有価証券報告書-第8期(2025/01/01-2025/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産合計は26,541,200千円となり、前連結会計年度末に比べ10,287,972千円の増加となりました。主な要因は、小型SAR衛星部品の購入・小型SAR衛星打上げ費用の前払い等により減少したものの、新株予約権の行使による増資、第三者割当による新株式の発行及び借入の実行等により現金及び預金が10,302,370千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定資産合計は22,832,444千円となり、前連結会計年度末に比べ10,890,336千円の増加となりました。主な要因は、小型SAR衛星の製造等により建設仮勘定が7,597,869千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債合計は5,270,746千円となり、前連結会計年度末に比べ3,041,351千円の増加となりました。主な要因は、借入の実行等より短期借入金が1,790,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,088,500千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債合計は5,309,500千円となり、前連結会計年度末に比べ783,500千円の減少となりました。これは、借入の実行をしたものの、「1年内返済予定の長期借入金」(流動負債)への振替により長期借入金が783,500千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は38,793,398千円となり、前連結会計年度末に比べて18,920,457千円の増加となりました。主な要因は、新株予約権の行使による増資、第三者割当による新株式の発行により資本金と資本剰余金がそれぞれ9,272,622千円、新株予約権が746,796千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失を371,162千円計上したことによるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、地政学的リスクや海外の主要な政策動向の不透明感による景気の下振れリスクはあるものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復基調が続くものと見込まれています。
宇宙業界においては、10年で1兆円という長期かつ大規模な支援となる「宇宙戦略基金」が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置され、2024年度からスタートした第1期では、当社は公募テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化(予算総額950億円で4社が採択済み)」に採択され、続く第2期が2025年度からスタートし、採択結果が順次公表されております。加えて、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」について、三菱電機株式会社、スカパーJSAT株式会社、三井物産株式会社が設立した株式会社トライサット・コンステレーション(以下、トライサット)が、防衛省と事業契約を締結し、協力企業の1社である当社は、トライサットと三菱電機株式会社との間で、小型SAR衛星の画像データ取得に関する業務委託契約を締結するなど、宇宙産業を日本経済における成長産業とするための政府の継続的な支援が加速している状況です。
このような状況の下、当社グループは、「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことを目指して、地球を恒常的に俯瞰する自社SAR衛星「StriX」と関連システムの開発・製造・打上を通じた衛星コンステレーションの構築と、その取得データの継続的な販売及び社会的関心度も高い自然災害・安全保障・環境リスクを軸にソリューションのラインナップの拡大に向けて、衛星データ市場の開拓に取り組んでいます。
経営管理上の重要な指標の状況
当社グループは、以下を経営管理上の重要な指標として定めています。
・総収入(売上高+補助金収入)、受注残高
総収入は6,140,883千円(前連結会計年度比144.8%増)となりました。その主な要因は、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が推進する「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の令和6年度分の納入完了及び令和7年度分の一部を売上に計上したことに加えて、防衛省が推進する安全保障用途に適した小型合成開口レーダ(SAR)衛星の宇宙実証の納入完了により、売上高が増加したことによるものです。加えて、経済産業省の実施する「中小企業イノベーション創出推進事業」(以下、経産省SBIR)及び国土交通省の「中小企業イノベーション創出推進事業」(国交省SBIR)、並びに宇宙戦略基金による補助金収入を計上したことによるものです。結果として、売上高は2,376,506千円(前連結会計年度比2.6%増)、補助金収入は3,764,376千円(前連結会計年度比1,859.5%増)となりました。
受注残高は24,960,649千円となりました。その主な要因は、経産省SBIR(交付決定額4,100,000千円)、宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」(補助事業期間の支援予定上限額:23,790,000千円、うち16,464,008,666円円が交付決定済)、内閣府宇宙開発戦略推進事務局「令和7年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」(落札金額1,067,166千円)等によるものです。なお、当該指標においては、採択された補助金収入を含めて受注残高として算出しております。
・衛星運用機数
2028年以降に30機以上の運用に向けて、設立以来、当連結会計年度末現在までに「StriX」を7機打ち上げてまいりましたが、既に最初の実証機2機及び量産実証機1機は商用運用が終了し、当連結会計年度末現在は軌道上で4機の運用を行っております。
衛星の打上げにつきましては、当連結会計年度末現在、Rocket Lab社(本社:米国)と20機の衛星打上げ契約を、SpaceX社(本社:米国)とは5機の衛星のライドシェアローンチ契約を残しており、合計で25機分の将来打上げの契約を確保しております。なお、Exolaunch社(本社:ドイツ)とは10機のSAR衛星の打上げのマルチローンチアグリーメントを締結しており、打上げ契約の代理店機能を担う同社を経由して、先述のSpaceX社の5機のうち3機の契約を確保しています。
