有価証券報告書-第181期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 15:32
【資料】
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【項目】
88項目
文中における将来に関する事項は、当年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の状況
①事業全体の状況
キリングループは、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指しています。2019年は「キリングループ2019年-2021年中期経営計画(略称:2019年中計)」に基づき事業活動に取り組んできました。
国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業、オセアニア綜合飲料事業では、主力ブランドへの集中戦略を図りました。日本は冷夏や自然災害の多発、消費税増税という厳しい環境のもとにありましたが、国内ビール・スピリッツ事業ではキリンビール㈱が、国内飲料事業ではキリンビバレッジ㈱が市場を上回る成長を実現しました。さらに、オセアニア綜合飲料事業では酒類事業・飲料事業双方における将来の成長に向けて、飲料事業の売却先を決定しました。医薬事業ではグローバル戦略3品の価値最大化を通じて、キャッシュ創出力の向上を図りました。さらに、事業環境の不確実性が高い時代に社会課題を成長機会に変えていくため、キリングループならではの強みを活かしたヘルスサイエンス領域の具体化を進めました。4月に協和キリン㈱の傘下にあった協和発酵バイオ㈱を当社の直接の子会社とし、8月には㈱ファンケルと資本業務提携契約を締結しました。政策保有株式の見直しも進め、追加的株主還元として11月に上限1,000億円の自己株式取得を決定し、株主還元の充実を図りました。
2019年実績2018年実績対前年増減対前年増減率
連結売上収益1兆9,413億円1兆9,305億円108億円0.6%
連結事業利益1,908億円1,993億円△86億円△4.3%
連結営業利益877億円1,983億円△1,106億円△55.8%
連結税引前利益1,168億円2,469億円△1,300億円△52.7%
親会社の所有者に帰属する当期利益596億円1,642億円△1,046億円△63.7%

(重要成果指標)
ROIC※5.2%12.0%
平準化EPS158円167円△9円△5.4%

※会計方針の変更に伴い、2018年実績のROICを遡及修正しております。
(2019年中計 重要成果指標目標※)
成果指標2019年中計目標2019年実績
ROIC10%以上5.2%
平準化EPS 年平均成長率5%以上160円

※ 財務指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変動による影響等を除くこととしております。従って、実績値は為替影響等控除後に置き換えております。
これらの結果、当年度の売上収益は、国内飲料事業及び医薬事業の増収により増加しました。事業利益は、国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業の利益成長やグローバル戦略品が成長している医薬事業の増益が貢献しましたが、競争環境の厳しいオセアニア綜合飲料事業は為替の影響もあり利益が減少し、全体としては減益となりました。営業利益は、オセアニア綜合飲料事業の飲料事業の譲渡の検討を進めていく中で事業資産の公正価値評価を行った結果、減損損失を計上したため大幅な減益となりました。税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少に加え、前年同期にキリン・アムジェン社の全株式譲渡に伴う売却益等を計上した反動で、大幅な減益となりました。
重要成果指標について、ROICは前年度から大幅に減少しましたが、これは当年度に計上したオセアニア綜合飲料事業での減損損失及び前年度におけるキリン・アムジェン社株式の売却益等の一時的な要因が大きく影響しております。この影響を除いた実力値としてみると2019年中計目標である10%以上を目指すことは可能と考えております。また、当社グループのWACCは6%程度と算定しており、ROIC10%を最低としてそれ以上の水準を目指し、長期的に継続して投下資本効率を高めていきます。平準化EPSについては、前年度に対しては減少していますが、各事業で進捗に差はあるものの全体としては計画通りに利益を創出していることに加え、自己株式の取得も寄与し、中計初年度の計画値に対しては予定通り進捗しました。引き続き2019年中計の財務目標達成に向け、企業価値向上を果たしていきます。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
セグメント別の業績は次のとおりです。
2019年実績2018年実績対前年増減対前年増減率
連結売上収益1兆9,413億円1兆9,305億円108億円0.6%
国内ビール・スピリッツ6,819億円6,851億円△32億円△0.5%
国内飲料2,868億円2,830億円38億円1.4%
オセアニア綜合飲料2,997億円3,295億円△298億円△9.0%
医薬3,049億円2,704億円344億円12.7%
その他3,680億円3,625億円55億円1.5%
連結事業利益1,908億円1,993億円△86億円△4.3%
国内ビール・スピリッツ852億円827億円25億円3.0%
国内飲料264億円233億円30億円13.0%
オセアニア綜合飲料414億円518億円△105億円△20.2%
医薬554億円504億円50億円9.9%
その他△175億円△89億円△86億円


