有価証券報告書-第57期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 13:45
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145項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。なお、将来に関する事項は、事業環境、需要動向、資材価格、労務需給、気候変動、技術動向その他の要因により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 経営方針
当社グループは、未来における企業価値の持続的な向上を図るべく、企業理念として「使命」と「価値観」を定義しております。本理念は当社グループ社員全員の価値観の共有化を図ると共に、判断・行動の拠りどころとなり、本企業理念の下、未来に向けた「あるべき姿」を目指し、グループ一体となって、企業価値の向上に努めてまいります。
企業理念
「使命」
Fill your tomorrow
社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。
人や社会、環境の調和を尊重し、また、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として、これからも社会に貢献します。
「価値観」
調和
社会と自然に敬意を払い、つながりを大切にします。
「社会へ向けて」
全ての人・社会・自然とのつながりと多様性を尊重します。
探究
豊かな発想力と熱意を持って、新たな価値の創造に挑みます。
「仕事の姿勢」
未来に対して大胆に挑戦し、創造力を発揮する専門性と人間力を磨きます。
真摯
何事にも強くしなやかに向き合い、期待に応えます。
「個人の資質」
アクティブで且つスピーディーでありながらも誠実さを大切にし、良い品質をお客様に提供します。

仲間と共に、わくわくしながら、成し遂げる喜びを分かち合います。
「仲間へ」
職場の仲間・協力会社の皆さんと、創造し提供する喜びを分かち合い、また、家族との大切な時間を共有することを大切にします。
会社の方針
新日本空調グループは、『会社の方針』として、次のように事業環境を整えることをお約束します。また、万一、本方針に反する事態が発生した場合、経営トップ自ら率先して問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努めます。
「コンプライアンス」
役員・従業員は、法律・社会規範・社内ルールを守ります。違法や違反する行為の動機が、「会社のため」、「お客様のため」という職務上のことや、上司の指示であっても例外ではありません。違法行為、社内ルール違反には厳正な姿勢で臨みます。また、そのような行為を出来る限り未然に防ぐために、社内外通報制度を整備、公開し、その通報者を守ります。
「公正な事業慣行」
役員・従業員は、関係法令および社内ルールを含む腐敗防止や公正な競争、利益相反行為の禁止、贈収賄防止、反社会的勢力との接触禁止、インサイダー取引の防止(以下、腐敗防止等という)に取り組み、公正さ、誠実さおよび透明性を以て事業活動を推進します。また、腐敗防止等に対する取り組みが不十分と認められる取引先等についても、当社との取引停止を含めた厳しい対応で臨みます。公正さ、誠実さおよび透明性のある事業活動の遂行により、社会、顧客、ビジネスパートナー等のステークホルダーから得られる信用・信頼こそが、かけがえのない財産であることを認識し、活動します。
「リスクマネジメント」
事業運営上のあらゆるリスクに的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することがコーポレート・ガバナンスの重要な基盤であると認識し、連絡体制を強化し、訓練等を通して迅速な対応に努めます。
「情報セキュリティ管理」
顧客情報や特許権、商標権、著作権等の知的財産の情報と情報システム等の資産を適切に保護・管理し、積極的に活用します。また、従業員に対しては、情報セキュリティに関する意識向上を図ると共に、知的財産や情報管理に関する教育・訓練を実施し、紛失、盗難、不正使用等を防ぎます。
「情報開示と社内外コミュニケーション活動」
社会から信頼される企業集団であることを目指し、正確かつタイムリーな情報に基づき、積極的な広報活動を通じて、ステークホルダーとのオープンで公正なコミュニケーションに努め、経営の透明性の向上を図ります。また、ステークホルダーの皆様からの要望を受け止めると共に、建設的な対話を行い、企業価値の向上に役立てます。
「環境」
持続可能な地球環境の実現のために、気候変動の緩和と適応や環境への負の影響の最小化に向け、環境問題を経営の重要課題と位置づけ、事業活動のみならず、職場環境に至るまで、全ての業務プロセスにおいて、環境に配慮した活動を推進します。また、調達先や協力会社に対しても、環境に配慮した業務遂行を求め、地球環境の改善に努めます。
「労働安全衛生」