財務面の状況
財務面においては、2025年度に実施した主な資金調達は以下です。
・オーバーアロットメントに関連した第三者割当増資
東京証券取引所グロースへの上場に伴う公募による募集株式発行に関連して、2025年1月17日を払込期日とする第三者割当増資を実施し、1,418,846千円を資金調達しました。
・シンジケートローンの締結
2025年2月20日にみずほ銀行をアレンジャー、静岡銀行をコ・アレンジャーとするシンジケートローン(コミットメント期間付タームローン、8,100,000千円)を新たに締結しました。
・新株予約権及び第三者割当増資
2025年7月28日開催の取締役会において発行決議を行いました、第三者割当による第5回新株予約権(行使価額修正条項付)について、その一部の行使により12,527,980千円を資金調達したのち、2025年12月1日付で残存する第5回新株予約権の全部を取得し、直ちに消却しました。加えて、2025年12月1日を払込期日、割当先をヒューリック株式会社とする第三者割当増資を消却した新株予約権と同株式数実施し、4,509,468千円を資金調達しました。
その他の状況
2025年3月には、世界最大の宇宙関連市場である北米・中南米地域での事業の拠点として、米国子会社を設立しました。これにより従来の日本・アジア地域での事業展開に加えて、北米・中南米地域においても現地ニーズに応じた迅速な事業活動を展開することで、当社グループの成長をより加速してまいります。
この結果、当連結会計年度における売上高は、2,376,506千円(前連結会計年度比2.6%増)、営業損失は4,137,638千円(前連結会計年度は3,070,206千円の損失)、経常損失は1,074,946千円(前連結会計年度は3,594,948千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は371,162千円(前連結会計年度は3,592,954千円の損失)となっております。
なお、当社グループは衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ10,302,370千円増加し、24,542,232千円(前連結会計年度末は14,239,861千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に得られた資金は1,656,601千円(前連結会計年度は1,798,097千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,064,529千円(前年同期は税金等調整前当期純損失3,586,493千円)となった一方で、減価償却費1,609,881千円(前年同期は減価償却費1,097,476千円)、株式報酬費用754,524千円(前年同期は株式報酬費用437,930千円)等を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は11,629,478千円(前連結会計年度は7,464,995千円の使用)となりました。これは主に、衛星製造部品等購入による有形固定資産の取得による支出10,907,909千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出7,336,512千円)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動から得られた資金は20,270,814千円(前連結会計年度は19,032,705千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入5,928,314千円(前年同期は株式の発行による収入15,159,304千円)、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,531,824千円(前年同期は新株予約権の行使による株式の発行による収入はなし)等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
(注)第8期連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。その主な要因は、経産省SBIR(交付決定額4,100,000千円)、宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」(補助事業期間の支援予定上限額:23,790,000千円)、内閣府宇宙開発戦略推進事務局「令和7年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」(落札金額1,067,166千円)等によるものです。
c.販売実績
当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項(重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
主な増減内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
主な当該内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて59,857千円(2.6%)増加し、2,376,506千円となりました。これは主に、官公庁向けの売上が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べて266,607千円(12.7%)増加し、2,368,740千円となりました。これは主に、観測衛星の減価償却費の増加や、内閣府実証及びSAR衛星の宇宙実証の直接原価などによるものであります。この結果、売上総利益は7,766千円(前連結会計年度は214,517千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて860,681千円(26.2%)増加し、4,145,405千円となりました。これは主に、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったことにより給料及び手当が127,461千円、株式報酬費用が151,342千円、販売体制拡大等により業務委託費が132,383千円、外形標準課税対象法人になったことにより租税公課が113,446千円増加したこと等によるものであります。