連結売上収益 対前年分析 連結事業利益 対前年分析

<国内ビール・スピリッツ事業>キリンビール㈱は、従業員一人一人がお客様の徹底的な理解に努め、広告から店頭まで一貫したマーケティング活動を展開しました。主力ブランドに投資を集中し、10年先を見据えた強固なブランド体系の構築を進めました。
フラッグシップブランドの「キリン一番搾り生ビール」の活動に引き続き注力し、缶商品の販売数量は3年続けて前年増(+3%)となりました。新ジャンルカテゴリーでは「本麒麟」が前年比6割増と大きく伸長しました。その結果、ビール類市場全体が15年連続で減少を続ける中、キリンビール㈱のビール類全体の販売数量は2年連続で前年増を達成しました。また、新たなビール文化の創造を目指しクラフトビール市場の拡大をさらに進めました。「Tap Marché(タップ・マルシェ)」の展開店舗数は前年比約2倍の13,000店まで増加しました。CSV重点課題である“地域社会・コミュニティ”への貢献に向けて、各地のクラフトブルワリーと協働しながら、日本産ホップの価値向上とクラフトビール市場の活性化を図りました。RTDカテゴリーでは、主力商品の「キリン 氷結」、注力する「キリン・ザ・ストロング」、「キリン 本搾りTMチューハイ」の3本柱がそれぞれ好調で、カテゴリー全体の販売数量は6.3%増加しました。
これらの結果、国内ビール・スピリッツ事業のビール類の販売数量は増加(+0.3%)しましたが、需要が高まった新ジャンルやRTDカテゴリーの構成比が拡大したために、売上収益は0.5%減少し6,819億円となりました。また、ビールカテゴリーの比率低下や物流費高騰に伴って変動費が増加し限界利益は減少しましたが、販売数量を増加させながら販売費の削減及び固定費の抑制を行ったことにより、事業利益は3.0%増加し852億円となりました。
<国内飲料事業>キリンビバレッジ㈱は “成長による利益創出”を目指し、強固なブランド体系の構築と、物流体制の整備等による事業基盤の強化を進めました。基盤ブランドの「キリン 午後の紅茶」は、3月発売の「ザ・マイスターズ ミルクティー」や6月にリニューアルした「おいしい無糖」が大変好調で、年間販売数量が過去最高(5,540万ケース、+9%)となりました。コーヒーの「キリン ファイア」も、4月発売の「ワンデイ ブラック」が牽引し販売数量が増加(+4%)しました。一方「キリン 生茶」は、5月に行った大型ペットボトル容器の価格改定の影響等により販売数量が減少(△3%)しました。また、将来への種まきとして、健康領域の新たなビジネスモデルである「KIRIN naturals(キリン ナチュラルズ)」の全国展開を開始しました。
これらの結果、売上収益は販売数量の増加等により、1.4%増加し2,868億円となりました。また、事業利益については、物流費高騰によるマイナス影響はありましたが、売上収益の増加、広告費の効率化等により、13.0%増加し264億円となりました。
<オセアニア綜合飲料事業>ライオン社酒類事業は、注力ブランドに集中投資し、成長カテゴリーにおけるブランド強化を図りました。その結果、注力ブランドの「ファーフィー」、「アイアン・ジャック」の販売数量が増加しました。しかしながら、上期に競合他社が営業攻勢を強めた影響や、ブランド投資を含む販促費やSCMコストの増加等により、事業利益が大きく減少(現地通貨ベース△58百万豪ドル)しました。一方で、新たな成長軸の確立に向けて、クラフトビールやプレミアムクラフト飲料への投資を進めました。クラフトビールについては、英国で2018年に株式取得したフォーピュア社に加え、マジックロック社を完全子会社化しました。米国でもニュー・ベルジャン・ブルーイング社の株式取得を決定し、クラフトビール事業の海外展開を進めました。
ライオン社飲料事業は、主力商品の乳飲料「デア」の販売が堅調でした。しかしながら、干ばつ等の異常気象が原料乳の価格や安定供給に影響を及ぼしたため、事業利益が大きく減少(現地通貨ベース△42百万豪ドル)しました。
なお当社とライオン社は、2018年度においてライオン社飲料事業の将来の成長に向けた戦略的な選択肢を検討した結果、同社飲料事業の譲渡が最善策と判断し、株式譲渡の検討を進めてきました。チーズ事業については、2019年10月にカナダの乳業大手サプート社の子会社へ譲渡が完了しております。さらに、11月には牛乳・乳飲料・ヨーグルト・果汁飲料等の事業について、中国蒙牛乳業有限公司の子会社に譲渡する契約を締結しました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業全体では、現地通貨ベースで酒類事業と飲料事業が共に減収減益となったことに加え、前年同期よりも豪ドル安・円高が進行したため、円ベースでの売上収益は9.0%減少し2,997億円、事業利益は20.2%減少し414億円となりました。