働く人々の安全確保が企業にとって最重要基盤であると考え、事業活動において、派遣社員、協力会社を含めた働く人々の安全衛生を最優先し、安全で働きやすい環境を確保します。従業員の心身の健康維持・増進を積極的に支援して、健康経営に関する従業員と会社との円滑なコミュニケーションを図ります。また、従業員の声に耳を傾け、一人ひとりが積極的に仕事に取り組み、自由で闊達な発想力を活かす、平等で差別のない明るい職場環境を提供します。更に、ワークライフバランスの充実、労働時間以外の時間帯の適切な確保をサポートし、働きがいを持ち続けられる会社作りを目指します。
「ダイバーシティ」
社会に向けて新たな価値を創造し続けるためには、多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると考えています。あらゆる属性の人が平等な雇用と活躍の機会を確保され、多様な個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティ経営を推進します。また、多様性を持った人材の広がりを大切にし尊重すると共に、全ての従業員の公正な処遇を重視します。
「人権」
あらゆる事業活動において、全てのステークホルダーの皆様の基本的人権および個人の尊厳を尊重し、人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが、人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は、適切かつ速やかに対処します。また、不適切な言動によるハラスメント行為を許しません。ハラスメントとなる行為には厳正な姿勢で臨みます。
「労使関係」
「労使相互信頼と相互責任」を基本に、従業員がそれぞれの立場において、プロフェッショナルとして活き活きと活躍できるよう、均等な雇用機会と公正な労働条件を提供します。
「人材育成」
従業員は企業にとって大切な経営資源であり、企業の持続的成長のために人材育成が最も重要であると認識しています。このため、人的資源の高度化を図ることや、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして高い専門性を持って仕事に取り組むことができるよう、それぞれの資質・能力を伸ばすプログラムを提供します。また、過去の経験や先輩から引き継いだ「ナレッジ」の有効活用を図るために、技術に関わる情報の開示に努め、エンジニアの一人ひとりが自信を持って、仕事に取り組むことが出来るように当社技術情報を整備更新します。
「地域コミュニティ」
持続可能な地域づくりのためには、コミュニティの機能不全や活力低下、都市生活の基盤の脆弱化は、重要な社会問題であると認識しています。このような認識のもと、行政や地域コミュニティと協働し、コミュニティの育成と活性化を支援します。また、自然災害やパンデミック等、地域コミュニティが機能不全になるような事態には、関係者の安全を確保した上で、被災地域の復旧・復興支援およびお客様事業の早期再開の支援を行うことに努めます。
「公平、公正な調達」
規模・実績の有無を問わず、開かれた公平でかつ公正な参入機会を提供し、品質、技術、数量、納期の確実性に加え、経営の安定性、技術開発力、環境や社会への取り組み等も総合的に勘案して、調達先を選定します。
「品質」
顧客が期待する価値を的確に捉え、全ての業務プロセスにおいて、“品質へのこだわり”を持ってSNK品質の提供を行い、信頼され、満足していただける技術とサービスを提供します。そのために各部署、プロジェクトにおいて品質目標を設定し、品質マネジメントシステムを実施し維持すると共に、マネジメントレビュー等を通じて継続的改善を図ります。
「技術革新への取り組み」
技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。
行動指針(従業員の日常行動の心構え)
「夢を持とう」
自分の夢を持ち、それに向かって仕事に取り組むことで、次への扉が開きます。
「誠実に生きよう」
約束や規範を守り、自分に誇れる言動が、他者や社会からの信頼を厚くします。
「当事者意識を持とう」
当事者としての意識を持ってチームの課題に取り組むことで、自信と謙虚さが生まれます。
「学び続けよう」
日々の仕事を通じて専門性や人間性を磨くことが、自己の成長とやりがいにつながります。
「やってみよう、そしてやり遂げよう」
失敗を恐れず挑戦し、その経験を活かすことで、課題を乗り越えることができます。
「支え合おう」
他者への敬意を忘れず、お互いの成功をともに喜び合い、励まし合うことで、強いチームワークが生まれます。
「感謝を伝えよう」
明るい笑顔で心から感謝の気持ちを伝えることで、強く温かい信頼の輪が広がります。
(2) 経営環境
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、中国経済の減速、サプライチェーンの再編、為替・金利動向、エネルギー価格および気候変動の影響等により、先行きの不確実性は高まっております。
