,532百万円を計上しましたが、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等に伴う棚卸資産残高の増減額△11,725百万円を計上したことなどにより、営業キャッシュ・フローはマイナスとなっています。
当社グループは事業の性質上、元々在庫回転期間が比較的長くなる傾向がありますが、そういったなかで事業規模拡大に伴い恒常在庫水準は年々上がっているため、大きなトレンドとして在庫投資に資金を要する傾向が継続しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,709百万円の支出(前連結会計年度は1,985百万円の支出)となりました。当社グループの成長に向けた主要課題として、国内の中間養殖場のキャパシティ拡大、成長するアジアの日本食需要への対応力強化があります。特に国内中間養殖場の拡大は重要課題であり、当連結会計年度においても泊川中間養殖場(秋田県八峰町)の建設工事を進め、生簀の増設等生産キャパシティ拡大のための投資を行いました。前連結会計年度に公表した中期経営目標2030に記載のとおり目標生産数12,000トンに向け、必要な設備を順次計画的に建設しています。
以上のように在庫投資や設備投資に多くの資金を投入していますが、その資金は自己資金及び外部借入で調達しています。当連結会計年度においては、原材料仕入等の運転資金目的での借入を進めたことなどにより、財務活動によるキャッシュ・フローは12,628百万円の収入(前連結会計年度は1,931百万円の支出)となっています。現時点において、金融機関とは良好な関係を維持しており、資金調達環境に特段の懸念はありません。
なお、現金及び現金同等物の残高は、次期連結会計年度以降の資金繰り見込みを踏まえ、当連結会計年度末時点の必要水準を確保した残高となるよう、借入金返済とのバランスを考慮しております。
株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、連結株主資本配当率(DOE)に基づく安定配当を行う方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入であります。借入に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備資金は主に長期借入金で調達しております。運転資金需要のうち主なものは、養殖事業における飼料代金、国内加工事業及び海外加工事業における原料仕入代金、海外卸売事業における商品仕入代金であります。設備資金需要のうち主なものは、養殖施設(冷凍設備や船等含む)や、国内加工工場(裁断機や浄化設備等)の設備投資代金であります。
当社グループでは、事業活動を円滑に行うため、金融機関との当座貸越契約等を利用し、実需に応じた資金調達を実施し、流動性を確保しております。当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。
③ 重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらは、過去の実績や将来の事業計画等に基づき合理的に算出しておりますが、見積りの不確実性から実際の結果と異なる可能性があります。
また、海外子会社における生物資産評価については、生物資産を公正価値で測定し、取得価額との差額を損益(売上原価の繰入または戻入)として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生存率等を見積もる必要があることから、市場の動向等により結果が大きく変動する可能性があります。

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