有価証券報告書-第101期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 13:55
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【項目】
179項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 中期経営計画について
当社グループは、2020年5月に発表した「中期経営計画2024」を見直し、2024年度までの3ヵ年を対象とする「中期経営計画2024ローリングプラン」を策定しました。
当社グループでは、2020年度から2024年の5ヵ年を「新たな収益基盤構築のための『変革フェーズ』」と位置付け、建設事業の競争力強化、成長投資を通じた事業ポートフォリオ改革に取組んでまいりました。
一方で、コロナ禍の長期化、物価の高騰、建設投資の停滞等を背景に、計画の前提条件の変化が急速に進んでおります。加えて、2021年7月に発表した「未来ビジョンCX150」の実現に向けた戦略を明らかにし、グループを挙げて取組んでいくことが重要となっております。
このような認識のもと、業績目標について一部見直すとともに、その達成に向けた戦略を強化し、さらなる変革を進めることによって持続的成長を実現してまいります。
1 ローリングプランの基本方針
・未来ビジョンCX150の実現を通じて、全てのステークホルダーに対して真に認められる価値を提供する。
・新TODAビル(2024年竣工予定)、浮体式洋上風力発電事業(2026年運転開始予定)等の成長投資を推進し、事業ポートフォリオを強化する。
未来ビジョンCX150
2021年の創業140周年を機に、さらにその先、2031年の150周年に目指す姿として「未来ビジョンCX150(Corporate Transformation toward TODA Group 150th)」を策定。
Mission - 使命 -
“喜び”を実現する企業グループ
Vision - 実現したい社会像 -
協創社会
人々が協調・協働し、新しい価値が創出される好循環が生まれ、幸福感やサステナビリティが実現された社会
Value - 大切にしたい考えと行動 -
価値のゲートキーパー
需要側と供給側の間に入り、情報や機能のこれまでにない組合せを実現し、新たな価値を創造する
[提供価値] ①体験価値の向上 ②潜在ニーズの実現 ③ソーシャルキャピタルの創造

事業展開領域:4つの領域において顧客価値を提供し、協創社会の実現に貢献
事業展開領域
Smart Innovation領域作業所・事業所のデジタルトランスフォーメーションを通じて、生産性と働き甲斐を追求
ビジネス&ライフサポート領域施設利用者にとって、より生産性が高く、快適で心身の健康を促進する環境を整備
都市・社会インフラ領域安心・安全(レジリエント)を基盤に、多様かつ多彩で、魅力ある都市機能を創造
環境・エネルギー領域持続可能なエネルギーの開発・施工・供給等によってカーボンニュートラルに貢献


2 2024年度 グループ業績目標
ローリングプランのポイント
・今後の経営環境を踏まえ業績目標について一部見直し
・最終利益を確保し資本効率の向上を図るとともに、株主還元方針を見直し強化

(1) 連結売上高・営業利益等
2023年度実績2024年度目標
連結売上高5,224億円6,000億円 程度
営業利益179億円330億円 以上
営業利益率3.4%5.5% 以上
当期純利益161億円260億円 以上
ROE(自己資本利益率)4.8%8.0% 以上
労働生産性(個別)1,284万円1,500万円 以上

※ 労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
(2) 事業別売上高・利益
・建築事業について減額修正となるものの、土木・戦略事業における収益成長を通じて業績目標の達成を計画する。
2023年度実績2024年度目標
連結売上高5,224億円6,000億円
建築事業3,255億円3,500億円
土木事業1,199億円1,450億円
戦略事業国内投資開発
/環境・エネルギー
246億円300億円
国内グループ会社537億円550億円
海外グループ会社488億円280億円
営業利益179億円[3.4]330億円[5.5]
建築事業65億円[2.0]98億円[2.8]
土木事業75億円[6.3]142億円[9.8]
戦略事業国内投資開発
/環境・エネルギー
34億円[14.2]0億円[-]
国内グループ会社19億円[3.6]35億円[6.4]
海外グループ会社14億円[3.0]55億円[19.6]

※ 連結売上高・営業利益には連結消去を含む
※ [ ]は利益率
(3) 株主還元
・直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による株主還元を目指し、DOE2.5%以上、ただし総還元性向40%以上を方針とする。
2023年度実績2024年度目標
自己資本配当率(DOE)2.6%2.5% 以上
総還元性向84.9%40.0% 以上

※ DOE(自己資本配当率)=配当総額÷自己資本(期中平均)
※ 総還元性向=総株主還元額(配当総額+自社株式取得総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
3 基本戦略
ローリングプランのポイント
・未来ビジョンCX150と連動した「バリューユニット」を基に顧客価値を創出
・投資活動を強化、投資原資として資産入替、政策保有株式売却を加速
・脱炭素化に向けてCO2排出削減目標を上方修正
・働き甲斐改革を推進するべく、新たに「時間当たり労働生産性」を採用

(1) 付加価値の向上
① Smart Innovationの推進
・機械化施工、新技術・ICT利活用を通じて、安全性・生産性の向上を図る。
・デジタルトランスフォーメーション(BIM/CIM、i-Construction等)による、新たなビジネスモデルを創造する。
② 体験価値(顧客エクスペリエンス)の向上
・顧客が建設物を利用するまでの「体験」をデザインし、新たな顧客価値を創出する。
・バリューユニットを基軸とした技術・ソリューション開発(社内・外連携、オープンイノベーション等)を推進する。
CX150事業展開領域バリューユニット注力分野(用途)
ビジネス&ライフサポート領域知的生産性事務所、学校
効率性向上生産施設、物流施設
ウエルネス病院、宿泊・娯楽施設
都市・社会インフラ領域都市活性化再開発
地方創生土地造成(区画開発)
交通ネットワーク道路、鉄道(トンネル・シールド)
環境・エネルギー領域エネルギー再生可能エネルギー

