有価証券報告書-第28期(2023/01/01-2023/12/31)

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2024/03/27 15:30
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文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当社グループは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」という企業理念のもと、先進的なテクノロジーに基づくSaaS(注1)などの提供を通じ、大企業の生産性向上を支援しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和されたことにより、社会経済の正常化が進み、国内景気は堅調に回復に向かう一方、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、燃料・資源の価格高騰、円安の進行、欧米を中心とした世界的な金融引き締め等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社グループが属するソフトウェア業界では、企業におけるワークスタイルの見直しや、業務デジタル化の遅れに対応するため、生産性向上を目的とするクラウドサービスへの需要が拡大しております。
このような環境のもと、当社グループは、「デジタルの民主化」というコンセプトに基づき、「市民開発」(注2)を実現するためのノーコード開発(注3)ツール「SmartDB®」を成長のドライバーと位置付け、事業を推進してまいりました。「SmartDB®」は単なる業務デジタル化に止まらず、ERPフロントシステム(注4)などの複雑な領域でも利用され始めており、他社SaaS連携や、高度なセキュリティ機能など、顧客要望に対応する多様なオプションを用意し、アップセル(注5)を強化しております。
また、社内ポータル(注6)構築ツール「Insuite®」及びチェーンストア特化型情報共有ツール「Shopらん®」については、「SmartDB®」との連携性を高めることでクロスセル(注7)を積極化し、提供価値の向上を図っております。
当連結会計年度におきましては、「SmartDB®」の認知を上げるべく、オンラインイベントやセミナーを多数開催し、新規顧客への提案を強化してまいりました。また、多様なオプション機能と業務適用事例の発信を通じて既存顧客への提案を強化し、ERPフロントシステムの大型プロジェクトを受注するなど、継続的な成長を実現させるべく事業を展開してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,440,056千円(前年同期比21.0%増)、営業利益577,649千円(前年同期比207.9%増)、経常利益563,551千円(前年同期比210.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、大企業向け賃上げ促進税制に基づく税額控除27,164千円を受け、424,290千円(前年同期比233.8%増)となりました。
<クラウド事業>1.ホリゾンタルSaaS(注8)
当社グループは、業界業種を問わないホリゾンタルSaaSとして「SmartDB®」及び「Insuite®」を提供しております。
コロナ禍を契機とする大企業を取り巻く経営環境の変化は、業務デジタル化ニーズを高める一方で、IT人材不足の深刻さを浮き彫りにしております。そのため、当社グループは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」を軸としたマーケティング活動を積極的に展開し、「デジタルの民主化」及び「市民開発」というコンセプトの浸透に努めてまいりました。開発面では、「SmartDB®」への継続投資による機能拡張及びセキュリティ強化を進め、ERPフロントシステムとしての活用や、複雑な業務プロセスを持つコア業務への適用など、活用範囲の拡大に努めてまいりました。また、社内ポータル構築ツール「Insuite®」については、ビジョンの浸透、組織エンゲージメント(注9)の強化、企業カルチャーの刷新といった経営課題を重視する顧客にフォーカスし、提案活動を展開してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度のホリゾンタルSaaSの売上高は、2,207,345千円(前年同期比46.5%増)となりました。また、当連結会計年度末時点の MRR(月額利用料)は207,705千円(前年同期比57,389千円増)、契約企業数は140社(前年同期比41社増)となりました。
2.バーティカルSaaS(注10)
当社グループは、チェーンストア業界に特化したバーティカルSaaSとして「Shopらん®」を提供しております。
実店舗によるチェーンオペレーションを展開する物販・飲食業界は、コロナ禍の影響を最も大きく受けており、これまで以上に業務オペレーション品質を高める必要性に迫られています。当社グループの提供する「Shopらん®」は、チェーンストアに特有の課題を解決するために設計されており、本部からの情報伝達、店舗における業務指示の徹底、タイムリーな現場情報の収集、店舗間における成功事例の共有などをサポートします。
当連結会計年度におきましては、大型展示会への出展を行い、認知度の向上に努めてまいりました。開発面では、ユーザーインターフェイスの改善、安定したサービス提供に向けた基盤強化などを進めてまいりました。
なお販売パートナー企業である(株)ネクスウェイにおいては、「店舗matic®」(テンポ・マティック)の名称で販売しております。
以上の結果、当連結会計年度のバーティカルSaaSの売上高は、744,020千円(前年同期比15.8%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は65,170千円(前年同期比7,864千円増)、契約企業数は174社(前年同期比4社増)となりました。
3.DCR(DX Custom Resolution)
当社グループは、特定顧客の個別要件に基づくシステムを開発し、クラウド基盤上での運用を行いながら継続的な機能拡張を行う開発運用型のサービス「DCR」を提供しております。
当連結会計年度におきましては、既に提供を開始しているサービスの利活用を促進するとともに、運用の安定化に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度のDCRの売上高は、175,651千円(前年同期比3.3%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は14,670千円(前年同期比154千円減)、契約企業数は3社(前年同期比変動なし)となっております。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウド事業のセグメント売上高は3,127,016千円(前年同期比34.8%増)、セグメント利益は991,789千円(前年同期比100.7%増)となりました。
<オンプレミス事業>当社グループは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」及び社内ポータル構築ツール「Insuite®」のパッケージ・ソフトウェア(注12)ライセンス及びソフトウェアメンテナンスを提供しております。
オンプレミス環境で利用するパッケージライセンス及びソフトウェアメンテナンスの提供は、各プロダクトをSaaSとして提供する以前からの顧客に限定しており、一部の顧客から社員の増加に伴う追加ライセンスを受注したものの、SaaSへの移行などに伴いソフトウェアメンテナンスの解約が進行しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるオンプレミス事業のセグメント売上高は597,436千円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は270,455千円(13.9%増)となりました。
