有価証券報告書-第112期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 15:37
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117項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初に熊本地震が発生して経済に与える影響が懸念されましたが、雇用・所得環境の改善が続き、景気は総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続きました。食品業界におきましては、原材料価格は比較的安定していましたが、個人消費は力強さに欠け、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況の中で、当社グループは「グリコグループ行動規範」に基づき、信頼される企業であり続けることを事業展開の基本としながら、主力品を軸とした売上拡大や新製品・系列品の発売、量販店やCVSでの販売対策等を積極的に展開しました。
その結果、売上面では、牛乳・乳製品部門は前年同期を下回りましたが、菓子部門、食品部門が前年同期並みとなり、冷菓部門、食品原料部門、その他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は353,217百万円となり、前連結会計年度(338,437百万円)に比べ4.4%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、販売品種構成の変化や菓子部門、食品原料部門の売上原価率の改善等により、全体ではダウンしました。販売費及び一般管理費は、牛乳・乳製品部門の構成比率のダウンによって運送費及び保管費率がダウンし、広告宣伝費も減少しました。また、前年に引当計上したESOP分配金も解消しました。
その結果、営業利益は24,254百万円で、前連結会計年度(17,110百万円)に比べ7,144百万円の増益となり、経常利益は26,367百万円で、前連結会計年度(19,229百万円)に比べ7,137百万円の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は18,147百万円となり、前連結会計年度(13,903百万円)に比べ、4,244百万円の増益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子部門>売上面では、国内は機能性表示食品の“LIBERA(リベラ)”“GABA(ギャバ)”が好調に推移し、“カプリコ”“バンホーテンチョコレート”等が前年同期を上回り、全体では前年同期を上回りました。海外は、中国を除く子会社は前年同期を上回りましたが、中国子会社は前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は121,116百万円となり、前年同期(121,157百万円)並みとなりました。
利益面では、国内及びタイ子会社での売上原価率の改善や海外での広告宣伝費率のダウン等によって、営業利益は10,546百万円となり、前年同期(9,206百万円)に比べ、1,339百万円の増益となりました。
<冷菓部門>売上面では、主力の“パピコ”“牧場しぼり”“アイスの実”等が前年同期を上回りました。また、Glico Frozen(Thailand)Co.,Ltd.及び新たに連結範囲に含めました正直屋乳販(株)の売上が上乗せとなりました。その結果、当連結会計年度の売上高は92,416百万円となり、前年同期(81,004百万円)に比べ14.1%の増収となりました。
利益面では、増収及び原材料費率の改善による売上原価率のダウン等により、営業利益は8,444百万円となり、前年同期(5,478百万円)に比べ2,965百万円の増益となりました。
<食品部門>売上面では、“熟カレー”等が前年同期を下回りましたが、“カレー職人”“クレアシチュー”等は前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は20,220百万円となり、前年同期(20,183百万円)に比べ0.2%とわずかながら増収となりました。
利益面では、原材料費率の改善、リベートの効率運用及び経費の削減等により、営業利益は844百万円となり、前年同期(112百万円)に比べ、731百万円の増益となりました。
<牛乳・乳製品部門>売上面では、“BifiXヨーグルト”「粉ミルク」、キリンビバレッジ(株)の受託販売を行っている“トロピカーナ エッセンシャルズ”等は前年同期を上回りましたが、“カフェオーレ”“ドロリッチ”等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は94,871百万円となり、前年同期(97,821百万円)に比べ3.0%の減収となりました。
利益面では、粉ミルクの増収による増益や運送費及び保管費率のダウン及び広告宣伝費の削減等により、営業利益は4,788百万円となり、前年同期(4,516百万円)に比べ、272百万円の増益となりました。
<食品原料部門>売上面では、「澱粉」等は前年同期を下回りましたが、“A-グル”“E-スターチ”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,434百万円となり、前年同期(10,242百万円)に比べ1.9%の増収となりました。
利益面では、一般管理費の増加はあったものの、売上原価率が改善したこと等により、営業利益は952百万円となり、前年同期(492百万円)に比べ、460百万円の増益となりました。
<その他部門>売上面では、“アーモンド効果”が大幅に売上を伸ばしたほか、「オフィスグリコ」や、“カロリーコントロールアイス”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は14,158百万円となり、前年同期(8,029百万円)に比べ76.3%の増収となりました。
利益面では、オフィスグリコ及び健康部門の増収による増益等により、営業利益は477百万円となり、前年同期(△41百万円)に比べ518百万円の増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
前連結会計年度当連結会計年度増減額(△は減)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)17,65829,56311,905
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△13,773△14,059△286
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△10,06124,21334,274
現金及び現金同等物期首残高(百万円)59,40652,010△7,395
現金及び現金同等物期末残高(百万円)52,01090,23838,228

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が5,529百万円(前年同期比26.4%増)と増加したことに加えて、転換社債型新株予約権付社債の発行等により、前連結会計年度末に比べ38,228百万円増加し、当連結会計年度末には90,238百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は29,563百万円(同67.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が26,492百万円、減価償却費が11,110百万円及び、法人税等の支払額5,496百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14,059百万円(同2.1%増)となりました。これは主に、投資有価証券の売却等による収入3,206百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出17,713百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は24,213百万円(前年同期は10,061百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出3,825百万円、配当金の支払額2,631百万円がありましたが、社債発行による収入30,045百万円等によるものであります。