四半期報告書-第176期第3四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成26年1月1日~平成26年9月30日)における世界経済は、米国の雇用情勢が良好に推移し、企業業績も好調さが見られるなど、一部の先進国経済が堅調であった一方、世界的に需要は低調で、長期化する地政学的要因の影響も加わり、欧州経済の先行きに対する懸念や新興国の成長ペース鈍化等の要素も抱えつつ推移しました。
このような世界経済のもと、わが国経済は、輸出が伸びない中でも、企業による設備投資が下支えとなって緩やかな回復が続きました。個人消費については、消費税率引き上げにより大きな振れが生じ、その後の回復には、夏場の天候不順による下押しもあり、足踏みがみられました。
キリングループは、長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:KV2021)実現に向けた最初のステージである「キリングループ2013年-2015年中期経営計画」に基づき、キリングループの「ブランドを基軸とした経営」を展開しながら、各地域統括会社が市場環境に応じた自律的な経営を行いました。一方で、中期経営計画で想定した成長ペースと乖離が発生している現状を踏まえ、中期経営計画後半及び2016年以降における持続的成長の実現に向け、中長期的視点で計画の策定に着手しました。
当第3四半期連結累計期間の連結売上高及び連結営業利益は、日本綜合飲料事業における販売数量の減少、医薬事業における薬価基準引き下げの影響及び技術料収入の減少に加え、キリン協和フーズ㈱(現MCフードスペシャリティーズ㈱、以下同じ)が前年度第3四半期から連結対象外となったこと等の影響もあり、減少しました。連結経常利益も減少し、連結四半期純利益については、フレイザー・アンド・ニーヴ社の株式譲渡によって投資有価証券売却益等を計上した前年同期に比べ、大幅に減少しました。
※ 平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額 + 持分法適用関連会社からの受取配当金
平準化EPS = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数
平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益
なお、平準化EBITDAは億円未満切捨てで表示しており、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。
なお、株主還元の更なる充実を図るため、公開買付けの手法により自己株式の取得を実施しました。当社大株主を含めた応募株主から、総額約197億円にて株式総数約1,599万株を5月に取得しました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
⦅日本綜合飲料事業⦆
当第3四半期の国内酒類・飲料市場では、4月に実施された消費増税に伴う駆け込み消費はありましたが、その反動及び夏場の天候不順による需要減が長引きました。これらの環境変化に対応しながら、「ブランドを基軸とした経営」の考え方に基づいた主力ブランド強化、お客様にとっての新しい価値の創造に一貫して取り組みました。
キリンビール㈱では、最重点ブランド「キリン一番搾り生ビール」について、広告、店頭でのブランドセミナー、工場、コンセプトショップ、「一番搾り プレミアム」を投入したギフト市場等あらゆる顧客接点で、その製法へのこだわりを訴求する活動に取り組みました。9月から開始した販促キャンペーンも奏功し、家庭用の缶の販売数量は増加しましたが、業務用の樽が減少し、「一番搾り」全体の販売数量は減少しました。発泡酒カテゴリーでは、機能性商品市場の拡大に対応し、「淡麗」ブランドから、プリン体0.00と糖質0の両方を実現した「淡麗プラチナダブル」を9月に発売し、わずか4週間で当初の年間販売目標である120万ケース※1の8割を達成しました。新ジャンル「キリン のどごし⦅生⦆」は、プレゼンスの向上に努めましたが、販売数量が減少しました。市場が拡大しているRTD※2では、「キリン 氷結」ブランドから、凍らせて飲むRTDの新提案「キリン 氷結アイススムージー」を一部地域のコンビニエンスストア及び球場で発売しました。また、6月に発売したほろにがい味覚が特長の「キリンチューハイ ビターズ」の販売が好調に推移し、年間販売予定数を発売当初の3倍である300万ケース※3に上方修正しました。
メルシャン㈱では、今後更に注目が集まることが予想される日本産ブドウを100%使用した日本ワインである「シャトー・メルシャン」の新商品及び新ヴィンテージを9月に発売しました。また、日常的なワイン飲用文化が浸透するにつれ拡大を続ける国内ワイン市場において、堅調な「無添加・有機」カテゴリーで、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン ふくよか赤」の小容量180mlサイズを新たに発売しました。
