有価証券報告書-第72期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来一貫して、良品廉価・顧客本位、製品をもって世に問うというヤマザキの精神を具現化すべく、今日到達しうるベストクオリティー・ベストサービスを追求することをめざし、パン、和・洋菓子、製菓類、調理パン・米飯類の製造販売事業に携わり、常に積極果敢に技術革新に取り組み、高品質な製品を全国各地に安定的に供給することを通じて社会の負託に応え、業績の向上につとめてまいりました。
また、当社グループは、西暦2000年以来、特に「食の安全・安心」を社会の要請と積極的に受けとめ、徹底した食品安全衛生管理体制の確立をはかり、さらに、食品安全衛生管理体制の上に築き上げる事業経営手法として、部門別製品施策、営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を取り上げ、積極的に部門別製品開発、技術開発に取り組み、お客様に喜ばれる製品とサービスの提供に万全を期してまいりました。
今般、当社は、21世紀の事業環境と社会の変化に対応するため、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を改めて高く掲げると同時に、これを補完するものとして、「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価、顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」というヤマザキの精神に導かれ、科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な事業経営手法として、生命の道の教えに従ったすべての仕事を種蒔きの仕事から開始する部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を実践、実行、実証することで、新しい価値と新しい需要を創造し、社会の負託に応え社業を前進させることを21世紀のヤマザキの経営方針といたします。
事業経営の具体的遂行に当たっては、経営陣、管理職は、本物の5S・全員参加の5Sとピーター・ドラッカーの5つの質問を連動させる「2本立ての5S」を行うとともに、生命の道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略をピーター・ドラッカーの5つの質問と連動させ、「私たちの使命は何ですか」(What is our mission?)と問うだけでなく「私の使命は何ですか」(What is my mission? )と問い、生産部門・営業部門一体となった業務を推進するとともに、内部管理体制を充実・強化して、各部門毎の自主独立の協力体制を構築いたします。また、「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神と「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という生命の道を導く言葉によって日々の仕事の実践、実行、実証に励み、業績の着実な向上を期してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、積極的な設備投資を継続するとともに、財務基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には、連結売上高経常利益率3%以上、連結ROE5%以上の達成を経営指標として事業経営に取り組んでまいります。また、株主還元に関しましては、連結配当性向30%を目標に安定した配当を継続することを基本方針とし、今後も業績向上をはかり増配をめざしてまいります。
(3) 食品安全衛生管理体制の強化
当社グループは、従来から全社的組織で取り組んでおります細菌面における食品衛生管理システム、表示の適正管理システムに加え、AIB(American Institute of Baking)の「国際検査統合基準」に基づく教育指導・監査システムを活用し、異物混入防止対策を含む科学的根拠の上に立った総合的な食品安全衛生管理体制を整備しております。当社グループは、一般社団法人日本パン技術研究所によるAIBフードセーフティ監査を受けるとともに、自主監査によって各工場の食品安全衛生管理体制の充実強化をはかっております。また、当社の食品衛生管理センターが要注意製品群を定め、定期的な製品の市場買付による細菌検査を通じて安全性の検証を行うとともに、当社の食品安全衛生管理本部の食品衛生管理課が専任の部署として、製品表示のチェックシステムにより原材料の成分管理やアレルゲン表示管理を含め製品表示の管理徹底をはかっております。食品表示基準の制定に伴う対応につきましては猶予期間である2020年3月末迄に終え、2017年9月に義務化された新しい原料原産地表示に伴う対応(猶予期間2022年3月末迄)につきまして、継続して行っております。
