有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、米国の通商政策の影響や中国経済の動向、東欧地域を中心とした地政学的リスクの増大などに加え、中東情勢の悪化や円安の進行に伴う資源・エネルギー価格の高騰、物流費の増加、さらに物価上昇の継続への懸念が広がり、先行きは依然として不透明な状況にあります。
建設市場におきましては、公共建設投資については、国土強靭化関連を中心に堅調に推移しました。また、民間設備投資についても、鉄道、電力、都市開発等の社会インフラ関連分野において、当社技術を活用できる案件機会が継続しています。
このような環境下において、当社グループの主な事業領域である法面工事、基礎・地盤改良工事、補修補強工事においては、国土強靭化、防災・減災、災害復旧・復興に加え、社会インフラ老朽化対応を背景とした需要が継続しました。
一方で、資材価格・労務費等の上昇により、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理、設計変更・追加工事への適切な対応の重要性が一層高まりました。
このような事業環境の中で、当社グループは中期経営計画2023(2023年度~2025年度)の最終年度としての取り組みを推進してまいりました。その中で前期末に連結子会社として迎え入れた麻生フオームクリート株式会社が強みとする気泡コンクリート工事をはじめとした事業において、当社の営業ネットワークを最大限に活用することで、グループ全体の売上高および利益の拡大を図り、当期の公表計画の目標達成に向けて全力で取り組みました。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
a.受注高、売上高
受注高は、4.1%増の81,056百万円となり、高水準を維持しました。主な内訳として、法面工事に関しては、能登半島地震の復興工事の受注増加などが寄与し、38,971百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。一方、注力している基礎・地盤改良工事に関しては、北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事や北春日部駅周辺の土地区画整理事業関連工事などを受注しましたが、25,970百万円(同 4.4%減)に留まりました。補修工事に関しては、社会インフラ老朽化対応に関連する工事等が寄与し、9,632百万円(同29.3%増)となりました。今後は、中期経営計画2026で掲げる「リニューアル工事」の確立に向け、補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含めた領域として再整理し、事業ポートフォリオの強化を進めてまいります。
売上高は、法面工事に関しては能登半島地震の復興工事や奈良県冷水地区の砂防・地すべり対策工事などの災害復旧・防災関連工事の進捗に加え、基礎・地盤改良工事に関しては北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事など、当連結会計年度に寄与する工事が堅調に推移したことにより、83,797百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。
なお、当期の補修工事には、麻生フオームクリート株式会社の工事のうち、地盤改良以外の工事を含めて整理しております。2027年3月期以降は、中期経営計画2026の事業戦略に合わせ、従来の補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含む「リニューアル工事」として再整理してまいります。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は67,945百万円(前連結会計年度比24.3%増)、原価率は81.1%(同0.2%良化)となり、販売費及び一般管理費は、10,024百万円(同12.9%増)となりました。
c.営業利益
利益面につきましては、増収効果に加え、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理・工程管理、設計変更・追加工事への適切な対応を継続したことにより、売上総利益率が改善し、売上総利益が増加しました。その結果、営業利益は5,827百万円(前連結会計年度比58.4%増)となりました。
d.営業外損益、特別損益
当連結会計年度の営業外収益は252百万円(前連結会計年度比43.9%増)となり、営業外費用は44百万円(同50.4%減)となりました。
特別利益は固定資産売却益および投資有価証券売却益の計上により7百万円(前連結会計年度比93.7%減)となり、特別損失は固定資産除却損、減損損失の計上により77百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,165百万円(前連結会計年度比72.9%増)となりました。
過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
②財政状態の状況
