有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、前連結会計年度に引き続き、輸出や生産に弱さがみられながらも、緩やかな回復基調が続いておりましたが、年度末には新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な落ち込みの動きがみられ、厳しい状況にあります。
原油CIF価格は、年度当初の1バレル60ドル台半ばから回復傾向にありましたが、その後、米中間の通商問題等の影響により下落の傾向にあり、年度平均では、前連結会計年度より約4ドル低い68ドルとなりました。本年に入り、新型コロナウイルス感染拡大により景況感が悪化する中で、3月上旬の産油国の協調減産協議の決裂等を契機に原油価格は急落し、ドバイ原油価格は年度末で20ドル台半ばとなっております。
為替相場は、年度当初は1米ドル110円前後でしたが、その後100円台半ばまで円高が進行し、年度後半は円安傾向に転じたものの、年度末時点では100円台後半の水準となっております。この結果、当社グループの原油販売価格は、前連結会計年度に比べ、年度平均では下落しました。
一方、国内の天然ガス販売については、石油製品等の競合燃料との価格競争に加え、当社マーケット近傍での他社によるLNG受入基地や関連パイプライン等の供給インフラ整備を巡る動きの活発化や、電力・ガス小売全面自由化を機にエネルギー業界全体で従来の供給エリア外への進出が進んだこと等で競争が激化し、市場環境は当社グループにとって引き続き厳しい状況にありました。
このような状況のもとで、当社グループは、2018年5月に公表した「長期ビジョン2030・中期事業計画2018-2022」に基づき、鋭意事業を推進しております。
当連結会計年度の売上高は318,822百万円と前連結会計年度に比べ50,842百万円の増収(+19.0%)となり、売上総利益は、47,042百万円と前連結会計年度に比べ12,196百万円の増益(+35.0%)となりました。前連結会計年度に比べ増収増益となった主な要因は、売上高は、原油及びJACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売数量が増加したことなどにより増収となりました。売上総利益は、主にオイルサンド事業における販売数量増に加え、重軽格差(カナダ産重質油と軽質油であるWTIとの価格差)の縮小により希釈ビチューメンの販売価格が上昇し、採算が改善したことなどにより増益となりました。
探鉱費は、893百万円と前連結会計年度に比べ104百万円増加(+13.3%)し、販売費及び一般管理費は31,864百万円と前連結会計年度に比べ121百万円増加(+0.4%)したものの、営業利益は14,283百万円と前連結会計年度に比べ11,970百万円の増益(+517.4%)となりました。
経常利益は、主に持分法による投資利益が減少したことや、前連結会計年度における資産除去債務戻入益が減少したものの、受取配当金が増加したことや、為替差損が為替差益に転じたことなどにより、32,635百万円と前連結会計年度に比べ20,112百万円の増益(+160.6%)となりました。
税金等調整前当期純利益は、主に固定資産売却益が減少し、余目油田に係る事業用資産の減損損失を計上したものの、前連結会計年度に比べ18,829百万円増益の31,903百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12,044百万円増益の26,815百万円となりました。
なお、売上高の内訳は次のとおりであります。
(イ)原油・天然ガス
原油・天然ガス(液化天然ガス(LNG)、希釈ビチューメンを含む)の売上高は、主に原油及び希釈ビチューメンの販売数量が増加したことに伴い、259,804百万円と前連結会計年度に比べ44,374百万円の増収(+20.6%)となりました。
(ロ)請負
請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)の売上高は、15,003百万円と前連結会計年度に比べ7,661百万円の増収(+104.3%)となりました。
(ハ)その他
液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売、天然ガス等の受託輸送及びその他業務受託等の売上高は、44,014百万円と前連結会計年度に比べ1,193百万円の減収(△2.6%)となりました。
主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
日本
日本セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(LNG含む)、請負、石油製品等により構成されております。当連結会計年度における売上高は、原油及び天然ガスの販売価格が下落したものの、原油及び天然ガスの販売数量が増加したことなどにより、268,373百万円と前連結会計年度に比べ36,266百万円の増収(+15.6%)となりました。セグメント利益は、原油及び天然ガスの販売価格の下落などにより、前連結会計年度に比べ474百万円減益(△2.5%)の18,834百万円となりました。
北米
北米セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(希釈ビチューメン含む)により構成されております。当連結会計年度における売上高は、JACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売数量の増加などにより、48,703百万円と前連結会計年度に比べ14,433百万円の増収(+42.1%)となりました。セグメント損益は、オイルサンド事業における重軽格差の縮小による希釈ビチューメンの販売収支の改善などにより、3,422百万円のセグメント利益(前連結会計年度は9,751百万円のセグメント損失)となりました。
欧州
欧州セグメントにおいては、英領北海アバディーン沖合に位置する海上鉱区での開発作業を実施しております。当連結会計年度におけるセグメント損失は、164百万円(前連結会計年度は157百万円のセグメント損失)となりました。
中東
