有価証券報告書-第40期(平成26年11月1日-平成27年10月31日)

【提出】
2016/01/28 14:07
【資料】
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【項目】
111項目

対処すべき課題

(1)当社グループの現状の認識について
住宅事業につきましては、平成26年11月1日より住宅業界の環境変化に即応すべく、株式会社土屋ホームと株式会社土屋ホーム東北を合併し、経営の効率化と販売力の強化を図りました。更に平成26年11月に新設したOSP部(オピニオン・サスティナブル・パック・プレゼンテーション部)により、外壁、屋根、水回り、太陽光発電等それぞれのリニューアルパッケージ商品の他に、お得意様の細かいニーズにお応えできる商品の提案を推進し、当社グループのお得意様との接点強化を図りました。
また、平成27年4月より当社グループの強みである外断熱工法や省エネルギー技術に磨きをかけ、より高い住宅性能を訴求し、断熱性能を更に向上した住まいに高効率暖房・給湯システムを組み合わせ、空調エアコン1台で全室を暖冷房できる新商品「Neo Legend(ネオレジェンド)」を販売し、受注の拡大に努めてまいりました。
商品ラインナップの拡充・強化により、前連結会計年度に比べて当連結会計年度の受注は順調に推移したものの、繰越受注残高が前期を下回っていたことに加え、天候の影響による工期の遅れから完成引渡がずれ込み、当事業の売上高は減収となり、営業利益につきましても減益となりました。
増改築事業につきましては、株式会社土屋ホームと株式会社土屋ホームトピアの技術力を合わせ、既存のモデルハウスに高性能断熱改修、太陽光発電や創エネルギー設備を導入したリフォームを行い、平成27年1月にネットゼロエネルギーリフォーム住宅として生まれ変わった「札幌西モデルハウス」をリニューアルオープンいたしました。
これまで培ってきた技術力を生かし、高い断熱性能や耐震性能を組み合わせた商品の提供を行い、安心・快適な生活を提案する高性能リフォームの販売に注力いたしましたが、住宅事業と同様に前期繰越受注残高の減少により、当事業の売上高は減収となり、売上総利益率の改善及び一般管理費の削減により、営業利益は増益となりました。
不動産事業につきましては、仲介業務においては、取扱件数が順調に推移したことから、仲介手数料収入が増加いたしました。また、自社物件の販売に関しましては、積極的な仕入れを行った結果、中古住宅のリニューアル販売及び土地の販売の増加により、当事業の売上高は増収となり、営業利益につきましても増益となりました。
賃貸事業につきましては、不動産賃貸収入においては安定的な収益を確保することに努めてまいりました。また、管理受託戸数の増加に注力しましたが営繕売上等が減少し、当事業の売上高は減収となり、一般管理費の削減により、営業利益は増益となりました。
(2)当面の対処すべき課題の内容
当社グループが属する建設・住宅・不動産業界におきましては、少子高齢化による人口減少社会に歯止めがかからない状況の中で、空家件数は更に増大し、住宅市場の縮小は必至であることから、シェア拡大による売上の確保と併せて伸長が見込まれる事業への資源投入が課題となります。
(3)対処方針
以前より取り組んでおります、「中核事業の構造改革」「成長事業の営業戦略強化」「財務の健全性維持と収益力強化」を更に推し進め、組織経営の全体最適化と共に適正利益の確保に努めてまいります。
(4)具体的な取組状況等
次期の見通しにつきましては、現下の経済情勢を鑑み、より一層の組織強化と合理化を進めてまいります。
当社グループ主力事業会社の株式会社土屋ホームにおいては、組織変更を行い、住宅部門、不動産部門に加え、新たにリノベーション部門を開設し、中古住宅再生事業の構築を行ってまいります。国土交通省では2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化するとの方針が発表されております。省エネルギー住宅は全国的に需要が高まってくると考えられることから、住宅部門に東海地区・関西地区を開設し、東海地区に「東海本店」(愛知県名古屋市)、関西地区に「関西本店」(滋賀県大津市)を設置し、営業エリアの拡大により業績拡大を目指してまいります。
また、平成27年11月1日付で、株式会社土屋ホームと株式会社アーキテクノが合併し、施工体制をトータル的に管理することにより、職人不足への対応強化、工期の短縮、原価率の改善など経営の効率化を図ってまいります。更に構造材等のパネル化などを進め、工場での施工率のアップが競合他社との差別化に繋がり、工場との一体化による合理化に取り組んでまいります。
増改築事業専門の株式会社土屋ホームトピアでは、省エネリフォーム・マンションリフォームのほか、古民家再生リフォーム、介護リフォームなど新たな切り口の商品による、独自の付加価値の高い提案を進めてまいります。
このほか、グループ各社を含めた拠点の新設、統廃合及びモデルハウスの出展と人員の適正な配置を行うと共に、地域に根ざした営業活動を引き続き推進していく所存でございます。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果や2017年4月の消費税率の引き上げを控えた駆け込み需要が見込まれることから、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、中国を始めとする海外景気が下振れし、わが国の景気が下押しされるリスクから、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、消費税引き上げに伴う反動減の影響が大きかった持家の新設住宅着工戸数は持ち直しの動きが見られ、住宅取得資金贈与の非課税枠拡大やフラット35Sの金利優遇幅拡大など、税制優遇策及び低金利政策の効果が新設住宅着工戸数に表れていると思われ、住宅取得の需要は緩やかに回復に向かうものと思われます。
このような状況のなか、当社グループは、激しい競争社会で生き残り永続していくために、原点である全社営業体制の堅持を始め、財務体質の更なる強化、グループ連携をより一層強化し、経営資源の効率化やコストダウンを進め、更なる企業価値の向上に努めてまいります。併せて当社の企業理念であります「お客様・社会・会社の関係するすべての人々の物質的・精神的・健康的な豊かさの人生を創造」すべく業務に邁進いたしてまいります。