この結果、営業損失は4,137,638千円(前連結会計年度は3,070,206千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて3,591,033千円(1,839.2%)増加し、3,786,278千円となりました。これは主に、経産省SBIR及び国交省SBIR並びに宇宙戦略基金による補助金収入が3,764,376千円発生したこと等によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度に比べて3,597千円(0.5%)増加し、723,586千円となりました。これは主に借入金による支払利息が157,777千円、支払手数料が203,373千円が増加したものの、上場関連費用が383,478千円減少したこと等によるものであります。この結果、経常損失は1,074,946千円(前連結会計年度は3,594,948千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は、16,076千円となりました。これは、新株予約権戻入益16,076千円を計上したことによるものであります。特別損失は、5,659千円となりました。これは、固定資産売却損1,058千円、固定資産除却損4,601千円を計上したことによるものであります。この結果、税金等調整前当期純損失は1,064,529千円(前連結会計年度は3,586,493千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税、住民税及び事業税9,255千円、法人税等調整額△702,621千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は371,162千円(前連結会計年度は3,592,954千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は企画から製造に必要な運転資金(研究開発費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動および広告宣伝等費用によるものです。設備資金需要につきましては、衛星製造設備投資であります。
財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、必要に応じて内部資金の活用及び第三者割当増資により資金調達を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおり、衛星の開発・製造・打ち上げ等の事業計画の進捗、衛星の製造体制、衛星の運用及び法規制等の様々なリスクの顕在化により業績に影響を受ける可能性があるものと認識しております。
したがって、内外の経営環境及び事業環境に影響を及ぼす要因に留意しつつ、適時に情報を収集・分析する体制を整備し、特に衛星の製造や運用に関するリスクに対応可能な体制を構築するとともに必要な経営上の施策を実行することにより業績に影響を与えるリスク要因の分散及び低減を図ってまいります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産合計は26,541,200千円となり、前連結会計年度末に比べ10,287,972千円の増加となりました。主な要因は、小型SAR衛星部品の購入・小型SAR衛星打上げ費用の前払い等により減少したものの、新株予約権の行使による増資、第三者割当による新株式の発行及び借入の実行等により現金及び預金が10,302,370千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定資産合計は22,832,444千円となり、前連結会計年度末に比べ10,890,336千円の増加となりました。主な要因は、小型SAR衛星の製造等により建設仮勘定が7,597,869千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債合計は5,270,746千円となり、前連結会計年度末に比べ3,041,351千円の増加となりました。主な要因は、借入の実行等より短期借入金が1,790,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,088,500千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債合計は5,309,500千円となり、前連結会計年度末に比べ783,500千円の減少となりました。これは、借入の実行をしたものの、「1年内返済予定の長期借入金」(流動負債)への振替により長期借入金が783,500千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は38,793,398千円となり、前連結会計年度末に比べて18,920,457千円の増加となりました。主な要因は、新株予約権の行使による増資、第三者割当による新株式の発行により資本金と資本剰余金がそれぞれ9,272,622千円、新株予約権が746,796千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失を371,162千円計上したことによるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、地政学的リスクや海外の主要な政策動向の不透明感による景気の下振れリスクはあるものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復基調が続くものと見込まれています。
宇宙業界においては、10年で1兆円という長期かつ大規模な支援となる「宇宙戦略基金」が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置され、2024年度からスタートした第1期では、当社は公募テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化(予算総額950億円で4社が採択済み)」に採択され、続く第2期が2025年度からスタートし、採択結果が順次公表されております。加えて、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」について、三菱電機株式会社、スカパーJSAT株式会社、三井物産株式会社が設立した株式会社トライサット・コンステレーション(以下、トライサット)が、防衛省と事業契約を締結し、協力企業の1社である当社は、トライサットと三菱電機株式会社との間で、小型SAR衛星の画像データ取得に関する業務委託契約を締結するなど、宇宙産業を日本経済における成長産業とするための政府の継続的な支援が加速している状況です。