今後、なお一層、食品安全衛生管理体制の強化につとめてまいる所存でございます。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しといたしましては、わが国経済は、設備投資の増加やオリンピック特需により景気の押し上げ効果が期待されるものの、消費増税に伴う個人消費の低迷も懸念され、景気の先行きは予断を許しません。
当業界におきましては、お客様の節約志向が根強く販売競争が激化する中で、人件費や物流コストの増加など収益環境で厳しさが予測されます。
このような状況下にありまして、当社グループは、引き続き「厳撰100品」を中心とした主力製品の品質向上と科学的根拠の上に立った消費期限の延長に取り組むとともに、市場動向に即応して、お客様が求める高品質・高付加価値・高単価製品を開発する一方で値頃感のある製品を投入するなど、ヤマザキの知恵と知識、科学的根拠の上に立った技術を駆使した製品開発に積極的に取り組み、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進してまいります。
食パンは、3大ブランドの「ロイヤルブレッド」、「ダブルソフト」、「超芳醇」を中心に、品質訴求と売場づくりを推進してまいります。特に「超芳醇」、「特撰超芳醇」につきましては、更なる品質向上に取り組み、品質訴求によって取扱拡大をめざしてまいります。また、ゴールドシリーズにつきましては、主力の「レーズンゴールド」の規格改定により販売強化をはかり、「おいしい健康志向」への取組みにつきましては、ルヴァン種やオリーブオイルなどを使用した製品開発に取り組んでまいります。
菓子パンは、引き続き主力製品の品質向上と消費期限の延長に取り組むとともに、高品質・高付加価値・高単価製品の開発を推進し、販売単価アップをめざしてまいります。また、食卓ロールにおいてはルヴァン種を活用した「ルヴァンバターロール」の取扱拡大をはかるとともに、惣菜パンのラインアップの充実をはかり売上拡大につなげてまいります。主力のランチパックにつきましては、ラインアップの充実をはかるとともに、ランチパック用食パンの品質向上に取り組んでまいります。
和菓子は、新規製法の「あん」を活用した高品質・高付加価値・高単価製品の開発に取り組み、特撰シリーズの展開を進めてまいります。また、やわらかさを訴求したラップ包装の蒸しパンのラインアップの充実をはかるとともに、際物商戦においては、チルド対応製品や和洋折衷製品の開発に取り組んでまいります。
洋菓子は、引き続き2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」などのまるごとシリーズに高単価製品を計画的に投入するとともに、シュークリームにおいて、品質向上したシューパフを活用した高品質な製品を開発してまいります。また、スイスロール、スナックケーキにおいてチルド製品の開発を推進し売上拡大をはかってまいります。
調理パン・米飯類は、㈱サンデリカの最先端の炊飯設備を活用した米飯の品質向上と新製品開発に積極的に取り組み、量販店やコンビニエンスストアチェーンとの取引強化をはかるとともに、調理麺につきましては、超多加水設備を活用した製品開発に取り組み、販路の拡大につとめてまいります。
製菓・米菓・その他商品類は、グループ各社の特徴のある製品群を活用したカテゴリー別のブランド戦略を推進するとともに、ヤマザキビスケット㈱につきましては、「ルヴァンプライムスナック」、「ノアール」、「ルヴァンクラシカル」の市場への浸透につとめる一方で、「チップスター」、「エアリアル」などブランド力のある製品の販売強化をはかってまいります。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、デイリーヤマザキ事業と食パン、菓子パン、和洋菓子の生産各部門との情報伝達と連携を密にするために、週次管理・週次決算手法を導入し、デイリーヤマザキの商品部とヤマザキパン生産各部のあるべき姿を徹底して追求するとともに、食パンの品質改善、菓子パンの特撰シリーズの発売を中心とする二極化作戦、また和洋菓子ではチルドデザートの和洋スイーツの充実強化をはかってまいります。デイリーヤマザキの強みであるデイリーホットにつきましては、こだわりの素材を活用した製品開発を行い、客単価アップにつなげてまいります。また、デイリーヤマザキ一店一店の課題に取り組み、週次管理によって仕事の精度を高め店舗運営の改善につとめるとともに、引き続き好立地への出店を戦略的に進めてまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来一貫して、良品廉価・顧客本位、製品をもって世に問うというヤマザキの精神を具現化すべく、今日到達しうるベストクオリティー・ベストサービスを追求することをめざし、パン、和・洋菓子、製菓類、調理パン・米飯類の製造販売事業に携わり、常に積極果敢に技術革新に取り組み、高品質な製品を全国各地に安定的に供給することを通じて社会の負託に応え、業績の向上につとめてまいりました。