キリンビバレッジ㈱では、夏場の天候不順の影響もあり、清涼飲料全体の販売数量が前年を下回りましたが、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」の販売数量が前年を上回り、「キリン 午後の紅茶」ブランド全体でほぼ前年並みの販売数量となりました。「キリン 世界のKitchenから」ブランドの販売数量は前年を下回りましたが、8月及び9月に、過去に好評を得た商品をリニューアルして発売し、ラインアップの拡充を行いました。
その他、日本綜合飲料事業全体でのコスト削減に継続して取り組みました。
これらの結果、RTD、ワインの販売数量は前年を上回りましたが、ビール類及び清涼飲料の販売数量が減少し、売上高、営業利益ともに減少しました。
※1 大びん換算によります。
※2 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料でReady to Drinkの略です。
※3 250ml×24本換算によります。
⦅海外綜合飲料事業⦆
豪州経済は、全体としては緩やかな回復基調が続きましたが、雇用環境の改善が進まず、個人消費は住宅価格上昇等の資産効果を除けば低調に推移し、厳しい市場環境が続きました。
ライオン社酒類事業では、基盤ブランドの強化及び成長カテゴリーでの販売強化を引き続き進めました。縮小が続く豪州ビール市場において、ライオン社ビール全体の販売数量は前年を下回りましたが、主力ブランド「フォーエックス・ゴールド」は前年並の販売数量を維持しました。成長カテゴリーでは、輸入プレミアムビールの販売数量が前年を上回ったほか、「ジェームス・スクワイア」、「リトル・クリーチャーズ」などのクラフトビールの販売が好調に推移しました。また、豪州ビール市場のリーディングカンパニーとして、ビール市場全体を活性化させる取り組みを開始しました。同社飲料事業では、「デア」などの乳飲料の販売数量が引き続き前年を上回って推移したものの、果汁飲料、チーズ等の販売数量が前年を下回り、飲料事業全体の販売数量も前年を下回りました。飲料事業の収益性向上のための事業構造改革については、計画の策定を完了し、一部実行段階へと移りました。
ブラジル経済は、物価上昇率の高止まりを背景に内需が低迷し、弱い外需とも相まって、景気後退局面に入り、厳しい市場環境が続きました。
ブラジルキリン社では、ビール主力ブランド「スキン」のプレゼンス最大化に努めましたが、6月から7月にかけて開催されたサッカー・ワールドカップをめぐり、競合他社との間で激しい競争が展開され、ワールドカップ終了後も流通在庫等の影響が続いたことなどから、ビールの販売数量は前年を下回りました。また、清涼飲料の販売数量も前年を下回る結果となりました。このような状況の中、サプライチェーン効率化による収益性向上の取組みを着実に進めました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業においては、酒類事業の増収増益に加え為替影響もあり、売上高、営業利益ともに増加しました。海外その他綜合飲料事業においては、売上高は増加しましたが、ブラジルキリン社の営業損失増加などにより、全体の営業損失も増加しました。
⦅医薬・バイオケミカル事業⦆
医薬事業では、協和発酵キリン㈱の国内販売において、抗アレルギー剤「アレロック」及び抗アレルギー点眼剤「パタノール」は、花粉飛散量の減少に加え、「アレロック」についてジェネリック医薬品の浸透が進んだ影響により、売上高が前年を下回りました。主力製品である腎性貧血治療剤「ネスプ」は堅調に推移したほか、その他の主要な医薬品も順調に伸張し、9月には尋常性乾癬治療剤「ドボベット」をレオ ファーマ社と共同で発売しましたが、国内医薬品全体の売上高は、4月に実施された薬価基準引下げの影響等により前年を下回りました。医薬品の輸出及び技術収入では、輸出は堅調に推移したものの、技術収入が減少し、売上高は減少しました。海外では、プロストラカン社の主力製品が順調に伸張したほか、8月5日に、プロストラカン社同様に疼痛・がん・クリティカルケア※の領域に強みを持つ英国のアルキメデス社を買収し、事業基盤の更なる強化を図りました。これにより、連結業績には、買収が完了した8月以降のアルキメデス社及びその子会社の業績が含まれております。
バイオケミカル事業では、協和発酵バイオ㈱において、国内では、ジェネリック医薬品原薬の販売が伸張するなど堅調であったほか、ヘルスケア領域では、「オルニチン」をはじめとする通信販売事業の売上高が前年を上回りました。また、海外の売上高は、円安の影響もあり、前年を上回りました。
これらの結果、バイオケミカル事業の売上高、営業利益は増加しましたが、医薬事業の売上高、営業利益が減少したことにより、医薬・バイオケミカル事業全体としては、売上高、営業利益ともに減少しました。
※ クリティカルケア:重篤な疾患などにより生命の危機に陥っている患者さんに対して行われる集中治療の意味です。
⦅その他事業⦆