日本経済は、企業の設備投資が継続しておりますが、エネルギー価格の高止まり、円安に伴う物価上昇等が事業運営上の下振れ要因となりました。また、労働市場では人手不足が一段と深刻化しており、専門人材および技能者の確保・育成・定着が重要な課題となっています。
建設業界では、大規模開発、データセンター、半導体・医薬品関連工場、老朽設備の更新、省エネルギー改修等設備投資は堅調に推移しました。他方で、資材、労務、物流コストの上昇、熟練技術者の不足、工期・品質・安全管理の高度化により、案件別の損益管理と施工体制の強化が一層重要となっております。さらに、カーボンニュートラルへの対応、AI・IoT・BIM等を活用したデジタル化、資源循環、生物多様性、水資源、ウェルビーイング等の非財務課題への対応も、競争力を左右する要素として重要性を増しております。
(3) 経営計画
当社グループは、将来起こりうる変化やその先の見通しに対して、柔軟且つ機敏に対応できる組織であるために、2030年を節目とした長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を定めております。
[ SNK Vision 2030 ] の基本方針
新日本空調グループは、持続可能な地球環境の実現と、お客様資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指します。
当社グループが提供する建築設備システムは、お客様の重要な資産となり、事業活動の源泉となるものです。従って、当社グループは建築設備システムを構築、提供し、維持更新する活動を通じ、お客様のみならず、多くのエンドユーザーの生活や環境を当社のナレッジとテクノロジーで支え続けていきます。
(4) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅡ」(2023~2025年度)における取り組みと成果
当社グループは、「SNK Vision 2030」の実現に向け、中期経営計画PhaseⅡ(2023年度~2025年度)を推進し、「社会の持続性」と「企業の持続性」の両立を基本方針に掲げ、事業基盤の拡充、生産性向上、成長投資、人的資本の強化およびサステナビリティ経営の推進に取り組みました。
PhaseⅡ期間においては、旺盛な建設需要を着実に取り込み、受注工事高、完成工事高および繰越工事高はいずれも拡大しました。また、採算性の改善、プロジェクト管理の高度化、施工体制の効率化を進めたことにより収益力が向上し、主要な経営数値目標を1年前倒しで達成するなど、事業基盤の強化に一定の成果を上げました。
具体的には、ストックビジネス、ワンストップ施工および地域戦略受注の強化により受注基盤を拡充するとともに、当社独自の物流・加工ネットワーク「SNK-SOLNet®」およびロジスティクス管理ツール「ConstraX」を活用し、資機材管理の高度化、現場生産性の向上および安定的な施工体制の構築を進めました。
また、スタートアップ企業との連携、新基幹システムの稼働、AI活用を見据えたデータ基盤の整備などを通じて、DXおよび成長投資を推進するとともに、採用・育成の強化、働き方改革、技術・ナレッジの継承に取り組み、人的資本の充実を図りました。PhaseⅡ期間中の成長事業、人的資本およびデジタル関連投資は約140億円となりました。
サステナビリティ面では、温室効果ガス削減目標に関するSBT認定の取得、CDP気候変動評価における「Aリスト」選定、サプライヤーエンゲージメント評価における最高評価の獲得、TCFD提言に基づく情報開示の推進等により、脱炭素に向けた取り組みと情報開示の高度化を進めました。また、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されるなど、外部評価の向上にもつながりました。
さらに、当社が培ってきた空調・環境制御技術を新たな成長領域へ展開する取り組みとして、JAXAが公募した「宇宙戦略基金事業(第二期)」に連携機関として採択され、有人宇宙活動に不可欠な環境制御・生命維持システムに関する技術開発に取り組んでおります。また、空調熱源の最適化と脱炭素支援を行う「EnergyQuest®ファミリ」の展開を進め、お客様の脱炭素、運転コスト削減、省力化および設備価値向上に資する提案力の強化を図りました。
資本効率の改善に向けては、政策保有株式の削減を進め、PhaseⅡ期間中に47億円規模を削減し、2022年度末比で21.8%の削減を達成しました。
一方で、労働人口の減少、資機材・労務費の上昇、サプライチェーンの制約、脱炭素対応の高度化、デジタル技術およびAIの急速な進展等への対応は、引き続き重要な経営課題です。PhaseⅢにおいては、PhaseⅡで強化した収益基盤、施工体制、人的資本および技術基盤を活かし、収益力と資本効率のさらなる向上に取り組んでまいります。
(5) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」(2026~2029年度)における2030年にありたい姿の実現とマテリアリティへの対応に向けた基本戦略と対処すべき課題
