有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 9:10
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151項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、主として期末日現在などの判断に基づき金額を見積った項目があります。
特に以下の項目に関する見積額は、実際の結果と異なる可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、今後の個別の業況などによっては、追加引当もしくは取崩しが必要となる可能性があります。
② 退職給付費用および債務
退職給付費用および退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
③ 投資有価証券の減損
投資有価証券については、その価値の下落が一時的ではなく回復可能性が無いと認められる場合に減損処理を実施しておりますが、今後の市況や投資先の業況などにより、さらに減損処理が必要となる可能性や価格が回復する可能性があります。
④ たな卸資産の評価
たな卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき処理を行っております。評価を行うに当たっては、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留するたな卸資産についても、簿価を切り下げております。今後の市況や需要動向によっては、追加の評価減が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響につきましては、事業によってその影響や程度が異なるものの、全体としては限定的であるとの仮定のもとに、会計上の見積りを行っております。
(2) 経営成績
当期は新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が深刻なものとなり、世界各国において外出・移動規制が行われ、感染拡大防止の観点から事業活動にも大きな制限を受けました。また、個人消費も大きく落ち込み、世界経済は急速に悪化、停滞しました。
この間、日本国内では2020年4月に緊急事態宣言が発出され、企業や個人の活動が大きく制限されたことで景気が急速に悪化して極めて厳しい状況になりました。その後、5月末に緊急事態宣言が解除され、国内景気に回復の兆しが見られたものの、2021年1月には大都市などを中心に再度の緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染症から生じたさまざまな問題の収束の目途が立っておらず、その影響は今後も長期間に及ぶことが予想されます。
そのような中、森永乳業グループは生活必需品である食品を製造する企業としての使命を果たせるよう、従業員の安全と健康に引き続き最大限の配慮をし、出来る限り商品の供給を継続すべく取り組んでまいりました。この間における大きな需要の変化として、外食産業、ホテル、観光業、お土産等向け業務用乳製品が大幅な需要減少となった一方、健康に貢献する機能性素材やヨーグルト、アイスクリーム、チーズをはじめとする家庭内需要は堅調に推移しました。また、海外では、世界的な健康ニーズの高まりを背景に機能性素材への需要が拡大し、事業拡大に向けた継続的な取り組みが成果として現れました。
<中期経営計画の概要>2019年4月より「森永乳業グループ10年ビジョン」のもと、2022年3月期までの3年間を確固たる事業基盤づくりの期間と位置付け、
・「4本の事業※1の柱横断取り組み強化による持続的成長」
・「経営理念実現に向けたESGを重視した経営の実践」
・「企業活動の根幹を支える経営基盤の更なる強化」
の3つを基本方針に定め、売上高6,300億円、営業利益300億円を数値目標とする中期経営計画を策定し、取り組んでいます。(上記数値目標は計画策定時。2022年3月期の業績予想は売上高5,020億円、営業利益310億円)
※1 ①BtoC事業、②ウェルネス事業、③BtoB事業、④海外事業の4事業
<当期の主な取り組み事項>当期は中期計画達成に向けた最重要の1年と位置付け、激変する環境に対応しながら、さらなる企業体質ならびに事業の強化に努めてまいりました。
・ウィズコロナ、アフターコロナ、足元の対策と中長期視点での対応の両立。
-リスク低減に向けた対応の強化(BCP、効率的な働き方の推進)。
-生活者意識の変化に対応した取り組み(衛生、健康ニーズへの対応)。
-原材料調達、物流、財務など事業を支える機能の確立。
・お客さまのニーズに応える商品の提供とその価値訴求に努め、健康に貢献する機能性素材の積極的な販売促進活動、海外事業の拡大。
・オペレーションコストの上昇に対応するため、低採算商品の見直し等によるプロダクトミックスの改善、ローコストオペレーションの推進、価格改定等実施。
・サステナブルな社会づくりに貢献するため、CO2排出量、用水使用量・排水量、プラスチック使用量、食品ロス削減取り組みへの注力。
・経営基盤の更なる強化に向け、グループ全体の生産拠点再編推進(2020年5月東洋醗酵乳株式会社生産中止、2021年3月東京工場生産中止)。
・資産効率の改善(近畿工場跡地売却、港南ビル(東京都港区)売却:2022年3月期に特別利益計上予定)。
これらの結果、当社グループの連結売上高は、BtoC事業では家庭内需要の高まりにより、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどが増収となりました。加えて、健康機能性素材への注目の高まりや、海外事業の売上伸長もありましたが、BtoB事業における業務用乳製品が大きく減少したことや夏季の天候不順の影響などを受け、全体では減収となりました。
連結の利益面では、業務用乳製品の大幅減少による売上利益の大きな減少があったものの、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、海外事業の伸長、コロナ禍におけるグループ全体でのコストの見直し等により前年を上回りました。
なお、公益財団法人ひかり協会に対する負担金として、当期は16億3千5百万円を支出いたしました。
連結売上高583,550百万円(前年比1.2%減)
連結営業利益28,867百万円(前年比13.8%増)
連結経常利益30,109百万円(前年比16.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益18,741百万円(前年比0.5%増)