中東セグメントの売上高は、原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、販売数量の増加などにより、43,890百万円と前連結会計年度に比べ29,073百万円の増収(+196.2%)となりました。セグメント利益は、前述の売上高が増収したものの売上原価の増加により、612百万円と前連結会計年度に比べ342百万円の減益(△35.9%)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ28,155百万円減少し、627,132百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ46,966百万円の増加となりました。これは、現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が、それぞれ増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ75,122百万円の減少となりました。これは、投資有価証券において時価が下落したこと、有形固定資産において減価償却が進んだことに伴い、それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ18,155百万円減少し、186,975百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ3,359百万円の増加となりました。これは、流動負債のその他に含めている前受金が減少した一方で、支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ21,515百万円の減少となりました。これは、繰延税金負債において前述の投資有価証券の時価下落に伴い減少したこと、長期借入金において1年以内の借入金を流動負債へ振替えたことに伴い、それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9,999百万円減少し、440,157百万円となりました。
これは、利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金が減少したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ37,625百万円増加し、138,259百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は69,895百万円となりました。これは主に、生産物回収勘定の回収額41,040百万円及び税金等調整前当期純利益31,903百万円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18,701百万円となりました。これは主に、利息及び配当金の受取額18,820百万円などの資金を得ましたが、生産物回収勘定の支出30,226百万円、有形固定資産の取得による支出7,566百万円などの資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13,743百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6,307百万円、利息の支払額4,729百万円、配当金の支払額3,141百万円などの資金を使用したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
・北米
・中東
(注)1.天然ガスの生産量の一部は、液化天然ガスの原料として使用しております。
2.ビチューメンとはオイルサンド層から採取される超重質油です。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
・北米
・中東
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」には天然ガス・石油製品の受託輸送及びその他業務受託等が含まれております。
3.希釈ビチューメンとはパイプライン輸送のために超軽質油で希釈したビチューメンです。
4.主要な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度においては総販売実績の100分の10を占める販売先がないため、記載を省略しております。
5.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 当社グループの埋蔵量
2020年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。
(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)
国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)
海外:カナダオイルサンド㈱(5.42%)、JAPEX Montney Ltd.(45.00%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)
2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。
上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。
埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により2007年に策定されたPetroleum Resources Management System(PRMS)が国際的な基準として知られています。
上表の確認埋蔵量は、2018年に改定されたPRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。
なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。
当社は、従来よりPRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。
また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した2020年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認可採埋蔵量の約68%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者評価・鑑定を委託しております。また、海外については、Japan Canada Oil Sands Limitedが保有する鉱区エリアにおけるビチューメン埋蔵量について、GLJ Petroleum Consultants Ltd.による第三者評価[2]を受けているほか、JAPEX Montney Ltd.、Japex (U.S.) Corp.、JAPEX UK E&P Ltd.及びKangean Energy Indonesia Ltd.の埋蔵量について第三者評価を受けており、上表の2020年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約67%に相当する部分[3]について第三者評価を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は従来より近似しており、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。
埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。
[1] 原油・ビチューメン1kl=天然ガス1,033.1m3(1BOE=5.8Mscf)として計算しております。