当連結会計年度末における流動資産の残高は43,984百万円で、前連結会計年度末に比べ3,641百万円増加しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が3,049百万円、電子記録債権が1,181百万円増加した一方、現金預金が419百万円減少したことによるものです。固定資産の残高は18,411百万円で、前連結会計年度末に比べ1,808百万円増加しております。これは主に、能登地域の復旧・復興工事の拠点(能登工事事務所)を開設したことにより建物・構築物が422百万円、地盤改良工事の受注拡大を目的とした機械装置を購入したことにより機械、運搬具及び工具器具備品が497百万円、投資有価証券が1,687百万円増加した一方、建設仮勘定が398百万円、繰延税金資産が354百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,847百万円で、前連結会計年度末に比べ2,299百万円増加しております。これは主に、電子記録債務が6,761百万円、未払法人税等が562百万円、賞与引当金が492百万円増加した一方、支払手形・工事未払金等が5,436百万円、未成工事受入金が417百万円減少したことによるものです。固定負債の残高は4,586百万円で前連結会計年度末に比べ243百万円減少しております。これは主に、長期借入金が168百万円、役員退職慰労引当金が66百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は37,961百万円で、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を4,165百万円、その他有価証券評価差額金を989百万円計上した一方、2,004百万円の配当を実施したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により獲得した資金は3,471百万円(前連結会計年度は4,513百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は1,766百万円(同4,005百万円の使用)、財務活動により使用した資金は2,192百万円(同1,961百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は452百万円減少し、当連結会計年度末残高は17,699百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、3,471百万円となっております。
これは主に、税金等調整前当期純利益5,965百万円を計上し、減価償却費1,070百万円、賞与引当金の増加492百万円、仕入債務の増加1,392百万円により資金が増加しましたが、売上債権の増加4,172百万円、法人税等の支払い1,550百万円により資金が減少したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,766百万円となっております。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1,260百万円、投資有価証券の取得による支出259百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出175百万円により資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,192百万円となっております。
これは主に、長期借入金の返済による支出177百万円、配当金の支払い2,004百万円により資金が減少したものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
b.販売実績
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第78期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
大成建設㈱ 南摩ダム本体建設工事
西松建設㈱ R2国道357号多摩川トンネル羽田立坑工事
㈱河野建設 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事
前田建設工業㈱ 石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事その5
㈱安藤・間 東海第二防潮堤(海水ポンプ室エリア区間)設置
奥村組土木興業㈱ 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)のり面補強工事
㈱大林組 島根原子力発電所2号機 FS南西ヤード掘削箇所背面地盤改良工事
㈱熊谷組 (仮称)川又発電所導水路修繕工事
㈱安藤・間 黒川第一発電所復旧工事のうち土木本工事他[第3工区]
㈱安藤・間 稲城大丸法面工事
大豊建設㈱ 大滝江筋取水口斜面落石対策工事
西松建設㈱ 鳥海ダム右岸上部掘削整備工事
第79期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
飛島建設㈱ 北海道新幹線、新八雲(仮称)駅高架橋
㈱安藤・間 冷水地区北西部斜面対策工事
㈱熊谷組 北海道新幹線、岩尾別高架橋
大成建設㈱ 堰堤改良の内 豊平峡ダム耐震補強工事
㈱鴻池組 瑞穂環境保全センター第三期保全計画埋立地工事
㈱奥村組 中央新幹線神奈川県駅(仮称)新設
鹿島建設㈱ 常磐道 日立地区災害復旧工事
佐藤工業㈱ 輪島(5)災害復旧工事
㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事
㈱熊谷組 九州新幹線(西九州)、17k5・44k2間線路諸設
㈱奥村組 関越自動車道六日町地区函渠工工事
㈱関電工 (仮)日本橋N1中C街区計画
大成建設㈱ 北海道新幹線、札樽トンネル(桑園)他
前田建設工業㈱ 足羽発電所 導水路他改良及び関連除去・修繕工事
三井住友建設㈱ 北海道新幹線、祭礼トンネル他
戸田建設㈱ 中央新幹線美佐野トンネルほか新設工事
㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事
㈱熊谷組 矢作川総合第二期農地防災事業 北部併設水路(下流)一期建設工事
ヒロセ㈱ 新宿駅西口再開発計画
3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 手持工事高(2026年3月31日現在)
