有価証券報告書-第85期(2025/06/01-2026/05/31)
(1) 経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における業績は、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)、経常利益は142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
資産合計は、2,167億78百万円(前連結会計年度末比257億92百万円増加)となりました。
・流動資産:商品及び製品、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどにより153億79百万円増加
・固定資産:建設仮勘定が減少した一方、建物及び構築物(純額)が増加したことなどにより104億12百万円増加
(負債)
負債合計は、377億95百万円(前連結会計年度末比85億77百万円増加)となりました。
・流動負債:短期借入金、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより60億39百万円増加
・固定負債:退職給付に係る負債が減少した一方、繰延税金負債、長期借入金が増加したことなどにより25億38百万円増加
(純資産)
純資産合計は、1,789億83百万円(前連結会計年度末比172億14百万円増加)となりました。
・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより54億49百万円増加
・その他の包括利益累計額:為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金の増加などにより117億7百万円増加
以上の結果、自己資本比率は82.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比72百万円増加し、225億18百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、91億74百万円(前期比40億74百万円の収入の増加)となりました。
・主な増加要因:税金等調整前当期純利益161億4百万円の計上、減価償却費54億79百万円の計上、法人税等の還付額の計上16億72百万円
・主な減少要因:棚卸資産の増加66億95百万円の計上、売上債権及び契約資産の増加31億20百万円の計上、法人税等の支払額28億24百万円の計上、投資有価証券売却益16億90百万円の計上
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△54億95百万円(前期比95億61百万円の収入の減少)となりました。
・主な増加要因:定期預金の払戻による収入41億30百万円の計上、投資有価証券の売却による収入28億9百万円の計上
・主な減少要因:有形固定資産の取得による支出68億28百万円の計上、定期預金の預入による支出37億29百万円の計上
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△51億83百万円(前期比14億86百万円の収入の増加)となりました。
・主な増加要因:短期借入金の純増減額15億14百万円の計上、長期借入れによる収入11億10百万円の計上
・主な減少要因:配当金の支払額34億63百万円の計上、自己株式の取得による支出32億85百万円の計上
④ 仕入および販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するとともに、企業収益の回復を受けた設備投資の増加にも支えられ、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。海外経済については、地域ごとに景況感の差が見られるなか、中東情勢の不安定化や貿易摩擦の長期化などにより、不透明な状況が継続いたしました。
このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、国内卸売の野菜種子と資材が好調に推移したことや、海外における野菜種子と花種子の販売が増加したことに加え、為替が円安になったことから、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)となりました。品目別では、野菜種子はブロッコリー、トマト、カボチャ・スカッシュ、スイカ、花種子はトルコギキョウ、ストック、カンパニュラが好調に推移いたしました。
売上総利益は、増収および利益率の向上により大幅な増益となりました。販売費及び一般管理費は、給与水準の上昇や海外での事業拡大に伴う人員増加により人件費が大きく伸びたこと、減価償却費や消耗品費などの増加や為替影響もあり、前期比増加いたしましたが、売上総利益の増益額が販管費の増加分を吸収し、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)となりました。経常利益は、営業利益の増加と為替差損益の改善などにより、142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した固定資産売却益が剥落いたしましたが、投資有価証券売却益と受取和解金の計上などにより、121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。
2026年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は32億80百万円、営業利益は6億22百万円、経常利益は12億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億63百万円、それぞれ上回りました。なお、売上高と営業利益、経常利益は過去最高を更新いたしました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、花種子は減収となりましたが、野菜種子、資材の売上が伸びたことから、前期比増収となりました。