このような状況の下、当社グループは、「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことを目指して、地球を恒常的に俯瞰する自社SAR衛星「StriX」と関連システムの開発・製造・打上を通じた衛星コンステレーションの構築と、その取得データの継続的な販売及び社会的関心度も高い自然災害・安全保障・環境リスクを軸にソリューションのラインナップの拡大に向けて、衛星データ市場の開拓に取り組んでいます。
経営管理上の重要な指標の状況
当社グループは、以下を経営管理上の重要な指標として定めています。
・総収入(売上高+補助金収入)、受注残高
総収入は6,140,883千円(前連結会計年度比144.8%増)となりました。その主な要因は、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が推進する「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の令和6年度分の納入完了及び令和7年度分の一部を売上に計上したことに加えて、防衛省が推進する安全保障用途に適した小型合成開口レーダ(SAR)衛星の宇宙実証の納入完了により、売上高が増加したことによるものです。加えて、経済産業省の実施する「中小企業イノベーション創出推進事業」(以下、経産省SBIR)及び国土交通省の「中小企業イノベーション創出推進事業」(国交省SBIR)、並びに宇宙戦略基金による補助金収入を計上したことによるものです。結果として、売上高は2,376,506千円(前連結会計年度比2.6%増)、補助金収入は3,764,376千円(前連結会計年度比1,859.5%増)となりました。
受注残高は24,960,649千円となりました。その主な要因は、経産省SBIR(交付決定額4,100,000千円)、宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」(補助事業期間の支援予定上限額:23,790,000千円、うち16,464,008,666円円が交付決定済)、内閣府宇宙開発戦略推進事務局「令和7年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」(落札金額1,067,166千円)等によるものです。なお、当該指標においては、採択された補助金収入を含めて受注残高として算出しております。
・衛星運用機数
2028年以降に30機以上の運用に向けて、設立以来、当連結会計年度末現在までに「StriX」を7機打ち上げてまいりましたが、既に最初の実証機2機及び量産実証機1機は商用運用が終了し、当連結会計年度末現在は軌道上で4機の運用を行っております。
衛星の打上げにつきましては、当連結会計年度末現在、Rocket Lab社(本社:米国)と20機の衛星打上げ契約を、SpaceX社(本社:米国)とは5機の衛星のライドシェアローンチ契約を残しており、合計で25機分の将来打上げの契約を確保しております。なお、Exolaunch社(本社:ドイツ)とは10機のSAR衛星の打上げのマルチローンチアグリーメントを締結しており、打上げ契約の代理店機能を担う同社を経由して、先述のSpaceX社の5機のうち3機の契約を確保しています。
財務面の状況
財務面においては、2025年度に実施した主な資金調達は以下です。
・オーバーアロットメントに関連した第三者割当増資
東京証券取引所グロースへの上場に伴う公募による募集株式発行に関連して、2025年1月17日を払込期日とする第三者割当増資を実施し、1,418,846千円を資金調達しました。
・シンジケートローンの締結
2025年2月20日にみずほ銀行をアレンジャー、静岡銀行をコ・アレンジャーとするシンジケートローン(コミットメント期間付タームローン、8,100,000千円)を新たに締結しました。
・新株予約権及び第三者割当増資
2025年7月28日開催の取締役会において発行決議を行いました、第三者割当による第5回新株予約権(行使価額修正条項付)について、その一部の行使により12,527,980千円を資金調達したのち、2025年12月1日付で残存する第5回新株予約権の全部を取得し、直ちに消却しました。加えて、2025年12月1日を払込期日、割当先をヒューリック株式会社とする第三者割当増資を消却した新株予約権と同株式数実施し、4,509,468千円を資金調達しました。
その他の状況
2025年3月には、世界最大の宇宙関連市場である北米・中南米地域での事業の拠点として、米国子会社を設立しました。これにより従来の日本・アジア地域での事業展開に加えて、北米・中南米地域においても現地ニーズに応じた迅速な事業活動を展開することで、当社グループの成長をより加速してまいります。
この結果、当連結会計年度における売上高は、2,376,506千円(前連結会計年度比2.6%増)、営業損失は4,137,638千円(前連結会計年度は3,070,206千円の損失)、経常損失は1,074,946千円(前連結会計年度は3,594,948千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は371,162千円(前連結会計年度は3,592,954千円の損失)となっております。
なお、当社グループは衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ10,302,370千円増加し、24,542,232千円(前連結会計年度末は14,239,861千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に得られた資金は1,656,601千円(前連結会計年度は1,798,097千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,064,529千円(前年同期は税金等調整前当期純損失3,586,493千円)となった一方で、減価償却費1,609,881千円(前年同期は減価償却費1,097,476千円)、株式報酬費用754,524千円(前年同期は株式報酬費用437,930千円)等を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は11,629,478千円(前連結会計年度は7,464,995千円の使用)となりました。これは主に、衛星製造部品等購入による有形固定資産の取得による支出10,907,909千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出7,336,512千円)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動から得られた資金は20,270,814千円(前連結会計年度は19,032,705千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入5,928,314千円(前年同期は株式の発行による収入15,159,304千円)、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,531,824千円(前年同期は新株予約権の行使による株式の発行による収入はなし)等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| 衛星データ事業 | 25,739,276 | 971.9 | 24,960,649 | 465.5 |
