有価証券報告書-第109期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:13
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策の効果や輸出環境の改善等により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、中国並びに新興国経済の動向や消費税増税に伴う個人消費の減退など、国内景気の下振れ懸念があり、依然として不透明な状況が続いております。食品業界におきましては、円安による原材料価格の上昇等によって、取り巻く経営環境は一段と厳しい状況が続いております。
このような状況の中で、当社グループは「グリコグループ行動規範」に基づき、信頼される企業であり続けることを事業展開の基本としながら、主力品の売上拡大や新製品・系列品の発売、流通チャネルに即応した販売促進対策、店頭での特売対策等を積極的に展開いたしました。また、ベトナムやインドネシアなど東南アジアを中心とした海外事業展開を積極的に推し進めました。
その結果、売上面では、食品部門は前年同期を下回りましたが、菓子部門、冷菓部門、牛乳・乳製品部門、食品原料部門、その他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は315,399百万円となり、前連結会計年度(293,002百万円)に比べ7.6%の増収となりました。
利益面につきましては、円安による原材料価格のアップはありましたが、販売品種構成の変化やタイ子会社の洪水被害からの復旧等によって、売上原価率はダウンしました。販売費及び一般管理費では、一般経費は効率化に努めましたが、量販店やCVSでの積極的な販売対策の実施等により販売促進費等が増加しました。その結果、営業利益は11,645百万円で、前連結会計年度(4,540百万円)に比べ7,104百万円の増益となり、経常利益は13,539百万円で、前連結会計年度(6,452百万円)に比べ7,086百万円の増益となりました。
また、当連結会計年度は、タイ子会社の洪水被害による保険差益や投資有価証券売却益等を特別利益に計上いたしました。その結果、当期純利益は11,033百万円となり、前連結会計年度(3,287百万円)に比べ7,746百万円の増益となりました。
なお、畜産加工品事業を行っていたグリコハム株式会社の全株式を平成26年1月14日に譲渡したため、当連結会計年度の畜産加工品事業については第3四半期連結累計期間までを含めております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子部門>売上面では、“チーザ”“クラッツ”等のスナックや“キスミントガム”等は前年同期を下回りましたが、「ポッキーグループ」“アーモンドピーク”等が前年同期を上回り、新製品“神戸ローストショコラ”“バトンドール”等も順調に売上を伸ばしました。また、海外では、東南アジア及び中国の各エリアで売上を大きく伸ばし、韓国でもポッキーの販売を開始しました。その結果、当連結会計年度の売上高は101,076百万円となり、前年同期(83,112百万円)に比べ21.6%の増収となりました。
利益面では、タイ子会社が洪水被害から全面復旧したことや、国内での増収等により、営業利益は5,538百万円となり、前年同期(1,075百万円)に比べ、4,463百万円の増益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パリッテ”等は前年同期を下回りましたが、“ジャイアントコーン”“パピコ”“セブンティーンアイス”等は前年同期を上回りました。また、関西の卸売販売子会社も前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は70,305百万円となり、前年同期(64,812百万円)に比べ8.5%の増収となりました。
利益面では、夏場の天候不順による東北の卸売販売子会社の減収と、それに伴う粗利減が大きく影響したため、営業利益は3,202百万円となり、前年同期(3,216百万円)に比べ、△14百万円の減益となりました。
<食品部門>売上面では、“カレー職人”“ZEPPIN”“炊き込み御膳”等は前年同期を上回りましたが、“2段熟カレー”等は前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は22,464百万円となり、前年同期(24,277百万円)に比べ7.5%の減収となりました。
利益面では、減収と売上原価率のアップ等はありましたが、販売促進費及び広告宣伝費の削減に努めたことにより、営業利益は1百万円となり、前年同期(△416百万円)に比べ、418百万円の増益となりました。
<牛乳・乳製品部門>売上面では、“朝食BifiXヨーグルト”“ドロリッチ”“朝食ヨーグルトワンハンド”等が前年同期を上回りました。また、キリンビバレッジ(株)からの業務受託による売上は前年並となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は91,687百万円となり、前年同期(86,748百万円)に比べ5.7%の増収となりました。
利益面では、販売促進費等は増加しましたが、増収や販売品種構成の変化に伴う売上原価率のダウン等により、営業利益は1,999百万円となり、前年同期(444百万円)に比べ、1,555百万円の増益となりました。
<畜産加工品部門>畜産加工品事業を行っていたグリコハム株式会社の全株式を平成26年1月14日に譲渡したため、第3四半期連結累計期間までを含めております。その結果、当連結会計年度の売上高は15,328百万円となり、前年同期(20,740百万円)に比べ26.1%の減収となりました。
利益面では、販売品種と販売エリアの見直しや、人員削減、販売促進費の削減等に取り組んだ結果、営業利益は564百万円となり、前年同期(△494百万円)に比べ、1,059百万円の増益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“A-グル”や“澱粉”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は9,060百万円となり、前年同期(8,320百万円)に比べ8.9%の増収となりました。
利益面では、円安による輸入原料価格の上昇の影響を受けて売上原価率がアップしたため、営業利益は216百万円となり、前年同期(451百万円)に比べ、△234百万円の減益となりました。
<その他部門>売上面では、オフィスグリコ、スポーツフーズがいずれも前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は5,475百万円となり、前年同期(4,990百万円)に比べ9.7%の増収となりました。
利益面では、増収による粗利増等により、営業利益は239百万円となり、前年同期(5百万円)に比べ、233百万円の増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
前連結会計年度当連結会計年度増減額(△は減)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)14,55022,4997,948
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△11,416△14,934△3,518
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,0718,94310,015
現金及び現金同等物期首残高(百万円)32,41035,3782,967
現金及び現金同等物期末残高(百万円)35,37854,22518,846

当連結会計年度における現金及び現金同等物期末残高は、54,225百万円となり、前連結会計年度末(35,378百万円)に比べ18,846百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17,370百万円に加え、減価償却費11,208百万円がありましたが、法人税等の支払額2,674百万円等により、22,499百万円の純収入となり、前連結会計年度に対しては7,948百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入6,887百万円はありましたが、有形固定資産の取得による支出15,014百万円、投資有価証券の取得による支出6,426百万円等により14,934百万円の純支出となり、前連結会計年度に対しては3,518百万円支出が増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,793百万円、短期借入金の減少2,295百万円はありましたが、自己株式の売却による収入14,405百万円等により8,943百万円の純収入(前連結会計年度は1,071百万円の純支出)となりました。