品目別では、野菜種子は、トマト、ブロッコリー、ダイコン、スイートコーン、ニンジンなどが増加いたしました。トマトとブロッコリーは従来品種の再評価や新品種が導入されたこと、ダイコンは新品種が拡大したことなどにより好調に推移いたしました。花種子は、花の需要停滞の影響を受け、全般的に低調でした。資材は、被覆資材、農園芸用品、ハウス部材などを中心に好調に推移いたしました。また、中東情勢の不安定化によるナフサ供給懸念を背景に、農業資材の前倒し受注が増加し、前期比で大幅な増収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は131億93百万円(前期比5億31百万円、4.2%増)、営業利益は48億35百万円(前期比74百万円、1.6%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比19億57百万円増(9.1%増)の234億2百万円となりました。
b.海外卸売事業
海外卸売事業は、野菜種子、花種子ともに売上を伸ばしたことに加え、為替要因もあり、前期比大幅な増収となりました。
地域ごとの現地通貨ベースの業績は次の通りです。北中米は、スイカ、ブロッコリー、キャベツ、レタスといった野菜種子に加え、カンパニュラやストック、トルコギキョウなどの花種子も好調に推移し、増収となりました。欧州・中近東においては、野菜種子はカボチャ・スカッシュ、トマト、ブロッコリー、ペッパー、花種子はトルコギキョウやストック、ヒマワリなどが伸長し、増収となりました。南米では、カボチャ・スカッシュ、トマト、ペッパーなどの野菜種子に加え、トルコギキョウ、キンギョソウなどの花種子も増加したほか、買収したAgritu Sementes Ltda.のタマネギ種子の寄与もあり、増収となりました。一方、アジアは、野菜種子はニガウリ、ハクサイなど、花種子はカンパニュラ、トルコギキョウは好調に推移いたしましたが、中国の市況低迷の影響などもあり、ブロッコリー、ニンジン、ヒマワリが減少し、減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は828億62百万円(前期比108億85百万円、15.1%増)、営業利益は209億81百万円(前期比9億60百万円、4.8%増)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比238億88百万円増(20.1%増)の1,429億60百万円となりました。
c.小売事業
小売事業は、通信販売分野および量販店向けホームガーデン分野において、全国的な厳しい天候要因や物価高騰の影響を受ける中、当社品種の花苗は堅調に推移いたしましたが、市場全体の低迷により、前期比で減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は40億62百万円(前期比4億68百万円、10.3%減)、営業損益は4億40百万円の損失(前期は2億56百万円の損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比20百万円減(1.4%減)の13億98百万円となりました。
d.その他
造園緑花分野は、資材や燃料の価格高騰など厳しい状況下にありましたが、公共・民間の植栽工事とマンションなどの植栽維持管理業務が順調に推移したことに加え、営業強化によりスポット工事も受注できたことから、前期比増収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は41億61百万円(前期比4億11百万円、11.0%増)、営業利益は1億84百万円(前期比78百万円、74.6%増)となりました。
また、その他の総資産は前期比1億71百万円増(8.0%増)の23億18百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
※5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。
なお、長期経営計画「PASSION2035」に基づく成長投資や株主還元の強化に対する資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等の資産効率の向上による増加運転資金の抑制など、健全な財務規律は維持しつつも、不足する額については外部資金を活用する方針としております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2027年5月期を初年度とする長期経営計画「PASSION2035」のもと、「Cultivating Tomorrow's Harvest with You(あなたと共に培う、未来の豊かさ)」をキーステートメントとして掲げ、ステークホルダーとの共創を通じて、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界の進化をけん引することを目指しております。
また、当社グループは、地域の自主性を尊重しながらグローバルでの最適化を図る「Integrated Autonomy」を経営の基本的な考え方とし、成長市場への展開、研究開発の強化、IT・DX・AIの活用及びグローバル事業基盤の強化を通じて、持続的な成長と企業価値向上の実現に取り組んでおります。
当社グループは、これらの戦略の進捗及び成果を把握するため、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益及びROEを主要な経営指標としております。
PASSION2035では、事業成長と資本効率向上の両立を図ることにより、2031年5月期及び2036年5月期において以下の定量目標の達成を目指しております。
これらの目標達成に向けて、当社グループは2031年5月期までの5年間で総額500億円の成長投資を計画しております。研究開発、グローバル展開、IT/DX/AIの活用等への投資を通じて将来の成長基盤を強化するとともに、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等を通じて資産効率の向上を図ってまいります。