<医薬事業>協和キリン㈱は、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍フェーズを迎えました。事業のグローバル化に対応するために、日本、EMEA、北米、アジア/オセアニアの地域軸と、地域を越えた機能軸のマトリックスによるグローバルマネジメント体制「One Kyowa Kirin」の構築を進めました。欧米では「Crysvita」、「Poteligeo」が大幅に伸長し、売上が大きく増加しました。また、2019年10月から米国で「Nourianz」の販売を開始したことで、欧米におけるグローバル戦略3品の上市が実現しました。国内では、長期収載品や「ネスプ」の特許切れに伴う売上の減少はありましたが、「ジーラスタ」、「オルケディア」等の新製品群が好調に推移しました。パイプラインの開発も引き続き推進しています。
これらの結果、海外医薬品売上が大幅に増加したため、売上収益は12.7%増加し3,049億円となりました。海外での販売体制構築に伴う販管費の増加やパイプライン強化に伴う研究開発費の増加がありましたが、売上収益の増加がこれらを上回ったため、事業利益も9.9%増加し554億円となりました。
また、その他の主な各事業の業績は以下の通りです。
(メルシャン㈱)
メルシャン㈱は、ワイン各カテゴリーにおいて注力ブランドへの集中戦略を実行し、収益性の改善を目指しました。日本ワインの「シャトー・メルシャン」の販売数量は前年比2割増となり、大変好調でした。9月には長野県上田市に椀子ワイナリーをオープンし、“地域社会・コミュニティ”との結び付きを一段と強化しました。間口拡大に向けた新商品「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」も好調でした。注力ブランドの販売は概ね堅調でしたが、日欧EPA発効の影響でチリワインの販売数量が減少したこと等により、ワイン全体の販売数量は減少(△5%)しました。これらの結果、売上収益は1.4%減少し639億円、事業利益は15.5%減少し22億円となりました。
(ミャンマー・ブルワリー社)
ミャンマーは、経済成長に伴うアルコール飲用人口や飲用頻度の増加により、ビール市場が急拡大しています。ミャンマー・ブルワリー社は「CSV」、「マーケティング」、「マネジメントシステム」の三つをキードライバーとした各種の取り組みを進めました。特に投資を集中した主力商品「ミャンマービール」とエコノミーカテゴリーの「アンダマン ゴールド」の貢献で、販売数量が前年比2割増と大幅に増加しました。これらの結果、売上収益は24.4%増加し326億円、事業利益は27.8%増加し129億円となりました。
(コーク・ノースイースト社)
事業エリア拡大後に2018年から進めてきた工場再編を完了し、組織の一体化に向けて社名と理念体系を変更しました。販売面では炭酸水等が好調で、販売数量が増加しました。加えて業務プロセスを再構築し、徹底的な構造改革を進めたことがコスト削減につながり、利益率が向上しました。これらの結果、売上収益は0.6%増加し1,326億円、事業利益は86.0%増加し53億円となりました。
(協和発酵バイオ㈱)
当社は、協和発酵バイオ㈱の価値最大化と協和キリン㈱の医薬事業への経営資源集中を目的に、4月に協和キリン㈱から協和発酵バイオ㈱株式の95%を譲り受けました。ファインケミカル事業では水産飼料用アミノ酸が、通信販売事業では「シトルリンZn」の販売が好調でした。また、機能性表示食品であるサプリメントの上市や、キリングループで開発した新商品「iMUSE(イミューズ) eye KW乳酸菌」の取り扱いを開始し、商品ラインアップを拡充しました。一方、2018年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から品質マネジメント及びデータインテグリティへの対応が不十分である等の指摘を受け、協和発酵バイオ㈱の防府工場における品質保証体制の見直しと改善に取り組んできました。その過程において、承認時の製造手順とは異なる製造が行われていた事実を発見したため、2019年9月に製造と出荷を自主的に停止し、安全性の確認に努めました。12月には、山口県から業務停止ならびに業務改善命令の行政処分を受けました。これらの結果、売上収益は4.2%減少し749億円、事業利益は71.4%減少し23億円となりました。
かかる事態の発生を真摯に受け止め、キリングループでは、客観性と独立性を担保した第三者が主導するグループ調査委員会を立ち上げて事実関係を精査し、2020年1月には、同委員会から原因と再発防止策等が報告されました。この報告に基づき、品質保証体制の再構築にグループをあげて取り組み、組織風土も抜本的に改善し、今後、グループの成長を担う事業の一つとして再成長の軌道に戻していきます。
③生産、受注及び販売の状況
(ⅰ) 生産実績
当年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
国内ビール・スピリッツ671,811△1.0
国内飲料133,083△0.5
オセアニア綜合飲料298,441△10.9
医薬198,82066.5
その他239,967△2.9
合計1,542,1221.9