また、当社グループは、西暦2000年以来、特に「食の安全・安心」を社会の要請と積極的に受けとめ、徹底した食品安全衛生管理体制の確立をはかり、さらに、食品安全衛生管理体制の上に築き上げる事業経営手法として、部門別製品施策、営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を取り上げ、積極的に部門別製品開発、技術開発に取り組み、お客様に喜ばれる製品とサービスの提供に万全を期してまいりました。
今般、当社は、21世紀の事業環境と社会の変化に対応するため、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を改めて高く掲げると同時に、これを補完するものとして、「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価、顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」というヤマザキの精神に導かれ、科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な事業経営手法として、生命の道の教えに従ったすべての仕事を種蒔きの仕事から開始する部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を実践、実行、実証することで、新しい価値と新しい需要を創造し、社会の負託に応え社業を前進させることを21世紀のヤマザキの経営方針といたします。
事業経営の具体的遂行に当たっては、経営陣、管理職は、本物の5S・全員参加の5Sとピーター・ドラッカーの5つの質問を連動させる「2本立ての5S」を行うとともに、生命の道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略をピーター・ドラッカーの5つの質問と連動させ、「私たちの使命は何ですか」(What is our mission?)と問うだけでなく「私の使命は何ですか」(What is my mission? )と問い、生産部門・営業部門一体となった業務を推進するとともに、内部管理体制を充実・強化して、各部門毎の自主独立の協力体制を構築いたします。また、「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神と「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という生命の道を導く言葉によって日々の仕事の実践、実行、実証に励み、業績の着実な向上を期してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、積極的な設備投資を継続するとともに、財務基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組んでまいります。具体的には、連結売上高経常利益率3%以上、連結ROE5%以上の達成を経営指標として事業経営に取り組んでまいります。また、株主還元に関しましては、連結配当性向30%を目標に安定した配当を継続することを基本方針とし、今後も業績向上をはかり増配をめざしてまいります。
(3) 食品安全衛生管理体制の強化
当社グループは、従来から全社的組織で取り組んでおります細菌面における食品衛生管理システム、表示の適正管理システムに加え、AIB(American Institute of Baking)の「国際検査統合基準」に基づく教育指導・監査システムを活用し、異物混入防止対策を含む科学的根拠の上に立った総合的な食品安全衛生管理体制を整備しております。当社グループは、一般社団法人日本パン技術研究所によるAIBフードセーフティ監査を受けるとともに、自主監査によって各工場の食品安全衛生管理体制の充実強化をはかっております。また、当社の食品衛生管理センターが要注意製品群を定め、定期的な製品の市場買付による細菌検査を通じて安全性の検証を行うとともに、当社の食品安全衛生管理本部の食品衛生管理課が専任の部署として、製品表示のチェックシステムにより原材料の成分管理やアレルゲン表示管理を含め製品表示の管理徹底をはかっております。食品表示基準の制定に伴う対応につきましては猶予期間である2020年3月末迄に終え、2017年9月に義務化された新しい原料原産地表示に伴う対応(猶予期間2022年3月末迄)につきまして、継続して行っております。