また、当社グループは、資本収益性の向上を重要な経営課題として認識しております。成長投資による収益力向上に加え、資産効率の改善、政策保有株式の縮減、財務レバレッジの活用及び株主還元の強化を通じて、自己資本比率を中長期的に60%台へ適正化し、資本効率の向上に取り組んでまいります。
さらに、ROEを株主資本コストとの比較において重要な経営指標と位置付け、2031年5月期に8%以上、2036年5月期に10%以上とすることを目標としております。資本コスト及び株価を意識した経営を推進し、資本コストを上回る資本収益性の実現と、中長期的な企業価値及び株主価値の向上を目指してまいります。これは、成長投資、資本効率向上及び株主還元を一体的に推進することで、持続的な企業価値向上と市場評価の向上の好循環を実現することを目的とするものです。
株主還元については、株主資本配当率2.5%以上及び配当性向35%を目安とし、自己株式取得を機動的に実施することにより、2031年5月期までの5年間における総還元性向60%水準を目安としております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a.棚卸資産の評価見積りによる影響
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
b.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。
① 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における業績は、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)、経常利益は142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
資産合計は、2,167億78百万円(前連結会計年度末比257億92百万円増加)となりました。
・流動資産:商品及び製品、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどにより153億79百万円増加
・固定資産:建設仮勘定が減少した一方、建物及び構築物(純額)が増加したことなどにより104億12百万円増加
(負債)
負債合計は、377億95百万円(前連結会計年度末比85億77百万円増加)となりました。
・流動負債:短期借入金、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより60億39百万円増加
・固定負債:退職給付に係る負債が減少した一方、繰延税金負債、長期借入金が増加したことなどにより25億38百万円増加
(純資産)
純資産合計は、1,789億83百万円(前連結会計年度末比172億14百万円増加)となりました。
・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより54億49百万円増加
・その他の包括利益累計額:為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金の増加などにより117億7百万円増加
以上の結果、自己資本比率は82.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比72百万円増加し、225億18百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、91億74百万円(前期比40億74百万円の収入の増加)となりました。
・主な増加要因:税金等調整前当期純利益161億4百万円の計上、減価償却費54億79百万円の計上、法人税等の還付額の計上16億72百万円
・主な減少要因:棚卸資産の増加66億95百万円の計上、売上債権及び契約資産の増加31億20百万円の計上、法人税等の支払額28億24百万円の計上、投資有価証券売却益16億90百万円の計上
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△54億95百万円(前期比95億61百万円の収入の減少)となりました。
・主な増加要因:定期預金の払戻による収入41億30百万円の計上、投資有価証券の売却による収入28億9百万円の計上
・主な減少要因:有形固定資産の取得による支出68億28百万円の計上、定期預金の預入による支出37億29百万円の計上
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△51億83百万円(前期比14億86百万円の収入の増加)となりました。
・主な増加要因:短期借入金の純増減額15億14百万円の計上、長期借入れによる収入11億10百万円の計上
・主な減少要因:配当金の支払額34億63百万円の計上、自己株式の取得による支出32億85百万円の計上
④ 仕入および販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | 前期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 7,434 | 9.1 |
| 海外卸売事業(百万円) | 30,605 | 16.0 |
| 小売事業(百万円) | 2,883 | △3.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 40,923 | 13.1 |
| その他(百万円) | 3,547 | 12.5 |
| 合計(百万円) | 44,470 | 13.0 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年6月1日 至 2026年5月31日) | 前期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 13,193 | 4.2 |