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工が集中することにより、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠5,000百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、2026年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は5,000百万円、現金預金勘定残高は17,732百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、米国の通商政策の影響や中国経済の動向、東欧地域を中心とした地政学的リスクの増大などに加え、中東情勢の悪化や円安の進行に伴う資源・エネルギー価格の高騰、物流費の増加、さらに物価上昇の継続への懸念が広がり、先行きは依然として不透明な状況にあります。
建設市場におきましては、公共建設投資については、国土強靭化関連を中心に堅調に推移しました。また、民間設備投資についても、鉄道、電力、都市開発等の社会インフラ関連分野において、当社技術を活用できる案件機会が継続しています。
このような環境下において、当社グループの主な事業領域である法面工事、基礎・地盤改良工事、補修補強工事においては、国土強靭化、防災・減災、災害復旧・復興に加え、社会インフラ老朽化対応を背景とした需要が継続しました。
一方で、資材価格・労務費等の上昇により、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理、設計変更・追加工事への適切な対応の重要性が一層高まりました。
このような事業環境の中で、当社グループは中期経営計画2023(2023年度~2025年度)の最終年度としての取り組みを推進してまいりました。その中で前期末に連結子会社として迎え入れた麻生フオームクリート株式会社が強みとする気泡コンクリート工事をはじめとした事業において、当社の営業ネットワークを最大限に活用することで、グループ全体の売上高および利益の拡大を図り、当期の公表計画の目標達成に向けて全力で取り組みました。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
a.受注高、売上高
受注高は、4.1%増の81,056百万円となり、高水準を維持しました。主な内訳として、法面工事に関しては、能登半島地震の復興工事の受注増加などが寄与し、38,971百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。一方、注力している基礎・地盤改良工事に関しては、北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事や北春日部駅周辺の土地区画整理事業関連工事などを受注しましたが、25,970百万円(同 4.4%減)に留まりました。補修工事に関しては、社会インフラ老朽化対応に関連する工事等が寄与し、9,632百万円(同29.3%増)となりました。今後は、中期経営計画2026で掲げる「リニューアル工事」の確立に向け、補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含めた領域として再整理し、事業ポートフォリオの強化を進めてまいります。
売上高は、法面工事に関しては能登半島地震の復興工事や奈良県冷水地区の砂防・地すべり対策工事などの災害復旧・防災関連工事の進捗に加え、基礎・地盤改良工事に関しては北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事など、当連結会計年度に寄与する工事が堅調に推移したことにより、83,797百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。
なお、当期の補修工事には、麻生フオームクリート株式会社の工事のうち、地盤改良以外の工事を含めて整理しております。2027年3月期以降は、中期経営計画2026の事業戦略に合わせ、従来の補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含む「リニューアル工事」として再整理してまいります。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は67,945百万円(前連結会計年度比24.3%増)、原価率は81.1%(同0.2%良化)となり、販売費及び一般管理費は、10,024百万円(同12.9%増)となりました。
c.営業利益
利益面につきましては、増収効果に加え、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理・工程管理、設計変更・追加工事への適切な対応を継続したことにより、売上総利益率が改善し、売上総利益が増加しました。その結果、営業利益は5,827百万円(前連結会計年度比58.4%増)となりました。
d.営業外損益、特別損益
当連結会計年度の営業外収益は252百万円(前連結会計年度比43.9%増)となり、営業外費用は44百万円(同50.4%減)となりました。
特別利益は固定資産売却益および投資有価証券売却益の計上により7百万円(前連結会計年度比93.7%減)となり、特別損失は固定資産除却損、減損損失の計上により77百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,165百万円(前連結会計年度比72.9%増)となりました。
過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 第75期 | 第76期 | 第77期 | 第78期 | 第79期 | |
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 売上高 | 66,076 | 72,918 | 71,880 | 67,216 | 83,797 |
