四半期報告書-第185期第2四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/09 15:05
【資料】
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【項目】
39項目
(1) 業績の状況
連結業績サマリー
・ 当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)の連結売上収益は、前年実施した価格改定によって単価上昇した国内ビール・スピリッツ事業及び国内飲料事業、継続的に価格改定を行っているオセアニア酒類事業に加え、円安影響等により、医薬事業とコーク・ノースイーストが増収となり、結果として全ての報告セグメントが増収となりました。
・ 連結事業利益※は、ブランド育成のための投資を強化したオセアニア酒類事業や研究開発費等の費用が増加した医薬事業が減益となった一方で、前年実施した価格改定効果が想定通り発現している国内ビール・スピリッツ事業や販売が好調のコーク・ノースイーストが前年を上回ったことから、全体では増益となりました。
・ 親会社の所有者に帰属する四半期利益は、ミャンマー・ブルワリー社の株式譲渡に伴う子会社株式売却損(その他の営業費用)などにより、減益となりました。
・ 当第2四半期連結累計期間の為替影響について、原材料等の調達においては減益要因になったものの、在外営業活動体の財務諸表の日本円への換算に際しては増益要因となりました。換算レートについては、対米ドル平均為替レート(1米ドル当たり136.54円)は前年同期比12.02円の円安、対豪ドル平均為替レート(1豪ドル当たり91.56円)は前年同期比2.68円の円安となり、前年同期比の為替の影響は、売上収益では約253億円の増収要因、事業利益では約30億円の増益要因となりました。
※ 事業利益:事業の経常的な業績を測る利益指標で、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して計算
連結売上収益9,702億円(前年同期比5.8%増)
連結事業利益752億円(前年同期比4.3%増)
連結税引前四半期利益571億円(前年同期比40.1%減)
親会社の所有者に帰属する四半期利益320億円(前年同期比42.2%減)
(参考)
平準化EPS※73円(前年同期比14.1%増)

※ 平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化四半期利益 / 期中平均株式数
平準化四半期利益 = 親会社の所有者に帰属する四半期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
セグメント別の業績は次のとおりです。
<国内ビール・スピリッツ事業>キリンビール㈱
・ 売上収益は、外食需要の回復に伴い業務用チャネルの販売数量が増加したことや前年実施した価格改定による単価増が寄与し、増収となりました。
・ 業務用チャネルの販売数量は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行したことによる外食需要の回復により、前年を3割上回って推移しました。
・ 家庭用チャネルの販売数量は、外食需要の回復に伴い家飲み需要が減退した影響で前年を下回り、市場並みに推移しました。
・ 主力ブランドの「一番搾りブランド」は、主に業務用チャネルが牽引し好調に推移しました。
・ また注力する「スプリングバレーブランド」は、前年発売したシルクエール〈白〉の増分に加え、サマークラフトエール〈香〉の発売も寄与し好調に推移しました。
・ 事業利益は、原材料等の高騰影響を上回る価格改定効果等により増益となりました。なお、販売費は前年の上期に投資を多く配分したため反動で減少しておりますが、年初計画に基づきブランド投資を強化していきます。
国内ビール・スピリッツ事業連結売上収益3,180億円(前年同期比4.8%増)
国内ビール・スピリッツ事業連結事業利益327億円(前年同期比48.4%増)

<国内飲料事業>キリンビバレッジ㈱
・ 売上収益は、前年実施した価格改定効果などにより、増収となりました。
・ プラズマ乳酸菌入り飲料の売上収益は、既存商品の好調に加えて、新商品が寄与し前年同期比で大きく増収となりました。
・ また、主力ブランドである「午後の紅茶」や「生茶」は前年実施した価格改定の影響で数量は減少したものの、売上収益は増収となりました。
・ 事業利益は、原材料等の高騰影響を価格改定効果で相殺したものの、販売数量の減少や販売費の増加により、減益となりました。
国内飲料事業連結売上収益1,154億円(前年同期比1.6%増)
国内飲料事業連結事業利益55億円(前年同期比19.4%減)