中期経営計画PhaseⅢは、「SNK Vision 2030」の実現に向けた総仕上げであると同時に、その先の成長ステージへつなぐ重要な期間と位置付けております。これまでの取り組みを踏まえ、継続すべきテーマと新たに顕在化した課題を整理したうえで、2030 年に向けたありたい姿を再定義しました。デジタルとグリーンを両輪に、既存事業を進化させながら、将来の成長基盤を築いてまいります。
2030年に向けたありたい姿として、当社グループは、快適な空間をつくることにとどまらず、健康、安全、省エネルギー、脱炭素およびレジリエンス※を統合した価値として「カイテキ」を創造し、人と社会と地球が調和する豊かな環境の実現を目指しております。

[ありたい姿]
・空調工事を核に社会のニーズに応える技術力を磨き、地球環境への貢献を事業成長につなげ、持続的に成長している
・「カイテキ」を統合価値と位置付け、企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫して提供し、顧客資産の価値向上に貢献している
・省エネルギーと脱炭素を軸に、環境価値と収益性を両立している
・高付加価値業務へ集中できる働き方が定着し、生産性とウェルビーイングが両立している
・事業の実態が共通指標により可視化され、意思決定の精度と実行力が高まっている
・ナレッジの蓄積・再利用により属人化を抑制し、学び続ける組織へ進化している
・データと先端技術を活用した協働が定着し、意思決定と実行のスピードを高めている
・多様な顧客とサプライチェーンと共に価値を磨く共創パートナーとして選ばれている
・独自性と強みが言語化・可視化され、社内外に認知されている
・人材の経験、スキル、実績が可視化され、育成、配置、評価に一貫して活用されている
・透明性ある情報開示と対話を通じて信頼を獲得し、企業価値を高める体制が整っている
※レジリエンス:自然災害、気候変動、社会情勢の変化、供給制約などの不確実性に対して、事業と顧客の快適性を維持・回復・進化していく力。
当社グループが優先して取り組むマテリアリティは、次の5つです。
[マテリアリティ]
ありたい姿の実現に向け、当社グループと社会・環境への影響を踏まえ、優先して取り組むテーマとして、次の重要課題を設定します。
優先して取り組む5つの重要課題
1.デジタルによる価値創出
2.脱炭素とレジリエンスの強化
3.人的資本と組織基盤の進化
4.持続可能型バリューチェーンの確立
5.未来成長領域の創造
これらのマテリアリティへの対応に向け、当社グループは以下の5つの基本戦略を推進します。
[デジタルフロンティア戦略]
データ、ナレッジおよびAIを経営の基盤として活用し、業務プロセスの全体最適を進め、意思決定と実行を高度化・迅速化する。
1.データ連携を軸に、業務全体で一貫して活用できる基盤の整備
2.事業の可視化と共通指標の整備による意思決定および計画の精度向上
3.ナレッジの蓄積・再利用を促進する仕組みの定着
4.AI利活用の信頼性を高めるガバナンスおよび運用体制の整備
5.業務プロセスの再設計による経営資源の高付加価値領域への重点配分
[グリーンイノベーション戦略]
省エネルギーと脱炭素を中核に「カイテキ」の提供価値を高め、資源循環とレジリエンスを一体で強化して、環境価値と収益性を両立させ、社会課題解決に資する事業モデルを進化させる。
1.企画・提案から施工、維持管理、改修まで一貫した環境価値の提供力強化
2.運用段階におけるエネルギー最適化と継続的改善の推進
3.資源循環の全体最適に向けた標準化と仕組み化
4.冷媒対応の高度化に向けた管理・品質体制の強化
5.レジリエンスの強化を通じた平時と有事の両面で快適性と事業継続を支える提供力の強化
[人的資本・エンゲージメント戦略]
採用から育成、配置、定着までを一体で捉え、人材情報の可視化を通じた適材適所、働き方の高度化、挑戦を後押しする環境整備および知の継承により、社員の成長とエンゲージメントを高め、組織の持続的な価値創出を実現する。
1.人材確保と定着に向けた魅力発信および採用・定着施策の強化
2.人材情報の可視化と活用基盤の整備による適材適所の実現
3.業務プロセスの標準化と役割分担による働き方の高度化
4.挑戦を後押しする環境整備による挑戦と成長の循環の創出
5.学びと伝承が循環する知の継承の仕組みの定着
[価値共創・収益力戦略]
安定成長を支える事業ポートフォリオと施工体制を強化して収益構造を高度化し、独自の強みを活かした価値提案を磨き、多様な顧客とサプライチェーンと共に選ばれ続ける事業基盤を構築する。
1.注力分野と投資の方向性の明確化による事業構造の強化
2.強みの明確化と発信を通じた提案力およびブランド力の強化
3.建物のライフサイクル全体で価値を届ける一貫提供体制の整備
4.受注判断とプロジェクト運営の精度向上による収益安定性の向上
5.施工体制の持続性を支えるサプライチェーンとの協働の強化
[未来事業創造戦略]
「カイテキ」の提供価値の幅を広げ、未来の成長につながる事業とサービスを育て、事業化までを継続的に生み出す仕組みを整えて成長分野での存在感を高める。
1.顧客連携を起点とする継続的なテーマ創出体制の整備
2.「カイテキ」の提供価値の明確化と発信力の強化
