有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「進化する総合設備企業として 人と社会と未来をつなぎます」を掲げ、建築設備工事と送配電設備工事を事業の柱として、社会インフラ形成の一端を担い、経済・社会の発展に貢献することで、企業価値を高め、持続的な成長を目指していくことを基本としている。
(2) 中長期的な経営戦略と優先的に対処すべき課題
① 当社グループを取り巻く事業環境及び課題
建築設備工事業については、首都圏・関西圏の建設需要が極めて旺盛なうえに、地域の社会資本整備なども引き続き堅調であるなど、良好な受注環境にある一方で、施工力の制約や資機材・労務費の上昇などから、戦略的な受注判断やサプライチェーン全体を通じた徹底した原価管理が必要な状況にある。
一方、送配電設備工事業については、高経年化設備の更新工事が今後中長期的に増加する見通しであり、そうしたなかで過不足のない施工体制を確保しつつ収益性を高めていくことが課題となっている。
② 課題への対応方針
上記の事業環境や課題を踏まえ、総合設備企業としての多面的な収益力の強化や広域的な事業展開の拡充など、『中期経営指針2025』で掲げる重点課題に戦略的に取り組んだ結果、同指針の数値目標「売上高 1,000億円、営業利益 60億円、ROE 8.0%」を2024年度に1年前倒しで達成した。さらに同指針の最終年度となる2025年度も、前年度の大型工事の反動減などにより減収にはなったが、利益面では増益を確保し、「売上高 994億円、営業利益 88億円」となった。なお、ROEについては、有価証券の売却による相当額の特別利益の計上もあって、11.0%となった。
こうしたなか、当社は2026年1月に『中期経営指針2030』を策定・公表し、以下の数値目標を掲げている。人的資本強化への持続的な取り組みを基本に据え、四国エリアで安定的な収益を確保しつつ、建設需要の旺盛な首都圏・関西圏での建築設備工事の収益基盤を大幅に拡充することで、事業の成長と企業価値の向上を目指していくこととしている。
[中期経営指針2030の概要]
1)重点テーマ
○ 成長の持続に向けた中長期的な施工力の確保
○ 大都市圏での施工力拡大
○ 電力需要の増加に伴う送配電設備の増強への対応
○ 資機材価格・外注費の上昇、調達困難化等のリスク軽減
○ 設備工事を通じた脱炭素社会実現への貢献
○ DX・AIの活用による付加価値創出・生産性向上
○ ESG経営の実践
2)数値目標(連結)
| 2030年度 | |
| 売上高 | 1,200億円 |
| 営業利益 | 110億円 |
| ROE(自己資本利益率) | 10.0% |
3)キャッシュ・アロケーション方針
○ Cash In
中期経営指針対象の5年間で創出するキャッシュフロー :550億円
○ Cash Out
人的資本投資 :200億円
事業投資等(M&A投資、ESG・DX投資、維持更新投資):150億円
株主還元 :200億円
③ 資本政策
資本政策に関しては、2023年8月31日に策定・公表した「資本収益性の向上に向けた取り組みについて」の方向性を踏襲し、人的資本投資をはじめとする成長投資を実践することで利益の持続的な伸長を図るとともに、株主還元の充実等に努め、引き続きROE向上への取り組みを進めていく。
こうした観点から、株主還元方針については、『中期経営指針2030』に掲げるROE目標の達成に向け、次のとおり、資本構成の適正化を企図した方針とする。
| 中期経営指針2025における株主還元方針 | ![]() | 中期経営指針2030における株主還元方針 |
| 連結配当性向:40%以上 一時的に減益になっても減配しない方針 | 連結配当性向:60%程度 DOE:5.0%程度 |
