有価証券報告書-第45期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/01/28 13:08
【資料】
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【項目】
151項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業以来、「住宅産業を通じて、お客様、社会、会社という『三つの人の公』の為に、物質的・精神的・健康的な豊かさの人生を創造する」企業使命感としております。この企業使命感に基づき、お客様第一主義を基本理念とし、社会資本の充実をもたらす住宅のあらゆるニーズに対応すべく、同業他社に先駆けて省エネ住宅及び福祉住宅の普及や商品開発などの事業展開を図ってまいりました。これまでに培った技術力により高断熱・高気密で健康的かつ地球にやさしい住宅の提供などの取組みを行っております。
これらの取組みは、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」にも通ずるものと認識しており、事業活動を通して、SDGsの達成に貢献できるものと考えています。
今後も、この方針は変わることのない企業の哲理として遵守し、継続した実践を行ってまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、大きく変化し続ける事業環境の中で、時代に合ったビジネスモデルを再構築し、事業領域の最適化を図ってまいります。また、経営資源の選択と集中による収益体質の強化と成長を実現するために組織の合理化を推進してまいります。
その主な対策は次のとおりであります。
①専業細分化と事業間シナジーの強化による一体営業の推進
3事業会社体制により、各事業の専門性を高めるとともに、グループ事業会社間の横断的な営業連携や情報の共有化を営業エリアごとに取り組むとともに、グループ事業会社間において、不動産事業を中核として、住宅事業、リフォーム事業等との連携により、当社グループの強みを活かした新たな事業戦略の確立及びグループ事業会社間の人材の流動化により、シナジー効果を高めてまいります。
②危機に強い経営体制の構築による経営の安定化と社員の豊かさの両立
財務体質の更なる強化を図るとともに、原価の見直しや工期短縮、回転率を高めることで、売上・利益の最大化に努め、選択と集中による経営資源の最適化を実現し、適切かつ効率的に業務を推進してまいります。また、従業員の豊かさの人生を創造し、安心して働き続けられるよう“生きがい・やりがい”の創出、職場環境の改善のみならず、「一人ひとりが個人・家庭・会社のそれぞれで目標を持ち、自ら管理し、実現に向け意欲を引き出せるような取組み」(※3KM)を推進していきます。
※「3KM」とは、「個人」「家庭」「会社」の頭文字である3つのKと、一人ひとりが目標(Mark)を持ち、それらを自ら管理(Management)し、実現に向けて意欲を引き出すこと(Motivation)を表す3つのMを意味します。
③あらゆるステークホルダーとの英知の結集
社内のみならず社外のリソースを有効活用し、社内のリソースと結びつけることで経営基盤の強化に努め、企業価値の向上に努めてまいります。
併せて、新型コロナウイルス感染症収束後において、M&Aや企業提携を進めることで事業領域の拡大を進め、多角化により、新たな収益機会の創造を進めてまいります。
(3)経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気低迷の長期化が懸念され、未だ収束の見通しが立たないことから、引き続き厳しい経済環境が続くものと見られます。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、厚生労働省が発表した「新しい生活様式」の推進により、テレワークの拡大や自宅で過ごす時間が増えてきていることから、戸建て住宅への関心が高まりつつあります。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、雇用・所得環境の悪化に伴う消費マインドの低下の懸念から先行き不透明な状況が続くものと見られます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、前年に掲げた事業エリアの拡大方針を大幅に見直し、グループ基本方針を新たに策定いたしました。
リソースの効率的活用のため、「1.選択と集中による拠点の集約」、「2.人材資源の適正シフト」の実施により、当社グループの強みが活かせる拠点にリソースを集中させ、生産性の向上を図ってまいります。また、「3.デジタルトランスフォーメーションの推進」により、業務の効率化を図ることで、大きく変化する事業環境にも対応できる業務体制の構築を進め、適切かつ効率的な業務を推進してまいります。
併せて、WEBを活用した見学会、相談会及びセミナーの開催などによる集客活動に注力し、非対面型の営業活動を推進するとともに、お客様のニーズの変化に対応した提案や商品の企画を進めてまいります。
セグメント別の取組みは次のとおりであります。
(住宅事業)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、足元では回復傾向にありますが、依然として先行き不透明な状況下で、安定した利益の確保ができる体制を整えてまいります。また、生活様式の変化によるお客様の新たなニーズへの対応を進めてまいります。
・原価低減及び生産の合理化による施工回転率の強化を図り、収益力の向上
・WEBを活用した販売チャネルの拡大によるブランディング及び顕在・潜在顧客層へのアプローチ強化による集客力の向上
(リフォーム事業)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、引き続き厳しい事業環境が予測されますが、リフォーム需要の変化に対応し、高付加価値リフォームに加え、メンテナンス工事の受注確保に努めてまいります。併せて、多様化するニーズに即した提案を推進してまいります。
・大規模改修から外壁工事や水回り工事などのボリュームゾーンへのシフト
・新たなニーズに対応した提案による受注の確保
(不動産事業)
新型コロナウイルス感染症拡大による大きな影響は今のところは見られず、不動産取引も活発な動きを見せていることから、引き続き、事業の中心となる不動産の仲介・売買の強化に努めるとともに、新たな柱となる事業の拡大を目指してまいります。
・媒介取得、仕入体制の強化
・JVによる新築分譲マンションの本州展開、解体事業の規模拡大など周辺事業領域の充実
(賃貸事業)
当社の賃貸事業については、居住用物件の割合が多いことから、新型コロナウイルス感染症拡大の大きな影響は今のところは見られませんが、今後も安定した収益確保を目指し、既存事業の基盤強化に努めてまいります。
・収益用不動産のリニューアルによる空室率の改善、賃貸管理戸数の拡大及び賃貸管理業務の合理化による収益性の向上
・保険サービスの強化による販売促進
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、「売上高営業利益率5%」を重要な経営指標として意識し、財務体質の強化及び安定した収益の確保に努めて参ります。