| 原価率 | 81.6% | 81.2% | 82.3% | 81.3% | 81.1% |
| 販売費及び一般管理費 | 7,611 | 8,233 | 8,351 | 8,883 | 10,024 |
| 売上高販売費及び一般管理費比率 | 11.5% | 11.3% | 11.6% | 13.2% | 12.0% |
②財政状態の状況
当連結会計年度末における流動資産の残高は43,984百万円で、前連結会計年度末に比べ3,641百万円増加しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が3,049百万円、電子記録債権が1,181百万円増加した一方、現金預金が419百万円減少したことによるものです。固定資産の残高は18,411百万円で、前連結会計年度末に比べ1,808百万円増加しております。これは主に、能登地域の復旧・復興工事の拠点(能登工事事務所)を開設したことにより建物・構築物が422百万円、地盤改良工事の受注拡大を目的とした機械装置を購入したことにより機械、運搬具及び工具器具備品が497百万円、投資有価証券が1,687百万円増加した一方、建設仮勘定が398百万円、繰延税金資産が354百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,847百万円で、前連結会計年度末に比べ2,299百万円増加しております。これは主に、電子記録債務が6,761百万円、未払法人税等が562百万円、賞与引当金が492百万円増加した一方、支払手形・工事未払金等が5,436百万円、未成工事受入金が417百万円減少したことによるものです。固定負債の残高は4,586百万円で前連結会計年度末に比べ243百万円減少しております。これは主に、長期借入金が168百万円、役員退職慰労引当金が66百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は37,961百万円で、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を4,165百万円、その他有価証券評価差額金を989百万円計上した一方、2,004百万円の配当を実施したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により獲得した資金は3,471百万円(前連結会計年度は4,513百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は1,766百万円(同4,005百万円の使用)、財務活動により使用した資金は2,192百万円(同1,961百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は452百万円減少し、当連結会計年度末残高は17,699百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、3,471百万円となっております。
これは主に、税金等調整前当期純利益5,965百万円を計上し、減価償却費1,070百万円、賞与引当金の増加492百万円、仕入債務の増加1,392百万円により資金が増加しましたが、売上債権の増加4,172百万円、法人税等の支払い1,550百万円により資金が減少したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,766百万円となっております。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1,260百万円、投資有価証券の取得による支出259百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出175百万円により資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,192百万円となっております。
これは主に、長期借入金の返済による支出177百万円、配当金の支払い2,004百万円により資金が減少したものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度(百万円) (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(百万円) (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
| 建設事業 | 77,721 | 80,863 |
| その他の事業 | 139 | 192 |
| 合計 | 77,861 | 81,056 |
b.販売実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度(百万円) (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(百万円) (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
| 建設事業 | 67,076 | 83,605 |
| その他の事業 | 139 | 192 |
| 合計 | 67,216 | 83,797 |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 期別 | 工事別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) | 当期施工高 (百万円) | ||
| 手持工事高 | うち施工高 | ||||||||
| 第78期 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 土木 | 43,182 | 74,946 | 118,128 | 63,902 | 54,226 | 1.2% | 647 | 63,932 |
