有価証券報告書-第72期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 9:14
【資料】
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【項目】
105項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、国の経済政策による景気回復が期待されるものの、原材料価格やエネルギーコストの上昇が続くなかで、低価格競争が加速すると予想されるなど、先行きは厳しい状況が続くものと懸念されます。また、消費者の健康への関心や安全性志向がますます高まるなかで、食品の安全性や品質の向上への取り組みが一層強く求められております。
このような状況のもと、当社グループは、お客様に喜ばれ満足いただける安全・安心で高品質な商品を提供するとともに、生産性の向上やコスト削減を進めて強靭な企業体質の確立と収益力の向上に努めることにより、企業の永続的な発展と企業価値の増大を目指してまいります。具体的な取り組み課題は以下のとおりであります。
■食品事業につきましては、原材料価格が上昇するなかで、消費者の生活防衛による買い控えや商品の店頭価格の下落が続くという厳しい環境下にありますが、消費者の多様化したライフスタイルや価値観にお応えするため、市場環境を見据えた商品開発および販売戦略に取り組んでまいります。これらにより、低価格競争にさらされない高付加価値商品の提供と売上規模の拡大を推進してまいります。同時に「アルファベットチョコレート」や粉末飲料の「レモンティー」、また連結子会社である株式会社エースベーカリーの「厚切りバウムクーヘン」などの中核ブランドのさらなる強化はもとより、グループ各社の連携を一段と強めてシナジー効果を最大限に発揮して、食品事業の強化と拡大を目指してまいります。また、高齢化社会で介護食などの栄養食品の需要が高まるなか、栄養食品部門を新たな成長の柱に育ててまいります。平成22年に新工場を稼動させた株式会社エースベーカリーにおきましても、お客様の要望にお応えできる商品開発と精力的な営業活動を推進して、収益力の向上に努めてまいります。さらに当社グループは、原材料や商品の安全性はもとより、品質管理や生産体制を一層強化して、お客様に安心してお買い上げいただける高品質な商品をお届けできますよう注力してまいります。
■化成品事業の酵素部門につきましては、主力商品であるチーズ用凝乳酵素「レンネット」の海外各国での積極的な営業活動を通じて、長い使用実績のある既存商品の市場拡大と本格的に採用が始まった改良次世代商品のさらなる普及を図り、販売シェアの拡大に努めてまいります。また、脂肪分解酵素「リパーゼ」やリン脂質製造用酵素「ホスホリパーゼ」の性質改良と新規用途開発を促進することによって、これらの商品の販売拡大に注力してまいります。さらに新たな市場と販路の開拓を目指して「レンネット」や「リパーゼ」とは異なる新しい酵素商品の開発にも取り組んでまいります。
薬品部門では、MRI(磁気共鳴画像)診断用肝臓造影剤『リゾビスト』の原薬「フェルカルボトラン」を始めとする「デキストランマグネタイト」の特徴と製造技術を活かし、乳癌転移検出等への用途拡大を促進するとともに、新たな造影法で使用する磁性体の開発にも取り組んでまいります。また、医薬品などの原料である「デキストラン」の品目拡充と食品用など新規用途の開拓、および「デキストラン」から合成したデキストラン誘導体の品目拡充による化粧品素材や臨床検査用試薬などでの供給拡大も推進してまいります。さらに混合飼料「ヘルシーフレンド」および、その次世代品の用途開発と販売促進にも引き続き取り組んでまいります。
また、いずれの分野でも国内外からの安全に対する要請が強まっており、生産性の向上とともに、生産管理、品質管理基準の向上にも取り組み、事業基盤の強化に努めてまいります。
今後とも時代の変化に対応し、お客様に信頼され社会に貢献できる企業として継続的に発展するよう、全社を挙げて努力する所存であります。