[2] 石油評価技術者協会(Society of Petroleum Evaluation Engineers (Calgary Chapter))他による評価基準(Canadian Oil and Gas Evaluation Handbook)に基づく第三者評価。
[3] [1]と同様。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、下記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、前連結会計年度に比べ120億円増益の268億円となりました。この主たる増減要因を各段階利益ごとに以下に分析します。
図表1:当期純利益の主な増減要因(前期比)

(営業損益+119億円)
営業利益の119億円増益の要因は、国内事業8億円の減益と海外事業128億円の増益からなります。
a.国内事業
国内事業は日本セグメントに含まれる当社及び国内連結子会社を対象としております。国内事業には日本セグメントのセグメント利益に含まれていない全社費用(主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び試験研究費等)を含んで算出しております。
国内事業の8億円減益の主な要因は、原油及び天然ガスの販売価格の下落によるものであります。下記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、原油CIF価格は前連結会計年度の71.94米ドル/バレルから当連結会計年度は68.11米ドル/バレルと3.83米ドル/バレル(△5.3%)下落しており、国産原油の価格効果として10億円の減益要因となっております。同様に天然ガスの販売価格は前連結会計年度の52.62円/㎥から当連結会計年度は51.22円/㎥と1.40円/㎥(△2.7%)下落しており、国産天然ガスの価格効果として4億円の減益要因となっております。
国産原油の販売数量は、岩船沖1,900m層追加開発による増産が寄与したことにより、304千klと前連結会計年度に比べ43千kl(+16.6%)増加し、国産原油の数量効果として21億円の増益要因となっております。天然ガスの販売数量は、全体では、福島県・相馬港における福島天然ガス発電所の試運転に必要なガスの供給を行ったことなどにより1,268百万㎥と前連結会計年度に比べ24百万㎥増加(+2.0%)となったものの、国産天然ガスが減退により582百万㎥と前連結会計年度に比べ48百万㎥(△7.7%)減少したため、国産天然ガスの数量効果としては25億円の減益要因となっております。
図表2:原油価格・為替等の前期比較

b.海外事業
海外事業は、主に北米セグメントに含まれるJACOS及びJML、中東セグメントに含まれる㈱ジャペックスガラフを対象としております。
海外事業の128億円増益の主な要因は、JACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメン販売価格の上昇並びに数量の増加によるものであります。
上記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、希釈ビチューメンの販売価格は、WTIが前連結会計年度の64.75米ドル/バレルから当連結会計年度は57.14米ドル/バレルと7.61米ドル/バレル(△11.8%)下落しているものの、アルバータ州政府による生産制限等の影響により重軽格差が縮小したことにより、希釈ビチューメンの販売価格は前連結会計年度の36.67米ドル/バレルから当連結会計年度は39.85米ドル/バレルと3.18米ドル/バレル(+8.7%)上昇いたしました。希釈ビチューメンの価格効果として21億円の増益要因となっております。
販売数量は同鉱区におけるビチューメンの生産が順調に推移したことから1,639千klと前連結会計年度に比べ463千kl増加(+39.4%)となり、希釈ビチューメンの数量効果として127億円の増益要因となっております。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ201億円増益(+160.6%)の326億円となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、201億円増益の要因は、上述の営業利益の増加に加えて、営業外損益の81億円増益からなります。
(営業外損益+81億円)
為替差損益77億円の改善は、主にJMLの米ドル建ての借入金に係る加ドルへの為替換算差額が差損から差益に転じたことによるものであります。
持分法による投資損益の5億円の減益は、サハリン石油ガス開発㈱において原油の販売数量が増加したことによる増加要因があったものの、Energi Mega Pratama Inc.においてカンゲアン鉱区内のTSBガス田群の一部であるシラスンガス田及びバトゥールガス田の生産開始に伴う減価償却費が増加したことによる減益要因が上回ったことによるものであります。
その他の営業外損益の10億円増益は、前連結会計年度においてJACOSのハンギングストーン鉱区3.75セクション地域(DEMOエリア)のオイルサンド権益等の譲渡に伴う資産除去債務戻入益が32億円減少したことや受取配当金が35億円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ188億円増益の319億円となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、188億円増益の要因は、上述の経常利益の増加と特別損益の12億円の減益からなります。
特別損益は、前連結会計年度における固定資産売却益が7億円減少したことに加え、当社において原油価格の下落を端緒として余目油田における事業状況を踏まえて再検討を行い、将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、余目油田に係る事業用資産の減損損失を5億円計上したことなどによります。
親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べ120億円増益の268億円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、120億円増益の要因は、上述の税金等調整前当期純利益の増加及び法人税等並びに非支配株主損益67億円減益からなります。
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は47億円(前連結会計年度に比べ60億円増加)となりました。これは、主にJAPEX UK E&P Ltd.で開発に対する最終投資決定による繰延税金資産の計上15億円があったものの、前連結会計年度における当社や㈱ジャペックスガラフにおける一過性要因剥落等による税金費用の増加56億円や当連結会計年度におけるJACOSの税金費用12億円の発生によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(基本方針)