<プロフェッショナルサービス事業>当社グループは、SaaSプロダクト及びDCRサービス、並びにパッケージライセンスの活用促進を図るため、導入・利活用コンサルティングや、プラグインソフトウェア(注13)の開発などを支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。
当連結会計年度においては、「SmartDB®」の業務適用範囲拡大に伴いERPフロントシステムの大型プロジェクトを受注したことに加え、既存顧客向けプラグインソフトウェアの改修及び追加開発プロジェクトが堅調に推移しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるプロフェッショナルサービス事業のセグメント売上高は715,603千円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は111,679千円(前年同期比26.6%減)となりました。
(注1)SaaS(Software as a Service)
「Software as a Service」の略称。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようパッケージ・ソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。
(注2)市民開発
プログラミングなしにアプリケーションを開発することができるツールの導入を前提とし、ITの専門知識がない現場部門の従業員が主導して業務デジタル化を推進する開発スタイルのこと。当該スタイルで開発する従業員を市民開発者(シチズンディベロッパー)という。
(注3)ノーコード開発
アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置していくことで開発することができるツールを利用した開発のこと。
(注4)ERPフロントシステム
ERPなどの基幹系システムのフロントに位置し、基幹系システムと密接なデータ連携を必要とする経理・財務・人事・給与・法務などの周辺システムのこと。主に現場社員が利用し、ERPパッケージの標準機能だけではカバーしきれない周辺業務。例えば見積作成、経費精算、各種申請業務などを担う。
(注5)アップセル
現在利用中のプロダクト(又はサービス)において、より多くの人数・業務で利用してもらう、もしくはより高いグレードのプロダクト(又はサービスへ)への移行を促す営業手法のこと。
(注6)社内ポータル
自社内に散在する情報を集約し、アクセスを容易にするための入口として構築されたWebサイトのこと。情報共有によるコミュニケーションの活性化を図るほか、社内で使われている各種アプリケーションを統合する機能を持ち、業務効率化を促進するためにも使われる。
(注7)クロスセル
現在利用中のプロダクト(又はサービス)に関連させて他のプロダクトの導入を促す営業手法のこと。
(注8)ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS)
業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaSのこと。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。
(注9)組織エンゲージメント
会社組織と従業員の間で互いに信頼関係があり、きずなを感じている状態又はその指標。企業理念が従業員に浸透しており、事業計画などの目標や方向性に共感していることが重要となる。
(注10)バーティカルSaaS(Vertical SaaS)
特定の業界に特化したSaaSのこと。業界特有の業務課題を解決するために利用される。
(注11)オンプレミス(on-premises)
プレミス(premise)は「構内」「店内」などの意味。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。
(注12)パッケージ・ソフトウェア
既製品として販売されているソフトウェア製品。又は物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。
(注13)プラグインソフトウェア(plug-in software)
あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。 個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は3,948,996千円となり、前連結会計年度末に比べ、1,521,163千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加1,567,779千円によるものであり、公募増資による調達、クラウド事業にかかる契約負債の増加が主な要因となっております。クラウド事業では、契約開始時に一定期間の利用料を前払いで受領し、契約期間に応じて均等に収益を認識しており、未履行の部分については契約負債として計上しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,126,314千円となり、前連結会計年度末に比べ、552,401千円増加しました。これは主に、契約負債の増加446,532千円、課税所得の増加に伴う未払法人税等の増加60,228千円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,822,681千円となり、前連結会計年度末に比べ、968,761千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加424,290千円、当社株式上場にあたり実施した公募増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ269,192千円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,815,196千円となり、前連結会計年度末に比べ1,567,779千円増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,184,003千円(前年同期比64.2%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益563,551千円の計上、減価償却費178,063千円の計上、契約負債の増加額446,532千円及び売上債権の減少額41,174千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は162,389千円(前年同期比31.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出23,896千円、自社利用ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出138,966千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は538,269千円(前年同期は149,977千円の支出)となりました。これは主に公募増資に伴う株式の発行による収入538,384千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
クラウド事業3,127,01634.8
オンプレミス事業597,436△0.2
プロフェッショナルサービス事業715,603△4.9
合計4,440,05621.0