(注)第8期連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。その主な要因は、経産省SBIR(交付決定額4,100,000千円)、宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」(補助事業期間の支援予定上限額:23,790,000千円)、内閣府宇宙開発戦略推進事務局「令和7年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」(落札金額1,067,166千円)等によるものです。
c.販売実績
当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 衛星データ事業 | 2,376,506 | 102.6 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
| 相手先 | 第7期 連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 第8期 連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 内閣府 | 1,294,986 | 55.9 | 1,377,405 | 58.0 |
| 防衛省 | 844,342 | 36.4 | 647,627 | 27.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項(重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
主な増減内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
主な当該内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて59,857千円(2.6%)増加し、2,376,506千円となりました。これは主に、官公庁向けの売上が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べて266,607千円(12.7%)増加し、2,368,740千円となりました。これは主に、観測衛星の減価償却費の増加や、内閣府実証及びSAR衛星の宇宙実証の直接原価などによるものであります。この結果、売上総利益は7,766千円(前連結会計年度は214,517千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて860,681千円(26.2%)増加し、4,145,405千円となりました。これは主に、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったことにより給料及び手当が127,461千円、株式報酬費用が151,342千円、販売体制拡大等により業務委託費が132,383千円、外形標準課税対象法人になったことにより租税公課が113,446千円増加したこと等によるものであります。この結果、営業損失は4,137,638千円(前連結会計年度は3,070,206千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて3,591,033千円(1,839.2%)増加し、3,786,278千円となりました。これは主に、経産省SBIR及び国交省SBIR並びに宇宙戦略基金による補助金収入が3,764,376千円発生したこと等によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度に比べて3,597千円(0.5%)増加し、723,586千円となりました。これは主に借入金による支払利息が157,777千円、支払手数料が203,373千円が増加したものの、上場関連費用が383,478千円減少したこと等によるものであります。この結果、経常損失は1,074,946千円(前連結会計年度は3,594,948千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は、16,076千円となりました。これは、新株予約権戻入益16,076千円を計上したことによるものであります。特別損失は、5,659千円となりました。これは、固定資産売却損1,058千円、固定資産除却損4,601千円を計上したことによるものであります。この結果、税金等調整前当期純損失は1,064,529千円(前連結会計年度は3,586,493千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税、住民税及び事業税9,255千円、法人税等調整額△702,621千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は371,162千円(前連結会計年度は3,592,954千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は企画から製造に必要な運転資金(研究開発費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動および広告宣伝等費用によるものです。設備資金需要につきましては、衛星製造設備投資であります。
財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、必要に応じて内部資金の活用及び第三者割当増資により資金調達を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおり、衛星の開発・製造・打ち上げ等の事業計画の進捗、衛星の製造体制、衛星の運用及び法規制等の様々なリスクの顕在化により業績に影響を受ける可能性があるものと認識しております。
したがって、内外の経営環境及び事業環境に影響を及ぼす要因に留意しつつ、適時に情報を収集・分析する体制を整備し、特に衛星の製造や運用に関するリスクに対応可能な体制を構築するとともに必要な経営上の施策を実行することにより業績に影響を与えるリスク要因の分散及び低減を図ってまいります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。