有価証券報告書-第116期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
長期的な視点に立った会社経営を基本に、経営の効率化と収益力の向上によって、企業価値をより高めていくことを目標としており、その実現を通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えられる経営を目指している。
(2)経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載の通りである。
② 対処すべき課題
ア 新型コロナウイルス感染症への対応について
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済・国内景気に深刻な影響を及ぼしているが、今後も関係者の身体、生命及び生活の安全の確保を最優先にその時々に応じた必要な安全対策を講じたうえで、防災・減災に必要な良質な公共ストックの整備や民間事業者が事業を継続するために必要な建設需要等に対して真摯に取り組み、当社グループの社会的使命を果たしていきたいと考えている。
また、当社グループは、下記イのとおり、中期経営計画2017を推進し、想定外の事業環境の変動にも対応できる「強固な経営基盤」を構築している。今後、新型コロナウイルスの感染拡大状況やそれに伴う経済への影響を注視するとともに、引き続き、競争力の源泉である技術力の強化や多様な収益源の確保に取り組み、厳しい環境下でも成長し続ける企業グループへと進化していく。
イ 中期経営計画2017の推進
当社グループは、創業150周年(2042年)の「目指す将来像」の実現に向けて、2017年度を初年度とする5ヵ年計画「大林組グループ中期経営計画2017」を推進している。短期的な景気動向に左右されない「強固な経営基盤の構築」及び戦略的な投資による「将来への布石」を基本方針とし、事業領域の深化・拡大、グローバル化を加速させている。

(ア) 中期経営計画2017における主な経営指標目標・投資計画の進捗状況
a 主な経営指標目標
b 投資計画
(イ) 「目指す将来像」の実現に向けた取り組み
a 建設事業
・木造・木質化建築プロジェクト・チームを新設(2019年11月25日付)し、木造建築市場への取り組み強化
・営業総本部を新設(2020年4月1日付)し、川上段階での営業情報の収集を強化し、グループ会社を含めた有機的な連携を推進
→競争力強化と高付加価値サービス提供の実現
・BIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)などの3次元モデルを業務プロセスの基盤として確立
・次世代生産システム(低床式AGV、溶接ロボット、耐火被覆吹付ロボット、配筋検査システム等)の開発
→生産性向上と生産力の確保
b 開発事業
・「みなとみらい21中央地区53街区」で大規模複合ビルの開発事業を推進
・タイで大規模オフィスビルの開発事業を推進(「O-NESタワー」)
・英国ロンドン・シティでオフィスビルを取得
→国内外で開発事業を強化・拡大
c 新領域事業
・神栖バイオマス発電事業の推進(2021年8月運転開始予定)
・秋田県北部洋上風力発電事業への取り組み
→再生可能エネルギー事業の拡充
ウ ESG経営の推進
ESGとは、企業の成長性を評価する際に業績などの財務情報を中心とした評価に加え、非財務的な側面(環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G))の取り組みを重視する考え方である。
当社は基本理念に「持続可能な社会の実現」を掲げており、この目標に向かって、2050年の「あるべき姿」を「地球・社会・人」のサステナビリティが実現された状態であると定義し、ESGの取組みとSDGs達成への貢献を視野に入れた、「Obayashi Sustainability Vision 2050」を昨年6月に策定した。このビジョンを実現する最初のステップが「大林組グループ中期経営計画2017」であり、同計画の経営基盤戦略の1つにESGへの取り組みを掲げている。
当社グループは、多様な社会の課題の中から優先的に取り組むべき「ESG6つの重要課題(マテリアリティ)」を選定し、それぞれの課題解決に向けたアクションプランを設定し具体的な施策を進めている。
これらマテリアリティに対する取り組みを通じて、着実にESG経営を推進することにより、「環境・社会・経済の統合的向上」と「当社グループの永続的な企業価値の向上」を実現していく。
(1)経営の基本方針