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、4,440,056千円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。セグメント別の売上高については以下のとおりです。
クラウド事業:当事業セグメントは、ホリゾンタルSaaS、バーティカルSaaSおよびDCR(DX Custom Resolution)の利用料で構成されております。当連結会計年度においては、Web上のプロモーションやイベント出展などのマーケティング活動を通じて新規顧客開拓を積極化したこと、既存顧客に対する利用促進活動を通じてアップセルに努めたことなどから、当セグメントの売上高は3,127,016千円(前連結会計年度比34.8%増)となりました。
オンプレミス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアのパッケージライセンスおよびソフトウェアメンテナンスの提供を行っております。SaaSへの移行促進に伴う解約等が進む一方、既存顧客からのパッケージライセンスの追加受注を受けたため、当セグメントの売上高は597,436千円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。
プロフェッショナルサービス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアおよびSaaSにかかる導入支援などの役務提供を行っております。当連結会計年度においては、ERPフロントシステムにかかる大型プロジェクトを受注したものの、前連結会計年度の水準を僅かに割り込み、当セグメントの売上高は715,603千円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。
(営業費用および営業利益)
当連結会計年度の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は3,862,406千円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。これは主にクラウド事業売上高の増加に伴う通信費(インフラコスト)の増加や昇給及び人員増に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は577,649千円(前連結会計年度比207.9%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度において、助成金収入400千円等により営業外収益が772千円、また為替差損4,111千円、上場関連費用等により8,689千円を計上し、営業外費用が14,871千円となりました。この結果、経常利益は563,551千円(前連結会計年度比210.6%増)となりました。
(特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における、特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。法人税、住民税及び事業税は、大企業賃上げ促進税制に基づく税額控除27,164千円を受け、156,263千円となりました。また、法人税等調整額は△17,003千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は424,290千円(前連結会計年度比233.8%増)となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業運営にあたり必要な運転資金の多くは、人件費、通信費(インフラコスト)、広告宣伝費等の営業費用であります。当該運転資金は、自己資金を中心に、必要に応じて借入調達することを基本方針としておりますが、今後の積極的な広告宣伝活動や、人的資本への投資により資金需要が増加する場合は、エクイティファイナンスの活用を検討する予定です。
なお、第28期連結会計年度末において、現金及び現金同等物は2,815,196千円であり、十分な資金の流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。連結会計年度末における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性であり、これらの見積り及びその基礎となる仮定は、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症については、当社業績全体に与える影響は軽微であると仮定して見積りを行っております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。割引前将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し、見積もっております。当該見積りに用いた主要な仮定は、事業計画の売上において見込まれる売上高成長率、平均月額利用料、新規契約社数等であり、過去の実績と市場傾向を勘案し、継続的な売上高の増加を織り込んでおります。
これらの見積りにおいて用いた仮定が、将来の市場環境等の変化により事業計画を修正するなど、見直しが必要になった場合、翌連結会計年度において減損損失を認識する可能性があります。
固定資産の評価方法に関する詳細は、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるため、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の算定にあたり、将来の事業計画やタックス・プランニング等をもとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。当該見積りに用いた主要な仮定は、事業計画の売上において見込まれる売上高成長率、平均月額利用料、新規契約社数等であり、過去の実績と市場傾向を勘案し、継続的な売上高の増加を織り込んでおります。
これらの見積りにおいて用いた仮定が、将来の市場環境等の変化により事業計画を修正するなど、見直しが必要になった場合、翌連結会計年度において繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社グループでは、主な経営指標として売上高成長率、売上高総利益率および営業キャッシュフローに影響を与える前受収益残高を重視しております。特に成長指標の核となる売上高については、総売上高に占めるストック売上高の比率に加え、クラウド事業の売上高成長率、導入企業数、平均月額利用料、売上継続率を重視しております。なお、連結財務諸表上において前受収益は契約負債に含めて表示しております。
第28期連結会計年度における各指標の前年同期比の増減率および四半期実績推移は以下のとおりであり、引続き対処すべき経営課題の改善をすすめ、経営成績の向上を図って参ります。
(主な経営指標)
2022年12月期
(前連結会計年度実績)
2023年12月期
(当連結会計年度実績)
前年同期比増減率
売上高(千円)3,670,3074,440,05621.0%
売上総利益(千円)1,838,6692,367,97328.8%
売上高総利益率50.1%53.3%+3.2%
前受収益残高(千円)633,6591,080,19170.5%