| 海外卸売事業(百万円) | 82,862 | 15.1 |
| 小売事業(百万円) | 4,062 | △10.3 |
| 報告セグメント計(百万円) | 100,118 | 12.3 |
| その他(百万円) | 4,161 | 11.0 |
| 合計(百万円) | 104,280 | 12.2 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するとともに、企業収益の回復を受けた設備投資の増加にも支えられ、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。海外経済については、地域ごとに景況感の差が見られるなか、中東情勢の不安定化や貿易摩擦の長期化などにより、不透明な状況が継続いたしました。
このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、国内卸売の野菜種子と資材が好調に推移したことや、海外における野菜種子と花種子の販売が増加したことに加え、為替が円安になったことから、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)となりました。品目別では、野菜種子はブロッコリー、トマト、カボチャ・スカッシュ、スイカ、花種子はトルコギキョウ、ストック、カンパニュラが好調に推移いたしました。
売上総利益は、増収および利益率の向上により大幅な増益となりました。販売費及び一般管理費は、給与水準の上昇や海外での事業拡大に伴う人員増加により人件費が大きく伸びたこと、減価償却費や消耗品費などの増加や為替影響もあり、前期比増加いたしましたが、売上総利益の増益額が販管費の増加分を吸収し、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)となりました。経常利益は、営業利益の増加と為替差損益の改善などにより、142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した固定資産売却益が剥落いたしましたが、投資有価証券売却益と受取和解金の計上などにより、121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。
2026年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は32億80百万円、営業利益は6億22百万円、経常利益は12億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億63百万円、それぞれ上回りました。なお、売上高と営業利益、経常利益は過去最高を更新いたしました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、花種子は減収となりましたが、野菜種子、資材の売上が伸びたことから、前期比増収となりました。
品目別では、野菜種子は、トマト、ブロッコリー、ダイコン、スイートコーン、ニンジンなどが増加いたしました。トマトとブロッコリーは従来品種の再評価や新品種が導入されたこと、ダイコンは新品種が拡大したことなどにより好調に推移いたしました。花種子は、花の需要停滞の影響を受け、全般的に低調でした。資材は、被覆資材、農園芸用品、ハウス部材などを中心に好調に推移いたしました。また、中東情勢の不安定化によるナフサ供給懸念を背景に、農業資材の前倒し受注が増加し、前期比で大幅な増収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は131億93百万円(前期比5億31百万円、4.2%増)、営業利益は48億35百万円(前期比74百万円、1.6%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比19億57百万円増(9.1%増)の234億2百万円となりました。
b.海外卸売事業
海外卸売事業は、野菜種子、花種子ともに売上を伸ばしたことに加え、為替要因もあり、前期比大幅な増収となりました。
地域ごとの現地通貨ベースの業績は次の通りです。北中米は、スイカ、ブロッコリー、キャベツ、レタスといった野菜種子に加え、カンパニュラやストック、トルコギキョウなどの花種子も好調に推移し、増収となりました。欧州・中近東においては、野菜種子はカボチャ・スカッシュ、トマト、ブロッコリー、ペッパー、花種子はトルコギキョウやストック、ヒマワリなどが伸長し、増収となりました。南米では、カボチャ・スカッシュ、トマト、ペッパーなどの野菜種子に加え、トルコギキョウ、キンギョソウなどの花種子も増加したほか、買収したAgritu Sementes Ltda.のタマネギ種子の寄与もあり、増収となりました。一方、アジアは、野菜種子はニガウリ、ハクサイなど、花種子はカンパニュラ、トルコギキョウは好調に推移いたしましたが、中国の市況低迷の影響などもあり、ブロッコリー、ニンジン、ヒマワリが減少し、減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は828億62百万円(前期比108億85百万円、15.1%増)、営業利益は209億81百万円(前期比9億60百万円、4.8%増)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比238億88百万円増(20.1%増)の1,429億60百万円となりました。
c.小売事業
小売事業は、通信販売分野および量販店向けホームガーデン分野において、全国的な厳しい天候要因や物価高騰の影響を受ける中、当社品種の花苗は堅調に推移いたしましたが、市場全体の低迷により、前期比で減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は40億62百万円(前期比4億68百万円、10.3%減)、営業損益は4億40百万円の損失(前期は2億56百万円の損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比20百万円減(1.4%減)の13億98百万円となりました。