| 計 | 43,182 | 74,946 | 118,128 | 63,902 | 54,226 | 1.2% | 647 | 63,932 | |
| 第79期 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | 土木 | 54,226 | 76,314 | 130,540 | 75,434 | 55,106 | 1.4% | 776 | 75,563 |
| 計 | 54,226 | 76,314 | 130,540 | 75,434 | 55,106 | 1.4% | 776 | 75,563 | |
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 第78期 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 土木工事 | 90.3 | 9.7 | 100.0 |
| 第79期 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | 土木工事 | 93.9 | 6.1 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 第78期 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 土木工事 | 50,731 | 13,171 | 63,902 |
| 計 | 50,731 | 13,171 | 63,902 | |
| 第79期 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | 土木工事 | 62,647 | 12,787 | 75,434 |
| 計 | 62,647 | 12,787 | 75,434 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第78期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
大成建設㈱ 南摩ダム本体建設工事
西松建設㈱ R2国道357号多摩川トンネル羽田立坑工事
㈱河野建設 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事
前田建設工業㈱ 石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事その5
㈱安藤・間 東海第二防潮堤(海水ポンプ室エリア区間)設置
奥村組土木興業㈱ 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)のり面補強工事
㈱大林組 島根原子力発電所2号機 FS南西ヤード掘削箇所背面地盤改良工事
㈱熊谷組 (仮称)川又発電所導水路修繕工事
㈱安藤・間 黒川第一発電所復旧工事のうち土木本工事他[第3工区]
㈱安藤・間 稲城大丸法面工事
大豊建設㈱ 大滝江筋取水口斜面落石対策工事
西松建設㈱ 鳥海ダム右岸上部掘削整備工事
第79期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
飛島建設㈱ 北海道新幹線、新八雲(仮称)駅高架橋
㈱安藤・間 冷水地区北西部斜面対策工事
㈱熊谷組 北海道新幹線、岩尾別高架橋
大成建設㈱ 堰堤改良の内 豊平峡ダム耐震補強工事
㈱鴻池組 瑞穂環境保全センター第三期保全計画埋立地工事
㈱奥村組 中央新幹線神奈川県駅(仮称)新設
鹿島建設㈱ 常磐道 日立地区災害復旧工事
佐藤工業㈱ 輪島(5)災害復旧工事
㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事
㈱熊谷組 九州新幹線(西九州)、17k5・44k2間線路諸設
㈱奥村組 関越自動車道六日町地区函渠工工事
㈱関電工 (仮)日本橋N1中C街区計画
大成建設㈱ 北海道新幹線、札樽トンネル(桑園)他
前田建設工業㈱ 足羽発電所 導水路他改良及び関連除去・修繕工事
三井住友建設㈱ 北海道新幹線、祭礼トンネル他
戸田建設㈱ 中央新幹線美佐野トンネルほか新設工事
㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事
㈱熊谷組 矢作川総合第二期農地防災事業 北部併設水路(下流)一期建設工事
ヒロセ㈱ 新宿駅西口再開発計画
3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 手持工事高(2026年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 土木工事 | 46,192 | 8,914 | 55,106 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの
| (注文者) | (工事名) | (完成予定) |
| ケミカルグラウト㈱ | 成瀬ダム堤体打設工事 | 2026年12月 |
| ㈱大林組 | 新丸山ダム本体建設第1期工事 | 2029年3月 |
| 前田建設工業㈱ | 清水・仁江地区地すべり災害復旧工事 | 2028年3月 |
| 大成建設㈱ | 本明川ダム建設(一期)工事 | 2028年8月 |
| 清水建設㈱ | 利賀ダム本体建設(第1期)工事 | 2026年12月 |
| ㈱熊谷組 | 東大島幹線工事 | 2026年8月 |
| ㈱熊谷組 | 北海道新幹線、羊蹄トンネル(有島)他 | 2026年4月 |
| 西日本高速道路㈱ | 令和6年度 沖縄自動車道(特定更新等)那覇IC~沖縄南IC間のり面補強工事 | 2027年6月 |
| ㈱宮地組 | 6災 主要地方道 七尾輪島線 道路災害復旧工事(法面工) | 2026年9月 |
| 大成建設㈱ | 泊発電所防潮堤母材採取他工事および関連除却工事 | 2026年11月 |