当社グループでは、事業継続及び新規投資等のために必要となる資金について、「有利子負債/EBITDA<2」を目安とした財務規律のもと、財務の健全性を維持しつつ確保することとしております。前連結会計年度と当連結会計年度の同倍率の推移は、下記の図表3「EBITDA有利子負債倍率の推移」に示す通りであります。
図表3:EBITDA有利子負債倍率の推移

(調達手段)
当社グループでは、資金需要に応じて、内部資金及び銀行借入を有効に活用することにより、必要資金を確保しております。
運転資金は、主に内部資金により賄っており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金の効率化及び流動性の確保を図っております。
国内の設備投資や海外事業投資等のために必要となる資金については、投資額が多額となる場合等、手元流動性とのバランスやその投資の性質を勘案し、政府系金融機関を含む銀行等からの長期借入により調達しております。当連結会計年度末の長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は、1,256億円となっており、主な内訳は、カナダ国におけるオイルサンド開発資金及びシェールガス開発資金宛て借入が各々654億円、588億円であります。
なお、海外事業投資に備え、外貨を調達する場合等には、為替変動リスクをヘッジすることを目的として適宜、為替予約等を締結しております。
また、機動的な資金調達を目的として、複数の取引銀行と円及び米ドル等での借入が可能な貸出コミットメント契約を締結しております。
(資金使途・配分方法)
a.連結財務状況及び資金配分方針
当社グループでは、下記の図表4「2019~2022年度の資金配分方針と実績・見通し」に示す通り、2019年度に掲げた2022年度までの資金配分方針を継続することとしております。2022年度の連結財務状況及び資金配分方針は、前述の財務規律のもと「E&P:非E&P=1:1」を目安とした成長投資を推進するとともに、長期安定配当を基本方針に中長期的にさらなる株主還元の拡充を目指しております。また、有利子負債残高については、約1,000~1,200億円程度まで圧縮することを目指しております。
図表4:2019~2022年度の資金配分方針と実績・見通し

b.保有資金の考え方
E&P事業に関しては、多額の投資を要する一方、事業に着手してから投資額を回収するまで長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境が変化するリスクに晒されます。このような事業特性に照らし、円滑な事業運営に必要な水準の手元流動性を確保できるように月次にて資金計画を作成する等の方法により、資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
当連結会計年度において、不確実性の高い会計上の見積りとして、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性があります。これらの項目は、その判断において当社グループが主たる事業活動から将来にわたり稼得する収益や生み出すキャッシュ・フローの見積りに大きく依拠しており、特に原油価格や為替などの市況要因と埋蔵量の見積りの影響を直接的に受けることになります。原油価格は、米中間の通商問題等の影響により下落傾向にあったところ、さらに2020年に入ってからは、3月上旬の産油国の協調減産協議の決裂等を契機に原油価格は急落しました。この影響は翌連結会計年度にわたり発現するものの、その後は従来の水準まで回復するとの仮定を置いております。
しかしながら、現在の仮定よりも低油価の状況が長期化する可能性、あるいは油ガス田の開発計画の大幅な見直しや将来的な長期の原油価格見通しの引き下げ等により埋蔵量が著しく減少する可能性があります。これらにより収益やキャッシュ・フローが今後さらに減少するものと見積られる場合には、連結貸借対照表に計上されている固定資産について減損損失を計上する可能性や繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご覧ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、前連結会計年度に引き続き、輸出や生産に弱さがみられながらも、緩やかな回復基調が続いておりましたが、年度末には新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な落ち込みの動きがみられ、厳しい状況にあります。
原油CIF価格は、年度当初の1バレル60ドル台半ばから回復傾向にありましたが、その後、米中間の通商問題等の影響により下落の傾向にあり、年度平均では、前連結会計年度より約4ドル低い68ドルとなりました。本年に入り、新型コロナウイルス感染拡大により景況感が悪化する中で、3月上旬の産油国の協調減産協議の決裂等を契機に原油価格は急落し、ドバイ原油価格は年度末で20ドル台半ばとなっております。
為替相場は、年度当初は1米ドル110円前後でしたが、その後100円台半ばまで円高が進行し、年度後半は円安傾向に転じたものの、年度末時点では100円台後半の水準となっております。この結果、当社グループの原油販売価格は、前連結会計年度に比べ、年度平均では下落しました。
一方、国内の天然ガス販売については、石油製品等の競合燃料との価格競争に加え、当社マーケット近傍での他社によるLNG受入基地や関連パイプライン等の供給インフラ整備を巡る動きの活発化や、電力・ガス小売全面自由化を機にエネルギー業界全体で従来の供給エリア外への進出が進んだこと等で競争が激化し、市場環境は当社グループにとって引き続き厳しい状況にありました。
このような状況のもとで、当社グループは、2018年5月に公表した「長期ビジョン2030・中期事業計画2018-2022」に基づき、鋭意事業を推進しております。
当連結会計年度の売上高は318,822百万円と前連結会計年度に比べ50,842百万円の増収(+19.0%)となり、売上総利益は、47,042百万円と前連結会計年度に比べ12,196百万円の増益(+35.0%)となりました。前連結会計年度に比べ増収増益となった主な要因は、売上高は、原油及びJACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売数量が増加したことなどにより増収となりました。売上総利益は、主にオイルサンド事業における販売数量増に加え、重軽格差(カナダ産重質油と軽質油であるWTIとの価格差)の縮小により希釈ビチューメンの販売価格が上昇し、採算が改善したことなどにより増益となりました。
探鉱費は、893百万円と前連結会計年度に比べ104百万円増加(+13.3%)し、販売費及び一般管理費は31,864百万円と前連結会計年度に比べ121百万円増加(+0.4%)したものの、営業利益は14,283百万円と前連結会計年度に比べ11,970百万円の増益(+517.4%)となりました。
経常利益は、主に持分法による投資利益が減少したことや、前連結会計年度における資産除去債務戻入益が減少したものの、受取配当金が増加したことや、為替差損が為替差益に転じたことなどにより、32,635百万円と前連結会計年度に比べ20,112百万円の増益(+160.6%)となりました。
