有価証券報告書-第71期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:03
【資料】
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【項目】
135項目

研究開発活動

当社グループでは、お客様の健康に役立つ商品をご提案するための研究開発、技術蓄積を旨として、「生涯健康」をスローガンに研究活動を進めております。
特に、水産・食品事業を中心として、①食品の高度(微細)加工、②食品の美味しさ・栄養成分の保持・増強、③微生物制御、④機能性素材開発、⑤環境・自然と調和した水産資源調達技術の五つの領域に注力いたしました。
その成果の例としましては、以下が挙げられます。
食品の見た目、香り、味や食感などの特徴を官能評価で数値化し、プロファイリングを行い、栄養成分や物性などの美味しさに関わる科学的な要素を分析し比較することで、理論的に食品の特徴をコントロールする取り組みを行っております。食塩を控えるなど健康志向の強い消費者に対応できるよう、減塩しても美味しさが変わらない技術を開発し、当社商品への応用展開を進めております。
新規食品カテゴリーとして、ロングライフチルド(LLC)商品の安全性担保のための基盤となる微生物的品質保証体制構築や新規殺菌技術の開発を進め、2015年4月のLLC商品4種の販売開始に貢献いたしました。
ゼリーdeゼロ特保商品「ゼリーdeゼロSPECIAL みかん/ぶどう風味」について、難消化性デキストリンを含む特定保健用食品として表示許可を取得し、2015年2月に販売を開始いたしました。
本年4月施行の新機能性表示食品制度に対応して、健康の維持及び増進に役立つことを表示した商品の販売準備を進めております。
既存機能性素材については、収率及び純度の向上などを目指した工程改善を行い、事業採算性向上に貢献しております。
DHAの継続的な摂取の重要性についての各種広報活動を進めております。新しいトピックといたしましては、グループホームに入所している軽度認知症の高齢者を対象に、1日1本以上のリサーラソーセージの摂取と1時間程度の有酸素運動を組み合わせて行った場合に、一部の認知機能指標の低下が抑制されること、介護する方の介護負担度が軽減される傾向が認められております。
エビの加工現場で用いる独自配合の浸漬剤を開発・実用化いたしました。素材が持つ美味しさを保ち、品質を向上させる技術として、特に食感の改良が認められております。
ブリやカンパチは、血合肉が変色しやすく改善が求められております。これまでに血合肉の変色を抑制できる養殖用飼料を開発・実用化しており、さらに高いレベルの品位を目指して改良を進めております。
水産加工現場から排出される未利用資源の有効利用に関する技術開発を行い、環境負荷低減の取り組みを進めております。
さらに水産・食品事業のリーディングカンパニーとして、関連学会での発表はもとより、関連セミナーにおける講師、地域小学校における理科授業の実施など、成果や技術力の情報発信に加え、社会に対する貢献活動に継続して取り組んでまいりました。
なお、当社グループの当連結会計年度の研究開発費は724百万円であります。