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ) 受注状況
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
(ⅲ) 販売実績
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
国内ビール・スピリッツ681,900△0.5
国内飲料286,8061.4
オセアニア綜合飲料299,733△9.0
医薬304,85212.7
その他368,0131.5
合計1,941,3050.6

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
三菱食品㈱215,64111.2225,05911.6

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
①事業全体の状況
当年度末の資産合計は、オセアニア綜合飲料事業におけるオセアニア飲料事業に係る固定資産(のれん、その他無形資産等)の帳簿価額の評価減やチーズ事業の売却、その他の金融資産(非流動)の減少等があったものの、持分法で会計処理されている投資の増加及び有形固定資産の増加等により、前年度末に比べ1,092億円増加して2兆4,129億円となりました。その他の金融資産(非流動)は、保有株式の時価減少、政策保有株式の売却等に伴い388億円減少しました。㈱ファンケルの株式の取得や、業績が好調に推移したサンミゲル・ビール社の持分法投資利益の増加等により、持分法で会計処理されている投資が1,442億円増加しました。有形固定資産の342億円の増加は、628億円のIFRS第16号適用による使用権資産の増加等によるものです。
資本は、利益剰余金は増加したものの、231億円の自己株式の増加及び446億円の非支配持分の減少、250億円のその他の資本の構成要素の減少等により、前年度末に比べ446億円減少して1兆1,468億円となりました。自己株式の増加は、株主還元のさらなる充実を図るため2019年11月に上限1,000億円の自己株式取得を発表し、当年度その一部を実施したことによるものです。非支配持分の減少は、協和キリン㈱による159億円の自己株式の取得及び消却等によるものです。その他の資本の構成要素の減少は、主に保有株式の時価減少に伴いその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動が減少したこと等によるものです。
負債は、社債及び借入金の増加及びその他の金融負債の増加等により、前年度末に比べ1,538億円増加して1兆2,660億円となりました。社債及び借入金は、適正な資本構成を維持しながら調達と返済を行っており、2019年9月に700億円の普通社債を発行した一方、2019年11月には約500億円の社債を償還した他、長期借入金の返済及び新規借入、1,270億円のコマーシャル・ペーパーの発行により、1,159億円増加しました。その他の金融負債は、664億円のIFRS第16号適用によるリース負債の増加等により、639億円増加しました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は37.6%、グロスDEレシオは0.59倍となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
<国内ビール・スピリッツ>当期末のセグメント資産は、繰延税金資産の減少等により、前年度末に比べ44億円減少して4,375億円となりました。繰延税金資産の減少は、主に将来減算一時差異の減少によるものです。
<国内飲料>当期末のセグメント資産は、有形固定資産の増加等により、前年度末に比べ2億円増加して1,745億円となりました。有形固定資産の増加は、IFRS第16号適用による使用権資産の増加等によるものです。
<オセアニア綜合飲料>当期末のセグメント資産は、現金及び現金同等物の増加等により、前年度末に比べ13億円増加して4,910億円となりました。現金及び現金同等物の増加は、セグメント間の借入によるものです。
<医薬>当期末のセグメント資産は、その他の金融資産(流動)の増加等により、前年度末に比べ1,005億円増加して7,251億円となりました。その他の金融資産(流動)の増加は、協和キリン㈱が協和発酵バイオ㈱の株式を譲渡したことで増加した現金及び現金同等物を、セグメント間で貸付したことによるものです。
(4) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー及び流動性の状況