税金等調整前当期純利益は、主に固定資産売却益が減少し、余目油田に係る事業用資産の減損損失を計上したものの、前連結会計年度に比べ18,829百万円増益の31,903百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12,044百万円増益の26,815百万円となりました。
なお、売上高の内訳は次のとおりであります。
(イ)原油・天然ガス
原油・天然ガス(液化天然ガス(LNG)、希釈ビチューメンを含む)の売上高は、主に原油及び希釈ビチューメンの販売数量が増加したことに伴い、259,804百万円と前連結会計年度に比べ44,374百万円の増収(+20.6%)となりました。
(ロ)請負
請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)の売上高は、15,003百万円と前連結会計年度に比べ7,661百万円の増収(+104.3%)となりました。
(ハ)その他
液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売、天然ガス等の受託輸送及びその他業務受託等の売上高は、44,014百万円と前連結会計年度に比べ1,193百万円の減収(△2.6%)となりました。
主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
日本
日本セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(LNG含む)、請負、石油製品等により構成されております。当連結会計年度における売上高は、原油及び天然ガスの販売価格が下落したものの、原油及び天然ガスの販売数量が増加したことなどにより、268,373百万円と前連結会計年度に比べ36,266百万円の増収(+15.6%)となりました。セグメント利益は、原油及び天然ガスの販売価格の下落などにより、前連結会計年度に比べ474百万円減益(△2.5%)の18,834百万円となりました。
北米
北米セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(希釈ビチューメン含む)により構成されております。当連結会計年度における売上高は、JACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売数量の増加などにより、48,703百万円と前連結会計年度に比べ14,433百万円の増収(+42.1%)となりました。セグメント損益は、オイルサンド事業における重軽格差の縮小による希釈ビチューメンの販売収支の改善などにより、3,422百万円のセグメント利益(前連結会計年度は9,751百万円のセグメント損失)となりました。
欧州
欧州セグメントにおいては、英領北海アバディーン沖合に位置する海上鉱区での開発作業を実施しております。当連結会計年度におけるセグメント損失は、164百万円(前連結会計年度は157百万円のセグメント損失)となりました。
中東
中東セグメントの売上高は、原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、販売数量の増加などにより、43,890百万円と前連結会計年度に比べ29,073百万円の増収(+196.2%)となりました。セグメント利益は、前述の売上高が増収したものの売上原価の増加により、612百万円と前連結会計年度に比べ342百万円の減益(△35.9%)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ28,155百万円減少し、627,132百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ46,966百万円の増加となりました。これは、現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が、それぞれ増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ75,122百万円の減少となりました。これは、投資有価証券において時価が下落したこと、有形固定資産において減価償却が進んだことに伴い、それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ18,155百万円減少し、186,975百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ3,359百万円の増加となりました。これは、流動負債のその他に含めている前受金が減少した一方で、支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ21,515百万円の減少となりました。これは、繰延税金負債において前述の投資有価証券の時価下落に伴い減少したこと、長期借入金において1年以内の借入金を流動負債へ振替えたことに伴い、それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9,999百万円減少し、440,157百万円となりました。
これは、利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金が減少したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ37,625百万円増加し、138,259百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は69,895百万円となりました。これは主に、生産物回収勘定の回収額41,040百万円及び税金等調整前当期純利益31,903百万円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18,701百万円となりました。これは主に、利息及び配当金の受取額18,820百万円などの資金を得ましたが、生産物回収勘定の支出30,226百万円、有形固定資産の取得による支出7,566百万円などの資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13,743百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6,307百万円、利息の支払額4,729百万円、配当金の支払額3,141百万円などの資金を使用したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | 302,392 | 14.3 |
| 天然ガス(千㎥) | 649,668 | △4.7 | |
| 液化天然ガス(t) | 4,405 | △21.3 | |
| ビチューメン(kl) | - | - | |
・北米
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | 45,780 | △0.5 |