今後、なお一層、食品安全衛生管理体制の強化につとめてまいる所存でございます。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しといたしましては、わが国経済は、設備投資の増加やオリンピック特需により景気の押し上げ効果が期待されるものの、消費増税に伴う個人消費の低迷も懸念され、景気の先行きは予断を許しません。
当業界におきましては、お客様の節約志向が根強く販売競争が激化する中で、人件費や物流コストの増加など収益環境で厳しさが予測されます。
このような状況下にありまして、当社グループは、引き続き「厳撰100品」を中心とした主力製品の品質向上と科学的根拠の上に立った消費期限の延長に取り組むとともに、市場動向に即応して、お客様が求める高品質・高付加価値・高単価製品を開発する一方で値頃感のある製品を投入するなど、ヤマザキの知恵と知識、科学的根拠の上に立った技術を駆使した製品開発に積極的に取り組み、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進してまいります。
食パンは、3大ブランドの「ロイヤルブレッド」、「ダブルソフト」、「超芳醇」を中心に、品質訴求と売場づくりを推進してまいります。特に「超芳醇」、「特撰超芳醇」につきましては、更なる品質向上に取り組み、品質訴求によって取扱拡大をめざしてまいります。また、ゴールドシリーズにつきましては、主力の「レーズンゴールド」の規格改定により販売強化をはかり、「おいしい健康志向」への取組みにつきましては、ルヴァン種やオリーブオイルなどを使用した製品開発に取り組んでまいります。
菓子パンは、引き続き主力製品の品質向上と消費期限の延長に取り組むとともに、高品質・高付加価値・高単価製品の開発を推進し、販売単価アップをめざしてまいります。また、食卓ロールにおいてはルヴァン種を活用した「ルヴァンバターロール」の取扱拡大をはかるとともに、惣菜パンのラインアップの充実をはかり売上拡大につなげてまいります。主力のランチパックにつきましては、ラインアップの充実をはかるとともに、ランチパック用食パンの品質向上に取り組んでまいります。
和菓子は、新規製法の「あん」を活用した高品質・高付加価値・高単価製品の開発に取り組み、特撰シリーズの展開を進めてまいります。また、やわらかさを訴求したラップ包装の蒸しパンのラインアップの充実をはかるとともに、際物商戦においては、チルド対応製品や和洋折衷製品の開発に取り組んでまいります。
洋菓子は、引き続き2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」などのまるごとシリーズに高単価製品を計画的に投入するとともに、シュークリームにおいて、品質向上したシューパフを活用した高品質な製品を開発してまいります。また、スイスロール、スナックケーキにおいてチルド製品の開発を推進し売上拡大をはかってまいります。
調理パン・米飯類は、㈱サンデリカの最先端の炊飯設備を活用した米飯の品質向上と新製品開発に積極的に取り組み、量販店やコンビニエンスストアチェーンとの取引強化をはかるとともに、調理麺につきましては、超多加水設備を活用した製品開発に取り組み、販路の拡大につとめてまいります。
製菓・米菓・その他商品類は、グループ各社の特徴のある製品群を活用したカテゴリー別のブランド戦略を推進するとともに、ヤマザキビスケット㈱につきましては、「ルヴァンプライムスナック」、「ノアール」、「ルヴァンクラシカル」の市場への浸透につとめる一方で、「チップスター」、「エアリアル」などブランド力のある製品の販売強化をはかってまいります。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、デイリーヤマザキ事業と食パン、菓子パン、和洋菓子の生産各部門との情報伝達と連携を密にするために、週次管理・週次決算手法を導入し、デイリーヤマザキの商品部とヤマザキパン生産各部のあるべき姿を徹底して追求するとともに、食パンの品質改善、菓子パンの特撰シリーズの発売を中心とする二極化作戦、また和洋菓子ではチルドデザートの和洋スイーツの充実強化をはかってまいります。デイリーヤマザキの強みであるデイリーホットにつきましては、こだわりの素材を活用した製品開発を行い、客単価アップにつなげてまいります。また、デイリーヤマザキ一店一店の課題に取り組み、週次管理によって仕事の精度を高め店舗運営の改善につとめるとともに、引き続き好立地への出店を戦略的に進めてまいります。