※ バリューユニット:各事業展開領域において提供するべき顧客価値(体験価値)の区分
③ 重点管理事業
・重点管理事業として「新TODAビル」「海外事業」「再エネ事業」を特定し、トップマネジメントの積極的関与のもと中長期的成長を目指す。
事業主な取り組み
新TODAビル・当社技術力のフラッグシップとして、最高水準の安全・環境性能に加え、デジタルを駆使したスマートビルを建設する。※ 2024年竣工予定
海外事業・成長市場である東南アジア地域を中心に、建設・開発事業を展開する。
・資産の適宜入替によりキャッシュ創出と再投資を推進する。
再エネ事業・当社独自技術であるハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電施設を事業化し展開する。※ 2026年運転開始予定(長崎県五島沖ウィンドファーム)
・着床式洋上風力発電の受注に向けた技術開発を推進する。


(2) 投資計画と資本アロケーション(適正配分)
・ROE8%を中長期的に確保するため、成長・無形資産投資を通じた事業ポートフォリオの強化とともに、事業別ROIC(投下資本利益率)を採用し資本効率の向上を図る。
・投資原資として、営業利益の確保(3ヵ年累計800億円以上)をベースに、保有資産の売却(670億円)、政策保有株式の売却(100億円以上/年、時価ベース)、有利子負債の活用(D/Eレシオ0.8倍以下)を推進する。
分類・目的投資分野投資額
(3ヵ年累計)
成長投資事業領域の拡大
保有資産のバリューアップ
不動産開発1,600億円
(売却による回収)(650億円)
環境・エネルギー等300億円
(売却による回収)(20億円)
小計1,900億円
無形資産投資経営基盤の強化
非財務資本の充実
人財(採用・教育等)30億円
技術研究開発200億円
デジタル化90億円
小計320億円
機械・備品等30億円
合計2,250億円
[ネット投資額][1,580億円]

※ 無形資産投資は一般管理費計上分と資産計上分の合計
(3) ESG経営の強化
・環境・エネルギー事業、脱炭素化への取り組み等を通じ、環境先進企業としてのブランドを確立する。
・社員一人ひとりが成長を実感できる“働き甲斐改革”を推進する。
・リスクマネジメント(環境、労働安全衛生、投資、コンプライアンス等)を強化する。
・取締役会構成の見直し等を通じて監督と執行を分離し、各機能の強化を図る。
定量評価指標2024年度目標
ECO2排出量スコープ1+2削減率(2020年度比)△16.8% 以上
原単位(/億円)11.2t-CO2以下
スコープ3削減率(2020年度比)△10.0% 以上
カテゴリ1 原単位(/億円)540.7t-CO2以下
カテゴリ11 原単位(/㎡)3.5t-CO2以下
S全度数率1.00 以下
度数率0.10 以下
G時間当たり労働生産性7,500円 以上

※ スコープ1:軽油等の使用により直接排出されるCO2排出量
スコープ2:購入した電気・熱の使用により発電所で間接的に排出されるCO2排出量
スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出量
カテゴリ1:建設資材製造時の排出量、カテゴリ11:施工した建物運用期間中の排出量
※ 原単位 スコープ1+2:売上高1億円当たりの排出量
カテゴリ1:取引金額1億円当たり排出量、カテゴリ11:竣工延床面積1㎡当たり排出量
※ 全度数率=全労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
度数率=休業4日以上の労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
※ 時間当たり労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数÷平均総実労働時間
(ブランド価値資産向上への取り組み)
当社では、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産をブランド価値資産と定義し、更に無形資産とESG価値に分類した上で、それらの向上に向けた投資を行いました。当事業年度のブランド価値資産に対する投資額は、ソフトウェアやデータベース等の情報化資産、特許・新技術の開発等の革新的資産、及び気候変動対策等の環境分野を中心に、合わせて12,822百万円(前事業年度9,939百万円)となりました。今後も積極的な投資を通じて、ブランド価値資産の向上に努めてまいります。
分類投資額対象
ブランド
価値資産
(128.2億円)
無形資産
(82.6億円)
情報化資産27.6億円ソフトウェア開発、データベースの構築等に関する投資を行いました。
革新的資産29.8億円特許、新技術の開発等に関する投資を行いました。
経済的競争力25.1億円人財育成、広告宣伝等に関する投資を行いました。
ESG価値
(45.5億円)
E(環境)43.3億円気候変動対策等に関する投資を行いました。
S(社会)1.8億円健康管理、地域社会への貢献等に関する投資を行いました。
G(統治)0.3億円リスクマネジメント、コーポレート・ガバナンスの運用等に関する投資を行いました。

※ 投資額は各項目における一般管理費と投資(資産計上額)の合計値
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢は、緩やかに持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引き締め政策が継続している中で物価上昇及び地政学リスクについては、依然として不透明な状況が続くと予想されます。建設業界においては、官公庁工事及び民間工事の受注高がともに堅調に推移すると見込まれますが、建設資材価格は高止まりしており、その動向には引き続き注視する必要があります。
当社グループをとりまく環境として、今後、建設投資の大きな増加は見込めない中、気候変動、資源不足、人口構造の変化など経営環境の変化は激しさを増してまいります。そのような状況において技術力をもって建設業を極めること、また、新たな領域に挑戦し中長期的な事業基盤を構築することが持続的成長には不可欠であるという認識のもと、上記の「中期経営計画2024ローリングプラン」を推進し、企業戦力と価値の向上、事業活動の活性化を図ってまいります。

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