| 天然ガス(千㎥) | 434,194 | △11.1 | |
| 液化天然ガス(t) | - | - | |
| ビチューメン(kl) | 1,130,169 | 39.1 | |
・中東
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | 867,517 | 2.5 |
| 天然ガス(千㎥) | - | - | |
| 液化天然ガス(t) | - | - | |
| ビチューメン(kl) | - | - | |
(注)1.天然ガスの生産量の一部は、液化天然ガスの原料として使用しております。
2.ビチューメンとはオイルサンド層から採取される超重質油です。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||||
| 数量 | 金額 (百万円) | 数量 | 金額 | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | 2,876,853 | 124,985 | 56.3 | 37.1 |
| 天然ガス(千㎥) | 1,268,448 | 64,965 | 2.0 | △0.7 | |
| 液化天然ガス(t) | 273,312 | 19,395 | △15.2 | △15.4 | |
| 希釈ビチューメン(kl) | - | - | - | - | |
| 小計 | 209,346 | 16.6 | |||
| 請負 | 15,003 | 104.3 | |||
| その他 | 石油製品・商品 | 37,502 | △5.8 | ||
| その他 | 6,512 | 20.9 | |||
| 小計 | 44,014 | △2.6 | |||
| 合計 | 268,365 | 15.6 | |||
・北米
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||||
| 数量 | 金額 (百万円) | 数量 | 金額 | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | 47,391 | 1,412 | △2.3 | △20.2 |
| 天然ガス(千㎥) | 431,147 | 2,265 | △11.6 | △5.0 | |
| 液化天然ガス(t) | - | - | - | - | |
| 希釈ビチューメン(kl) | 1,639,689 | 45,025 | 39.4 | 49.5 | |
| 小計 | 48,703 | 42.1 | |||
| 請負 | - | - | |||
| その他 | 石油製品・商品 | - | - | ||
| その他 | - | - | |||
| 小計 | - | - | |||
| 合計 | 48,703 | 42.1 | |||
・中東
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | ||||
| 数量 | 金額 (百万円) | 数量 | 金額 | ||
| 原油・天然ガス | 原油(kl) | - | 1,754 | - | 8.2 |
| 天然ガス(千㎥) | - | - | - | - | |
| 液化天然ガス(t) | - | - | - | - | |
| 希釈ビチューメン(kl) | - | - | - | - | |
| 小計 | 1,754 | 8.2 | |||
| 請負 | - | - | |||
| その他 | 石油製品・商品 | - | - | ||
| その他 | - | - | |||
| 小計 | - | - | |||
| 合計 | 1,754 | 8.2 | |||
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」には天然ガス・石油製品の受託輸送及びその他業務受託等が含まれております。
3.希釈ビチューメンとはパイプライン輸送のために超軽質油で希釈したビチューメンです。
4.主要な販売先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度においては総販売実績の100分の10を占める販売先がないため、記載を省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | ||
| BP Singapore Pte.Ltd. | - | - | 34,707 | 10.9 | |
5.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 当社グループの埋蔵量
2020年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。
| 確認埋蔵量 | 連結対象会社 | 持分法適用会社 | 合計 | |||||||||||
| 国内 | 海外 | 小計 | ||||||||||||
| 原油 千kl | ガス 百万㎥ | 原油 千kl | ビチューメン 千kl | ガス 百万㎥ | 原油 千kl | ビチューメン 千kl | ガス 百万㎥ | 原油 千kl | ガス 百万㎥ | 原油 千kl | ビチューメン 千kl | ガス 百万㎥ | ||
| 2019年3月31日現在 | 2,508 | 7,862 | 16,502 | 21,153 | 7,729 | 19,009 | 21,153 | 15,591 | 4,986 | 1,278 | 23,995 | 21,153 | 16,869 | |
| 拡張及び発見等による増加 | - | - | 785 | - | 1,642 | 785 | - | 1,642 | - | - | 785 | - | 1,642 | |
| 前期評価の修正による増減 | △9 | 130 | △3,316 | △148 | △172 | △3,326 | △148 | △41 | △136 | 612 | △3,462 | △148 | 570 | |
| 買収・売却による増減 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | |
| 生産による減少 | △303 | △689 | △957 | △1,040 | △431 | △1,259 | △1,040 | △1,121 | △579 | △478 | △1,838 | △1,040 | △1,598 | |
| 2020年3月31日現在 | 2,195 | 7,303 | 13,014 | 19,965 | 8,769 | 15,210 | 19,965 | 16,072 | 4,270 | 1,412 | 19,480 | 19,965 | 17,483 | |
(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)
国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)