長期的な視点に立った会社経営を基本に、経営の効率化と収益力の向上によって、企業価値をより高めていくことを目標としており、その実現を通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えられる経営を目指している。
(2)経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載の通りである。
② 対処すべき課題
ア 新型コロナウイルス感染症への対応について
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済・国内景気に深刻な影響を及ぼしているが、今後も関係者の身体、生命及び生活の安全の確保を最優先にその時々に応じた必要な安全対策を講じたうえで、防災・減災に必要な良質な公共ストックの整備や民間事業者が事業を継続するために必要な建設需要等に対して真摯に取り組み、当社グループの社会的使命を果たしていきたいと考えている。
また、当社グループは、下記イのとおり、中期経営計画2017を推進し、想定外の事業環境の変動にも対応できる「強固な経営基盤」を構築している。今後、新型コロナウイルスの感染拡大状況やそれに伴う経済への影響を注視するとともに、引き続き、競争力の源泉である技術力の強化や多様な収益源の確保に取り組み、厳しい環境下でも成長し続ける企業グループへと進化していく。
| (参考)当社グループのこれまでの対応 [対策本部の設置] 2020年2月17日に社長を委員長とする「新型コロナウイルス発生に係る対策本部」を設置し、情報収集、対応策の立案や全社への指示にあたってきた。 [緊急事態宣言への対応] 2020年4月7日に発令された政府の緊急事態宣言を受け、感染拡大防止に協力するとともに、協力会社を含めた当社グループ関係者の身体及び生命の安全を守ることを最優先に以下の対応を行った。 (工事事務所) 工程や新型コロナウイルスへの対策状況等を工事ごとに精査して発注者と協議を行い、合意を得たものについては期間中、工事を中断することとした。緊急性の高さ等により継続が必要な工事については、「3密(密接、密集、密閉)」の徹底回避など、当社社員及び協力会社作業員の安全確保のための対策が実施できるかを厳密に検証したうえで、作業密度の分散などの対応をとりながら施工を続行した。 緊急事態宣言が延長となった5月7日以降は、安全対策の確保状況を確認したうえで、大半の工事で施工を再開しており、同宣言解除後の現在は、発注者の事情によるものを除き国内すべての工事で施工を継続している。 (オフィス部門) 在宅で勤務するためのICT環境等を整備したうえで、オフィス部門は原則テレワークを実施した。これにより、全社オフィス部門における緊急事態宣言中の出社率はおおよそ70%減となった。現在も時差出勤やテレワークを併用しながら、通勤時及び勤務中の3密回避や人との接触減に努めている。 [感染者発生時の対応] 当社社員や工事事務所で作業する協力会社社員等にも感染者が複数人発生した。発生した際は、ただちに当人の行動履歴を確認し保健所による濃厚接触者の調査へ協力するとともに、保健所の指導に従い濃厚接触者等の自宅待機措置や事業所消毒などを行い、感染拡大防止と事業への影響の最小化に努めてきた。 |
イ 中期経営計画2017の推進
当社グループは、創業150周年(2042年)の「目指す将来像」の実現に向けて、2017年度を初年度とする5ヵ年計画「大林組グループ中期経営計画2017」を推進している。短期的な景気動向に左右されない「強固な経営基盤の構築」及び戦略的な投資による「将来への布石」を基本方針とし、事業領域の深化・拡大、グローバル化を加速させている。

(ア) 中期経営計画2017における主な経営指標目標・投資計画の進捗状況
a 主な経営指標目標
| 中期経営計画2017の 経営指標目標 | |||
| B/S(連結) | 2018年度末実績 | 2019年度末実績 | 2021年度末 |
| 自己資本額 | 7,689億円 | 8,178億円 | 9,000億円 |
| (利益剰余金) | (4,981億円) | (5,870億円) | (7,000億円) |
| 自己資本比率 | 34.7% | 36.7% | 40% |
| ネット有利子負債 | 1,035億円 | △664億円 | ゼロ |
| (有利子負債) | (2,722億円) | (2,485億円) | (2,500億円) |
| (現預金) | (1,686億円) | (3,150億円) | (2,500億円) |
| P/L(連結) | 2018年度実績 | 2019年度実績 | 2021年度 |
| 売上高 | 20,396億円 | 20,730億円 | 2兆円程度 |