| ㈱大林組 | 市道高速1号他新洲崎工区改築事業(工事) | 2026年7月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 高知自動車道 井床橋他4橋耐震補強工事 | 2027年3月 |
| 大成建設㈱ | 福島第一原子力発電所建屋間ギャップ端部止水工事 | 2027年3月 |
| ㈱安藤・間 | 令和7-11年度 山鳥坂ダム本体建設(第1期)工事 | 2029年3月 |
| 富崎建設㈱ | 和歌山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事(令和4年度) | 2026年10月 |
| 西松建設㈱ | 鳥海ダム本体建設(第1期)工事 | 2026年8月 |
| 西松建設㈱ | 令和5年度電建工第2-2号RN水圧鉄管路他更新工事 | 2028年3月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 中国自動車道(特定更新等)高尾トンネル他7トンネル覆工補強工事 | 2026年8月 |
| 大成建設㈱ | 北海道新幹線、琴平高架橋 | 2026年9月 |
| 清水建設㈱ | 足羽川ダム本体建設工事 | 2026年12月 |
| 前田建設工業㈱ | 内ケ谷ダム本体建設工事 | 2026年12月 |
| ㈱安藤・間 | 新佐久間FC新設工事 敷地造成工事 | 2026年12月 |
| ㈱鴻池組 | 名塩道路城山地区切土工事 | 2027年3月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 京都縦貫自動車道(特定更新等)のり面補強工事 | 2026年12月 |
| 清水建設㈱ | 中央新幹線第一木曽川橋りょう他新設 | 2026年10月 |
| ㈱安藤・間 | 冷水地区北西部斜面対策他工事 | 2026年10月 |
| ㈱大林組 | 横浜環状南線公田インターチェンジ工事 | 2026年12月 |
| ㈱安藤・間 | 駒込ダム本体建設工事 | 2026年11月 |
| 株本建設工業㈱ | 令和7年度 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事 | 2030年5月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 徳島自動車道 脇工事 | 2026年9月 |
| 大成建設㈱ | 重要文化財 大谷派本願寺函館別院本堂ほか4棟保存修理工事 | 2027年6月 |
| ㈱大本組 | 北春日部駅周辺地区 土地区画整理事業 | 2027年12月 |
| 東亜建設工業㈱ | 神戸複合産業団地南地区造成工事(その1) | 2029年3月 |
| 飛島建設㈱ | 北海道新幹線、札樽トンネル(富丘) | 2027年6月 |
| 大成建設㈱ | なにわ筋線梅田地区T新設他工事 | 2027年1月 |
| 三和建設㈱ | メーカーズパーク生駒第4期工事 | 2028年3月 |
| 東日本高速道路㈱ | 北陸自動車道 R5新潟管内橋梁補修工事 | 2026年11月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 和歌山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事(令和4年度) | 2026年10月 |
| 臼杵市 | 令和6年度公共下水道丸尾川排水区雨水渠整備工事 | 2026年6月 |
| ㈱島村工業 | 総選除)023水整第701号 大久保浄水場西部系2系1ブロック沈でん池 南側場内配管布設工事 | 2026年10月 |
| ㈱不動テトラ | 新東名高速道路滝沢川橋他1橋(下部工) | 2026年8月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 徳島自動車道 脇(その2)工事 | 2027年5月 |
| 奥村組土木興業㈱ | 令和7年度 京都高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事 | 2028年3月 |
| 西日本高速道路㈱ | 令和5年度 京都高速道路事務所管内 はく落防止対策工事 | 2026年12月 |
| 株木建設㈱ | (仮称)新産業廃棄物最終処分場建設工事 | 2027年8月 |
| 前田建設工業㈱ | R6 249号珠洲地区道路復旧その2工事 | 2027年3月 |
| 大成建設㈱ | なにわ筋線梅田地区T新設工事 | 2026年8月 |
| 西松建設㈱ | 平良丘陵開発土地区画整理事業 造成工事 | 2027年3月 |
| 戸田建設㈱ | 創成川処理区Ⅳ-01000(北18条東2丁目ほか)下水道新設工事 | 2026年10月 |
| ㈱熊谷組 | 国庫補助事業 創成川処理区Ⅳ-01000(北45条東1丁目ほか)下水道新設工事 | 2026年11月 |
| ㈱大林組 | 第四南巨摩トンネル新設(東工区)工事 | 2026年7月 |
| 西日本高速道路㈱ | 令和5年度 米子自動車道 米子高速道路事務所管内のり面補修工事 | 2026年7月 |
| ㈱鴻池組 | 祝園(6)造成工事 | 2026年4月 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工が集中することにより、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠5,000百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、2026年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は5,000百万円、現金預金勘定残高は17,732百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。