第28期連結会計年度における売上高は前年比21.0%増となりました。オンプレミス事業の解約やクラウドサービスへの移行などによる減少を、クラウド事業の伸長が補う形となっております。売上総利益は前年比28.8%増となりました。クラウド事業の売上が大幅に伸びたことが要因となっております。前受収益残高は前年比70.5%の増加となりました。クラウド事業の伸長に伴い、月額利用料の前受収益が増加したことが要因となっております。
(ストック売上高比率)
2022年12月期
(前連結会計年度実績)
2023年12月期
(当連結会計年度実績)
前年同期比増減率
ストック売上高(千円)2,894,7823,678,38227.1%
ストック売上高比率78.9%82.8%+4.0%

(注)ストック売上高は、クラウド事業売上高と、オンプレミス事業に含まれるパッケージライセンスにかかるメンテナンス売上高等を合算したものであります。ストック売上高比率は、総売上高に占めるストック売上高の割合です。
第28期連結会計年度におけるストック売上高比率は82.8%となり、前連結会計年度に引き続き安定した売上構成を維持しております。今後は、新規顧客の増加にともない、導入支援サービス等プロフェッショナルサービス事業への需要が増すことで、ストック売上高比率の低下を招く可能性があります。引き続きバランスの良い売上構成を目指してまいります。
(クラウド事業:ホリゾンタルSaaS)
2022年12月期
(前連結会計年度実績)
2023年12月期
(当連結会計年度実績)
前年同期比増減率
売上高(千円)1,506,6532,207,34546.5%
導入企業社数9914041.4%
平均月額利用料(千円)1,5181,483△2.3%
売上継続率91.2%123.3%+32.1%
修正売上継続率114.2%123.3%+9.1%

(注)1 ホリゾンタルSaaSは、「SmartDB®」と「INSUITE®」のクラウドサービスで構成されています。売上継続率(Net Retension Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率)
2 売上継続率は、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を、2021年12月に一括計上した影響が含まれており、修正売上継続率はその影響額を控除しております。
第28期連結会計年度におけるホリゾンタルSaaSの売上高成長率は46.5%となり、売上高は順調に伸びております。導入企業数は前年比41.4%増の140社となりました。オンラインイベント等のマーケティング施策を実施し新規顧客開拓に注力したため、導入企業数は好調に推移しております。平均月額利用料は前年比2.3%減少し1,483千円となりました。これは、新規顧客数の増加に伴い、部門導入等の小規模導入が増加したことによるものです。修正売上継続率は123.3%と好調に推移いたしました。これは、既存顧客において目立った解約がなかったこと、また、部門導入顧客において適用業務および利用ユーザー数の拡大が進展し、アップセルが順調に推移したことによります。今後も継続して積極的な利活用促進を図り、解約を抑制しつつ、アップセルを強化してまいります。なお、ホリゾンタルSaaSの売上高および売上成長率の大部分はSmartDB®が占めており、本セグメントの成長を牽引しております。
(ホリゾンタルSaaS四半期実績推移)
連結会計年度四半期売上高
(千円)(注)1
売上高成長率
(注)2
導入社数
(注)3
平均月額利用料
(千円)(注)4
売上継続率
(注)5
2019年12月期Q186,690-231,294-
Q296,892-251,328-
Q3103,584-271,294-
Q4125,969-291,462-
2020年12月期Q1139,976+61.5%331,433110.5%
Q2148,505+53.3%331,565105.3%
Q3161,304+55.7%381,435120.6%
Q4207,252+64.5%421,761104.3%
2021年12月期Q1218,222+55.9%491,487101.1%
Q2226,305+52.4%521,484115.8%
Q3244,014+51.3%591,395116.5%
Q4304,174+46.8%751,73199.0%
2022年12月期Q1326,921+49.8%811,400105.2%
Q2360,609+59.3%931,354107.9%
Q3386,638+58.4%951,373108.0%
Q4432,483+42.2%991,51891.2%
2023年12月期Q1490,724+50.1%1091,535123.4%
Q2536,115+48.7%1191,535125.1%
Q3569,841+47.4%1241,566127.0%
Q4610,664+41.2%1401,483123.3%