当年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ74億円減少の1,657億円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年同期に比べ192億円減少の1,788億円となりました。主な要因は事業構造改善費用やソフトウェア開発関連費用等その他の営業費用が一時的に増加したためであり、減損損失等非資金損益項目も含めた税引前利益は1,300億円減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は前年同期に比べ2,230億円増加の1,756億円となりました。主な要因は㈱ファンケルの株式取得であり、持分法で会計処理されている投資の取得は前年同期に比べ1,190億円増加の1,345億円の支出となりました。また、有形固定資産及び無形資産の取得については、ソフトウェア関連の投資強化により前年同期に比べ85億円増加の964億円を支出、子会社株式の取得により45億円の支出がありました。一方、政策保有株式の縮減に向けた取組みを推進し投資の売却により373億円、ライオン社チーズ事業の売却により211億円、有形固定資産及び無形資産の売却により59億円の収入がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は前年同期に比べ2,167億円減少の100億円となりました。当年度より平準化EPSに対する連結配当性向を40%以上に引上げた配当を実施し、非支配持分を含めた配当金の支払いは652億円となりました。また、株主還元のさらなる充実を図るため2019年11月に上限1,000億円の自己株式取得を発表し、当年度は子会社実施分を含め459億円の支出がありました。また、適正な資本構成を維持しながら資金の調達と返済を行っており、その内訳はコマーシャル・ペーパーにより1,270億円、社債により700億円、長期借入により407億円の収入、長期借入金の返済により696億円、社債の償還により500億円の支出となりました。
上記の結果、財務戦略に則り、既存事業の成長とヘルスサイエンス領域の立ち上げを実現するとともに、株主還元のさらなる充実を図ることができました。
2020年度につきましても事業から創出したキャッシュを原資に生産能力の増強や米国ニュー・ベルジャン・ブルーイング社の株式取得等、引き続き事業の収益性強化に向けた投資を行う予定です。また、創出したフリーキャッシュ・フローについては安定的な配当を行った上で、第一優先的に食領域の成長投資に振り向け、ヘルスサイエンス領域の立ち上げ・育成にも使用していきます。なお、株主還元については、次年度も平準化EPSに対する連結配当性向40%以上を目処とし、前年度に発表した自己株式取得を着実に実施いたします。引き続き、利益成長によるキャッシュの創出力を高めながら、資本コストと財務柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持していく方針です。
②資本政策の基本的な方針
当社は、2019年中計にて策定した資本政策に基づき、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えております。
事業への資源配分については、酒類・飲料などの収益力の高い既存事業のさらなる強化・成長に資する投資(設備投資・事業投資)を最優先としながら、将来のキャッシュ・フロー成長を支える無形資産(ブランド・研究開発・ICT・人材など)及びヘルスサイエンス事業の立ち上げ・育成のための資源配分を安定的かつ継続的に実施します。なお、投資に際しては、グループ全体の資本効率を維持・向上させる観点からの規律を働かせます。
株主還元についても、経営における最重要課題の一つと考えており、1907年の創立以来、毎期欠かさず配当を継続しております。2019年中計より連結配当性向を引き上げ、「平準化EPSに対する連結配当性向40%以上」による配当を継続的に実施するとともに、最適資本構成や市場環境及び投資後の資金余力等を総合的に鑑み、機動的な追加的株主還元として自己株式取得の実施等を検討していきます。
資金調達については、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢に左右されない高格付けを維持しつつ、負債による資金調達を優先します。支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資金調達については、当社グループ長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)や2019年中計の目標の達成やステークホルダーへの影響等を十分に考慮し、取締役会にて検証及び検討を行った上で、株主に対する説明責任を果たします。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。
そのため、日本基準では、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」において、のれんの償却額が前年度において21,976百万円、当年度において19,234百万円発生することとなりますが、IFRSでは発生しておりません。

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