3.重点領域への集中、知見の蓄積および新領域への展開を通じた継続的な挑戦の強化
4.価値の検証と改善につながる評価・改善の枠組みの整備
5.事業化の再現性を高める共通プロセスと推進体制の整備
本計画は、2030 年に向けたありたい姿を実現するための実行計画です。各戦略を具体的な施策へ落とし込み、責任体制と優先順位を明確にしたうえで、進捗と課題を継続的に可視化します。また、法令・コンプライアンスおよび安全を最優先に、事業環境の変化に応じて施策を適宜見直しながら、着実に成果へつなげてまいります。
(6) 経営指標目標
当社グループは、「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」において、最終年度である2029年度(2030年3月期)の連結経営数値目標を次のとおり定めております。本中期経営計画の推進を通じて、中長期的な経営体質の強化を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
科目2029年度目標
受注工事高2,200億円
完成工事高2,000億円
営業利益(率)240億円(12.0%)
経常利益(率)245億円(12.3%)
親会社株主に帰属する
当期純利益(率)
180億円(9.0%)
ROE(%)18%以上

(7) 投資計画
将来の収益基盤の拡大および競争優位性の確立に向け、PhaseⅢ期間において、4年間で総額300億円規模の成長投資を戦略的かつ選別的に実施する方針です。対象領域は、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション、人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&Aおよび新たな成長分野への事業展開等です。
また、成長投資の実行にあたっては、戦略適合性、投資採算性、投資回収期間、リスク、事業シナジーおよび資本コストを踏まえて判断し、ROE向上および中長期的な企業価値向上への貢献度を継続的に検証してまいります。
投資領域投資規模
人的資本、AI・デジタル・GX・R&D、M&A、
新規事業展開、既存事業の収益力強化、社会課題解決に資するソリューション等
総額300億円

(8) 資本政策
[資本政策の基本方針]
当社グループは、将来にわたる持続的な企業価値の向上と資本効率の改善を両立させることを資本政策の基本方針としております。資本コスト、資本収益性および市場評価を重要な経営指標として認識し、ROE、PBR、株主資本コスト、株価水準等を継続的に把握・分析しております。
これらの状況については、取締役会において定期的に確認し、成長投資、財務健全性、政策保有株式の削減および株主還元のバランスを踏まえ、資本政策の妥当性を検証しております。「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、ROE18%以上を経営目標として掲げ、資本コストを意識した経営を徹底することで、中長期的な価値創造の実現を目指してまいります。
[政策保有株式に関する方針]
政策保有株式については、事業上の合理性や資本効率の観点から保有意義を継続的に検証し、保有の適否を判断しております。個別銘柄ごとの保有意義については、毎年、取締役会において、保有目的、取引状況、保有に伴う便益、資本コスト、株価変動リスク、売却可能性および発行体との関係等を総合的に確認し、保有継続の合理性を検証しております。
「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、政策保有株式の削減を継続し、2029年度末までに、純資産に対する政策保有株式の比率を20%未満とすることを目標としております。政策保有株式の削減により創出した資本については、成長投資および株主還元へ有効に活用し、資本効率の改善と企業価値の向上につなげてまいります。
[株主還元]
当社グループは、株主還元を経営上の重要課題の一つと位置付け、安定的かつ継続的な還元を基本方針としております。
「SNK Vision 2030 PhaseⅢ」においては、業績動向、財務状況および成長投資とのバランスを勘案しながら、PhaseⅢ期間累計で300億円規模の株主還元を実施する方針です。また、配当については、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし、2029年度まで累進配当を継続する方針としております。
加えて、自己株式の取得については、PhaseⅢ期間中に200万株規模を目安として、資本効率、株価水準、財務状況および投資機会等を総合的に勘案しながら、機動的に実施してまいります。
当社グループは、成長投資、財務健全性および株主還元のバランスを重視しながら、株主・投資家の皆様との建設的な対話を通じて、成長戦略、資本政策および株主還元方針への理解促進を図り、市場からの信頼性向上と企業価値の持続的な向上に努めてまいります。

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