小岩井乳業㈱では、引き続き、主力商品「小岩井 生乳100%ヨーグルト」の顧客接点拡大の活動に注力し、販売数量が前年を大幅に上回りました。輸入原料の為替影響及び国内原料の供給不足による価格高騰等の影響を受けましたが、生産・物流コスト削減などに努めました。
これらの結果、小岩井乳業㈱は増収増益となりましたが、その他事業全体としては、キリン協和フーズ㈱が連結対象外となったこともあり、売上高、営業利益とも減少しました
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、商品及び製品、有形固定資産、無形固定資産等が増加したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金等の減少により、前連結会計年度末に比べ647億円減少して2兆8,317億円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金、未払法人税等、未払酒税(流動負債「その他」)の減少等により、前連結会計年度末に比べ720億円減少して1兆5,236億円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ73億円増加して1兆3,080億円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、393億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
前第3四半期連結会計期間期首をもって、キリン協和フーズ㈱を当社の連結範囲から除外したことにより、当第3四半期連結累計期間において、その他事業の生産実績は67億円(前年同期比61.7%減)、販売実績は179億円(前年同期比64.9%減)と著しく減少しました。
当第3四半期連結累計期間(平成26年1月1日~平成26年9月30日)における世界経済は、米国の雇用情勢が良好に推移し、企業業績も好調さが見られるなど、一部の先進国経済が堅調であった一方、世界的に需要は低調で、長期化する地政学的要因の影響も加わり、欧州経済の先行きに対する懸念や新興国の成長ペース鈍化等の要素も抱えつつ推移しました。
このような世界経済のもと、わが国経済は、輸出が伸びない中でも、企業による設備投資が下支えとなって緩やかな回復が続きました。個人消費については、消費税率引き上げにより大きな振れが生じ、その後の回復には、夏場の天候不順による下押しもあり、足踏みがみられました。
キリングループは、長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:KV2021)実現に向けた最初のステージである「キリングループ2013年-2015年中期経営計画」に基づき、キリングループの「ブランドを基軸とした経営」を展開しながら、各地域統括会社が市場環境に応じた自律的な経営を行いました。一方で、中期経営計画で想定した成長ペースと乖離が発生している現状を踏まえ、中期経営計画後半及び2016年以降における持続的成長の実現に向け、中長期的視点で計画の策定に着手しました。
当第3四半期連結累計期間の連結売上高及び連結営業利益は、日本綜合飲料事業における販売数量の減少、医薬事業における薬価基準引き下げの影響及び技術料収入の減少に加え、キリン協和フーズ㈱(現MCフードスペシャリティーズ㈱、以下同じ)が前年度第3四半期から連結対象外となったこと等の影響もあり、減少しました。連結経常利益も減少し、連結四半期純利益については、フレイザー・アンド・ニーヴ社の株式譲渡によって投資有価証券売却益等を計上した前年同期に比べ、大幅に減少しました。
| 連結売上高 | 1兆6,082億円 | (前年同期比 | 4.1%減 ) |
| 連結営業利益 | 807億円 | (前年同期比 | 24.8%減 ) |
| 連結経常利益 | 736億円 | (前年同期比 | 26.1%減 ) |
| 連結第3四半期純利益 | 220億円 | (前年同期比 | 73.7%減 ) |
| (参考) | |||
| 平準化EBITDA ※ | 1,978億円 | (前年同期比 | 12.0%減 ) |
| 平準化EPS ※ | 83円 | (前年同期比 | 8.8%減 ) |
※ 平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額 + 持分法適用関連会社からの受取配当金
平準化EPS = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数
平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益
なお、平準化EBITDAは億円未満切捨てで表示しており、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。
なお、株主還元の更なる充実を図るため、公開買付けの手法により自己株式の取得を実施しました。当社大株主を含めた応募株主から、総額約197億円にて株式総数約1,599万株を5月に取得しました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