(注)1 SmartDB®とINSUITE®のクラウドサービス利用料の四半期合計額です。
2 前年同四半期比です。2019年12月期は前連結会計年度の売上に導入支援費等を含んでおり基準が異なるため省略しております。
3 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。
4 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。
2020年Q4の利用料増加は、大規模顧客への導入プロジェクトにおいて一時的に利用確定数よりも多いユーザーへのアクセス権を付与したことによるものです。
2021年Q4の利用料増加は、オンプレミスユーザークラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上したことによるものです。
5 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)
2022年Q4の売上継続率が大きく減少している要因は、算出の起点となる2021年12月に、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上した影響が含まれており、影響額を控除した修正売上継続率は114.2%となります。
(クラウド事業:バーティカルSaaS)
2022年12月期
(前連結会計年度実績)
2023年12月期
(当連結会計年度実績)
前年同期比増減率
売上高(千円)642,471744,02015.8%
導入企業社数1701742.4%
平均月額利用料(千円)33737411.1%
売上継続率104.8%107.7%+2.9%

(注)バーティカルSaaSは、「Shopらん®」と「店舗matic®」(株式会社ネクスウェイ経由で提供する「Shopらん®」の別ブランド)で構成されています。売上継続率(Net Retension Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率)
第28期連結会計年度におけるバーティカルSaaSの売上高成長率は15.8%となりました。「Shopらん®」はチェーンストア業界向けのサービスであり、コロナ禍の影響は少なくありませんでしたが、2022年12月期以降復調の兆しを見せております。流通小売業界向けのイベントに出展するなどのマーケティング活動を通じて、新規開拓活動を展開した結果、導入企業数は前年同期比2.4%の174社となり、堅調に推移いたしました。また、既存顧客においては、利用店舗数の拡大により、平均月額利用料は前年同期比11.1%増の374千円、売上継続率は107.7%となりました。コロナ禍を脱し、積極的なIT投資を行う顧客が増加する傾向にあると認識しており、今後は店舗運営の生産性向上に資する機能拡張、オプションの提供などを通じ、各指標の向上を図ってまいります。
(バーティカルSaaS四半期実績推移)
連結会計年度四半期売上高
(千円)(注)1
売上高成長率
(注)2
導入社数
(注)3
平均月額利用料
(千円)(注)4
売上継続率
(注)5
2019年12月期Q1132,416-122360-
Q2131,525-122365-
Q3137,111-126363-
Q4136,134-131349-
2020年12月期Q1139,527+5.4%133351103.0%
Q2134,732+2.4%141332101.5%
Q3144,208+5.2%145337103.1%
Q4148,442+9.0%147334103.8%
2021年12月期Q1149,086+6.9%153328102.5%
Q2141,586+5.1%15530695.5%
Q3144,008△0.1%16030195.3%
Q4151,102+1.8%16331094.2%
2022年12月期Q1152,486+2.3%16531094.8%
Q2155,927+10.1%167314101.0%
Q3163,297+13.4%171327102.5%
Q4170,761+13.0%170337104.8%
2023年12月期Q1175,310+15.0%169353109.6%
Q2184,915+18.6%174359108.4%
Q3189,235+15.9%174365109.3%
Q4194,559+13.9%174374107.7%

(注)1 Shopらん®利用料の四半期合計額です。
2 前年同四半期比です。2019年12月期は前連結会計年度の売上に導入支援費等を含んでおり基準が異なるため省略しております。
3 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。
4 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。
5 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)

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