(その他重要経営指標)
売上高営業利益率 4.9%
ROE(自己資本利益率) 9.8%
海外売上高比率 6.4%
セグメント別の状況は、次のとおりです。
(単位:百万円)
売上高前年比営業利益前年比
食品事業559,752△1.7%36,086+10.2%
その他の事業33,915+2.3%3,085△6.8%
消去または全社△10,117△10,303
合計583,550△1.2%28,867+13.8%

食品事業:市乳、乳製品、アイスクリーム、飲料など
その他の事業:飼料、プラント設備の設計施工など
(参考)中期経営計画における事業分野別(4本の事業の柱)業績概況
①BtoC事業:売上高は主にビバレッジにおいて、オフィス、施設等向け需要減少の影響を大きく受けましたが、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズをはじめとする家庭内需要は堅調に推移し増収となりました。また、健康ニーズの高まりを受け「トリプルヨーグルト」「ビヒダスヨーグルト 便通改善」などの機能性表示食品が計画を上回り、プロダクトミックス改善にも大きく貢献いたしました。
利益面では、プロダクトミックスの改善に加え、販売活動のコントロールなど、経費の抑制を進めたこともあり増益となりました。
BtoC事業売上高309,995百万円(前年比1.4%増)
BtoC事業営業利益16,128百万円(前年差3,535百万円増)

②ウェルネス事業:健康栄養補助食品としての大人向け粉ミルク「ミルク生活」などは好調に推移しましたが、育児用ミルクが前期末における仮需要の反動から減少し、事業全体では前年並みとなりました。なお、6月には日本初の常温保存可能なヨーグルトをECチャネルで発売するなど、新たな取り組みも開始しました。
利益面では、育児用ミルクの減収影響およびEC事業の立ち上げにかかる費用発生などにより減益となりました。
ウェルネス事業売上高55,528百万円(前年比0.3%減)
ウェルネス事業営業利益3,456百万円(前年差715百万円減)

③BtoB事業:構成比の高い業務用乳製品は外食産業、ホテル、観光業、お土産等向けが大幅な需要減少となりました。一方、健康ニーズの高まりからビフィズス菌など、当社の保有する機能性素材への引き合いが強まりました。また、衛生ニーズの高まりから微酸性電解水生成装置「ピュアスター」の販売が増加しましたが、事業全体では業務用乳製品の大幅減収の影響を受け、大きく減収となりました。
利益面では、売上利益が大幅減少となったことから減益となりました。
BtoB事業売上高78,904百万円(前年比18.4%減)
BtoB事業営業利益2,614百万円(前年差2,723百万円減)

④海外事業:乳原料を製造販売するミライ社は、粉ミルク向け需要の増加などにより増収となりました。また、育児用ミルクなどの輸出は前期から大きく反動増となりました。加えて、機能性素材(菌体、ラクトフェリンなど)の販売が増加しました。
利益面では、増収効果に加え、利益率の高い機能性素材が拡大したことでプロダクトミックスの改善が進み増益となりました。
海外事業売上高37,249百万円(前年比18.2%増)
海外事業営業利益5,505百万円(前年差2,684百万円増)


生産、受注及び販売の状況は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
食品事業392,428△1.7
その他の事業6,093+9.3
合計398,522△1.5

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
食品事業----
その他の事業10,928△23.13,324△50.4
合計10,928△23.13,324△50.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
食品事業559,752△1.7
その他の事業33,915+2.3
セグメント間の内部売上高または振替高△10,117-
合計583,550△1.2

(注) 1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱セブン‐イレブン・ジャパン62,68310.663,07910.8

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)財政状態
当連結会計年度末の資産の部は、「現金及び預金」や設備投資により「有形固定資産」が増加したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、167億2百万円増の4,527億6千3百万円となりました。
負債の部は、「コマーシャル・ペーパー」が増加した一方、「短期借入金」が減少したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、20億7千4百万円減の2,508億4千4百万円となりました。
純資産の部は、「利益剰余金」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ、187億7千6百万円増の2,019億1千8百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の41.6%から44.0%に、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の3,663.73円から4,028.36円になりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ93億3千4百万円増の385億4千4百万円の収入となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益259億9千8百万円、減価償却費204億8千4百万円がキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額82億8千7百万円がキャッシュ・フローの支出となったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ121億1千2百万円支出増の253億5百万円の支出となりました。主な要因は、固定資産の取得により281億8千1百万円の支出があったことによります。
これらを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ27億7千7百万円減の132億3千8百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ82億1千5百万円支出減の26億2千7百万円の支出となりました。主な要因は、短期借入金の返済により88億5千5百万円、長期借入金の返済により87億5千7百万円の支出があった一方、コマーシャル・ペーパーの増加により100億円の収入があったことによります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ106億3千2百万円増の191億3千8百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
自己資本比率(%)36.938.038.741.644.0
時価ベースの自己資本比率(%)53.051.643.047.463.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)2.74.06.43.83.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)39.030.124.538.054.6

自己資本比率:(純資産-新株予約権-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の財務政策のとおりです。
当社グループは、資金調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関11行と総額300億円のコミットメントライン契約を締結しております。調達した資金につきましては、経常設備投資および成長投資への支出と、財務安定性を維持(有利子負債コントロール)することにより基盤確保した上で、株主還元へ振り分けております。

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