| 営業利益 | 1,554億円 | 1,528億円 | 1,500億円程度 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,131億円 | 1,130億円 | 1,000億円程度 |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 157.65円 | 157.59円 | 150円程度 |
| 自己資本利益率(ROE) 自己資本増強により財務レバレッジが下がるためROEが低下 | 15.6% | 14.3% | 10%超の水準 |
b 投資計画
| 中期経営計画2017の計画値 (2017~2021計画) | ||||
| 2018年度 実績 | 2019年度 実績 | (年度平均) | 5年間合計 | |
| 建設技術の研究開発 | 223億円 | 231億円 | (200億円) | 1,000億円 |
| 工事機械・事業用施設 | 116億円 | 145億円 | (100億円) | 500億円 |
| 不動産賃貸事業 | 143億円 | 262億円 | (200億円) | 1,000億円 |
| 再生可能エネルギー事業ほか | 129億円 | 185億円 | (200億円) | 1,000億円 |
| M&Aほか | 9億円 | 13億円 | (100億円) | 500億円 |
| 合計 | 622億円 | 839億円 | (800億円) | 4,000億円 |
(イ) 「目指す将来像」の実現に向けた取り組み
a 建設事業
・木造・木質化建築プロジェクト・チームを新設(2019年11月25日付)し、木造建築市場への取り組み強化
・営業総本部を新設(2020年4月1日付)し、川上段階での営業情報の収集を強化し、グループ会社を含めた有機的な連携を推進
→競争力強化と高付加価値サービス提供の実現
・BIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)などの3次元モデルを業務プロセスの基盤として確立
・次世代生産システム(低床式AGV、溶接ロボット、耐火被覆吹付ロボット、配筋検査システム等)の開発
→生産性向上と生産力の確保
b 開発事業
・「みなとみらい21中央地区53街区」で大規模複合ビルの開発事業を推進
・タイで大規模オフィスビルの開発事業を推進(「O-NESタワー」)
・英国ロンドン・シティでオフィスビルを取得
→国内外で開発事業を強化・拡大
c 新領域事業
・神栖バイオマス発電事業の推進(2021年8月運転開始予定)
・秋田県北部洋上風力発電事業への取り組み
→再生可能エネルギー事業の拡充
ウ ESG経営の推進
ESGとは、企業の成長性を評価する際に業績などの財務情報を中心とした評価に加え、非財務的な側面(環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G))の取り組みを重視する考え方である。
当社は基本理念に「持続可能な社会の実現」を掲げており、この目標に向かって、2050年の「あるべき姿」を「地球・社会・人」のサステナビリティが実現された状態であると定義し、ESGの取組みとSDGs達成への貢献を視野に入れた、「Obayashi Sustainability Vision 2050」を昨年6月に策定した。このビジョンを実現する最初のステップが「大林組グループ中期経営計画2017」であり、同計画の経営基盤戦略の1つにESGへの取り組みを掲げている。
当社グループは、多様な社会の課題の中から優先的に取り組むべき「ESG6つの重要課題(マテリアリティ)」を選定し、それぞれの課題解決に向けたアクションプランを設定し具体的な施策を進めている。
これらマテリアリティに対する取り組みを通じて、着実にESG経営を推進することにより、「環境・社会・経済の統合的向上」と「当社グループの永続的な企業価値の向上」を実現していく。
![]() [ESG関連トピック] G:コンプライアンスの徹底 当社はリニア中央新幹線工事の入札に関する独占禁止法違反を踏まえ、2018年9月に第三者委員会を設置し、2019年1月に同委員会から再発防止の提言を含む調査結果報告書を受領した。 提言内容に基づき2019年4月に策定した再発防止策については、運用1年を経た2020年3月に第三者委員会による実施状況の検証を受けており、「概ね当委員会の提言に沿った内容の再発防止策が導入され、かつ、総じて真摯に実施されており、特段の問題がないことを確認した」旨の報告書を受領している。 今後も「あらゆる事業活動においてコンプライアンスを最優先する経営」を推進していく。 |