⦅日本綜合飲料事業⦆
当第3四半期の国内酒類・飲料市場では、4月に実施された消費増税に伴う駆け込み消費はありましたが、その反動及び夏場の天候不順による需要減が長引きました。これらの環境変化に対応しながら、「ブランドを基軸とした経営」の考え方に基づいた主力ブランド強化、お客様にとっての新しい価値の創造に一貫して取り組みました。
キリンビール㈱では、最重点ブランド「キリン一番搾り生ビール」について、広告、店頭でのブランドセミナー、工場、コンセプトショップ、「一番搾り プレミアム」を投入したギフト市場等あらゆる顧客接点で、その製法へのこだわりを訴求する活動に取り組みました。9月から開始した販促キャンペーンも奏功し、家庭用の缶の販売数量は増加しましたが、業務用の樽が減少し、「一番搾り」全体の販売数量は減少しました。発泡酒カテゴリーでは、機能性商品市場の拡大に対応し、「淡麗」ブランドから、プリン体0.00と糖質0の両方を実現した「淡麗プラチナダブル」を9月に発売し、わずか4週間で当初の年間販売目標である120万ケース※1の8割を達成しました。新ジャンル「キリン のどごし⦅生⦆」は、プレゼンスの向上に努めましたが、販売数量が減少しました。市場が拡大しているRTD※2では、「キリン 氷結」ブランドから、凍らせて飲むRTDの新提案「キリン 氷結アイススムージー」を一部地域のコンビニエンスストア及び球場で発売しました。また、6月に発売したほろにがい味覚が特長の「キリンチューハイ ビターズ」の販売が好調に推移し、年間販売予定数を発売当初の3倍である300万ケース※3に上方修正しました。
メルシャン㈱では、今後更に注目が集まることが予想される日本産ブドウを100%使用した日本ワインである「シャトー・メルシャン」の新商品及び新ヴィンテージを9月に発売しました。また、日常的なワイン飲用文化が浸透するにつれ拡大を続ける国内ワイン市場において、堅調な「無添加・有機」カテゴリーで、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン ふくよか赤」の小容量180mlサイズを新たに発売しました。
キリンビバレッジ㈱では、夏場の天候不順の影響もあり、清涼飲料全体の販売数量が前年を下回りましたが、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」の販売数量が前年を上回り、「キリン 午後の紅茶」ブランド全体でほぼ前年並みの販売数量となりました。「キリン 世界のKitchenから」ブランドの販売数量は前年を下回りましたが、8月及び9月に、過去に好評を得た商品をリニューアルして発売し、ラインアップの拡充を行いました。
その他、日本綜合飲料事業全体でのコスト削減に継続して取り組みました。
これらの結果、RTD、ワインの販売数量は前年を上回りましたが、ビール類及び清涼飲料の販売数量が減少し、売上高、営業利益ともに減少しました。
※1 大びん換算によります。
※2 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料でReady to Drinkの略です。
※3 250ml×24本換算によります。
| 日本綜合飲料事業連結売上高 | 8,390億円 | (前年同期比 | 3.7%減 ) |
| 日本綜合飲料事業連結営業利益 | 364億円 | (前年同期比 | 24.3%減 ) |
⦅海外綜合飲料事業⦆
豪州経済は、全体としては緩やかな回復基調が続きましたが、雇用環境の改善が進まず、個人消費は住宅価格上昇等の資産効果を除けば低調に推移し、厳しい市場環境が続きました。
ライオン社酒類事業では、基盤ブランドの強化及び成長カテゴリーでの販売強化を引き続き進めました。縮小が続く豪州ビール市場において、ライオン社ビール全体の販売数量は前年を下回りましたが、主力ブランド「フォーエックス・ゴールド」は前年並の販売数量を維持しました。成長カテゴリーでは、輸入プレミアムビールの販売数量が前年を上回ったほか、「ジェームス・スクワイア」、「リトル・クリーチャーズ」などのクラフトビールの販売が好調に推移しました。また、豪州ビール市場のリーディングカンパニーとして、ビール市場全体を活性化させる取り組みを開始しました。同社飲料事業では、「デア」などの乳飲料の販売数量が引き続き前年を上回って推移したものの、果汁飲料、チーズ等の販売数量が前年を下回り、飲料事業全体の販売数量も前年を下回りました。飲料事業の収益性向上のための事業構造改革については、計画の策定を完了し、一部実行段階へと移りました。
ブラジル経済は、物価上昇率の高止まりを背景に内需が低迷し、弱い外需とも相まって、景気後退局面に入り、厳しい市場環境が続きました。