<オセアニア酒類事業>Lion㈱
・ 売上収益は、現地通貨ベース、円ベース共に増収となりました(前年同期比 現地通貨ベース+4.8%、円ベース+8.0%)。
・ 豪州・NZは、消費者信頼感指数が30年ぶりの低水準となる中でもFermentumの販売数量増に加え、Hahnの販売好調、価格改定効果などにより増収となりました。
・ 北米クラフトビールは、「Voodoo Ranger」ブランドの販売好調やBell'sのモメンタム改善、価格改定効果により、増収となりました。
・ 事業利益は、現地通貨ベース、円ベースのいずれにおいても減益となりました(前年同期比 現地通貨ベース△31.3%、円ベース△29.3%)。
・ 原材料等の高騰影響は価格改定効果で相殺するも、主力ブランド等へのマーケティング投資を強化したことにより、減益となりました。
オセアニア酒類事業連結売上収益1,255億円(前年同期比7.9%増)
オセアニア酒類事業連結事業利益79億円(前年同期比29.3%減)


<医薬事業>・ 日本の売上収益は、「ダーブロック」、「ロミプレート」、「クリースビータ」などが伸長したものの、2022年4月及び2023年4月の薬価改定影響等により減収となりました。
・ 海外の売上収益は、EMEAにおけるエスタブリッシュト医薬品の売上の減少や、中国の一部地域で始まった集中購買制度の影響による「Gran」の売上の減少があったものの、北米、EMEAにおいてグローバル戦略品である「Crysvita」、「Poteligeo」の売上が対前年で増加したほか、アジア/オセアニアにおいて「Crysvita」の売上が増加し、増収となりました。
・ その他の売上収益は、ベンラリズマブ等の技術収入の増加により、増収となりました。
・ 事業利益は、北米を中心としたグローバル戦略品の売上収益の伸長及び技術収入の増収に伴う売上総利益の増加があったものの、2023年4月27日からの北米での「Crysvita」自社販売開始に向けた人件費等の増加や、グローバル事業基盤の確立に向けたITデジタル基盤や人材への投資による販売費及び一般管理費の増加に加え、KHK4083などの開発進展に伴う研究開発費の増加があったため、対前年で減益となりました。
医薬事業連結売上収益1,990億円(前年同期比7.6%増)
医薬事業連結事業利益361億円(前年同期比3.9%減)

<その他>コーク・ノースイースト社
・ 売上収益は、値上げ実施後も消費が底堅く推移しており、増収となりました(前年同期比 現地通貨ベース+14.7%、円ベース+25.8%)。
・ 事業利益は、人件費の高騰を受けるも、売上収益の増加や原材料費の落ち着きに加え、コスト最適策を講じたことにより対前年で増益となりました(前年同期比 現地通貨ベース+39.9%、円ベース+53.4%)。
協和発酵バイオ㈱
・ 売上収益は、医療用アミノ酸製品の需要の減少などがあるも、他の製品の売上増などにより、増収となりました(前年同期比 +3.3%)。
・ 事業利益は、アミノ酸製品の想定以上の販売減や原材料・燃料価格の高騰による収益性悪化などのため、減益となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産は、前年度末が休日であったこと等による営業債権及びその他の債権の減少があったものの、現金及び現金同等物、棚卸資産の増加等により前年度末に比べ553億円増加して2兆5,976億円となりました。
資本は、為替変動の影響等によるその他の資本の構成要素の増加等により、前年度末に比べ791億円増加して1兆3,323億円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパーの増加等による社債及び借入金(流動)の増加があったものの、その他の金融負債(非流動)、その他の流動負債の減少等により、前年度末に比べ237億円減少して1兆2,653億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ519億円増加の1,400億円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年同期に比べ121億円増加の589億円となりました。運転資金の流出は149億円増加、法人所得税の支払額は180億円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は前年同期に比べ226億円減少の560億円となりました。投資の売却により64億円の収入がありました。一方、有形固定資産及び無形資産の取得については、前年同期に比べ217億円増加の591億円を支出、また子会社株式の売却により50億円を支出しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収入は前年同期に比べ127億円増加の156億円となりました。配当金の支払により363億円、長期借入金の返済により317億円、社債の償還により300億円の支出がありました。一方、コマーシャル・ペーパーの増加により720億円、長期借入により503億円の収入がありました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、391億円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。