海外:カナダオイルサンド㈱(5.42%)、JAPEX Montney Ltd.(45.00%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)
2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。
上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。
埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により2007年に策定されたPetroleum Resources Management System(PRMS)が国際的な基準として知られています。
上表の確認埋蔵量は、2018年に改定されたPRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。
なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。
当社は、従来よりPRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。
また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した2020年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認可採埋蔵量の約68%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者評価・鑑定を委託しております。また、海外については、Japan Canada Oil Sands Limitedが保有する鉱区エリアにおけるビチューメン埋蔵量について、GLJ Petroleum Consultants Ltd.による第三者評価[2]を受けているほか、JAPEX Montney Ltd.、Japex (U.S.) Corp.、JAPEX UK E&P Ltd.及びKangean Energy Indonesia Ltd.の埋蔵量について第三者評価を受けており、上表の2020年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約67%に相当する部分[3]について第三者評価を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は従来より近似しており、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。
埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。
[1] 原油・ビチューメン1kl=天然ガス1,033.1m3(1BOE=5.8Mscf)として計算しております。
[2] 石油評価技術者協会(Society of Petroleum Evaluation Engineers (Calgary Chapter))他による評価基準(Canadian Oil and Gas Evaluation Handbook)に基づく第三者評価。
[3] [1]と同様。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、下記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、前連結会計年度に比べ120億円増益の268億円となりました。この主たる増減要因を各段階利益ごとに以下に分析します。
図表1:当期純利益の主な増減要因(前期比)

(営業損益+119億円)
営業利益の119億円増益の要因は、国内事業8億円の減益と海外事業128億円の増益からなります。
a.国内事業
国内事業は日本セグメントに含まれる当社及び国内連結子会社を対象としております。国内事業には日本セグメントのセグメント利益に含まれていない全社費用(主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び試験研究費等)を含んで算出しております。
国内事業の8億円減益の主な要因は、原油及び天然ガスの販売価格の下落によるものであります。下記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、原油CIF価格は前連結会計年度の71.94米ドル/バレルから当連結会計年度は68.11米ドル/バレルと3.83米ドル/バレル(△5.3%)下落しており、国産原油の価格効果として10億円の減益要因となっております。同様に天然ガスの販売価格は前連結会計年度の52.62円/㎥から当連結会計年度は51.22円/㎥と1.40円/㎥(△2.7%)下落しており、国産天然ガスの価格効果として4億円の減益要因となっております。
国産原油の販売数量は、岩船沖1,900m層追加開発による増産が寄与したことにより、304千klと前連結会計年度に比べ43千kl(+16.6%)増加し、国産原油の数量効果として21億円の増益要因となっております。天然ガスの販売数量は、全体では、福島県・相馬港における福島天然ガス発電所の試運転に必要なガスの供給を行ったことなどにより1,268百万㎥と前連結会計年度に比べ24百万㎥増加(+2.0%)となったものの、国産天然ガスが減退により582百万㎥と前連結会計年度に比べ48百万㎥(△7.7%)減少したため、国産天然ガスの数量効果としては25億円の減益要因となっております。
図表2:原油価格・為替等の前期比較

b.海外事業
海外事業は、主に北米セグメントに含まれるJACOS及びJML、中東セグメントに含まれる㈱ジャペックスガラフを対象としております。
海外事業の128億円増益の主な要因は、JACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメン販売価格の上昇並びに数量の増加によるものであります。
上記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、希釈ビチューメンの販売価格は、WTIが前連結会計年度の64.75米ドル/バレルから当連結会計年度は57.14米ドル/バレルと7.61米ドル/バレル(△11.8%)下落しているものの、アルバータ州政府による生産制限等の影響により重軽格差が縮小したことにより、希釈ビチューメンの販売価格は前連結会計年度の36.67米ドル/バレルから当連結会計年度は39.85米ドル/バレルと3.18米ドル/バレル(+8.7%)上昇いたしました。希釈ビチューメンの価格効果として21億円の増益要因となっております。
販売数量は同鉱区におけるビチューメンの生産が順調に推移したことから1,639千klと前連結会計年度に比べ463千kl増加(+39.4%)となり、希釈ビチューメンの数量効果として127億円の増益要因となっております。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ201億円増益(+160.6%)の326億円となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、201億円増益の要因は、上述の営業利益の増加に加えて、営業外損益の81億円増益からなります。