ブラジルキリン社では、ビール主力ブランド「スキン」のプレゼンス最大化に努めましたが、6月から7月にかけて開催されたサッカー・ワールドカップをめぐり、競合他社との間で激しい競争が展開され、ワールドカップ終了後も流通在庫等の影響が続いたことなどから、ビールの販売数量は前年を下回りました。また、清涼飲料の販売数量も前年を下回る結果となりました。このような状況の中、サプライチェーン効率化による収益性向上の取組みを着実に進めました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業においては、酒類事業の増収増益に加え為替影響もあり、売上高、営業利益ともに増加しました。海外その他綜合飲料事業においては、売上高は増加しましたが、ブラジルキリン社の営業損失増加などにより、全体の営業損失も増加しました。
| オセアニア綜合飲料事業連結売上高 | 3,594億円 | (前年同期比 | 0.6%増 ) |
| オセアニア綜合飲料事業連結営業利益 | 236億円 | (前年同期比 | 2.1%増 ) |
| 海外その他綜合飲料事業連結売上高 | 1,589億円 | (前年同期比 | 4.0%増 ) |
| 海外その他綜合飲料事業連結営業損失 | △54億円 | (前年同期比 | ― ) |
⦅医薬・バイオケミカル事業⦆
医薬事業では、協和発酵キリン㈱の国内販売において、抗アレルギー剤「アレロック」及び抗アレルギー点眼剤「パタノール」は、花粉飛散量の減少に加え、「アレロック」についてジェネリック医薬品の浸透が進んだ影響により、売上高が前年を下回りました。主力製品である腎性貧血治療剤「ネスプ」は堅調に推移したほか、その他の主要な医薬品も順調に伸張し、9月には尋常性乾癬治療剤「ドボベット」をレオ ファーマ社と共同で発売しましたが、国内医薬品全体の売上高は、4月に実施された薬価基準引下げの影響等により前年を下回りました。医薬品の輸出及び技術収入では、輸出は堅調に推移したものの、技術収入が減少し、売上高は減少しました。海外では、プロストラカン社の主力製品が順調に伸張したほか、8月5日に、プロストラカン社同様に疼痛・がん・クリティカルケア※の領域に強みを持つ英国のアルキメデス社を買収し、事業基盤の更なる強化を図りました。これにより、連結業績には、買収が完了した8月以降のアルキメデス社及びその子会社の業績が含まれております。
バイオケミカル事業では、協和発酵バイオ㈱において、国内では、ジェネリック医薬品原薬の販売が伸張するなど堅調であったほか、ヘルスケア領域では、「オルニチン」をはじめとする通信販売事業の売上高が前年を上回りました。また、海外の売上高は、円安の影響もあり、前年を上回りました。
これらの結果、バイオケミカル事業の売上高、営業利益は増加しましたが、医薬事業の売上高、営業利益が減少したことにより、医薬・バイオケミカル事業全体としては、売上高、営業利益ともに減少しました。
※ クリティカルケア:重篤な疾患などにより生命の危機に陥っている患者さんに対して行われる集中治療の意味です。
| 医薬・バイオケミカル事業連結売上高 | 2,327億円 | (前年同期比 | 5.0%減 ) |
| 医薬・バイオケミカル事業連結営業利益 | 282億円 | (前年同期比 | 34.8%減 ) |
⦅その他事業⦆
小岩井乳業㈱では、引き続き、主力商品「小岩井 生乳100%ヨーグルト」の顧客接点拡大の活動に注力し、販売数量が前年を大幅に上回りました。輸入原料の為替影響及び国内原料の供給不足による価格高騰等の影響を受けましたが、生産・物流コスト削減などに努めました。
これらの結果、小岩井乳業㈱は増収増益となりましたが、その他事業全体としては、キリン協和フーズ㈱が連結対象外となったこともあり、売上高、営業利益とも減少しました
| その他事業連結売上高 | 179億円 | (前年同期比 | 64.9%減 ) |
| その他事業連結営業利益 | 23億円 | (前年同期比 | 18.9%減 ) |
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、商品及び製品、有形固定資産、無形固定資産等が増加したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金等の減少により、前連結会計年度末に比べ647億円減少して2兆8,317億円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金、未払法人税等、未払酒税(流動負債「その他」)の減少等により、前連結会計年度末に比べ720億円減少して1兆5,236億円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ73億円増加して1兆3,080億円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、393億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
前第3四半期連結会計期間期首をもって、キリン協和フーズ㈱を当社の連結範囲から除外したことにより、当第3四半期連結累計期間において、その他事業の生産実績は67億円(前年同期比61.7%減)、販売実績は179億円(前年同期比64.9%減)と著しく減少しました。