d.その他
造園緑花分野は、資材や燃料の価格高騰など厳しい状況下にありましたが、公共・民間の植栽工事とマンションなどの植栽維持管理業務が順調に推移したことに加え、営業強化によりスポット工事も受注できたことから、前期比増収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は41億61百万円(前期比4億11百万円、11.0%増)、営業利益は1億84百万円(前期比78百万円、74.6%増)となりました。
また、その他の総資産は前期比1億71百万円増(8.0%増)の23億18百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
| 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 | |
| 自己資本比率(%) | 84.9 | 85.7 | 83.1 | 84.5 | 82.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 133.3 | 107.6 | 76.8 | 78.2 | 80.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 14.8 | 17.6 | 52.2 | 56.3 | 60.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 94.3 | 106.8 | 32.2 | 14.8 | 25.4 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
※5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。
なお、長期経営計画「PASSION2035」に基づく成長投資や株主還元の強化に対する資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等の資産効率の向上による増加運転資金の抑制など、健全な財務規律は維持しつつも、不足する額については外部資金を活用する方針としております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2027年5月期を初年度とする長期経営計画「PASSION2035」のもと、「Cultivating Tomorrow's Harvest with You(あなたと共に培う、未来の豊かさ)」をキーステートメントとして掲げ、ステークホルダーとの共創を通じて、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界の進化をけん引することを目指しております。
また、当社グループは、地域の自主性を尊重しながらグローバルでの最適化を図る「Integrated Autonomy」を経営の基本的な考え方とし、成長市場への展開、研究開発の強化、IT・DX・AIの活用及びグローバル事業基盤の強化を通じて、持続的な成長と企業価値向上の実現に取り組んでおります。
当社グループは、これらの戦略の進捗及び成果を把握するため、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益及びROEを主要な経営指標としております。
PASSION2035では、事業成長と資本効率向上の両立を図ることにより、2031年5月期及び2036年5月期において以下の定量目標の達成を目指しております。
| KPI | 2026年5月期(実績) | 2031年5月期 目標 | 2036年5月期 目標 |
| 売上高 | 1,043億円 | 1,400億円 | 2,000億円 |
| 営業利益 | 131億円 | 195億円 | 350億円 |
| 営業利益率 | 12.6% | 13.9% | 17.5% |
| 当期純利益 | 122億円 | 155億円 | 280億円 |
| ROE | 7.2% | 8%以上 | 10%以上 |
これらの目標達成に向けて、当社グループは2031年5月期までの5年間で総額500億円の成長投資を計画しております。研究開発、グローバル展開、IT/DX/AIの活用等への投資を通じて将来の成長基盤を強化するとともに、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等を通じて資産効率の向上を図ってまいります。
また、当社グループは、資本収益性の向上を重要な経営課題として認識しております。成長投資による収益力向上に加え、資産効率の改善、政策保有株式の縮減、財務レバレッジの活用及び株主還元の強化を通じて、自己資本比率を中長期的に60%台へ適正化し、資本効率の向上に取り組んでまいります。
さらに、ROEを株主資本コストとの比較において重要な経営指標と位置付け、2031年5月期に8%以上、2036年5月期に10%以上とすることを目標としております。資本コスト及び株価を意識した経営を推進し、資本コストを上回る資本収益性の実現と、中長期的な企業価値及び株主価値の向上を目指してまいります。これは、成長投資、資本効率向上及び株主還元を一体的に推進することで、持続的な企業価値向上と市場評価の向上の好循環を実現することを目的とするものです。
株主還元については、株主資本配当率2.5%以上及び配当性向35%を目安とし、自己株式取得を機動的に実施することにより、2031年5月期までの5年間における総還元性向60%水準を目安としております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a.棚卸資産の評価見積りによる影響
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
b.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。