(営業外損益+81億円)
為替差損益77億円の改善は、主にJMLの米ドル建ての借入金に係る加ドルへの為替換算差額が差損から差益に転じたことによるものであります。
持分法による投資損益の5億円の減益は、サハリン石油ガス開発㈱において原油の販売数量が増加したことによる増加要因があったものの、Energi Mega Pratama Inc.においてカンゲアン鉱区内のTSBガス田群の一部であるシラスンガス田及びバトゥールガス田の生産開始に伴う減価償却費が増加したことによる減益要因が上回ったことによるものであります。
その他の営業外損益の10億円増益は、前連結会計年度においてJACOSのハンギングストーン鉱区3.75セクション地域(DEMOエリア)のオイルサンド権益等の譲渡に伴う資産除去債務戻入益が32億円減少したことや受取配当金が35億円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ188億円増益の319億円となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、188億円増益の要因は、上述の経常利益の増加と特別損益の12億円の減益からなります。
特別損益は、前連結会計年度における固定資産売却益が7億円減少したことに加え、当社において原油価格の下落を端緒として余目油田における事業状況を踏まえて再検討を行い、将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、余目油田に係る事業用資産の減損損失を5億円計上したことなどによります。
親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べ120億円増益の268億円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。上記の図表1「当期純利益の主な増減要因(前期比)」に示すように、120億円増益の要因は、上述の税金等調整前当期純利益の増加及び法人税等並びに非支配株主損益67億円減益からなります。
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は47億円(前連結会計年度に比べ60億円増加)となりました。これは、主にJAPEX UK E&P Ltd.で開発に対する最終投資決定による繰延税金資産の計上15億円があったものの、前連結会計年度における当社や㈱ジャペックスガラフにおける一過性要因剥落等による税金費用の増加56億円や当連結会計年度におけるJACOSの税金費用12億円の発生によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(基本方針)
当社グループでは、事業継続及び新規投資等のために必要となる資金について、「有利子負債/EBITDA<2」を目安とした財務規律のもと、財務の健全性を維持しつつ確保することとしております。前連結会計年度と当連結会計年度の同倍率の推移は、下記の図表3「EBITDA有利子負債倍率の推移」に示す通りであります。
図表3:EBITDA有利子負債倍率の推移

(調達手段)
当社グループでは、資金需要に応じて、内部資金及び銀行借入を有効に活用することにより、必要資金を確保しております。
運転資金は、主に内部資金により賄っており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金の効率化及び流動性の確保を図っております。
国内の設備投資や海外事業投資等のために必要となる資金については、投資額が多額となる場合等、手元流動性とのバランスやその投資の性質を勘案し、政府系金融機関を含む銀行等からの長期借入により調達しております。当連結会計年度末の長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は、1,256億円となっており、主な内訳は、カナダ国におけるオイルサンド開発資金及びシェールガス開発資金宛て借入が各々654億円、588億円であります。
なお、海外事業投資に備え、外貨を調達する場合等には、為替変動リスクをヘッジすることを目的として適宜、為替予約等を締結しております。
また、機動的な資金調達を目的として、複数の取引銀行と円及び米ドル等での借入が可能な貸出コミットメント契約を締結しております。
(資金使途・配分方法)
a.連結財務状況及び資金配分方針
当社グループでは、下記の図表4「2019~2022年度の資金配分方針と実績・見通し」に示す通り、2019年度に掲げた2022年度までの資金配分方針を継続することとしております。2022年度の連結財務状況及び資金配分方針は、前述の財務規律のもと「E&P:非E&P=1:1」を目安とした成長投資を推進するとともに、長期安定配当を基本方針に中長期的にさらなる株主還元の拡充を目指しております。また、有利子負債残高については、約1,000~1,200億円程度まで圧縮することを目指しております。
図表4:2019~2022年度の資金配分方針と実績・見通し

b.保有資金の考え方
E&P事業に関しては、多額の投資を要する一方、事業に着手してから投資額を回収するまで長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境が変化するリスクに晒されます。このような事業特性に照らし、円滑な事業運営に必要な水準の手元流動性を確保できるように月次にて資金計画を作成する等の方法により、資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
当連結会計年度において、不確実性の高い会計上の見積りとして、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性があります。これらの項目は、その判断において当社グループが主たる事業活動から将来にわたり稼得する収益や生み出すキャッシュ・フローの見積りに大きく依拠しており、特に原油価格や為替などの市況要因と埋蔵量の見積りの影響を直接的に受けることになります。原油価格は、米中間の通商問題等の影響により下落傾向にあったところ、さらに2020年に入ってからは、3月上旬の産油国の協調減産協議の決裂等を契機に原油価格は急落しました。この影響は翌連結会計年度にわたり発現するものの、その後は従来の水準まで回復するとの仮定を置いております。
しかしながら、現在の仮定よりも低油価の状況が長期化する可能性、あるいは油ガス田の開発計画の大幅な見直しや将来的な長期の原油価格見通しの引き下げ等により埋蔵量が著しく減少する可能性があります。これらにより収益やキャッシュ・フローが今後さらに減少するものと見積られる場合には、連結貸借対照表に計上されている固定資産について減損損失を計上する可能性や繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご覧ください。